こんにちは、ITプロマガジンです。
フリーランスが確定申告する際は、青色申告を選ぶとさまざまなメリットがあります。しかし、青色申告についてイマイチ理解できておらず、どうすればいいか悩んでいる人もいるでしょう。
そこでこの記事では、フリーランスが青色申告するメリットや必要な手続き、申告方法について解説します。また、白色申告との違いや実際に青色申告ではどの程度の節税効果が得られるかについても説明するので、ぜひ参考にしてください。
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目次
そもそも青色申告とは?

フリーランスとして事業を営むにあたり、確定申告は避けて通れない大切な業務です。その中でも、税制面で大きな優遇を受けられるのが青色申告という制度になります。日々の取引をしっかり記録するという条件はありますが、節税効果を考えれば、絶対に活用すべき仕組みだと言えます。
青色申告と白色申告の違い
確定申告には、大きく分けて青色申告と白色申告の2種類が存在します。
かつては、白色申告はお小遣い帳のような簡単な記録で済むため初心者向けだと言われていました。しかし、現在は法改正により、白色申告であっても帳簿の作成と保存が義務付けられています。つまり、どちらを選んでも日々の記帳の手間は以前ほど大きく変わらないのが実情です。
それならば、事前に税務署へ申請を出し、複式簿記という少し専門的な形式で記帳する代わりに、後述する最大65万円の特別控除などの節税効果を得られる青色申告を選んだ方が、手元に残る利益が大きくなります。
フリーランスは売上いくらから青色申告した方がいい?
「まだ売上が少ないから白色申告でいいや」と考える駆け出しのフリーランスは多いですが、売上規模に関わらず、開業した初年度から青色申告を選択することを強くおすすめします。
なぜならば、事業の立ち上げ期はパソコンの購入や各種ツールの契約などで経費がかさみ、赤字になりやすいからです。青色申告であれば、この赤字を翌年以降に繰り越して、将来黒字になった年の税金を減らすことができます。
事業として本気で取り組むなら、最初から青色申告一択だと考えてください。
フリーランスが青色申告する6つのメリット
フリーランスが青色申告すると、さまざまなメリットがあります。ここでは、フリーランスが青色申告する具体的なメリットを6つ紹介します。
1.最大65万円の青色申告特別控除を受けられる
青色申告には青色申告特別控除があり、最大65万円の控除を受けられます。そのため、青色申告を選択するだけで一定の節税効果を期待できます。
65万円の控除を受けられるのは、複式簿記で記帳して電子申告または電子帳簿保存に対応する場合です。電子申告または電子帳簿保存に対応できない場合でも、複式簿記による記帳をしていれば55万円の控除を受けられます。簡易簿記や現金式簡易簿記で記帳している場合は、10万円の青色申告特別控除を受けることが可能です。
2.専従者への給料を経費として計上できる
事業を手伝っている専従者がいる場合、青色申告を選択すると専従者へ支払っている給料を経費に計上できます。計上できる金額は全額です。たとえば、家族や親族に事業を手伝ってもらって給料を支払っているなら、青色申告により経費計上が可能です。
白色申告では専従者へ支払っている給料を控除できますが、上限が86万円までに制限されています。そのため、継続的に事業を手伝っている専従者がいるなら、青色申告で経費として計上したほうがいいでしょう。
ただし、専従者に給料を支払えば配偶者控除や扶養控除などは適用できなくなるため、注意する必要があります。
3.30万円未満の減価償却資産を一括計上できる
青色申告では、30万円未満の減価償却資産を一括で計上できます。通常、耐用年数が1年以上かつ10万円以上の物品を購入すると、減価償却により毎年一定額ずつ計上しなければなりません。しかし、青色申告には少額減価償却資産の特例があり、30万円未満のものは購入した年にまとめて計上できます。たとえば、所得が多くなった年に10万円以上30万円未満のものを購入すれば、青色申告の少額減価償却資産の特例により一括計上することで節税につなげられます。
ただし、青色申告の少額減価償却資産の特例は、合計300万円が上限として定められている点に注意が必要です。
4.赤字を3年間にわたって繰り越せる
