こんにちは、ITプロマガジンです。
インフラエンジニアは、システムの基盤となるITインフラの設計・構築・運用・保守を担当することから、一般的に企業に常駐して仕事をすることが多い職業です。そのため、「フリーランスとしてリモートで働くことは可能なのか?」と疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。
結論、インフラエンジニアはフリーランスとして独立可能で、フルリモートで高い年収を得ることもできます。この記事では、フリーランスインフラエンジニアとして独立する方法や年収目安、必要スキルを解説します。具体的なインフラエンジニアのフリーランス案件例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
なお、まずフリーランスエンジニアの仕事内容や実態など基本情報を知りたい方は、以下の記事を併せて参考にしてください。
▶︎ フリーランスエンジニアとは?仕事内容や今から目指す人が知るべき実情
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Contents
- 1 インフラエンジニアはフリーランスとして独立できる?
- 2 フリーランスインフラエンジニアの主な仕事内容
- 3 フリーランスインフラエンジニアの働き方や案件の特徴
- 4 フリーランスインフラエンジニアの年収は?
- 5 フリーランスインフラエンジニアの案件例
- 6 インフラエンジニアがフリーランスになる為に必要なスキルや経験
- 7 フリーランスインフラエンジニアに役立つ資格
- 8 インフラエンジニアがフリーランスとして独立するメリット
- 9 インフラエンジニアがフリーランスとして独立するデメリット
- 10 フリーランスインフラエンジニアになるためのステップ
- 11 フリーランスインフラエンジニアになって稼げるまでどのくらいかかる?
- 12 フリーランスインフラエンジニアの案件獲得方法
- 13 フリーランスインフラエンジニアの案件獲得におすすめエージェント
- 14 インフラエンジニアがフリーランスとして高収入を目指すポイント
- 15 フリーランスインフラエンジニアの将来性と活躍し続けるためのコツ
- 16 フリーランスインフラエンジニアに関するよくある質問
- 17 まとめ
インフラエンジニアはフリーランスとして独立できる?
結論からいえば、インフラエンジニアはフリーランスになっても十分に活躍でき、高い収入を得られる可能性があります。
現状では、そもそもIT人材の需要が全体的に高まっています。DXを推進する企業が多く、そのためには新しいインフラの整備や再構築が不可欠です。そのため、インフラエンジニアに対する需要も依然として高く、フリーランス向けの案件数も高水準を維持しています。例えば、弊社ITプロパートナーズでは、フリーランスインフラエンジニア向けの案件を約120件扱っています(2024年8月時点)。
なお、国内クラウド需要動向調査(2022年版)によると、2021年度の国内クラウドサービス市場全体の規模が3兆5723億円に達し、2026年度には7兆4849億円になると予測されており、市場規模が拡大し続けています。そのことからクラウド関連のスキルも持っているとさらに活躍の幅は広がるといえるでしょう。
フリーランスインフラエンジニアの主な仕事内容
フリーランスインフラエンジニアの主な仕事内容は、以下の通りです。
- 設計
- 構築
- 運用・保守
それぞれについて解説します。
設計
開発するシステムの設計もインフラエンジニアの仕事の1つです。どの機器やOSを使用し、どのような機能を構築する必要があるか検討します。概要をイメージしたうえで具体的な設計書を作成し、実際にインフラを構築するための下準備を整えます。
構築
設計書の内容をもとにインフラを構築します。例えば、機器を調達して設定したり、必要なサーバーを用意したりします。作業が一通り済んだらテストを行い、設計書に沿って構築できたか確認が必要です。ここでは、アクセスが集中した際に問題なく動作するかについてもチェックします。
運用・保守
構築されたシステムインフラが安定的に稼働するよう、運用します。システムインフラを動かしつつ、問題が発生しないか監視します。もし障害が発生した際は、保守による改善が必要です。設計書の内容を踏まえ、問題点を突き止めて適切な対処をします。
フリーランスインフラエンジニアの働き方や案件の特徴
フリーランスインフラエンジニアは、個人でクライアントから仕事を請け負って働きます。会社員のような雇用契約ではなく、業務委託契約を結ぶケースがほとんどです。
