こんにちは、ITプロマガジンです。
近年「フリーランス」という働き方が増えていますが、フリーランスと個人事業主は何が違うのか、気になっている人も多いのではないでしょうか?
一見同じように見えますが、両者には違いがあります。フリーランスだからといって、必ずしも個人事業主と呼ばれるわけではありません。
この記事では、フリーランスと個人事業主の違い、合わせて自営業や法人との違いについてわかりやすく解説します。フリーランスや個人事業主になるメリット・デメリット、始め方も解説するので、ぜひ参考にしてください。
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フリーランス市場は売り手市場であるものの、いまだに正しいノウハウが確立されておらず、多くの方が案件探しに苦労されています。
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目次
- 1 フリーランスと個人事業主の違いとは?
- 2 フリーランスのメリット・デメリット
- 3 個人事業主(フリーランス)は開業届が必要?
- 4 開業届を出して個人事業主になる3つのメリット
- 5 開業届を出して個人事業主になるデメリット
- 6 個人事業開業届の手続き方法
- 7 フリーランス(個人事業主)になったら税金や社会保険はどうなる?
- 8 フリーランス(個人事業主)と会社員の手取り年収の違いは?
- 9 フリーランス(個人事業主)は青色申告と白色申告どちらをすべき?
- 10 フリーランス(個人事業主)が法人化するケースはある?
- 11 フリーランス(個人事業主)の年金対策
- 12 個人事業主が受けられる補助金や助成金
- 13 フリーランス(個人事業主)が仕事を獲得するには?
- 14 まとめ
フリーランスと個人事業主の違いとは?
フリーランスと個人事業主は、業務においては大きな差はありません。では一体、どのような点で違いがあるのでしょうか。
両者の違いを理解する為に、まずはフリーランスと個人事業主の意味について解説します。
フリーランスとは働き方を指す
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会は、フリーランスを「特定の企業や団体、組織に専従しない独立した形態で、自身の専門知識やスキルを提供して対価を得る人」と定義づけています。つまり、フリーランスとは、会社の看板を持たず、自分の裁量で働く人のことです。
フリーランスとして働く職業としては、ライターやデザイナー、フォトグラファーなどのクリエイティブ系などもありますが、最近はとくにフリーランスのITエンジニアが注目されています。
個人事業主とは税務上の区分
実は個人事業主も広義ではフリーランスとなりますが、税法上で明確な定義があります。個人事業主とは、税務署に個人事業主として開業届けを提出した人を指す名称です。そのため、手続きしていないフリーランスは個人事業主ではありません。
ですが、開業届を提出していなくても、案件は獲得できますし、当然納税義務なども発生します。従って、特に手続きなどをせず、今すぐにでも個人事業主(フリーランス)としての活動を始めることができます。
ではなぜフリーランスのなかには個人事業主になる人がいるのでしょうか。それは個人事業主になるとメリットを受けられるからです。この個人事業主のメリットと手続きの方法は後から詳しく解説します。
自営業との違いは?
フリーランスと似た言葉として「自営業」という言葉がありますが、フリーランスと自営業の違いは何でしょうか?実は両者は比較対象ではありません。自営業(主)とは自ら事業を営む人を指し、フリーランスという働き方も自営業に含まれます。
つまり上記図のように、自営業という大きな括りの中に、個人事業主という区分や、フリーランスという働き方があるのがイメージとして正しいでしょう。
なお社員がいない社長1人だけの会社(法人)を設立することは可能ですが、その場合も自営業となります。お店や事務所を開設している場合にも自営業といいます。このように、自営業とは、事業のやり方を指す名称です。
ちなみに、法人を設立した場合でも自営業と呼ばれることはありますが、個人事業主とは呼ばれません。法人と個人事業主では、設立に関する手続きや税金などがまったく異なるからです。
法人との違い
個人事業主は、開業届を提出するだけで起業できます。一方、法人になるには、登記が必要です。登記のためにさまざまな資料を用意したり、手続きに必要な費用を支払ったりしなければなりません。個人事業主として開業するよりも、法人を設立するほうが手間が多くかかります。
また、個人事業主と法人では、負担すべき税金にも違いがあります。個人事業主は所得税を納付しますが、法人は法人税の納付が義務です。さらに、個人事業主と法人は、経費として計上できる内容や負担すべき社会保険料の種類も異なります。両者はまったく別のルールに従って事業に取り組んでいます。
それぞれの違いや関係をまとめると?
