【現役SEが解説】組み込みエンジニアは本当に激務なのか?真相はいかに

かつて、メイドインジャパンが世界を席巻した時代には、24時間働く組み込みエンジニアが珍しくありませんでした。

しかし、今はそのような働き方はできません。とはいえ、未だに組み込みエンジニアは激務だと思われています。

最近、IoTやAIのと組み合わせで需要が増えている、新しいビジネスに欠かせない組み込みエンジニアについて、その仕事が本当に激務かどうかについてエンジニア目線で解説します。

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組み込みエンジニアの仕事内容

組み込みエンジニアは、リモコンから操作できる家電製品や、Wi-Fi経由でスマホに接続できる機器などに組み込まれているマイコン向けのソフトウェアを開発するエンジニアです。なお、家電製品にマイコンが使われ始めた1970年代からある職種ですが、最近はIoTを支えるエンジニアとして注目されています。

そして、組み込みエンジニアは、よく激務だと言われますが、これは仕事の内容が原因かもしれません。まずは、組み込みエンジニアの仕事内容について紹介します。

  • デバイスを直接操作するプログラムを作成するのが仕事
  • コンピュータ内部の動作に関する理解が必要
  • 実機による動作チェックが難しい

 

デバイスを直接操作するプログラムを作成するのが仕事

組み込みエンジニアが扱うプログラムの特徴は、対象となるデバイスを直接操作する処理を扱う点です。そして、これが組み込みエンジニアの仕事を激務にしている原因の一つです。

通常、コンピューターに接続したデバイスは、WindowsやLinuxなどのOSが管理することから、プログラマーは意識せずに使えます。しかし、組み込みエンジニアはデバイスを直接操作するには、OSがやっている処理も含めてプログラムを考えなければなりません。そして、デバイスを扱うためには、そのデバイスに関する規格や電子回路の知識などが必要です。

組み込みエンジニアは、決められた納期までに多くのことを学び、そのデバイスを使いこなせて、はじめてプログラムが組めます。そのため、特に新しいデバイスを使った組み込みシステムを開発する場合、学ぶことがたくさんあるのが組み込みエンジニアの特徴です。

 

コンピュータ内部の動作に関する理解が必要

業務システムやWebシステムのプログラムを開発するプログラマーは、それが動作するCPUを意識することはありません。しかし、組み込みエンジニアは、どのCPUでプログラムを動かすかは、重要な問題です。なぜなら、それによって使えるメモリの量が制限されたり、プログラム作成で制限を受けることがあるからです。

世の中には、演算できるビット数に応じて、4bitから64bitのCPUが存在します。例えば、リモコンのような簡単な組み込みシステムであれば、4ビットのCPUが使えます。しかし、人工知能がサポートする自動運転では、処理能力の高い64bitのCPUが必要です。

そして、4bitのCPUと64bitのCPUでは、扱えるメモリの量が大きく異なるうえ、プログラムで扱える数字の最大値も違います。組み込みエンジニアは、CPUの動作を理解したうえで、CPUに合わせたプログラムが組めなければなりません。

しかし、そこまでのプログラミングスキルを習得するのは簡単ではありません。さらに人手不足が深刻なため、できるエンジニアに業務が集中しやす職種です。そのため、組み込みエンジニアの仕事が激務だとされています。

 

実機による動作チェックが難しい

ソフトウェア開発の仕事には必ず納期があり、スケジュールが遅れている場合は、残業が必要なケースもよくあります。これは、組み込みエンジニアの仕事にも当てはまることです。さらに、組み込みエンジニアの場合、納期が迫っているのに、プログラムを動かすためのハードウエアが入手できず、デバックが遅れるケースもあります。その場合、納期に間に合わせなければならないというプレッシャーの中、徹夜で動作確認するといった激務も発生します。

組み込みエンジニアが対象にする新しい機器は、海外の工場などで試作品を作り、それにプログラムを移して動作チェックします。しかし、直前で仕様変更があったり、予定していたデバイスが入手できずに試作品の作成が遅れるなど、実機の入手が遅れるケースは珍しくありません。このように、プログラム作成以外の要因でスケジュールが遅れる点も、組み込みエンジニアが激務と言われる要因です。

組み込みエンジニアは本当に激務なのか

先ほど、組み込みエンジニアが激務と言われる要因を解説しましたが、だからと言って全ての組み込みエンジニアがブラックな環境で働いている訳ではありません。次から、組み込みエンジニアを取り巻く本当のところを解説します。

  • 実は残業が特別多い訳ではない
  • 極端な人手不足が業界の課題
  • バグと納期のプレッシャーは強烈

 

実は残業が特別多い訳ではない

プログラマーという職業は残業が多く、ブラックな職場というイメージが未だに残っているかもしれません。しかし、連日残業続きといった職場は、今はほとんどありません。これは、組み込みエンジニアの職場にもあてはまります。