フリーランスインフラエンジニアの働き方や案件の特徴として、以下が挙げられます。
- 在宅案件もあるが常駐案件が比較的多い
- 保守・運用のみの案件もある
- 長期でプロジェクトに関わることが多い
- クラウド移行の案件が増えている
上記について、以下で詳しくみていきましょう。
在宅案件もあるが常駐案件が比較的多い
フリーランスと聞くと自由な場所で働けるというイメージがあるかもしれませんが、インフラエンジニアの場合は客先に常駐する案件が比較的多い傾向にあります。ネットワーク回線やサーバーなどの機器を扱う必要があり、リモートだけでは対応しきれないことがあるためです。
ただし、在宅案件が全くないわけではありません。例えばサーバーをクラウド環境に移行しているクライアントなら、在宅でも問題ないケースがあります。また、オンプレミスの場合でも、監視やデータ分析などリモートで対応できる業務はあり、案件によっては「基本的にリモートで対応しつつ必要に応じて出社する」という働き方も可能です。
保守・運用のみの案件もある
設計や構築から保守・運用まで一貫で対応する案件もありますが、すでに稼働中のインフラの保守・運用のみを担当する案件もあります。保守・運用はインフラを安定して稼働させるために監視やメンテナンス、トラブル対応を行う仕事で、経験やスキルが比較的少なくても対応しやすいのが特徴です。そのため、駆け出しのフリーランスインフラエンジニアにおすすめです。
長期でプロジェクトに関わることが多い
フリーランスインフラエンジニアとして運用や保守の仕事をする場合、長期でプロジェクトに関わるケースが多いです。その場合、案件を1つ獲得すると、しばらくは営業活動をしなくても仕事に困ることはありません。
フリーランスは案件が終わるたびに新しい案件を探す必要がありますが、インフラエンジニアは営業活動の頻度が少なくて済む可能性が高いです。計画的に案件の契約がしやすく、次の仕事探しも比較的余裕をもって行えるでしょう。
クラウド移行の案件が増えている
近年、クラウドサービスの業務利用が主流となってきています。そのため、オンプレミスで運用中の現行サーバーやシステムをクラウドに移行したいと希望する企業が増えており、クラウド移行案件に対応できるインフラエンジニアの需要が高まっています。インフラ関連の知識に加えてクラウドの知識・スキルを持っておくと、より活躍の幅が広がるでしょう。
フリーランスインフラエンジニアの年収は?
フリーランスインフラエンジニアはどれくらい稼げるのでしょうか?正社員と比較した際の年収や、職種別の年収目安を紹介します。
正社員と比較したフリーランスインフラエンジニアの年収
上記の通り、フリーランスインフラエンジニアの年収目安はおよそ957万円(※)です。
※ITプロパートナーズで掲載している月額案件単価を年収換算した数値です。
会社員インフラエンジニアの年数は、厚生労働省が発表している「令和4年賃金構造基本統計調査」によるとおよそ660万円。正社員と比較して、フリーランスのインフラエンジニアは高収入を得られる可能性が高いことが分かります。
ただし、フリーランスは保険料が全額自己負担になるので、正社員と比較して手取りは低くなる傾向にあります。フリーランスの手取りを知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
職種別の平均年収
フリーランスインフラエンジニアの職種別の平均年収は、職種によっても異なります。具体的な職種と平均年収をまとめると、以下の通りです。
職種 | 平均年収 |
---|---|
サーバーエンジニア | 480〜720万円程度 |
ネットワークエンジニア | 360〜720万円程度 |
クラウドエンジニア | 600~840万円程度 |
セキュリティエンジニア | 240〜960万円程度 |
それぞれの職種の経験年数によっても得られる報酬に違いがあるため、平均年収の幅は広くなっています。
フリーランスインフラエンジニアの案件例
フリーランスインフラエンジニアの案件例と単価相場をイメージできるように、弊社「ITプロパートナーズ」に掲載されている案件を3つ紹介します。
週2、3日の案件例・単価相場
クラウド配信型のデジタルサイネージシステムでインフラの運用を担当する案件です。
案件名 | 【AWS/GoogleCloudPlatform】デジタルサイネージにおけるインフラエンジニアの案件・求人 |
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案件単価 | ~500,000円/月 |
勤務地 | 基本リモート一部出社 |
スキル | ・自社サービス(SaaS)のインフラ運用経験 ・AWS環境の構築〜運用経験 ・GCP環境の構築〜運用経験 |
