こんにちは、ITプロマガジンです。
ITエンジニアとしてスキル・実績がついた段階で、次のキャリアの選択肢として挙がるのが独立・起業です。現在会社員として働いているITエンジニアの方のなかには、「自身のスキル・経験を活かして独立し、活躍の場を広げたりより高い収入を狙いたい」「会社から独立して自身の裁量を持って仕事がしたい」とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、ITエンジニアが起業・独立に向いている理由や主な起業アイデア、さらには実際に起業・独立するにあたって検討しておくべきポイントや必要なスキル・手順などを紹介します。ITエンジニアとして起業・独立を検討する際にぜひご参考にしてください。
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目次
ITエンジニアが起業・独立する3種類の方法
ITエンジニアが起業・独立する場合、下記のような選択肢があります。
- フリーランス(個人事業主)として独立する
- 会社経営者(法人)として独立する
- 副業で起業する
同じITエンジニアでの起業・独立といっても方法は大きく異なることから、何をしたいのかを明確にしたうえで進む方向を決める必要があります。それぞれの働き方の特徴を紹介していきましょう。
フリーランス(個人事業主)として独立する
まずはフリーランス(個人事業主)として独立する方法があります。ITエンジニアのフリーランスに多いのはクライアントから案件を受託して請負または準委任契約で働く方法です。クライアントが見つかればすぐに収入を確保でき、継続的に契約できれば収入も安定しやすいという特徴があります。
なお、フリーランスがなることが多い個人事業主とは、消費税法において、独立して事業を行う個人と定義づけられています。特定の企業と雇用契約を結ばず、業務委託契約を結び、受託報酬や相談料などを受け取って仕事をします。そのほか、自社サービスの展開も可能です。
会社経営者(法人)として起業
いわゆる法人を設立して法人経営者として起業する方法です。ITエンジニアが法人を設立する場合、クライアント企業と業務請負契約または準委任契約を結んで仕事に従事する方法があります。あるいは、自社サービスを展開してユーザーから利用料を受け取るのも1つの選択肢です。
個人事業主ではなく法人を設立することで、資金調達や社会的信用の獲得という点で有利になります。また事業モデルによっては収益化が難しく不安定になりやすいといったリスクもある一方、成功すれば大きく稼ぐことも可能です。
なお、法人になるとたとえ赤字であっても法人住民税の均等割や一部法人の法人事業税を支払わなければなりません。そのため、法人化は所得が600万~800万円以上ある場合に検討されるのが一般的です。
副業で起業する
ITエンジニアとしてのスキル・経験を活かして副業で起業する方法です。
副業で起業する最大のメリットは、リスクを抑えながらビジネスに挑戦ができる点です。会社員としての収入を確保したまま副業としてビジネスを徐々に育てることで、初期の収益が安定しない時期でも生活費は確保できます。また、副業でスタートすることで、試行錯誤をしながら自分の強みや市場のニーズを把握できるのも魅力です。
特にITエンジニアの場合はリモートの案件も多く、副業で起業しやすい環境が整っています。
ITエンジニアが起業・独立に向いている理由
続いて、ITエンジニアが起業に向いていると言われる3つの理由について解説します。
- イニシャルコスト・ランニングコストが低い
- 一人でも起業しやすい
- IT人材の需要が底堅い
- 外部企業・フリーランスの活用が盛ん
それぞれについてみていきましょう。
イニシャルコスト・ランニングコストが低い
ITエンジニアはイニシャルコストもランニングコストも最低限に抑えられるため、開業しやすい職種であると言えます。
事業内容によってはオフィスや商品の在庫・保管場所の確保、人件費などが必要です。この場合、大量の資金を必要とし、起業のハードルを高め、失敗時のリスクも大きくなります。
一方、ITエンジニアはパソコンとインターネット環境さえあれば、自宅で一人で作業が可能で、特別な設備やチームメンバーがいなくても仕事を遂行できます。必要な費用は家賃、光熱費、インターネット料金程度なので、精神的にも経済的にも起業のハードルが低いと言えるでしょう。
一人でも起業しやすい
