こんにちは、ITプロマガジンです。
自由な働き方が魅力のフリーランス。単発の仕事を連続して行う「ギグワーカー」、遊牧民が語源の「ノマドワーカー」などの新しい言葉が流行しているように、組織に依存しない生き方に憧れる人が増えています。
その一方で、フリーランスは会社員のような安定した立場ではないので、常に不安と闘っているのが現実です。この記事では、フリーランスが抱える不安を見つめ直し、それを解消するための方法を解説します。
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フリーランスが抱えやすい不安とは?
フリーランスは一体どのような不安を抱えているのでしょうか。フリーランスが抱えがちな不安は以下の通りです。
- いつか仕事がなくなってしまいそう
- やることが多く事業が回らない
- スキル・経験不足で自信がない
- 収入が不安定
- 収入が上がらない
- 仕事を休めない・断れない
- スキルアップができない
- 病気やケガで収入がなくなる
- 長期的に働き続けられるのか不安
- 確定申告が大変そう
- 社会的信用が低くくなりそう
- 老後の将来が不安
- 人付き合いや人脈が減っている
- 年金と健康保険料が高い
それぞれ原因と解消法を紹介していきます。
1.いつか仕事がなくなってしまいそう
フリーランスの方は、「いつか仕事がなくなりそう」と不安を抱える人が多いです。フリーランスの仕事は、会社員とは違っていつ契約を切られてしまってもおかしくありません。
収入の柱となっていた企業から契約を切られてしまった場合、毎月の収入が大幅に減少してしまいます。新しい仕事が決まるまで収入が少ないままになるので、生活が苦しくなってしまう可能性もあるでしょう。
いつ仕事がなくなるかわからず、収入が不安定であることが原因で、不安に感じるフリーランスが多いようです。
2.やることが多く事業が回らない
フリーランスが自らの働き方を不安に思う一つの要因として、やることが多く事業が回らないことが挙げられます。
フリーランスは案件の獲得から、単価・納期などの条件交渉、業務を遂行して納品するまでのサイクルをすべて一人の力で成し遂げなければいけません。目の前にある仕事に全力を傾注すると同時に、次の案件獲得も意識する必要もあります。
フリーランスは仕事を獲得できても、案件を進めながら、付随する作業や次の案件を考えて行動し事業を回さなければなりません。
3.スキル・経験不足で自信がない
思い切ってフリーランスに転身したが、自分のスキル・経験でやっていけるのかという不安を持つ人もいます。「どれくらいのスキル・経験があればフリーランスとして一人前か」という問いには正解がないので、疑い出すとキリがないといえます。
業務に関連した資格を取ることで、自分を納得させるという方法もありますが、資格が自動的に案件を運んでくれるわけではないのも事実。日々の仕事を通じて、少しずつ地道に自信をつけていく必要があります。
4.収入が不安定
フリーランスはどうしても収入が不安定になるので、経済的な不安が消えません。独身時代ならまだしも結婚し、養うべき家族ができるとなおさらです。
フリーランスという働き方では、大きく稼ぐことが可能になる代わりに、まったく稼げない可能性もあるのが現実です。会社員時代の固定給の感覚のままフリーランスになってしまうと、その経済的な不安に押しつぶされそうになってしまうでしょう。
5.収入があがらない
フリーランスの仕事をしていると、収入が上がらず不安に思う人も多いようです。自分のスキルや経験を活かした仕事をする場合は、自ら作業をするため時間に限りがあります。限られた時間では、作業効率をあげたり、単価の交渉をしなければ収入は増えにくいです。
収入の上限が見え始めてしまい、これ以上稼ぐことができないのではと不安に感じることも少なくありません。収入を上げるためにも、スキルを磨いてアピールし、報酬の交渉をしていく必要があります。
6.仕事を休めない・断れない
フリーランスには会社員のような「有給休暇」というものがありません。基本的には案件ごとの報酬が収入のすべてです。
フリーランスは仕事が途切れてしまうことを恐れるので、無理なスケジュールを組んででも案件を引き受けてしまうことがあります。「仕事は休めない」「断ったら次の案件がなくなってしまう」という心理状況が、不安を煽ってしまう要因となります。
7.スキルアップができない
フリーランスでは、未経験の業務を依頼されることは少なく、スキルアップができないと不安に感じる人が多いです。フリーランスは、現状のスキルに見合った仕事を受けることが多いため、仕事をとおして新しいスキルを身につける機会が少ない傾向があります。
案件を通じてスキルアップができない場合は、隙間時間を活用して自己研鑽する必要があります。収入や経験を増やすためにも、時間を作ってスキルアップを目指しましょう。
8.病気やケガで収入がなくなる
フリーランスは、わが身一つですべての業務を切り盛りしなければなりません。もし、病気になったり、ケガをしたりして仕事ができなくなると、その時点で収入なくなってしまうことになります。
今は健康でも「もし」や「万が一」を考え始め、不安にさいなまれてしまうことがあるのです。
9.長期的に働き続けられるのか不安
現在は順調に案件を獲得し、満足な収入を得ていたとしても、それが長期間にわたって保証されているとは限りません。