職種・ポジション | インフラエンジニア |
インフラの知見を持つ人材の不足が背景にあるため、インフラに関する専門性が重視されています。少数精鋭で進めているプロジェクトであり、主体的に業務に取り組める人に向いています。
在宅・リモートOKの案件例・単価相場
運用型広告のサービスにおける開発において、インフラに関する業務を担当する案件です。
案件名 | 【Python/GoogleCloudPlatform】運用型広告サービスにおけるインフラエンジニアの案件・求人 |
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案件単価 | ~800,000円/月 |
勤務地 | フルリモート |
スキル | ・GCP環境での設計〜運用経験 ・Pythonでのコード実装経験 ・機械学習における知見 |
職種・ポジション | インフラエンジニア・バックエンドエンジニア |
具体的には、GCPでのアプリケーション構築支援やGCP環境を用いたWebアプリ開発などを担当します。主にプロパーの指示に従って業務を進めますが、能動的な対応ができる人材が求められています。
ベンチャー企業の案件例・単価相場
クライアント企業のインフラシステムの設計・構築・運用に関する案件です。
案件名 | 【AWS/Linux】AI×動作指導のテックベンチャーにてインフラエンジニア募集! |
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案件単価 | ~900,000円/月 |
勤務地 | フルリモート |
スキル | ・AWS など IaaS のインフラ設計、構築、運用経験(1年以上) ・Linux を用いた Web アプリケーション環境の運用経験(1年以上) ・CI/CD、Infrastructure as Code の思想に基づくツールによる自動化環境の運用経験 |
職種・ポジション | インフラエンジニア |
必須スキルには、AWS などクラウド関連のインフラに携わった経験や、Linux を用いた Web アプリケーション環境の運用経験、CI/CD、Infrastructure as Code の思想に基づくツールの経験が求められています。全てのスキルを備えている必要はなく、いずれかの専門性があれば応募可能です。
弊社ではほかにも多くのフリーランス案件を紹介しています。気になる方はぜひお気軽にご相談ください。
インフラエンジニアがフリーランスになる為に必要なスキルや経験
インフラエンジニアがフリーランスになるには、以下の経験やスキルが必要になります。
- インフラエンジニアとしての実務経験
- インフラエンジニアとしての基本スキル
- クラウド関連のスキル
- コミュニケーション能力
- 自己管理力
前提としてエンジニアとしての実務経験が必要
まず前提として、フリーランスとして独立するには、インフラエンジニアとしての実務経験が必要です。
インフラエンジニアの案件では、必須スキルとして「〇〇の経験が◯年以上」が挙げられています。経験がないフリーランスエンジニアが受けられる案件は、ほとんどありません。目安としては、最低でも1年、できれば3年以上の実務経験があると良いでしょう。
完全未経験からフリーランスを目指すなら、エンジニアとしての仕事ができる会社に就職・転職し経験を積んだうえで独立することをおすすめします。
実務経験を積めるのは当然ですが、その会社で働いているプロのエンジニアからさまざまなスキルや知識を吸収できるので、独学よりも成長スピードを高められるでしょう。
インフラエンジニアとしての基本スキル
インフラエンジニアの基本スキルとは、どのようなものがあるのでしょうか。具体的には以下のスキルが必要です。
- ネットワークやサーバー全般のスキル
- OSの知識
- クラウドサービス(AWS、Azure、GCP)の知識
- セキュリティの知識
まずネットワークやデータベースの知識、サーバー構築全般のスキルが必要です。サーバー上で動作するプログラム設計や開発の技術も求められます。WindowsやMacなどOSの基本知識も必要です。アップデートの検証や実施する知識も求められます。
AmazonのAWS・MicrosoftのAzure・GoogleのGCPなど、それぞれのクラウドサービスがあります。これらのサービスを利用した、クラウド型システムやハイブリッド型システムを構築するスキルも必要です。
また、セキュリティ対策は高い知識と最新の情報を必要とします。一般的にはセキュリティエンジニアの仕事ですが、最新のセキュリティ情報やセキュリティ対策製品の知識は身につけておくべきでしょう。