ITエンジニアは、一人でも起業しやすい職種です。これは、特に社員を雇用する手間やコストをかけずに、自分一人でビジネスを立ち上げ、運営する方法もあるためです。先述の通りITエンジニアはクライアントから案件を受け請負・準委任契約などでプロジェクトに参加する方法があり、この方法であれば他にスタッフを雇用する必要はありません。
また、ITエンジニアとしてプログラミングやシステム設計、フロント・バックエンドといった複数のスキルを持っていれば、クライアントのニーズに対応でき、一人で広い案件をこなすことも可能です。
IT人材の需要が底堅い
ITエンジニアを含むIT人材は、現在、そして将来的にも底堅い需要があります。
経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、少子高齢化とITニーズの拡大により、2030年にはIT人材が少なくとも約41万人、最大で約79万人不足することが予想されています。IT人材の不足が深刻化していく一方で、日本のデジタル化は遅れており、今後も開発人材だけでなく、AI(人工知能)やデータサイエンティスト、クラウドなど専門分野に強いITエンジニアへの需要は高まる見込みです。
外部企業・フリーランスの活用が盛ん
外部の専門家やフリーランスを活用することで、IT人材の不足を補う動きが増えてきており、独立しても仕事を確保しやすい状況です。
現在の日本では、生産年齢人口の減少、価値観や働き方の多様化、従来の終身雇用制の変化などにより、企業が正規雇用でIT人材を確保するのが難しくなっています。このような状況下で、外部企業やフリーランスの活用が一般化してきており、スキルと経験を持つITエンジニアであれば、安定して収入を得ることが期待できるのです。
ITエンジニアの起業・独立のアイデア4選
ITエンジニアの業務はさまざまですが、起業・独立するにあたってはITエンジニアに向いていると言われるアイデアがいくつかあります。
- クライアントからの請負開発
- Webサービス提供・アプリの運営
- ITコンサルティング・技術顧問
- プログラミング・IT系の講師
それぞれのアイデアについて、メリット・注意点をみていきましょう。
クライアントからの請負開発
特に多いのが、クライアントからソフトウェア開発やインフラ構築といったシステムサービスの開発を請け負う仕事です。現在多くの企業がDXを推進しており、システム開発に携われるIT人材は重宝されます。この方法は、独立・起業の3種類のうち全てのケースで選ぶことができ、ITエンジニアとして定番のパターンです。
このアイデアのメリットは、長期的な契約で安定した収入が得られる可能性があることです。DXは中長期的な取り組みであり開発規模も大きいため、安定的かつ高い報酬を期待できます。
一方でデメリットは、大規模案件では社会的信用や豊富な実績が必要になることです。大手のクライアントほど信頼できるパートナーを求める傾向があるので、具体的なスキル・経験を示すことが求められます。
Webサービス・アプリの運営
Webサービス・アプリの運営は、大小問わず案件数が多いのが特徴です。近年はリモート環境での仕事も当たり前となっているなか、各業界・業種においてDXは加速しWebサービスの需要も拡大しました。そこでITエンジニアとしては仕事を探しやすい状況です。特に副業やフリーランスとしてビジネスを始める場合は親和性が高いでしょう。
また自身でWebサービス・アプリを開発・提供して収益化を図るという手もあります。あらゆるモノや人がネットワークでつながるようになっており、新たなWebサービスに対するニーズはますます高まっています。ユーザーのニーズを見つけ出し、それを解決するサービスを企画・開発する力があれば、市場での優位性を確立できるでしょう。このパターンでは開発体制を整える必要があることが多く、法人を設立する方法が向いています。
ITコンサルティング・技術顧問
広範囲の経験と成果がある場合、クライアントのITコンサルタントや技術顧問として、経営や戦略的なサポートを提供するというアイデアもあります。新規プロダクトの開発・改善支援、システム開発戦略の策定、プロジェクト管理、チームメンバーの育成、ベンダー管理などが主な業務内容です。
このような仕事では高い専門性と豊富なマネジメント経験が必要とされ、その報酬は一般的には高額になります。仕事内容・条件にもよりますが、多くの場合は大きなコミットが求められるため、法人化またはフリーランスとして仕事に専念できる状態であることが望ましいでしょう。
プログラミング・IT系の講師
自身がこれまで培ったスキルと業務経験をもとに、ITエンジニアを目指す人々向けの講師として活動する方法もあります。IT人材は今後も需要が見込まれており、ITスキルを身につけたいと考える人々も増えている状況です。