例えば、厚生労働省が2018年にIT系の企業を対象に行った月平均所定外労働時間の調査によると、30時間未満という回答が全体の78%を占めています。そして、この調査には組み込みエンジニアも含まれており、平均すると1日当たり1時間の残業というのが実態です。

このように組み込みエンジニアは、残業が特に多いという訳ではありません。ただし、残業が全くない、ということではなく、必要な時期に限り残業があります。

 

極端な人手不足が業界の課題

近年、ITエンジニアの人手不足が問題となっており、どの企業も採用に苦労しています。そして、そのようなITエンジニアの中でも特に不足しているのが組み込みエンジニアです。中でも30才代から40才代のエンジニアが不足しており、現場の主力が50才代という職場も珍しくありません。

そして、このような職場では、若いエンジニアが知識の豊富なベテランエンジニアに交じって、働くのが普通です。しかし、ベテランエンジニアと比較される若いエンジニアにとっては、激務な職場に見えるかもしれません。

なお、このような組み込みエンジニアの極端な人手不足は、業界全体の課題です。そのため、ロボットコンテストなど、業界全体で組み込みシステムに興味を持つ若い人を増やすためのイベントなどに取り組んでいます。

 

バグと納期のプレッシャーは強烈

IT業界に限らず、モノづくりの世界では、不良品と納期に対するプレッシャーがかなり強烈です。中でも組み込みシステムは、製品が販売されたら、内臓されたプログラムを簡単に修正できません。そのため、バグの無いプログラムを納期に間に合わせる働き方が求められます。

そして、そのためのプレッシャーは強烈です。中には、プレッシャーに押しつぶされそうになる方もいるでしょう。このため、組み込みエンジニアが激務と言われます。

しかし、このような問題は、事前に何をチェックしなければならないか、また、そのためのスケジュールがきちんと組み込まれているかなど、解決する方法はいくらでもあります。そして、そのような管理ができる職場かどうかで、激務と感じない働き方も可能です。

組み込みエンジニアが激務になる理由

先ほど、組み込みエンジニアは必ずしも激務ではない、と説明しましたが、残業がない、という訳ではありません。場合によっては、短期間でかなりの量をこなさないと、納期に間に合わないケースもあります。次から、そのような組み込みエンジニアが激務になる理由について解説します。

  • 納期厳守でバグが許されない
  • クライアント都合の変更がある
  • 深刻な人材不足

 

納期厳守でバグが許されない

組み込みエンジニアが開発するプログラムは、身近な家電製品や通信機器などに組み込まれます。そして、そういったプログラムは、発売した後にそのプログラムを修正するのが困難なケースが多く、バグは絶対に許せません。さらに、自動車に搭載する機器のプログラムは、人の命に係わるため、厳しいバグ対策が必要とされます。

また、このような機器の多くは、海外の工場で生産され、そこにプログラムが書き込まれて出荷されます。そのため、多くの企業およびその担当者が製品の製造に関わっており、簡単にスケジュールを変更できません。

そのため、組み込みエンジニアには、厳しい品質管理をクリアするプログラムを作成し、それをスケジュール通りに納品しなければなりません。そのプレッシャーが激務となる理由です。

 

クライアント都合の変更がある

先ほど説明したように、プレッシャーがかかる仕事とはいえ、全てスケジュールどおりに仕事をこなせば、基本的に残業する必要はありません。しかし、外部の要因で、そのスケジュールが守れないケースがよくあります。

例えば、組み込みエンジニアが扱うハードウェアは、扱った経験のある既存製品ばかりではありません。新製品を組み合わせて使うケースもよくあります。その場合、新しいハードウェアを入手が遅れてしまい、そのため納期に合わせて残業が必要なケースがあります。さらに、納期の直前に使用するデバイスの変更があり、それに合わせてプログラムを調整するなど、プレッシャーがかかるケースがよくあります。

 

深刻な人材不足

組み込みエンジニアは、業界全体が深刻な人手不足が続いています。そのため、簡単にエンジニアの補充でえきません。もし、急に同僚のエンジニアがいなくなったら、その分、今いるエンジニアでカバーするのが普通です。この場合、仕事の量も増えますが、これまでやったことのない作業を短期間で学び、納期に合わせて仕事を終わらせなければなりません。

そのため、新しい技術へのプレッシャーと納期へのプレッシャーから、かなりの激務と感じる方もいるでしょう。このように、深刻な人手不足で起きる激務も組み込みエンジニア特有と言えます。

激務になりがちな組み込みエンジニアの年収額は高いのか

これまで解説したように、普段はそうではないものの、納期の直前にはそのプレッシャーから激務になりがちなのが組み込みエンジニアの仕事の特徴です。しかし、それだけの激務を伴う組み込みエンジニアですが、現時点で年収が高いとは言えません。