クラウド関連のスキル
先ほど紹介したとおり、インフラ環境をクラウドに移行したいという需要が高まっています。そのため、より多くの案件に対応できるようにクラウド関連のスキルも身につけておきましょう。AWSやAzureなど代表的なクラウドサービスについての知見やスキルがあると、クラウド移行を進める企業や、すでにクラウドサービスを利用している企業から重宝されます。
また、オンプレミスからクラウドへの移行経験や、クラウドとオンプレミスを併用するインフラ設計ができる知識などがあると、より幅広い案件に対応できるようになります。
コミュニケーション能力
クライアントに依頼されたことだけに対応するわけではありません。コミュニケーション能力やインフラの知識を活かして、クライアントにヒアリングしたり提案したりするスキルも必要です。
クライアントが理想とする環境づくりや悩みに対し、提案することも求められます。コミュニケーション能力を活かし、クライアントが相談できて信頼されるエンジニアがフリーランスとして成功するポイントです。
自己管理力
フリーランスには、スケジュールや体調などの自己管理力が求められます。
案件の数をこなすのも重要ですが、優先順位をつけるなどしてスケジュールを管理しなければいけません。独立したばかりの時は、実績づくりのために仕事を詰めてしまいがちです。その結果、納期を守れず、信頼を失うこともあります。
また、仕事を詰めすぎると体調管理を後回しにしがちです。会社員なら仕事を休んでも収入に影響は出ませんが、フリーランスは収入に直接影響が出てしまいます。仕事に穴を開けてしまい、クライアントの信頼を失ってしまうことにもつながるでしょう。
フリーランスは無理のないスケジュールを組むことや、案件を依頼された際に納期を交渉するなど自分で管理する必要があります。フリーランスは時間に縛られない働き方ですが、全て自己責任です。体調に気を配り、仕事に穴を開けないことも求められます。
フリーランスインフラエンジニアに役立つ資格
フリーランスインフラエンジニアの年収アップに役立つ資格は、以下の3点です。
- 情報処理技術者試験
- AWS認定
- Linux技術者認定
- シスコ技術者認定
それぞれの資格を紹介します。
情報処理技術者試験
「情報処理技術者試験」は、経済産業省が認定する国家資格です。取得しておくと、情報処理技術者としての知識やスキルが一定以上の水準であることの証明になります。
複数の試験区分が用意されていて、応用的な知識・技能が求められる「応用情報技術者」や、ネットワークについての高度な知識が問われる「ネットワークスペシャリスト」などがインフラエンジニアにはおすすめです。
AWS認定
「AWS認定」とは、Amazonが提供しているクラウドサービスAWSの技術スキルや専門知識の資格です。
AWSは世界中の企業が利用しているクラウドサービスなので、認定を受けていれば案件の幅を広げられるだけでなく、年収アップにもつながります。
AWS認定はレベルや専門分野によって11種類あります。資格取得の学習を進めることでAWS全般の知識が身につくでしょう。
Linux技術者認定
「Linux技術者認定」とは、「LinuC」と呼ばれるLinuxOSの技術者のための資格制度です。
認定はLinuCレベル1・LinuCレベル2・LinuCレベル3と、3段階にレベル分けされています。レベル1が基本的な物理・仮想環境のLinuxサーバーの構築・運用、レベル3が専門家レベルの技術者認定です
取得することで年収アップにつながりますが、資格取得のための学習によりエンジニアとしてのスキルアップになることもメリットといえるでしょう。
シスコ技術者認定
「シスコ技術者認定」とは、シスコシステムズが展開する認定資格です。レベルによって試験の種類が分けられています。
シスコ技術者認定は、エンジニア関連の仕事において周囲からの信頼にもつながる資格です。フリーランスで高単価案件を受けるには信頼を得る必要があります。シスコ技術認定は、クライアントからの信頼を得るためにも取得すべき資格です。
インフラエンジニアがフリーランスとして独立するメリット
インフラエンジニアがフリーランスとして独立すると、以下のようなメリットがあります。
- 自分で案件を選べる
- 働く場所や時間が自由
- 高単価案件も多く年収アップが期待できる
- 自分らしい働き方ができるためストレスを軽減できる
それぞれのメリットについて、以下で詳しくみていきましょう。
自分で案件を選べる
フリーランスと会社員の違いの1つが、自分で仕事内容を選べるかどうかです。会社員は基本的に担当する業務を自分で選ぶことは難しく、自分のスキルや希望に合った業務に携われるケースばかりではありません。