社会は常に変化し続けています。好景気の時代もあれば、不景気の時代もあります。技術も常に進化するので、かつては通用していたスキルが通用しなくなることもあります。長期的なスパンで事業経営を考えると、どうしても不安をかきたてられてしまうものです。
10.確定申告が大変そう
フリーランスの方が抱える不安の1つとして確定申告があげられます。確定申告とは1年間に生じた所得に対する所得税などの額を計算して確定させ、国に報告する手続きのことです。
確定申告を行わないと無申告加算税や延滞税などのペナルティが発生するため、対象の人は必ず行わなければなりません。しかし、手続きの仕方がわからない・手続きが難しそうという理由で、確定申告の作業に不安を抱えている人が多いようです。
税務署の案内だけでなく、インターネットでも確定申告の情報を紹介するサイトが増えているので、参考にしながら期限内に申告するようにしてください。
11.社会的信用が低くくなりそう
フリーランスになると社会的信用が低くなると不安に感じている人がいます。フリーランスは、一般的な会社員に比べて収入が不安定になるため、社会的信用が低くなりがちです。
社会的信用が低いと判断されると、ローンを組んだり、賃貸契約をするのに不利に働くことがあります。それを危惧しているフリーランスの方が多いようです。しかし、フリーランスだからといって、必ずしもローンを組むことや賃貸契約ができなくなるわけではありません。毎年の確定申告でしっかりと収入の証明をすることができれば、問題なく契約することができます。
12.老後の将来が不安
フリーランスの方は、老後の将来を心配する人も多いようです。フリーランスとして個人で事業をしている場合は、会社員や公務員のように退職金をもらうことができません。
また、フリーランスの多くは、厚生年金ではなく国民年金に加入します。同じ所得の場合、国民年金は厚生年金に比べて、受給金額が少なくなる傾向があり、老後の収入が少なくなります。老後生活のために、しっかりと資産形成をしておく必要があることを覚えておきましょう。
13.人付き合いや人脈が減っている
フリーランスになって会社員時代よりも人付き合いや人脈が減ったことに不安を抱える方もいます。会社員時代は同僚や取引先の人との付き合いがありますが、やはりフリーランスとして個人で仕事をしている方は、人付き合いは少なくなります。また、仕事先の人との関係も会社員時代と比べて薄く感じる人も多いようです。
フリーランスでは、自らコミュニティを広げなければ、人付き合いは増えません。フリーランス向けのコミュニティに参加したり、仕事先の人との関係を深めるなど、自分から人脈を広げる努力が必要です。
14.年金と健康保険料が高い
フリーランスになってから、年金や健康保険料が高くなり、負担が大きくなったと感じる人は少なくありません。フリーランスの多くは、年金には国民年金に、保険には国民健康保険に加入します。
会社員時代の厚生年金や健康保険料は、一部を会社が負担していたため、フリーランスになってから加入する年金と保険料の負担が大きくなったと感じるでしょう。会社員時代と収入が変わらない人は、手元に残る金額が少なくなってしまいます。自分が加入する年金や保険料を把握し、収入を底上げすることも大切です。
フリーランスの不安を解消する方法
フリーランスが抱えがちな不安を紹介しましたが、それらを解消するための具体的な方法を紹介します。
取引先を増やしてリスクヘッジする
特定のクライアントからの案件受注が仕事の大半を占めた場合、もしそのクライアントからの仕事を打ち切られると、たちまちフリーランスはピンチに追いやられます。なるべく多くの取引先と関係を持ち、収入源を分散させることがリスクヘッジにつながります。
人脈やSNSを駆使して営業をかけたり、複数のクラウドソーシングサービスやフリーランスエージェントを活用したりして、なるべく多くのクライアントから案件を受注するように努めましょう。
ただし、自分のキャパシティを超えて、何でもかんでも仕事を受注するとパンクしてしまうこともありますので、バランスを考えて営業することが肝心です。
経験を積み、スキルアップすることで単価を上げる
フリーランスとして自信を持つには、実践を通じて経験値を積んでいくしかありません。その小さな経験が成功体験となり、それが積み重なって自信となり、実績へとつながります。
「〇〇プロジェクトに参画した経験がある」「××の企画立ち上げに関わっていた」などの実績が自身のポートフォリオとなり、高単価の案件獲得に有利に働くようになるのです。
小規模企業共済に加入する
フリーランスの不安材料の一つに、老後資金の問題があります。
会社員であれば退職金制度があり、それが老後資金を支えるものとなりえます。フリーランスには退職金制度は無縁のように思われがちですが「小規模企業共済」という、退職に備えて積み立てていく制度があります。
掛け金は全額所得控除の対象となるので、節税対策にもなります。また、受け取り時にも所得控除が受けられます。掛け金の範囲内ですが、無担保・無保証人・低金利で事業資金の融資が受けられる制度もありますので、フリーランスの強い味方となっています。
効率の良い高単価の案件を見つける
収入面の不安を解消するために、効率の良い高単価案件を見つけましょう。同じような仕事内容であっても、クライアントのニーズによって単価が変わってきます。