青色申告を選択すれば、赤字が発生しても3年間まで繰り越せます。たとえば、ある年に100万円の赤字が発生したものの、翌年は300万円の黒字が発生したとします。この場合、300万円について確定申告する際に100万円の赤字を差し引くことが可能です。よって、黒字が発生しても申告する所得金額が下がり、節税の効果を期待できます。
白色申告でも一部の損失の繰越が可能ですが、損失の種類には制限があります。白色申告で繰り越せるのは、変動所得の損失や被災事業用資産の損失のみです。通常の事業所得で発生した赤字を繰り越すには、青色申告を選択する必要があります。
5.貸倒引当金として計上できる
貸倒引当金は、回収が困難な売掛金を経費として処理するための勘定科目です。青色申告を選択すれば、貸倒引当金を一括評価で計算できます。たとえば、期末に売掛金が発生している場合、貸倒引当金として5.5%分の経費計上が可能です。
どんなに気を付けていても、売掛金を回収できなくなる可能性はゼロではありません。青色申告を選択していれば状況に応じて貸倒引当金の計上ができ、便利です。
6.条件によって現金主義による所得計算ができる
白色申告と青色申告のどちらであっても、基本的には発生主義で帳簿を付けなければなりません。ただし、青色申告の場合、事前の申請により現金主義による帳簿付けも可能です。申請をすれば、現金式簡易簿記で帳簿を付けられるようになります。
ただし、現金式簡易簿記を選択すると、青色申告で受けられる特別控除は10万円になります。電子申告や電子帳簿保存に対応しても10万円しか特別控除を受けられないため、慎重に判断したうえで現金式簡易簿記を選ぶ必要があるでしょう。
フリーランスが青色申告をするデメリットはあるのか
メリットが多い青色申告ですが、あえてデメリットを挙げるとすれば、事前の申請手続きが必要なことと、複式簿記という厳密なルールでの帳簿づけが求められることの2点です。
白色申告のように何も申請せずに始められるわけではなく、期限内に税務署へ足を運ぶか郵送やオンラインで書類を提出する手間がかかります。また、借方・貸方といった簿記の専門知識が求められるため、最初はハードルが高く感じるでしょう。
しかし、現在では優れたクラウド会計ソフトが普及しており、銀行口座やクレジットカードの明細を自動で読み込み、AIが勘定科目を推測してくれます。簿記の資格などがなくとも、ソフトの案内に従うだけで問題なく青色申告を完了できるため、実質的なデメリットはほとんどないと言っても過言ではありません。
【初めてでもできる】フリーランスの青色申告のやり方

いざ青色申告に挑戦しようと思っても、何から手をつければいいか迷ってしまう方も多いはずです。ここでは、初めての方でも失敗しない青色申告の手順を5つのステップに分けてわかりやすく解説します。
Step1:青色申告承認申請書を提出する
青色申告を始めるための絶対条件として、管轄の税務署へ所得税の青色申告承認申請書を提出しなければなりません。提出期限は厳密に決まっており、原則としてその年の3月15日まで、または新規開業した場合は開業日から2ヶ月以内となっています。(1月1日~1月15日に新規開業した場合は、その年の3月15日まで)
この期限を1日でも過ぎてしまうと、その年はどれだけ完璧な帳簿をつけても白色申告になってしまいます。開業届を出すタイミングで、一緒にこの申請書も提出してしまうのが一番確実で安全な方法です。
Step2:会計ソフトを準備する
手書きのノートやExcelだけで複式簿記の帳簿を作成し、複雑な決算書まで作り上げるのは、専門的な知識を持っていないとかなり難しいです。時間を無駄にしないためにも、専用の会計ソフトを導入してください。
現在は、マネーフォワード、freee、やよいの青色申告といったクラウド型の会計ソフトが主流です。月額数千円程度のコストはかかりますが、簿記の知識がなくても家計簿感覚で入力できる画面になっており、法改正にも自動で対応してくれます。自分にとって画面が見やすく、直感的に操作できるソフトを早めに決めておきましょう。
Step3:売上や経費を日々記帳する
会計ソフトの準備ができたら、日々の事業のお金の動きをコツコツと入力していきます。
ここで重要なのは、事業用の銀行口座やクレジットカードをプライベート用と完全に分けることです。これらを会計ソフトとデータ連携させておけば、手入力の手間は激減します。月に1〜2回、定期的に記帳する習慣をつけておけば、確定申告の時期になってから一年分のレシートの山に絶望することもありません。
Step4:青色申告決算書・確定申告書を作成する
