こんにちは、ITプロパートナーズ編集部です!
会社員として働いている人が独立を考える場合、選択肢として「フリーランス」と「起業」があります。ただ、フリーランスと起業の違いがイマイチ分かっていないという方も多いのではないでしょうか?
フリーランスと起業にはさまざまな違いがあるため、独立を検討している人はその違いを理解しておきましょう。
この記事では、フリーランスと起業の違いやそれぞれのメリット・デメリット、向いている人・いない人などについて解説します。
なお、フリーランスについて基本的なことを知りたい方は、「フリーランスとは」や「フリーランスになるには」といった記事も参考にしてみてください。
Contents
フリーランスと起業家の違い

フリーランスと起業家は、仕事の受け方に違いがあります。大まかにいうと、フリーランスは相手から仕事を請け負う、起業家は自分でサービスを提供する、という働き方です。
フリーランス
フリーランスは、企業や個人から仕事を請け負う働き方です。雇用契約ではないため、自分の好きな仕事を選んで働くことができます。多くの場合、働く場所や時間の制限はありません。
フリーランスの特徴は、自分のスキルを活かして仕事をするという点です。プログラミング、Webデザイン、ライティングなど、企業が求めているスキルを提供することで報酬をもらいます。
起業家
起業とは、新しい事業を立ち上げることです。事業にもよりますが、多くの場合は初期投資を行ってサービスを立ち上げ、そのサービス利用者から報酬が得られます。事業が成功すれば大きな利益を得られるのが、起業の特徴です。
フリーランスと起業家の人口・年収

独立を考えている人にとっては、フリーランスと起業家の人口や年収の差も気になるところでしょう。ここでは、フリーランスと起業家の人口と年収についての調査結果をみてみましょう。
人口
大手クラウドソーシングサイトであるランサーズが行った調査によると、フリーランス人口は2017年で1122万人となっています。一方、総務省統計局の調査では、同年の起業家人口は477万1千人です。
このように、起業家よりもフリーランスで働く人のほうが多いという結果になりました。
年収
内閣官房日本経済再生総合事務局が行った2020年の調査によると、フリーランスの年収は200~300万円という人がもっとも多く、全体の19%を占めています。
一方、2019年に日本政策金融公庫総合研究所が行った調査では、起業家の57.6%が「月商50万円未満」と回答しており、年商に換算すると年商600万円未満がもっとも多いという結果になりました。
一見すると起業家の年収のほうが高いように思えますが、フリーランスでも年収600万円以上の人も多く、全体の4%は年収1000万円以上と回答しています。また、起業家の場合はあくまで「年商」であり、諸経費を差し引いた「年収」はまた違った結果になります。
フリーランスのメリット