一方、フリーランスは受注する案件を自分で選べるのが大きなメリットです。例えば「今までは保守・運用が中心だったから、設計や構築にチャレンジしてみたい」「クラウド移行に関わりたい」など、キャリアアップやスキルアップにつながる仕事が選べます。
働く場所や時間が自由
リモート可能な案件なら、働く場所を自由に選べます。「基本的に自宅で仕事をして、リフレッシュしたい時はカフェで作業する」など、その日の予定や気分に合わせて働く場所を選べるのもフリーランスのメリットです。
期日までに成果物を納品すればよい案件なら、勤務時間の指定もありません。「午前中に仕事を終わらせて午後はゆっくり過ごす」「夜に集中して作業する」など、希望のライフスタイルを実現できます。
会社員は働く場所や時間を指定されるケースが多いため、よりフレキシブルな働き方を希望する人はフリーランスがおすすめです。
高単価案件も多く年収アップが期待できる
フリーランスインフラエンジニアの案件には高単価なものも多くあり、年収アップが期待できるというメリットもあります。案件の受注件数を増やしたり、より高単価な案件にチャレンジしたり、自分の裁量で年収アップを目指しやすいのがフリーランスの特徴です。
会社員にも昇給はありますが、会社の規模や業績、上司からの評価などによる部分が大きく、「現在の業務内容と給与額が見合っていない」と感じている会社員エンジニアの人もいるでしょう。
フリーランスは仕事量やスキルレベルが収入に直結するため、仕事へのモチベーションが上がりやすいという特徴もあります。
自分らしい働き方ができるためストレスを軽減できる
自分で仕事内容や働く場所・時間を選べるのは、「自分らしい働き方」の実現につながります。例えば、毎日の通勤や人間関係にストレスを感じている会社員の人は、フリーランスとして独立することでストレスの原因から開放されるでしょう。
どのような働き方が合っているかは、人によってさまざまです。会社員の働き方のほうが自分に合っていると思う人もいれば、フリーランスのほうがストレスを軽減できる人もいます。会社員の働き方にストレスを感じている人は、フリーランスを目指してみてはいかがでしょうか。
インフラエンジニアがフリーランスとして独立するデメリット
フリーランスインフラエンジニアにはメリットが多くありますが、一部デメリットもあるので注意してください。以下のような点がデメリットとして挙げられます。
- 仕事の量や収入が安定しない
- 税金や契約など手続きを全て自分で行う必要がある
- 孤独を感じることもある
- 社会的信用が低い
上記4点のデメリットについて、以下で詳しく解説します。
仕事の量や収入が安定しない
フリーランスの大きなデメリットは、仕事の量や収入が安定しない点です。年収アップが期待できることをメリットとして挙げましたが、それは案件を多く受注できたり高単価案件に採用されたりした場合です。思うように案件を受注できなかったり、低単価な案件にしか採用されなかったりする場合は、当然ながら多くの収入は見込めません。「先月は依頼が多かったのに、今月は少ない」といったケースも起こり得ます。
また、ケガや病気で仕事ができない状況になると、その間は収入が得られない点にも注意が必要です。フリーランスには会社員のように毎月の安定した給与や休業中の補償がないため、ある程度の生活防衛資金を確保しておかなければなりません。
孤独を感じることもある
1人で働く時間の多いフリーランスは、孤独を感じやすい仕事です。リモート案件では特に孤独を感じやすいでしょう。気分が乗らない時、どのように仕事を進めるか迷った時に、孤独が苦手な人は仕事に影響するかもしれません。また、常駐案件を受けても、社員との壁を感じて孤独感にさいなまれる人もいます。
孤独感を和らげるには、人とのつながりが大切です。フリーランスのコミュニティや、趣味や習い事のつながりなどを通じて、人とコミュニケーションを取りましょう。仕事に関係はなくても、気軽に話せる相手がいれば強い孤独を感じずに済みます。
社会的信用が低い
フリーランスは、会社員と比較すると信用度が低くなりがちです。信用が低いと、ローンやクレジットカード、賃貸物件の審査に通りにくい恐れがあります。また、結婚する時に配偶者の両親に心配されるケースもあるでしょう。
フリーランスの社会的信用が低い理由は、収入の不安定さです。ローンなど審査が必要なイベントは、会社員のうちに済ませておきましょう。また、結婚などの場面で相手に信用してもらうために、貯金・資産を増やしておきましょう。
税金や契約など手続きを全て自分で行う必要がある