ここまでで解説したとおり、フリーランスと個人事業主はそれぞれ意味に違いがあります。また、フリーランスや個人事業主との違いが分かりにくい自営業や法人なども、それぞれ定義が異なります。それぞれの違いや関係をまとめると、以下のとおりです。
用語 | 意味・特徴 |
---|---|
フリーランス | 会社と雇用関係を結ばない働き方のこと |
個人事業主 | ・フリーランスや自営業者の中で開業届を出した人 ・税務上の呼び方であり、一人社長(法人)は含まない |
自営業(主) | ・自ら事業を営む人の総称 ・フリーランスや個人事業主も包括する |
法人 | 法人として登記された組織 |
自営業は、自ら事業を営む人全般を表しています。そのため、個人事業主やフリーランスは、自営業に含まれる働き方や区分です。個人で運営されている法人も自営業に該当します。
フリーランスのメリット・デメリット
フリーランスという働き方には、メリットとデメリットの両方があります。ここでは、どのようなメリット・デメリットがあるか解説します。
フリーランスのメリット
フリーランスの働き方を選ぶメリットは、以下の3つです。
- 働く場所や時間の自由度が高い
- 好きな仕事を選ぶ
- 実績やスキル次第で収入アップできる
それぞれについて解説します。
働く場所や時間の自由度が高い
フリーランスは、働く環境についての自由度が高いです。実際に受注する案件にもよりますが、基本的には何かを作ったり作業したりして成果を出すのが仕事であり、いつどこで働くかについて制約がありません。たとえば、家やカフェなどで早朝や深夜に働くことも可能です。
好きな仕事を選ぶ
フリーランスは働き方のことであり、好きな仕事を選べます。ライター、デザイナー、フォトグラファー、ITエンジニアなどさまざまな仕事があり、自分の興味やスキルに応じて仕事を選べます。自分にとって本当にやりがいのある仕事を選びたい人にもおすすめです。
実績やスキル次第で収入アップできる
フリーランスは収入アップも目指せます。会社員のように給料が決まっているわけではないため、実績やスキルによっては高収入を得られるようになる可能性があります。そのため、ある程度の実績がついたら、積極的に単価の高い案件を狙っていくと良いでしょう。
フリーランスのデメリット
フリーランスの働き方を選ぶデメリットは、以下の3つです。
- 収入が不安定になる
- 自己管理を徹底する必要がある
- 社会的信用が低い
それぞれについて解説します。
収入が不安定になる
フリーランスの収入は不安定です。フリーランスは会社に雇用されておらず、案件ごとに報酬を得ます。よって、思うように案件を獲得できなければ、収入が発生しない恐れもあります。高収入を目指せる反面、収入の保証が一切ない点には注意も必要です。
自己管理を徹底する必要がある
フリーランスは自由度が高い分、自己管理の徹底も求められます。自分自身を律することができないと、仕事をスムーズに進められません。納期に間に合わなければ、信用を失う原因にもなります。その場合、仕事を依頼されなくなる恐れがあるため、気をつけましょう。
社会的信用が低い
会社員と比較すると、フリーランスの社会的信用は低めです。そのため、クレジットカードやアパートの賃貸などの審査に通りにくくなる可能性があります。そのような契約をしたいと考えているなら、フリーランスになる前に済ませておいたほうが無難です。
個人事業主(フリーランス)は開業届が必要?