フリーランスには、会社員や起業家とは違うメリットがたくさんあります。フリーランスで働くメリットとして、以下が挙げられます。
- 自由度が高い
- 実力次第で会社員以上の収入を得られる
- 自分の得意なことを活かせる
- フリーランスになる際の手続きの負担が少ない
それぞれ詳しく解説していきましょう。
自由度が高い
フリーランスのメリットとして代表的なのが、自由度の高さです。フリーランスは業務委託として仕事を請け負うことが多いため、決められた成果物を期限までに納品できれば、基本的にいつどこで仕事をしても構いません。
フリーランスの仕事が軌道に乗ってくると、自分の好きな仕事を選べるというメリットもあります。仕事を依頼されても、内容や報酬が希望に合っていなければ断ることも自由です。
実力次第で会社員以上の収入を得られる
フリーランスはスキルや仕事量が収入に直結するため、会社員以上の収入を得られるチャンスがあります。大きな案件に取り組んだり、多くの仕事をこなしたりした月は、それだけ大きな収入を得られます。
一方、会社員の場合は給与テーブルが定められているため、成果を上げても収入を大幅にアップさせるのは難しいでしょう。がんばった分だけ収入に反映されるのは、モチベーションを保つためにも大切なポイントです。
自分の得意なことを活かせる
フリーランスは、自分の得意なことや好きなことを仕事にできるのもメリットです。フリーランスの場合は自分の得意なことを仕事にしているため、そもそも苦手な仕事ややりたくない仕事を依頼されることが少なくなります。
起業に比べ手続きの負担が少ない
会社員を辞めてフリーランスになるためにはいくつかの手続きが必要ですが、起業に比べて負担が少ないというメリットがあります。フリーランスになる場合、これまで給与から天引きされていた税金や社会保険料、年金などを自分で納める必要があり、そのための手続きが必要です。
役所でこれらの手続きを終えたら、基本的にはその他の手続きは不要です。開業届を出す人もいますが、絶対に提出しなければならないというものではありません。
フリーランスのデメリット
フリーランスを目指す人は、デメリットもしっかり把握しておきましょう。フリーランスのデメリットは、以下が挙げられます。
- 収入が不安定である
- ローンなどの審査が厳しくなる
こちらも以下で詳しく解説します。
収入が不安定である
フリーランスの大きなデメリットは、収入が不安定になることです。会社員の場合は毎月安定した給与が支払われますが、フリーランスは仕事量と収入が直結するため、月ごとに収入が変わります。仕事がもらえない時期が続くと、貯金を切り崩しながら生活をするような事態にもなりかねません。
ローンなどの審査が厳しくなる
先に紹介したデメリットともリンクしていますが、収入が不安定であるためにローンなどの審査が厳しくなるのもフリーランスのデメリットです。安定した収入がある会社員と比べて、同じ年収でもフリーランスのほうが審査の目が厳しくなります。
フリーランスが向いている人・向いていない人
フリーランスとして楽しく仕事をしていくためには、フリーランスに向いているかどうかも重要です。向いている人と向いてない人はそれぞれどんな人なのでしょうか?
フリーランスが向いている人
フリーランスに向いている人として、以下のような人が当てはまります。
- 自己管理がしっかりできる人
- 自己アピールが得意な人
いつどこで仕事をしてもいいフリーランスは、自己管理能力が重要です。自己管理ができないと、休みなく働き続けて体調を崩したり、スケジュール管理ができず納期に間に合わなかったりする可能性があります。
フリーランスは自分で仕事を取ってくる必要があるため、自己アピールが得意な人も向いています。自分のスキルを上手にアピールする力は、フリーランスには必須ともいえるでしょう。
フリーランスが向いていない人
一方、以下のような人は、残念ながらフリーランスには向いていません。
- 断るのが苦手な人
- お金の管理が苦手
フリーランスで仕事をしていくためには、時には依頼を断ったり、条件について相手と交渉したりする必要があります。断るのが苦手な人は、仕事を請け負いすぎて手が回らなくなったり、安い報酬で依頼を受けてしまったりするかもしれません。
フリーランスの場合は、経費の管理なども自分で行う必要があります。お金の管理が苦手では、毎月の収支を適切に管理できず、お金が足りなくなったり、確定申告で苦労したりする可能性もあります。
起業のメリット