青色申告で提出が必要な主な書類は、事業の成績表とも言える「青色申告決算書」と、最終的な税額を計算する「確定申告書」の2つです。
難しそうに聞こえるかもしれませんが、Step3までの日々の記帳が正確にできていれば恐れることはありません。クラウド会計ソフトの確定申告機能を開き、画面の質問に順番に答えていくだけで、自動的に必要な金額が書類の正しい位置に転記され、完成したデータが出来上がります。
Step5:e-Taxまたは税務署へ提出する
書類のデータが完成したら、いよいよ税務署へ提出します。提出期間は原則として毎年2月16日から3月15日までです。
ここで忘れてはいけないのが、「最大65万円の特別控除をフルで受けるためには、e-Tax(電子申告)を利用してインターネット経由で提出するか、電子帳簿保存法に基づく一定の要件を満たした電子帳簿保存を行う必要がある」という点です。いずれかの要件を満たさないと、控除額が55万円に減額されてしまいます。
簡単なのは、e-Taxを利用する方法でしょう。マイナンバーカードと、それを読み取れるスマートフォンさえあれば、自宅にいながら会計ソフトから直接e-Taxへデータを送信できます。混雑する税務署に並ぶ必要もないため、電子申告を活用してください。
フリーランスの青色申告による実際の節税効果
フリーランスが青色申告すると、白色申告よりも税金を安く抑えられます。事業収入400万円、必要経費100万円のフリーランスエンジニアを例にあげると、青色申告による実際の節税効果は以下のとおりです。青色申告では、最大の65万円の控除を受けられるとしています。
| 申告方法 | 青色申告 | 白色申告 |
|---|---|---|
| 事業収入 | 400万円 | 400万円 |
| 必要経費 | 100万円 | 100万円 |
| 青色申告特別控除 | 65万円 | - |
| 基礎控除 | 48万円 | 48万円 |
| 所得税額 | 18万7,000円 | 25万2,000円 |
青色申告は青色申告特別控除を受けられる分、白色申告と比較して6万5,000円も節税できることがわかります。節税方法について更に詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
フリーランスが青色申告をスムーズに行う方法

青色申告にデメリットはないものの、帳簿付けや手続きには手間や時間がかかります。初めて青色申告する人にとっては、難しいと感じる部分もあるかもしれません。ここでは、フリーランスが青色申告をスムーズに行う方法を解説します。
会計ソフトを活用する
青色申告で確定申告するには、基本的に複式簿記による帳簿付けが必要です。しかし、慣れていないとルールが分からず、迷ってしまう可能性があります。青色申告のための帳簿付けを正確かつ効率的に進めるには、会計ソフトを活用するのがおすすめです。
簿記についてくわしい知識がない人でも使いやすい会計ソフトが複数あります。たとえば、freeeやマネーフォワードなどの会計ソフトを利用すれば、複雑な帳簿付けも簡単に進められるでしょう。プランによって料金が異なるため、事業の規模や求める機能を考慮して最適なプランを選んでください。
税理士に依頼する
簿記に関する知識がなく、自分で青色申告するのは不安だと感じている人もいるでしょう。その場合は、税理士に依頼して確定申告に対応してもらうのもひとつの方法です。税理士は税金や確定申告のプロであり、自分の代わりに帳簿付けや確定申告のための書類作成などを行ってくれます。節税に関する知識も豊富なため、正しい方法で着実に税金を抑えられます。
税理士に依頼すればその分の費用がかかりますが、確定申告にかける時間を減らすことが可能です。自分のメインの事業に集中できるので、売上向上のために時間を使いやすくなります。
エージェントのサポート制度を活用する
フリーランスエージェントのなかには、確定申告のサポートを行っているところもあります。確定申告に関する疑問を相談できるため、迷う部分があっても確認しながら手続きを進めることが可能です。
たとえば、弊社ITプロパートナーズでは、ITプロトータルサポートというサービスを提供しています。そのなかには、税理士に無料で確定申告の相談ができるサービスもあります。単に仕事の紹介を受けられるだけでなく、フリーランスとしての活動全般についてサポートを受けられて安心です。
フリーランスが青色申告する際の注意点