近年では、オンラインスクールやスキルシェアサービスも普及しており、現役のITエンジニアが講師として活躍する場が増えています。特にITエンジニアとしての経験が豊富で現場にも詳しいのであれば実践的な内容を伝えることができ、有利でしょう。講師として活動する場合は副業からでもスタートできますが、ビジネスの拡大に伴ってフリーランスや法人化という方法もあります。
ITエンジニアが起業・独立する際に検討しておくべきポイント
ITエンジニアは、比較的、起業・独立しやすい職種である一方、計画を立ててから行動しないと思ったように仕事を得られない、あるいは収入が安定しないといったリスクが存在します。
- 事業モデル・参入分野
- 資金計画・資金調達手段
- 事業規模とメンバーの選定・採用
- 独立の最適なタイミング
ITエンジニアが起業・独立する際に検討しておくべきポイントを1つずつ確認していきましょう。
事業モデル・参入分野
どのような事業モデルや分野で活動をするのか、明確に決めておくことで、目指すべき方向が定まり、ブレずに営業活動を行えます。
広範なスキルセットを有すると収入源を増やせますが、それには多くの実務経験が必要となるでしょう。一人で始めるのであれば、先述の事業モデルも参照しながら自分の得意分野を2〜3選び、それらをビジネスの中心に据えるのも手です。一方で、法人を設立して従業員を雇う場合、どのような人材を集める必要があるかが重要な問題となります。
資金計画・資金調達手段
次に、資金計画と資金調達の手段について考えてみましょう。ITエンジニアとして起業・独立する際、大きな設備投資は必要としません。そのため、個人事業主や一人会社として始める場合、資金計画は大まかなものでよいかもしれません。ただし、数ヶ月〜1年程度の運転資金は必要になるでしょう。
一方で、賃貸オフィスを借りて、従業員を複数雇うとなるとまとまったお金が必要となるため、金融機関からの融資や助成金・補助金の活用、クラウドファンディングなどの検討が必要になってきます。借入をするためには、綿密な事業計画書の提出が必要となり、細かく開業資金・運転資金を算定しなければなりません。
事業規模とメンバーの選定・採用
事業の規模によっては、全ての業務を一人で行うことが難しい場合もあります。特に営業、エンジニアリング、そして管理業務を全て一人で行うのは、時間的にも体力的にも厳しいかもしれません。そこで、ITエンジニアリング以外の業務はアウトソーシングを検討することも1つの選択肢となります。
また、従業員を雇う場合は、どのようなスキルや人間性を持つ人材を求めるべきかを考える必要があります。
なおメンバー探しにあたっては、人脈を使って知人・友人から探すという他に、ITエンジニア向けのマッチングサービスを使う方法もあります。具体的なサービス名とその特徴は以下の記事で詳しく解説しています。
独立の最適なタイミング
独立・起業する最適なタイミングは、以下3つの要件を満たす時とされています。
- アピールできる経験・スキルがある
- 体力・意欲がある
- まとまった自己資金がある
一般的に、これらの要素が整っている30代が独立の適切なタイミングとされることが多いです。あまりに早く独立すると、必要な経験やスキルが不足している可能性があり、その結果、仕事を得るのが難しくなったり、報酬が低くなったりするリスクがあります。逆に、40代を過ぎてからの独立では、体力や意欲の面で厳しいかもしれません。
ITエンジニアのフィールドでは、35歳が1つの節目とされることがあるので、早めに独立計画を立てておくことが推奨されます。
ITエンジニアが起業・独立するのに必要な基本スキル
ITエンジニアとしての実務能力・経験は絶対条件として、起業・独立するとなると経営に関連するスキルも必要になります。
- 財務・経営数値の管理スキル
- マーケティング・営業スキル
- 事業計画の立案・実行スキル
- コミュニケーション能力
- 自己管理力・メンタルマネジメント
ここでは、ITエンジニアが起業・独立する時に身につけておきたいスキルを紹介します。
財務・経営数値の管理スキル
起業して仕事をする際は、財務や経営に関わる数値の管理は不可欠です。ITエンジニアは複数のプロジェクトを並行して扱う場合がありますが、経営の精度を高めるには各プロジェクトの収支を混同しないよう、細心の注意を払うことも欠かせません。具体的には、報酬の請求、経費の清算、納税だけでなく、業務時間や作業量に対する報酬の確認、そしてプロジェクトごとのスケジューリングも必要になります。
マーケティング・営業スキル