なお、組み込みエンジニアの年収は、600万円を超えており、ITエンジニアの中でも高い方です。しかし、これは組み込みエンジニアの年齢が高いことから、年収の高い方が多いせいで、若いエンジニアの年収は400万円ほどと高いとは言えません。

なお、組み込みエンジニアは、プログラミングができるだけでは仕事ができません。マイコンに関する知識や電子回路を評価するスキルなど、多くの知識やスキルが求められます。そのため、経験を積まないと年収もアップしないのが特徴です。

このように経験の少ない若い時期の年収は低めですが、人手不足が続く状況では需要が高く、ベテランになれば高い年収が期待できる職種と言えるでしょう。

組み込みエンジニアから業務系・Web系エンジニアへ転職は可能?

組み込みエンジニアとして経験を積んでしまうと、業務系やWeb系のエンジニアに転職できなくなる、ということはありません。もちろん人にもよりますが、組み込みエンジニアから業務系・Web系エンジニアへ転職は可能です。

ただし、組み込みエンジニアとして学んだ経験は、業務系やWeb系には役に立ちません。ゼロから経験を積まないと仕事ができない、と考えてください。また、プログラミングスキルも、業務系やWeb系と、組み込み系とは全く別です。学ぶ時間は短くて済むかもしれませんが、プログラミングスキルもほぼゼロから学ぶことになる考えてください。

とはいえ、プログラムを作るのが楽しいと思える方にとっては、同じエンジニアの仕事です。また、人手不足のため、プログラミングができる方は必ず需要があります。ぜひ、自分が働きやすいと思える仕事を選んでください。

組み込みエンジニアが利用すべき転職エージェントは?

組み込みエンジニアの求人を探すと多くの数がヒットします。しかし、転職を希望する組み込みエンジニアがその全てに受け入れられる訳ではありません。特定の分野での開発経験が問われることが多く、給料だけ見て申し込んだところ、書類審査すら通らない、といったこともあります。

そこで、利用してほしいのが転職エージェントです。あなたの経歴や得意分野、スキルなどから、条件が良く、最も採用されやすい企業の求人を紹介してくれます。次から、組み込みエンジニアに利用してほしい転職エージェントを紹介します。

  • メイテックネクスト
  • リクルート・エージェント
  • マイナビエージェント

 

メイテックネクスト

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メイテックは、エンジニアの派遣会社として有名な会社であり、そのメイテック系列の転職エージェントが、メイテックネクストです。

メイテックネクストの特徴は、コンサルタントの半分以上が技術系出身であり、業界事情に詳しい点です。また、メイテックはエンジニア派遣でエンジニア不足に悩む多くのメーカーと付き合いがあることから、そのような既に付き合いのある企業の求人案件が多いことから、安心して任せられます。

 

リクルート・エージェント

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リクルート・エージェントは、日本における人材ビジネスの最大手企業であるリクルート系列の転職エージェントです。そのため、扱う案件数が多く、その中から自分に合った求人を紹介してもらえる点がリクルート・エージェントのメリットです。

ただし、業界最大手の転職エージェントということで、求職者と対応するコンサルタントの人数が多く、中には組み込みエンジニアの実情に詳しくなかったり、性格的に合わない方います。そのため、自分に合わないと感じたら、別の転職エージェントの利用も検討してください。

マイナビエージェント

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マイナビエージェントは、大学生の就職支援で有名なマイナビ系列の転職エージェントです。特に若い人向けの求人を数多く扱っており、20代に信頼されている転職エージェント業界No.1と言われています。そのため、組み込みエンジニアへの転職を考えている20代の方なら、ぜひ、検討してほしい転職エージェントです。

ただし、先ほど紹介したリクルート・エージェントのように、求職者と対応するコンサルタントの当たり外れが大きい点がデメリットです。また、ベテラン向けの条件の良い求人案件を扱っていない点もデメリットと言えるでしょう。

まとめ

これまで説明したように、組み込みエンジニアの仕事は、必ずしも激務とは言えません。しかし、仕事の特徴から、納期の直前には激務な仕事も発生します。特に、経験の少ない若い時期は、激務と思える作業が続くと思えるかもしれません。

しかし、組み込みエンジニアの仕事は、スケジュールと品質を両立し、知識と経験から課題を解決できた時の達成感は、他に変えられません。今は人手不足が深刻なため、どうしても特定のエンジニアに負担が集中しがちです。それが激務とならないように経験と技術で貢献し、同僚から頼られる組み込みエンジニアを目指しましょう。

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「IT起業家・フリーランスの自立を支える」というビジョンの元、「週2日からの業務委託案件を紹介する、ITプロパートナーズ」を運営。 ■BestVenture100に創業初年度で選出 ■取材記事:自立する覚悟が、働き方を変える
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