これまで解説した通り、個人事業主は税務署に個人事業主として開業届けを提出した場合の名称です。従って、税法上は開業届を提出すると、個人事業主という定義になります。
しかし、個人事業主(フリーランス)として活動していく上で、必ず開業届を出さなければいけないわけではありません。実際に仕事をしていく上では、開業届を提出しているかどうかで特に差はありませんし、法律的な問題もありません。
ただし、開業届を出して個人事業主になると、税制上のメリットを受けられます。フリーランスの税金は高くなりやすいので、手取りを増やすための節税対策が欠かせません。フリーランスとして働くなら、開業届を出して個人事業主になり、税制上のメリットがある仕組みを積極的に利用しましょう。
開業届を出して個人事業主になる3つのメリット
では、開業届を出すとどのようなメリットがあるのでしょうか?メリットは主に、
- 青色申告で確定申告ができる
- 屋号で銀行口座が作れる
- 家族に支払った給与も経費に計上できる
の3つです。1つずつ解説していきます。
青色申告で確定申告ができる
個人事業主として青色申告で確定申告をすると、さまざまな節税効果が望めます。帳簿付けなどの手間も増えますが、特別控除が受けられたり、赤字を3年間繰り越して経費として計上できたりといった多くのメリットも存在します。
ただし、青色申告を行うには、事前に「所得税の青色申告承認申請書」を提出しなくてはいけません。申請書の提出期限は、1月1日~15日に新規開業した場合には申告しようとする年の3月15日まで、その年の1月16日以降に新規事業をスタートした場合には、事業開始日から2ヶ月以内となっています。新規開業の場合には、開業届も一緒に提出します。
屋号で銀行口座が作れる
屋号とは、個人事業主として事業をするときの名称です。事業の内容がわかりやすいものにしておくと名乗りやすいでしょう。そして、銀行の通帳口座もこの屋号で作ることが可能です。
先ほど触れたように、青色申告で確定申告すると帳簿付けが必要です。そのためには、事業で使うお金と個人のお金を完全に区別しなければなりません。そして、屋号で銀行の通帳口座を作っておけば、個人のお金と完全に分けて管理できます。
家族に支払った給与も経費に計上できる
個人事業主の場合、税法上、家族に支払ったお金は経費に計上できません。そして、経費として認めてもらえないと、その分税金が増えます。とはいえ、働いた報酬として支払ったお金であるにもかかわらず税金が増えるのは納得がいきませんよね。
そこで利用してほしいのが、家族に支払った給与も経費に計上できる青色事業専従者給与です。これは青色申告で確定申告する際に利用できます。
なお、青色事業専従者給与を利用するには事前に税務署へ「青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書」を提出する必要があります。
開業届を出して個人事業主になるデメリット
開業届を提出して個人事業主になれば、デメリットも生じます。開業届を提出するデメリットは、
- 失業保険を受け取れなくなる
- 社会保険の扶養から外れるケースがある
の2つです。1つずつ解説していきます。
失業保険を受け取れなくなる
開業届を出して個人事業主になれば、失業保険の受給資格がなくなります。失業保険の対象になるのは、雇用されず失業の状態にあることが条件だからです。個人事業主として自ら事業を営んでいれば働いているとみなされるため、失業保険は受け取れません。
たとえ収入が一切発生していなくても、開業届を提出すれば失業保険の対象にはならなくなるので要注意です。勤め先を退職して個人事業主になる場合、開業してすぐに収入を得られるとは限らないでしょう。退職後に失業保険を受け取りたいと考えているなら、対策が必要です。具体的には以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
社会保険の扶養から外れるケースがある
家族の社会保険の扶養に入っている人が個人事業主として開業する場合、開業届の提出により扶養から外れる可能性もあります。扶養を受けられる条件は、健康保険組合によって異なります。
健康保険組合の独自のルールが定められており、なかには個人事業主は扶養に入れない決まりになっているところもあるため注意が必要です。収入の額にかかわらず開業届を出すと扶養から外れる可能性もあるので、扶養に入っている人が開業する際は必ず健康保険組合の規定を確認しましょう。
個人事業開業届の手続き方法
続いて、開業届の手続き方法を解説します。
面倒な手続きが必要なのでは?と思う方がいるかもしれませんが、さほど手続きは難しくはありません。流れとしては、
- 開業届の書類を入手
- 入力と、本人確認書類の準備
- 税務署に提出
- 必要に応じて青色申告承認申請書も提出
の4つです。1つずつ解説していきます。
1.開業届の書類を入手
税務署に個人事業主として届け出るためには、税務署に開業届けを提出する必要があります。なお、この開業届けの正式な名は「個人事業の開業・廃業届出書」です。
全国の税務署に用意されているほか、税務署のホームページからダウンロードして入手できます。まずはこの「個人事業の開業・廃業届出書」を入手してください。
2.入力と本人確認書類の準備
開業届に必要な「個人事業の開業・廃業届出書」を入手したら、さっそく記入しましょう。住所氏名の他、マイナンバーの記入が必要です。また、屋号があればそれも記入します。
なお届け出の際、マイナンバーと本人確認が必要です。もしマイナンバーカードを入手していない場合は、マイナンバーが記載された住民票などを用意して確認できるようにしておきましょう。また、本人確認は運転免許証などでも可能です。
個人事業主の開業届けの書き方が解らない場合は、税務署の職員の方に聞くと丁寧に教えてくれます。またネットや書籍にも書き方が細かく解説されているものが多くあるので、参考にしながら書くといいでしょう。
3.税務署に提出
「個人事業の開業・廃業届出書」を作成したら、税務署に提出します。一般的には今住んでいる場所、つまり住民票がある地域を管轄する税務署に届け出ます。しかし、住んでいる場所と実際に働く事務所が違う場合は、事務所のある地域を管轄する税務署に提出することが可能です。
なお、提出する際は税務署の職員の方にチェックしてもらいます。修正印が必要なケースがあるので必ず印鑑を持参してください。
4.必要に応じて青色申告承認申請書も提出
先ほど説明したように個人事業主になると税制上のメリットが受けられますが、そのメリットを最大限に利用するには青色申告をおすすめします。そのため、「個人事業の開業・廃業届出書」を提出する際に、同時に「所得税の青色申告承認申請書」も提出しましょう。
なお、青色申告承認申請書は開業届けを提出してから2ヶ月以内に提出する必要があります。同時に提出できない場合は、この期間で準備して提出してください。
フリーランス(個人事業主)になったら税金や社会保険はどうなる?