ITエンジニアであっても、起業・独立するとマーケティングに関する知識や営業スキルが必要となります。企業に所属している場合、市場調査や戦略立案は主にディレクターやプロジェクトマネージャーが担当し、クライアントとの契約獲得は営業職が行うことが一般的です。しかし、起業・独立すると自分自身で仕事を獲得する必要があり、また自分のスキルやサービスをクライアントに対して提案する力も求められます。
事業計画の立案・実行スキル
新たな事業を始める際は、事業計画の立案とその実行スキルが重要です。自身の強みや事業の方向性、中長期的な目標、競合優位性などを明確にしておくと、意思決定に役立ちます。個人事業主や一人会社では必須ではありませんが、事業計画書を作成しておくと、資金調達や協力者獲得の際に有用です。
会社員のITエンジニアは、企業の事業の一部を担当する立場です。しかし、起業・独立すると「自分の事業」を計画し、成功に向けて自発的に行動するスキルが求められます。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力には、相手の気持ちや意見、意思、価値観、感情、状況を理解する能力と、自分が伝えたいことを相手に理解してもらうための能力が必要です。これには言語によるコミュニケーションだけでなく、身振りや視線、声のトーンなどの非言語的なコミュニケーションも含まれます。
ITエンジニアが起業・独立する場合、個別のタスクは個人で対応できますが、プロジェクト全体の成功にはチームメンバーとの円滑なコミュニケーションが必要です。また、新たな仕事を獲得するためにも、適切なコミュニケーション能力は欠かせません。
自己管理力・メンタルマネジメント
起業・独立するということは、経営やプロジェクトに関すること全てを自分自身で管理し、自己責任で行動することを意味します。労働時間やスケジュール管理はもちろん、心身の健康を維持する能力も必要です。
特に、起業・独立したITエンジニアは、業務量や稼働時間を自己管理することが求められ、それができないと過労に陥るリスクがあります。また、一人で作業を進めることが多くなるため、メンタルヘルスの管理にも注意が必要です。
自己管理力やメンタルマネジメントは、起業・独立するITエンジニアにとって必要不可欠なスキルと言えます。
ITエンジニアが起業・独立する際の手順
続いては、ITエンジニアが起業・独立する時の流れについてみていきます。
- 事業形態を選択して手続きする
- 業務体制・メンバーを組織する
- 案件探し・営業活動を行う
それぞれを確実に行わなければ、事業が軌道に乗りにくく、思うような成果につながらない可能性が出てきます。
事業形態を選択して手続きする
最初にどのような事業形態を選択するか決定し、必要な手続きを進めます。起業・独立の主な事業形態は、個人事業主と法人の2種類です。
個人事業主であれば、事業を開始した日から1ヶ月以内に開業届を、2ヶ月以内に青色申告の承認申請書を税務署に提出しましょう。個人事業主は開業や税務申告の手続きが法人よりも簡単で、所得が一定以下の場合には税金も抑えられることがメリットです。
法人として設立する場合、法人登記を法務局で行い、税務署、都道府県税事務所、市区町村役場に法人設立届出書を提出します。また、法人名義の銀行口座を開設し、青色申告の承認申請書を税務署に提出します。さらに、自分を含めて一人でも役員報酬・給与を支払う人が存在する場合、給与支払事務所等の開設届出書を税務署に提出し、年金事務所、労働基準監督署、ハローワークなどで社会保険関連の手続きも行う必要があります。このように、法人は手続きに手間・費用がかかりますが、その分、社会的信用度も高くなり案件獲得において有利になる可能性があります。
なお法人化のメリット・デメリットや手続きは以下のページで詳しく解説しています。
業務体制・メンバーを組織する
次に、業務遂行に適した環境と人員を確保します。個人事業主であれば、全て自分一人で行うのか、一部業務をアウトソーシングするのかを決めます。
法人として社員を雇う場合、労働法に基づいた労働条件や就業規則を作成し、求人を行います。法令を遵守し、何か問題が発生した際にスムーズに対応できるように、社会保険労務士や弁護士の助けを借りるのも有効です。社員が入社する際は、労働契約の締結、労働条件通知書の交付、社会保険・労働保険への加入、勤怠管理、労働者名簿・賃金台帳・出勤簿の作成を行います。
案件探し・営業活動を行う
業務体制が整ったら、案件を獲得するための営業活動を始めます。ITエンジニアが仕事を得る方法としては次のようなものがあります。