青色申告は節税効果が大きいですが、国が定めたルールを守らないと、その恩恵を取り消されてしまうリスクもあります。ここで解説する注意点を覚えておくようにしてください。
青色申告承認申請書を期限内に提出する
繰り返しになりますが、青色申告承認申請書の提出期限は絶対です。忘れていましたという言い訳は税務署には一切通用しません。期限を過ぎれば問答無用で白色申告として扱われ、65万円の控除も赤字の繰越もできないようになります。
独立して事業を始めると、名刺作りや顧客開拓など目の前の業務に追われがちですが、役所関係の手続きは最優先事項としてスケジュールに組み込んでください。
領収書や請求書は必ず保管する
経費として会計ソフトに入力したからといって、そのレシートや領収書を捨ててしまってはいけません。青色申告の場合、帳簿や決算関係の書類だけでなく、取引を証明する領収書や請求書、預金通帳などは、原則として7年間の保存が義務付けられています。
税務調査が入った際、これらの客観的な証拠書類がないと、経費として認められず追徴課税を受けてしまう恐れがあります。紙のレシートは月ごとに封筒やファイルに分けて保管するか、電子データのまま保存するなど、後から誰が見てもわかるように整理整頓しておく責任があります。
帳簿は日頃からこまめにつける
提出期限のギリギリである3月に入ってから、溜まっている領収書を引っ張り出してきて入力を始めるような行為は危険です。記憶が薄れているため思い出すのに時間がかかり、入力ミスも発生しやすくなるでしょう。
また、焦りから睡眠不足になり、本業の仕事のパフォーマンスまで落ちてしまっては本末転倒ですので、経理作業はため込まないことがポイントです。
経費を過剰に計上しない
少しでも税金を安くしたいという気持ちはわかりますが、事業とは無関係なプライベートの食事代や、家族との旅行費用まで無理やり経費に押し込むのはただの脱税行為です。税務署の調査官はプロですから、不自然な経費の膨らみはすぐに見抜かれます。
基準となるのは、その支出が事業の売上に貢献しているかどうかを、客観的かつ合理的に説明できるかどうかです。グレーな支出を経費にしてビクビクしながら過ごすくらいなら、正しい経費だけを堂々と計上し、本業でしっかりと稼いで利益を伸ばす努力をするべきです。
フリーランスが青色申告をする際によくある質問
フリーランスが、青色申告に関して感じやすい疑問をまとめました。不安を解消し、自信を持って申告の準備を進められるよう、解説していきます。
青色申告は自力でできる?
はい、自力で十分に可能です。
もちろん、税金や簿記の専門知識がゼロの状態から手作業でやろうとすれば挫折する確率は高いでしょう。しかし前述の通り、今のクラウド会計ソフトはかなり優秀です。サポート窓口やヘルプページも充実しているので、初心者でも自力でやり遂げられる環境が整っています。
開業届を出さずに青色申告はできる?
開業届を出さずに青色申告を行うことはできません。青色申告は事業を行っている人に対して認められる制度なので、まずは税務署に対して「私は個人事業主として事業を始めました」と宣言する開業届を提出していることが大前提となります。
どんなフリーランスが青色申告すべき?
副業としてのお小遣い稼ぎではなく、本業として独立し、今後も継続して事業を大きくしていきたいと考えているフリーランスであれば、青色申告を選ぶべきでしょう。
記帳の手間などはかかりますが、自分のお金の流れを正確に把握することは、事業者としての自覚を養う良いトレーニングにもなります。
青色申告のやり方に迷った場合はどうすればいい?
自分で調べても仕訳の方法がわからない、ソフトの使い方が合っているか不安だ、という場合は、一人で抱え込まずに専門家に頼ることも大切です。
確定申告の時期が近づくと、各地域の税務署や商工会議所などが無料の相談会や記帳指導を開催しています。実際の帳簿やパソコンを持ち込んで、直接アドバイスをもらうことができるので、積極的に利用しましょう。
まとめ
フリーランスとして収入を得て確定申告する場合、青色申告を選ぶと節税できます。青色申告すればさまざまなメリットがあるため、きちんと手続きして制度を有効活用できるようにしましょう。
青色申告の帳簿付けが難しいと感じるなら、会計ソフトを活用したり税理士に相談したりするのもひとつの方法です。エージェントを通して仕事を探す場合はサポートも受けられます。青色申告のルールをきちんと守り、正しく節税できるようにしましょう。
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