また、高単価の案件と出会うには、案件をどこで見つけるかも重要です。フリーランスの案件は、さまざまな経路をたどって紹介されていることがあります。依頼元となるエンドクライアントとの間に、いくつかの紹介会社がはさまると、紹介料として報酬が差し引かれてしまいます。
案件を見つける際は、なるべく依頼元となるエンドクライアントに近い経路で契約するのがおすすめです。差し引かれる紹介料がなく、高単価で契約することができます。しかし、紹介されているどの案件が、エンドクライアントに近い案件か判別つかないことは多いでしょう。
ITプロパートナーズでは、ほとんどの案件をエンドクライアントと直接契約してご紹介しています。高単価の案件を多く取り扱っているので、ぜひご相談ください。
フリーランスエージェントの福利厚生制度を利用する
フリーランスエージェントとは、フリーランスワーカーとクライアント企業の間に入って案件の受発注を仲介するサービスのことです。そんなフリーランスエージェントが提供する福利厚生制度を利用するのも一つの手です。
たとえば、ITプロパートナーズがリリースする「ITプロトータルサポート」では次のようなサービスが提供されています。
- フィナンシャルプランナーによる損害保険と各種生命保険の最適なアドバイス
- 万が一の紛争・訴訟に備える弁護士保険
- 個人事業主に特化した税理士による確定申告無料相談会
現在フリーランスとして活動されている方で、案件獲得はもちろん、福利厚生に不安を抱えている方はお気軽にご相談ください。
フリーランスに便利なツールを活用する
フリーランスになった人は、便利なツールをしっかりと活用するようにしましょう。フリーランスで働く人が増えてきたこともあり、便利なツールは増えてきています。
例えば、会計ソフトを活用すれば、面倒だった帳簿や確定申告の書類を短時間で作成することができます。他にもフリーランス用のコミュニティに参加すれば、人脈の拡大や案件獲得につなげることができるでしょう。
インターネット上には無料で受講できる講座なども多く存在するので、スキルアップのために利用することもできます。
収入が不安…フリーランスの平均年収は?
フリーランスにとっての最大の不安要素である年収について、統計から平均値を見ていきましょう。
フリーランスの平均年収
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が発行した「フリーランス白書2022」から見ていくこととします。
統計結果を見ると、年収200~400万円の割合が一番多く29.4%を占めています。次いで多いのが200万円未満で21.8%、その次が400~600万円未満で17.5%となっています。
年収 | 割合 |
---|---|
200万円未満 | 21.8% |
200~400万円未満 | 29.4% |
400~600万円未満 | 17.5% |
600~800万円未満 | 11.2% |
800~1,000万円未満 | 8.7% |
1,000万円以上 | 2.5% |
国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、日本の給与所得者の1人当たりの平均給与は458万円。男女別にみると、男性563万円、女性314万円となります。
会社員時代より年収は上がった?
フリーランス白書によると、過去に会社員だった人のうち収入が増えたと回答している人は53.2%と過半数を超えています。なお、働く時間は52.9%が減ったと回答しているので、コストパフォーマンスは確実に向上しているといっていいでしょう。
また、満足度は86.9%が上がった、ストレスは70.1%が減ったと回答しているので、QOL(生活の質)が向上している姿が見てとれます。
フリーランスの将来性は?
フリーランスという働き方を選択する人が増えています。クラウドソーシングサービスを展開するランサーズの「新・フリーランス実態調査 2021-2022年版」は、副業を含む広義のフリーランス人口はすべての労働人口の22.8%を占める1,577万人であると発表しています。2015年と比べ約640万人増加しており、急激にフリーランスとして活躍する人が増えている状況で、今後も増加していくことが予想できます。
会社に依存しない働き方の拡大は政府も予想しています。2016年に厚生労働省は「働き方の未来 2035」という報告書を発表しましたが、この報告書の中で、今後AIをはじめとした技術革新によって時間的空間的制約が激減し、自由で多様な働き方が大幅に拡大するという予測が明らかとなっています。
さらにそこでは、企業そのものがミッションやプロジェクトの塊のようなものへと変質することで、正社員と非正規雇用の区別自体が無意味なものとなると述べられています。
まとめ
フリーランスとして活動することは、不安と無縁ではありえません。現在、大活躍をしているフリーランスワーカーも、数々の不安を抱えながらその道を歩んできたのです。
不安を糧とすることで人は成長することができます。フリーランスエージェントの活用など便利なサービスを駆使しながら、成長への道を歩んでいきましょう。
- 高額案件を定期的に紹介してもらいたい
- 週2日、リモートワークなど自由な働き方をしてみたい
- 面倒な契約周りはまかせて仕事に集中したい
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