- 知人からの紹介
- メールや電話による営業
- クラウドソーシングの利用
- フリーランスエージェントの利用
- 営業代行サービスの利用
- Webサイトやポートフォリオからの問い合わせ
案件獲得のためには、複数の方法を組み合わせるのがおすすめです。
ITエンジニアが起業・独立する際の注意点
ITエンジニアが起業・独立する際は、以下の2点に注意しましょう。
- 前に働いていた会社との関係を保っておく
- 失敗しないための対策を徹底しておく
それぞれの注意点を解説します。
前に働いていた会社との関係を保っておく
前職の上司や同僚は、起業・独立後に良好なクライアントになってくれる可能性があります。仕事をもらうためにはクライアントからの信頼が重要ですが、一緒に働いた関係であれば、お互いの人となりが分かっているためです。
円満な退社に向け、就業規則のもと適切に退社手続きを進める必要があります。事務的な手続きに加え、業務の引き継ぎなどを済ませましょう。
失敗しないための対策を徹底しておく
起業・独立すると数々のトラブルが発生します。考えられる範囲で、対策を練っておきましょう。例えば、資金繰りです。仕事を終えても入金されるまでは時間がかかります。事業を続けられるよう、十分な現金が必要です。
体調管理方法も考える必要があります。自分が無理なく働ける時間はどの程度か見積もり、食生活や運動習慣も見直すとよいでしょう。また、人脈作りにも取り組むべきです。仕事を紹介してくれる人や、起業・独立後に相談にのってくれる人がいると心強いと考えられます。
資金や体調、人脈といったポイントの他には、メンバー間での人間関係の悪化や事務手続きの負担、法務対応などが挙げられます。こういったITエンジニアの起業・独立時によくある失敗のパターンを知り、事前に対策しておくと起業・独立のリスクを抑えることが可能です。詳しくは以下のページで解説しています。
もし資金がショートしそうになったらどうするべきか
IT関連の業務は長期のスパンで取り組む場合が多いため、売上の支払いが数ヶ月後となってまうことがしばしばあります。もし資金がショートしそうになった場合のケースを考えておくと安心です。
- デッド・エクイティファイナンスを検討しよう
- 週2日〜週3日でフリーランス案件をこなそう
デッド・エクイティファイナンスを検討しよう
デッドファイナンスとは、金融機関から借り入れることで資金を調達することを意味します。デッドファイナンスは企業の一般的な資金調達方法で、将来的に返済義務を負う必要があります。
もう1つ資金を調達する手段として、エクイティファイナンスという方法も。
デッドファイナンスの対となっている資金調達方法で、こちらは株式(経営権)を発行・引き渡すことで資金を調達する方法です。将来的に返済の義務を負うことはありません。
しかしながら、エクイティファイナンスは株主から資金を得る形となるため、株主が経営に関与する権利があります。デッド・ファイナンスは返済義務はあるものの、経営に関与されることはないのでその点においてはメリットと言えるでしょう。
週2日〜週3日でフリーランス案件をこなそう
ITエンジニア特有の資金調達方法とも言えるかも知れませんが、週2日〜週3日のフリーランス案件をこなすことで、資金を補うことも可能です。I
ITエンジニアとして実務経験がそれなりにある方であれば、週2日~週3日の案件獲得も難しいことではありません。
フリーランス案件である程度安定した収入を確保したうえで、残りの稼働日で起業・独立したビジネスに注力することにより、事業を継続しながら資金のショートを防ぐことも可能となります。
弊社サービス「ITプロパートナーズ」では数多くの週2日〜3日でできる案件・求人を取り扱っています。もしご興味のある方はご相談ください。
ITエンジニアが起業・独立して成功した事例
株式会社woodsmallの代表取締役を務める小林高志さんは、自社開発の「電卓アプリ」を世界中でヒットさせました。シンプルでスタイリッシュな電卓アプリは、ビジネスパーソンから好評です。
小林氏は、システム開発会社とモバイルコンテンツ制作会社で働いたのちに独立しました。立ち上げ当初は資金面が厳しく、自身や労働者がITプロパートナーズに登録して働き、資金や給与を安定させたそうです。小林氏は現在も、ITプロパートナーズを経由した常駐案件と、自社事業を兼業しています。
なお、近年の小林氏の目標は、さらなる収益向上と自社プロダクトの開発です。小林氏へのインタビューについて、詳しくはこちらの記事もご覧ください。
ITエンジニアで起業・独立に向かない人の特徴は?