フリーランスになると、税金や契約などの事務手続きを全て自分で行う必要があります。会社員なら契約書や請求書のやりとりを専門の部署に任せられ、税金関係の手続きも年末調整の書類を提出すれば完了するケースが多いです。
一方、フリーランスは契約書や請求書などは全て自分で用意してクライアントとやりとりしなければなりません。税金を正しく支払うために、帳簿を作成して確定申告の対応も必要です。
このように、通常の仕事以外に多くの事務作業が発生するのも、フリーランスのデメリットといえます。
フリーランスインフラエンジニアになるためのステップ
フリーランスインフラエンジニアになるには、以下のステップで進めます。
- インフラエンジニアに必要なスキルを磨く
- 企業で実務経験を積む
- 独立前に人脈を作っておく
- 独立前に副業案件を経験する
- 本格的にフリーランスとして活動する
それぞれのステップの内容について、以下で解説します。
1.インフラエンジニアに必要なスキルを磨く
フリーランスは自分ひとりで仕事をこなす必要があるため、インフラエンジニアに求められるスキルや知識を身につけなければなりません。未経験からフリーランスインフラエンジニアになりたい人はもちろん、すでにインフラエンジニアとして働いている人もクラウドの知識や自己管理能力など、フリーランスとしてより活躍できるようさらに高いスキルの獲得を目指しましょう。
具体的なスキル習得の方法としては、例えばスクールの利用があげられます。専門のスクールには高いスキルをもつプロがいるため、着実にスキルを学べます。分からない部分があっても質問でき、着実にスキルアップできる環境です。また、学習サイトを活用する方法もあります。自分のペースで学習できるため、フリーランスの仕事の合間に無理なく勉強できるでしょう。
2.企業で実務経験を積む
フリーランス案件は実務経験が求められることが多いため、企業で実務経験を積みましょう。実務経験がないままフリーランスになると、低単価な案件しか獲得できなかったり、そもそも応募できる案件が見つからなかったりするおそれがあります。
どの程度の実務経験が求められるかは案件によって異なりますが、3年以上の実務経験があればフリーランスインフラエンジニアとして安定した収入が得られる可能性が高いです。
未経験の人は、まずインフラエンジニアとして働ける企業への就職を目指してください。現在インフラエンジニアとして1〜2年働いているという人は、もう少し実務経験を積んでから独立することをおすすめします。
3.独立前に人脈を作っておく
独立前に人脈をつくっておくのも重要です。自分の能力を知っている人間だからこそ、重要な仕事を任せてくれる可能性があります。
実際にフリーランス協会の「フリーランス白書2020」によると、フリーランスの受注経路としてもっとも多いのが「人脈」というデータが出ています。
この結果から、いかに独立前の人脈が重要なのかが分かります。人脈があれば情報交換や仕事の相談もできます。
人脈を作る方法は人によってさまざまです。例えば、ビジネスの交流会に参加し、職種を問わずさまざまな相手との人脈を作る方法もあります。また、コミュニティに所属してメンバーとコミュニケーションを図りながら仲間を増やす方法もおすすめです。さらに、SNSで自分の実績や知識についての情報を発信すれば、興味をもった人との交流が広がる可能性もあります。
4.独立前に副業案件を経験する
また、現在会社員インフラエンジニアとして働かれている方は、フリーランスとして独立する前に、可能であれば副業案件を経験しておくこともおすすめします。
なぜなら、副業として案件をこなすことが、フリーランス案件の予行練習になるからです。また、その間にクライアントに名前を売る事もでき、独立した際の案件獲得につながる可能性もあるからです。更に、副業案件をこなすことで、「自分には個人で案件をこなすのは向いていない」と感じたら正社員としてそのまま働くという判断もできます。
もちろん、今勤めている企業の就業規定などの理由から副業ができない方もいるかもしれませんが、もし可能な場合は積極的に副業を行うとよいでしょう。
5.本格的にフリーランスとして活動する
人脈作りや副業経験などフリーランスになるための事前準備が整ったら、本格的にフリーランスとしての活動を始めましょう。フリーランスになると会社からの給与がなくなるため、副業案件よりも高単価なフリーランス向けの案件を獲得していく必要があります。
副業は本業の合間にしか対応できないので作業負担の少ない案件を選ばざるをえませんが、フリーランスになると多くの時間を案件対応に充てることが可能です。案件の獲得経路も増やしながら、より高単価な案件を狙っていきましょう。
フリーランスインフラエンジニアになって稼げるまでどのくらいかかる?