会社員の場合、税金は会社が計算して給料から控除されるので、税金をいくら払っていたかを詳しく知っている人は少ないかもしれません。しかし、フリーランス(個人事業主)になると税金を自分で計算し、確定申告で支払わなければなりません。
しかも、確定申告で支払う税金は1年分であり驚くほど高額です。フリーランスとして働くなら賢く税金と付き合う必要があるでしょう。また、独立後は社会保険の切り替え手続きも必要です。
そこでフリーランス(個人事業主)として最低限知っておきたい税金や確定申告、社会保険について解説していきます。
主な税金は5種類
基本的にフリーランスと個人事業主は以下の5つの税金を支払うことになります。
- 所得税
- 復興特別所得税
- 住民税
- 消費税
- 個人事業税
5つの税金のうちあまり聞きなれないのが個人事業税かと思います。個人事業税とは事業をするうえでの受けられる公共サービスに対して払うというもので、事業所得が290万円超の場合に課されます。ただし、業種によっては課されない場合もあります。
また、以上の税金のなかでフリーランスにとっても個人事業主にとっても重要な税金が所得税です。所得税は業種によって、クライアントから報酬を受け取る時点で源泉徴収として既に引かれている場合があります。そして、確定申告の時点で経費やさまざまな控除などと合わせて計算したうえで、払い過ぎである場合には還付金となり、足りない場合には払い込むことになります。
健康保険・年金
通常、会社員であれば会社を通じて厚生年金保険に入り、その保険料は給与から引かれます。しかし、フリーランス(個人事業主)は会社員と異なり、厚生年金保険ではなく国民年金保険に加入し、保険料を自分で支払います。
なお会社員を辞めてフリーランスになった人は、市役所など住んでいる自治体の窓口で手続きしてください。また国民年金保険料は確定申告で申告した所得に応じて計算され、住んでいる自治体から支払いについての連絡があるので、それに従って納入します。
また、年金と同様に健康保険もフリーランス(個人事業主)は自分で国民健康保険に加入する必要があります。保険料は前年の所得額と自治体が定める料率によって決定します。
確定申告は必要?
ここまでの説明でわかる通り、フリーランス(個人事業主)は基本的に確定申告する必要があります。では、確定申告を故意にしなかったり、忘れたりした場合はどうなるでしょうか。
年間38万円を超える所得のあるフリーランスが確定申告を故意にしなかった場合または忘れた場合、延滞税を請求されます。さらに、悪質な場合は刑事罰が科せられることもあるので必ず確定申告してください。
なお確定申告を忘れたとしても、できるだけ早く申告すれば延滞税が少なく済みます。気が付いたら早めに申告を済ませましょう。
フリーランス(個人事業主)と会社員の手取り年収の違いは?