ITエンジニアで起業・独立に向かない人の特徴は以下の3つがあげられます。
- 営業が苦手
- コミュニケーション力が低い
- 黙々と作業したい
それぞれ詳しく確認していきましょう。
営業が苦手
営業が苦手で営業活動ができない人は起業に向いていません。事業を安定させ、拡大していくには、これまで以上に案件を受注する必要があります。また、単に案件を獲得するだけでなく、受注を継続的にもらえるか、好条件で契約できるかも重要です。これらには営業力が不可欠と言えます。
また、単に依頼内容をこなしているだけでは、競合との差別化はできません。場合によっては、より安価で受け付けている競合に切り替えられてしまう可能性もあります。
提案力や問題解決能力、アドバイスなどによって、クライアントのサービスや製品に付加価値を与えることは、ITエンジニア事業をするうえで大切となることを理解しておきましょう。
コミュニケーション力が低い
コミュニケーション力が低いのも起業・独立に向いていない人の特徴です。クライアントの要望と自社でできることについて、認識の差異をなくすためには、コミュニケーションが必須となります。
クライアントの要求は、すべてが実現可能なわけではありません。開発期間が短い、技術的に難しい、予算が足りないなど、エンジニアの力ではどうにもならないことが原因で、クライアントと摩擦が起こることもあります。このようなケースに直面した時、クライアントに対して豊富な経験と広い知識に基づいた説明が必要です。
しっかりとコミュニケーションが取れ、説得力があり、クライアントから信頼されるエンジニアでなければ、起業・独立しても成功できないでしょう。
黙々と作業したい
黙々と作業したいエンジニアも起業・独立には向いていないと言えるでしょう。これまで説明してきたように、起業・独立して事業を進めていくには、営業力やコミュニケーションが必要になってきます。
また、これから事業が大きくなると、人を雇うこともありうるので、採用面接やミーティングなどの機会も増えてきます。他者に干渉されずに黙々と仕事をできる時間は少なくなることを理解しておきましょう。
ITエンジニアが起業・独立する前に読むべき本
起業・独立を考えているITエンジニアが読むべきビジネス本を3つご紹介します。
- ジョブ理論
- 起業の科学
- 起業のファイナンス
ジョブ理論
「顧客が解決したい課題は何か?」からスタートさせるための根本的な思想を学べる良書です。
Clayton M. Christensen(クレイトン・クリステンセン)氏により執筆された書籍で、同氏は他にも数多くの書籍を執筆しており、根強いファンも多いようです。
顧客データや市場分析などの数字から解決策を見出すのではなく、顧客が解決したい課題を明確にすることの重要性を説いた書籍となっています。
起業の科学
ジョブ理論で「解くべき課題」を言語化できたら次に、実際のサービス設計を学ぶために読んでもらいたいのが「起業の科学」です。
スタートアップが必ず直面する課題とその解決策を時系列に整理し、失敗を潰すための教科書的な役割で活用することができます。
著者自らの起業での失敗体験を踏まえ、これから起業を検討している方にどうすれば失敗を避けられるのか解説した良書です。
起業のファイナンス
起業にあたって重要なファイナンスの知識を学ぶために、ぜひ読んで頂きたい書籍が「起業のファイナンス」です。
起業の基本からコーポレートガバナンスまで解説されており、起業家の方に事業が成長するイメージを膨らませてもらうための解説書となっています。
文章が分かりやすく構成されており、専門用語にも細かく説明が加えられているため、起業に関する知識をあまりお持ちでない方でも理解しやすい内容となっています。
まとめ
本記事では、起業・独立を考えているITエンジニアの方向けに、起業・独立する3つの主なパターンや向いている理由、検討ポイントや基本スキル、起業・独立の手順といった重要なポイントを網羅的に解説しました。
結論として、ITエンジニアは低リスクで起業・独立することが可能であり、IT技術の需要の高さからもチャンスの大きい分野であることは間違いありません。しかし、行き当たりばったりで起業・独立すると成功する可能性は低くなってしまいます。今回ご紹介したような基本的な考え方を理解したうえで、事前に対策や計画を立てておくことが重要です。
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