高収入を目指して、フリーランスインフラエンジニアを目指す人は多いと考えられます。ただし、実務経験やスキルが不足したまま独立しても、すぐには稼げません。ここでは、フリーランスになってから稼げるまでかかる期間の目安を解説します。
実務経験やスキルが豊富な人の場合
実務経験が3年以上あるなど、経験やスキルが豊富なインフラエンジニアなら、独立して早々に稼げると考えられます。フリーランスは実力主義であるため、案件を獲得できれば会社員時代と変わらない年収、もしくはそれ以上の年収が期待できるでしょう。独立したての頃の収入の目安としては、上述したとおり月収50万円程度です。
実績やスキルが少ない人の場合
実績やスキルが少ない人の場合は、受注できる案件が少ないため、稼ぎが安定するまで時間がかかります。未経験からフリーランスを目指す場合は、即戦力となるレベルまで3年程度は見ておきましょう。なお、営業力など技術力以外の部分も磨いていくと、幾分早く稼げるようになる可能性もあります。
フリーランスインフラエンジニアの案件獲得方法
フリーランスインフラエンジニアの案件獲得方法として、以下の4つを紹介します。
- フリーランスエージェントを活用する
- クラウドソーシングを活用する
- 知人・友人の紹介を受ける
- SNSやHPで情報発信する
フリーランスエージェントを活用する
フリーランスエージェントとは、フリーランスとクライアントを仲介するサービスのことです。フリーランスエージェントには専門のスタッフがおり、自分のスキルに合う仕事の紹介から、キャリアの相談から事務手続きのサポートまで、幅広い範囲をサポートしてくれます。従って、営業活動を省くことができ、本来のエンジニア業務に集中することができます。
フリーランスとして積極的に活動するなら、エージェントに登録しておいて損はないでしょう。ただし、エージェントは高単価な案件を獲得できる可能性は高いものの、相応の実務経験が求められる点には留意してください。
クラウドソーシングを活用する
フリーランスエージェントにはスキル不足で登録しにくい、という人にはクラウドソーシングがおすすめです。クラウドワークスやランサーズなどの大規模クラウドソーシングには、さまざまなレベルの案件が掲載されています。自分のレベルに合うものを選び、実績を積みましょう。
クラウドソーシングでは、フリーランスエージェントのように案件を紹介してはもらえません。勉強したことやできることを詳しくポートフォリオで説明して、案件に応募しましょう。
知人・友人の紹介を受ける
上述したように、フリーランスの多くが「人脈」から案件を得ています。知人・友人で仕事を紹介してくれる人がいれば、積極的に営業をかけてみましょう。お互いよく知った間柄なら、仕事の詳細を質問しやすいと考えられます。
もし知人・友人にフリーランスになったと知られたくない場合は、新たに人脈を作るとよいでしょう。セミナーや交流会など、エンジニアが多く集まる場に顔を出して地道に人脈を作っていくと、仕事を紹介してもらえる可能性があります。
SNSやHPで情報発信する
SNSやHPで情報を発信していくと、仕事につながる場合があります。クライアントが知りたい情報をすぐ確認できるように、分かりやすい場所に連絡先やポートフォリオへのリンクを貼っておきましょう。
SNSやHPで情報発信する際は、ビジネスとプライベートのバランスがポイントです。プライベートの投稿が多いと、エンジニアとしての投稿が埋もれてしまうかもしれません。また、SNSやHPでの情報発信は即効性が低いため、フリーランスエージェントなど複数の案件獲得手法も並行して実施しましょう。
フリーランスインフラエンジニアの案件獲得におすすめエージェント
フリーランスインフラエンジニアの案件獲得には、フリーランスエージェントの活用がおすすめです。エージェントを活用すると、自分の経験・スキルや希望に合った案件を紹介してもらえるので効率的に案件を見つけられ、個人では受注が難しい高単価案件を獲得できる可能性もあります。
ここでは、おすすめのエージェント4社を紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
ITプロパートナーズ
弊社ITプロパートナーズは、フレキシブルに働ける案件やエンド直で高単価な案件を多く取り扱っています。週2〜3日から働ける案件やリモート可能な案件が多いため、フリーランス案件はもちろん副業案件を探している人にもおすすめです。
本記事の前半で紹介したような、少ない稼働日数でも想定月収が70万円から100万円の高単価案件が多く、安定した収入が見込めます。そのほか、スタートアップやベンチャーなどトレンド技術を積極的に取り入れている企業の案件も取り扱っているので、エンジニアとしてやりがいやおもしろさを感じられる仕事に出会える可能性もあります。
Midworks
「Midworks」は、フリーランスや個人事業主のITエンジニア・デザイナー専門のエージェントです。業界最大級の案件数で、中小企業から大手企業まで幅広いクライアントの案件を扱っています。
リモート案件や週2〜3日の案件も多く、業界を熟知したコンサルタントがスキルや経験に合った案件を紹介してくれます。また、経理支援や保険など正社員並みの保障を提供しているのも特徴です。
レバテックフリーランス
「レバテックフリーランス」は15年の実績があるエージェントです。案件の多くは大企業がクライアントで、業界トップクラスの高単価を実現しています。税理士の紹介や確定申告セミナーなど、税金関係の手続きのサポートが受けられるのもポイント。