フリーランスや個人事業主と会社員の手取り年収は、どのように違うのでしょうか。事業所得や年間給与が300万円の場合について、実際に計算してみましょう。
フリーランス・個人事業主で事業所得が300万円の場合
フリーランス・個人事業主で事業所得が300万円の場合、収入から経費、国民年金、国民健康保険、所得税、住民税を差し引くと、手取り年収が出ます。手取り年収を計算すると、175万6,000円です。
収入 | 300万円 |
---|---|
△経費 | 30万円 |
△国民年金 | 19万2,000円 |
△国民健康保険 | 43万5,000円 |
控除後の所得金額 | 207万3,000円 |
△所得税 | 11万円 |
△住民税 | 20万7,000円 |
差し引かれる金額の合計 | 124万4,000円 |
手取り金額 | 175万6,000円 |
詳しい計算方法や条件は以下の記事で解説しています。
会社員で年間給与が300万円の場合
会社員で年間給与が300万円の場合、収入から健康保険、厚生年金、雇用保険、所得税、住民税を差し引くと、手取り年収が出ます。手取り年収を計算すると、233万308円です。このケースでは、会社員のほうが手取り額が多いことがわかります。
収入 | 300万円 |
---|---|
△経費 | 14万4,000円 |
△国民年金 | 26万3,520円 |
△国民健康保険 | 1万8,000円 |
控除後の所得金額 | 159万4,480円 |
△所得税 | 7万9,724円 |
△住民税 | 16万4,448円 |
差し引かれる金額の合計 | 66万9692円 |
手取り金額 | 233万308円 |
※社会保険料・雇用保険料は令和5年度分の保険料額・保険料率で計算
フリーランス(個人事業主)は青色申告と白色申告どちらをすべき?
フリーランス(個人事業主)は例年2月16日~3月15日(土曜・日曜・祝日の場合は翌日または翌々日)に確定申告を行います。そして確定申告には青色申告と白色申告があります。それぞれにメリットとデメリットもあるので、見ていきましょう。
青色申告のメリット・デメリット
個人事業主として税務署に届け出していれば、青色申告がおすすめです。青色申告の方が白色申告よりも控除額が大きいので所得税を安くできます。
メリット:節税効果が高い
青色申告のメリットは、青色申告特別控除といって収入から最高65万円の控除を受けられる点です。また、経費として認められる範囲が白色申告より広がります。
さらに、繰り越した赤字を経費として計上できたり、家族に払った金額を経費として計上できたりするといったメリットもあります。
デメリット:手続き・準備が必要
ただし、青色申告をする場合には、事前に届け出が必要なうえ、「単式簿記」と「複式簿記」という2種類の帳簿への記入が必要です。とくに「複式簿記」は慣れるまではとても難しく感じますが、これを行わないと65万円の控除を受けることができません。
ただし、最近は青色申告用の会計ソフトも多く、慣れれば簡単に確定申告に必要な帳簿を作成できます。
白色申告のメリット・デメリット
手軽さで青色申告に切り替えずに白色申告のままにしている人も多くいます。ただし、税金に関するメリットが小さく、人よりも多く税金を払ってしまうことがあります。
メリット:手続きが簡単
白色申告は青色申告のように事前に届け出する必要がなく、帳簿もシンプルで済む点がメリットです。税理士に依頼したり、特別なソフトを購入したりしなくても、気軽に記入して提出することができます。そのため、フリーランスになったばかりの人は、白色申告を選ぶ人が多いようです。
デメリット:節税効果が低い
白色申告、青色申告はともに収入から経費、基礎控除、雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、生命保険料控除などを引いて計算することができます。ただし、白色申告は青色申告のような最高65万円の特別控除がないため、節税効果が低くなってしまいます。
年間収入によって使い分けよう
青色申告と白色申告のどちらを選択するとよいかは、年間収入によります。というのも、年間収入が多い場合は青色申告のほうが節税効果は大きいのですが、年間収入が少ない場合には、さほど節税効果は見られないからです。そこで試しに青色申告と白色申告ではどの程度、所得税に差が出るか計算してみましょう。
たとえば、雑損控除や医療費控除、基礎控除、諸経費を引いた所得金額が350万円という場合、白色申告の場合は所得金額350万円に対して所得税が発生します。
一方、青色申告で複式簿記を記入し、さらにはe-Taxで確定申告をすると基礎控除とは別に65万円の「青色申告特別控除」が受けられるため、350万円から65万円を引いた285万円に所得税がかかります。
所属税は所得金額により税率が変わり、国税庁「所得税の速算表」によると以下のようになっています。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
これらをもとに所得税を計算すると、白色申告と青色申告では以下のような違いが出てきます。
- 350万円×20%-42万7,500円=所得税27万2500円
- 285万円×10%-9万7,500円=所得税18万7,500万円
上記の金額を見ても、その差は歴然です。ある程度収入があるならば、青色申告をおすすめします。
フリーランス(個人事業主)が法人化するケースはある?