起業家には、フリーランスとはまた違った、起業家ならではのメリットがあります。起業するメリットとして、以下が挙げられます。
- 税金面で有利
- やりたいことが自由に行える
- 上場や売却などで高収入を得られる可能性がある
以下で、それぞれ詳しく解説します。
税金面で有利
起業して法人化すると、税金面で有利になります。国税庁のサイトで法人税と所得税を比較してみると、資本金が1億円以下の法人の場合、法人税は年収800万円以下で15%(一部の社団法人等は19%)、年収800万円超で23.2%です。一方、個人事業主の場合は年収に応じて所得税の税率が段階的に変わります。
例えば、年収1000万円の場合、法人であれば法人税は800万円以下の部分は15%、800万円を超えた部分に23.2%をかけて166万4000円です。一方、個人事業主の所得税は33%から控除額を引いて176万4000円です。この場合、法人のほうが10万円も節税できることになります。
やりたいことが自由に行える
起業とは、実質的に自分が社長になるということです。そのため、事業内容や経営方針など、すべて自分で決めることができます。定休日や労働時間なども自由に決められるため、会社員のように経営陣が決めたルールに従う必要はありません。
上場や売却などで高収入を得られる可能性がある
起業して法人化すると、上場や売却で大きな資金を調達できる可能性があります。上場して証券会社を通じて市場から資金を集めたり、ヒットした事業を高額で売却したり、フリーランスや会社員ではできない方法で高収入が得られるかもしれません。
起業のデメリット
起業には、メリットもありますがデメリットもあります。起業に興味のある人は、デメリットについてもしっかり把握しておきましょう。起業のデメリットとしては、以下が挙げられます。
- 事業失敗のリスクが大きい
- 法人化の手続きが煩雑
- まとまった起業資金が必要になるケースがある
デメリットについて以下で詳しく解説します。
事業失敗のリスクが大きい
起業の場合、事業を失敗したときのリスクが大きくなります。初期投資が回収できない、人を雇っていた場合は売上が出ていなくても人件費が発生する、場合によっては借金を抱えることになるケースもあるでしょう。起業の場合は、失敗してもすべて自分で対応しなければなりません。
法人化の手続きが煩雑
フリーランスの場合は特に面倒な手続きは不要ですが、起業の場合は法人化するための手続きが必要です。会社を設立するには定款を作成し、登記申請書を法務局に提出します。そのほか、税務署や年金事務所にも各種書類の提出が必要で、たくさんの書類を用意しなければなりません。
まとまった起業資金が必要になるケースがある
法人化するには、定款の認証手数料や謄本手数料、登録免許税だけで20万円以上かかります。そのほか、事業内容によっては店舗や広告宣伝に費用をかけなければならないケースもあり、起業資金が高額になる可能性があります。
フリーランスが法人化するメリット・デメリットやベストのタイミングなどについては以下の記事で解説しています。
起業に向いている人・向いていない人

フリーランス同様、起業にも向いている人・向いていない人が存在します。起業に向いている人・向いていない人はどのような人なのでしょうか?
起業に向いている人
起業に向いている人は、以下のような人です。
- 明確にビジョンを持っている人
- 自信家の人
起業とは新しい事業を作り出す作業のため、特に会社員からいきなり起業を考えている場合は、明確なビジョンのある人のほうが行動に移しやすいでしょう。「これがやりたい!」という気持ちが、起業には大切です。
起業という大きなチャレンジは、自信がないと途中で挫折してしまうかもしれません。そのため、自信家の人も起業に向いています。
起業に向いていない人
一方、以下のような人は起業には向いていないでしょう。
- 起業自体が目的となってしまっている人
- ネガティブな人
起業すること自体が目的となっている人は、残念ながら起業には向きません。漠然と「起業したい」という気持ちだけでは、資金調達や各種手続きの時点でハードルが高いでしょう。
ネガティブな人も、起業には向いていません。起業は、成功するまで失敗の連続になることも珍しくないため、ネガティブに考えすぎてしまう人は難しいでしょう。
実際にフリーランスになった人・起業した人の体験談
メリットやデメリットだけでなく、実際にフリーランスになった人や起業した人の感想が気になるという人も多いのではないでしょうか。ここでは、それぞれの体験談を紹介します。
フリーランスになった人の体験談
こちらは、フリーランスになった人の体験談です。
また、弊社別記事でもフリーランスになった人へのインタビューを紹介しているため、こちらもご覧ください。
起業した人の体験談
こちらは、起業した人の体験談です。
また、以下の弊社別記事でも起業した人の体験談を紹介しています。
結局フリーランスと起業はどちらが良いのか?