また、人間ドックやスポーツジムの優待や、レストランや映画鑑賞といった参画者向け特典など、福利厚生のないフリーランスに嬉しいサービスを多く提供しています。
ギークスジョブ
「ギークスジョブ」は扱う案件の80%以上がリモート可能なので、柔軟に働きたい人におすすめです。エンド直で高単価な案件が多く、利用者の平均年収は867万円と公表しています。
フリーランス向け福利厚生プログラム「フリノベ」を提供していて、自分でプランを選べる保険サービスなども利用可能です。
インフラエンジニアがフリーランスとして高収入を目指すポイント
インフラエンジニアがフリーランスとして高収入を目指すなら、以下のようなポイントを意識して活動しましょう。
- クラウド・コンテナに関する開発経験を積む
- 大規模な案件に参画する
- マネージャー・コンサルにキャリアアップする
クラウド・コンテナに関する開発経験を積む
多くの企業では自社サーバーからクラウド環境でサーバーなどを操作する時代に移行しています。自社で運用するよりも、外部のクラウド環境のほうがコストを抑えられるためです。
そのためクラウド型サーバーやコンテナ技術に関連する開発経験を積めば、高単価案件を受けられる可能性を高められるでしょう。
大規模な案件に参画する
参画期間が長い大規模な案件は、稼ぎたい人にとって狙い目といえるでしょう。大規模な案件は収入の安定性はもちろん、単価も高いためです。大規模な案件は難易度が高く主体性のある動きが求められます。大規模な案件はスキルアップや実績獲得のチャンスです。積極的に参画しましょう。
マネージャー・コンサルにキャリアアップする
フリーランスインフラエンジニアで経験や実績を重ねれば、プロジェクトマネージャーやITコンサルタントを目指せます。プロジェクトマネージャーやITコンサルタントは、いずれも高単価な仕事です。
プロジェクトマネージャーは、複数のエンジニアをまとめて、クライアントとの交渉やスケジュール調整を実施します。
ITコンサルタントとは、クライアントの課題をインフラ関連から解決する仕事です。質のよいアドバイスを提案するためには、専門知識に加え、クライアントの業界にかかわる知識も身につけましょう。
なお、フリーランスのプロジェクトマネージャーについてはこちらの記事、ITコンサルタントはこちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください。
フリーランスインフラエンジニアの将来性と活躍し続けるためのコツ
インフラエンジニアに対する需要は、今後も高い状況が続くと予想できます。冒頭でも触れましたが、IT人材の需要が全体的に高まっているため、インフラエンジニアが活躍できる場は多くあります。
そしてIT技術は発展や進歩を続けており、クラウド化も進んでいます。従来と比較すればオンプレミスの需要は減少するものの、ニーズが一切なくなるという状況はまだ考えられません。ただし、変化の激しい職種であり、活躍を続けるためには常に最新の技術のキャッチアップや習得が必要です。インフラエンジニアを取り巻く環境に適応し、求められているスキルを常に提供できるようにしましょう。
フリーランスインフラエンジニアに関するよくある質問
フリーランスインフラエンジニアに関するよくある質問に回答します。
インフラエンジニアのフリーランスで辛いことは何ですか?
インフラエンジニアのフリーランスで辛いのは、トラブルがいつ起こるかわからないところです。急なトラブルが発生した際は、休日に緊急で出社するか、リモートで対応する必要があり、精神的にも身体的にも辛い状況になることが予想されます。
問題が発生すれば企業やサービスを利用しているユーザーに大きな影響を与えてしまうため、プレッシャーを感じやすい職種です。
未経験からフリーランスインフラエンジニアになれますか?
未経験からいきなりフリーランスのエンジニアとして独立することは難しいです。インフラエンジニアを含むフリーランスは、即戦力を求められます。従って、まずは企業で実務経験を積むことが大切です。
インフラエンジニアとして最低3年程度の実務経験を積んでから、フリーランスとしての独立を検討するようにしましょう。
インフラエンジニアフリーランスはどんな人に向いていますか?
インフラエンジニアフリーランスに向いている人は、以下のとおりです。
- 機械に触れたり組み立てたりするのが好きな人
- 最新技術について常に学ぶ姿勢がある人
- 小さなミスに気づける人
- コミュニケーションが得意な人
- 夜勤が得意な人
- 急なトラブルが起きても冷静に対応できる人
上記のいずれかに該当する人は、インフラエンジニアフリーランスが向いています。
フルリモート案件を獲得するにはどうすればいい?
フリーランスインフラエンジニアとして働く場合、フルリモート案件の獲得も可能です。ただし、常駐案件も少なくないため、フルリモート案件をスムーズかつ着実に獲得するには
エージェントの利用をおすすめします。なお、フルリモート案件は特に高度なスキルが求められる可能性があるので、スキルアップに力を入れましょう。
まとめ
フリーランスインフラエンジニアとしての働き方や案件事情、案件例や案件獲得方法などを中心に解説しました。
インフラエンジニアは、フリーランスとして今後も需要がある仕事です。報酬も高めに設定されているので、時代の変化とともに知識をアップデートすれば活躍できるでしょう。
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