フリーランス(個人事業主)として働いている人が法人化するケースはよくあります。法人化する理由は人によっても異なりますが、所得がある程度以上になるとフリーランス(個人事業主)のままでいるよりも法人化したほうが税金を安く抑えられる可能性が出てきます。そのため、事業が軌道に乗って所得が増えてきたところで、法人化を検討するフリーランス(個人事業主)も少なくありません。
法人化するタイミングも、人によっても違います。一般的には、売上高が1,000万円を超えると法人化を検討する人が多いです。また、株式による資金調達がしたい場合や事業の規模を拡大したい場合などに法人化するパターンもあります。
フリーランス(個人事業主)の年金対策
フリーランス(個人事業主)は将来に受け取れる年金が少ないものの、他の方法を組み合わせれば十分な備えができます。おすすめの年金対策をまとめると、以下のとおりです。
iDeCoは私的年金制度の個人型確定拠出年金であり、任意で加入できます。一定の制限がありますが、掛金や運用方法はその範囲内で自由に決められます。運用しているお金は60歳まで受け取れないため、無理せず捻出できる資金を投入しましょう。
国民年金基金は、自営業者などが国民年金に上乗せして利用できる年金制度です。iDeCoと併用する場合、毎月の掛金は合計6万8,000円の範囲に納めなければなりません。
付加年金とは、国民年金に月400円を追加するだけで将来の年金額を増やせる制度です。窓口へ申し出れば簡単に手続きできるため、積極的に活用しましょう。
個人事業主が受けられる補助金や助成金
個人事業主が受けられる補助金や助成金は以下の4つです。
- 小規模事業者持続化補助金
- ものづくり中小企業支援
- 各自治体による補助金
- 雇用調整助成金
それぞれの内容を詳しく紹介します。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者を対象とした補助金です。毎年2月下旬に申請方法の説明があり、政府予算によって募集期間は異なりますが、2ヵ月から3ヵ月程度となっています。
ものづくり中小企業支援
製造業を営む中小企業が、設備の建設や購入、改良などにかかる費用を補うための補助金です。従業員数、設備投資額、販売量、収益性などからして補助金を交付します。また人材育成などを支援する補助金でもあります。
自治体や中小企業を通じて交付され、申請期間は補助金制度によって異なります。詳細は中小企業庁のページで確認すると良いでしょう。
各自治体による補助金
地方自治体によって独自に設けている補助金制度もあります。申請資格や助成金額は自治体によって異なり、申請者は資金を使う目的を記した事業計画書の提出が必要です。例えば、熊本県では、「スタートアップ支援補助金」を交付しています。
雇用調整助成金
個人事業主を含む中小企業が、景気の変動やその他の経済的な理由により、事業縮小を余儀なくされた場合に申請できる補助金です。人員配置やリストラなどの雇用調整を行い、人件費を削減をした場合に助成されます。
フリーランス(個人事業主)が仕事を獲得するには?
フリーランス(個人事業主)が仕事を獲得する方法はさまざまあります。具体的には、以下の方法があります。
- フリーランスエージェントを利用する
- クラウドソーシングで探す
- 人脈を作って紹介してもらう
- SNSやホームページで宣伝する
効率的に高単価案件を受注するには、フリーランスエージェントの利用がおすすめです。
弊社ITプロパートナーズではエンドクライアントと直接契約している案件が9割にのぼり、高単価案件を多く紹介できます。リモート案件や週3日から対応できる案件など自由度が高い案件も豊富です。
まとめ
すべてのフリーランスが個人事業主というわけではありません。役所に開業の届け出をすると、個人事業主と呼ばれるようになります。個人事業主として働くならば、確定申告は青色申告がおすすめです。帳簿の作成が少し難しくなりますが、その分、節税効果が高くなります。
もし、個人事業主として起業したものの不安をお持ちでしたら、弊社ITプロパートナーズにご相談ください。フリーランスや起業家に向け案件を豊富に揃えているうえ、福利厚生として帳簿への記帳や確定申告時の作業を代行してくれる会計事務所を特別価格でご利用いただけます。
- 高額案件を定期的に紹介してもらいたい
- 週2日、リモートワークなど自由な働き方をしてみたい
- 面倒な契約周りはまかせて仕事に集中したい
そのような方はぜひ、ITプロパートナーズをご利用ください!
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