ここまで、フリーランスと起業それぞれについて紹介してきましたが、「結局のところフリーランスと起業どっちがいいの?」と思っている人もいるでしょう。
結論としては、フリーランスと起業のどちらが適しているかは価値観や目的に応じて異なるため、一概にどちらが良いとは断言できません。フリーランスの中でも開業届を出して個人事業主になるかどうかで意見が分かれたり、収入によっては法人化したほうが税金面で得したりする場合があるため、状況に応じた判断が必要です。
ただし、いきなり起業を目指す場合は、必ず成し遂げたいことや実現したいビジョンが必要でしょう。そうでない場合は、まずはフリーランスとして独立するのがおすすめです。
まずはフリーランスとして独立
「得意なことを仕事にしたい」「自由に働きたい」という場合は、まずはフリーランスとして独立するのがおすすめです。フリーランスは手続きが簡単で、初期費用も起業に比べて低いため、始めやすいというメリットがあります。
その後状況によって起業
起業のメリットでも述べたとおり、収入によっては法人化したほうが税金面で得する場合があるため、フリーランスの仕事が軌道に乗ってきたら、起業も視野に入れると良いでしょう。「フリーランスでやってきたけど、もっと事業を拡大していきたい」という人も、起業を検討してみましょう。
フリーランスが起業するタイミングは?
フリーランスが起業するタイミングとして多いのが、税金面で有利になるタイミングです。1年間の売上や所得を計算したとき、法人化したほうが税金が安くなるようであれば起業を検討するタイミングであるといえます。具体的には、所得が950万円を超えると法人税のほうが安くなるため、ひとつの目安となります。
フリーランスになる際に準備しておきたいこと

会社員からフリーランスになる場合、事前に準備しておきたいことがあります。次に紹介するポイントは、事前に確認しておきましょう。
ローンの契約などを済ませておく
フリーランスのデメリットでも述べましたが、会社員に比べてフリーランスはローンの審査が厳しくなります。家や車の購入を考えている場合は、会社員のうちにローンの契約を済ませておくのがおすすめです。
SNSや名刺などの作成を行う
フリーランスは自分で仕事を取ってくる必要があるため、自分についてアピールできるSNSや、名刺などは事前に準備しておきましょう。フリーランスになってから準備を始めると、実際に仕事が取れるまでに時間がかかってしまうかもしれません。
フリーランスの仕事の作り方
「フリーランスになりたいけど、具体的にどうやって仕事を作ればいいのかわからない」という人もいるでしょう。ここでは、フリーランスが仕事を作るときに役立つ3つの方法を紹介します。
個人サイトやSNSで情報発信
積極的にSNSを活用し、自分が持っているスキルをアピールすることが仕事につながります。デザイナーやイラストレーターならポートフォリオとして実際の作品を投稿すれば、未来のクライアントの目に留まる可能性があります。エンジニアやプログラマーも、これまでの実績や使える言語などをプロフィールに記載して発信を続けることで、仕事に繋がる可能性は十分にあります。
クラウドソーシング
クラウドソーシングサイトは、仕事を求めているフリーランスと仕事を依頼したいクライアントが直接やりとりできる場です。有名なクラウドソーシングサイトとして、クラウドワークスやランサーズなどが挙げられます。これらのサイトにクラウドワーカーとして登録して、仕事を探すという方法もあります。
エージェント
フリーランスとクライアントをマッチングしてくれるエージェントを活用して、仕事を紹介してもらう方法もあります。
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まとめ
フリーランスと起業は、それぞれ特徴やメリット・デメリット、向き不向きがあります。どちらが自分に合っていそうか、イメージできましたか?自分に合った働き方を実現するためには、自分の現状や理想をしっかり把握しておくことが大切です。
フリーランスと起業、どっちが正解というのはありませんが、初期投資や収入に不安があるなら、まずはフリーランスで始めてみましょう。クラウドソーシングやエージェントを使って、副業から始めてみるのもおすすめです。
- 高額案件を定期的に紹介してもらいたい
- 週2日、リモートワークなど自由な働き方をしてみたい
- 面倒な契約周りはまかせて仕事に集中したい
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