こんにちは、ITプロマガジンです。
働き方の自由度が高いフリーランスは魅力的な選択肢ですが、その一方で独立したことを後悔するケースも存在します。「収入が不安定になるのではないか」「社会保険や税金の負担が心配」「自分に務まるのだろうか」といった不安を抱えている方も多いでしょう。
本記事では、フリーランスになって後悔しやすい10のポイントをはじめ、向いている人・向いていない人の特徴について解説します。あわせて、後悔しないために独立前からできる準備や、万が一後悔してしまった場合の対処法についても紹介します。
「必要以上に安売りをしてしまう」「市場感より高い単価で参画してしまいトラブルになる..」
フリーランス市場は売り手市場であるものの、いまだに正しいノウハウが確立されておらず、多くの方が案件探しに苦労されています。
ですが、現在の市場感や企業側に刺さる経験・スキルを理解し正しく案件探しをすれば、誰でも自身のバリューを活かし単価を伸ばすことができる、というのも事実です。
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目次
フリーランスになって後悔するポイント10選

フリーランスは自由な働き方として注目されますが、実際に独立してから想定外の負担を感じ、後悔する人がいるのも事実です。ここでは、フリーランスになってから気づきやすい10のポイントを整理しました。
オン・オフの切り替えが難しい
フリーランスになると、仕事とプライベートの境界が曖昧になりがちです。会社員のような就業時間の区切りがなく、働く時間を全て自分で管理しなければなりません。
切り替えがうまくできない場合、「気づけば一日中仕事のことを考えてしまい、常に稼働している」ということもあるでしょう。自由なはずの働き方が、結果的に「休めない状態」を生み、後悔につながるケースも見られます。
休み・休暇制度がない
フリーランスには、有給休暇や特別休暇といった制度が存在しません。体調不良や家庭の事情があっても、会社員のように「制度として休む」ことが難しく、無理をしてしまう場面が出てきます。
休むことはそのまま収入の減少に直結するため、「体調を崩したらどうしよう」という不安を常に抱える人もいるでしょう。育休や産休も基本的には自己判断となり、ライフイベントとの両立に難しさを感じて後悔するケースも少なくありません。
収入が減るかもしれないというプレッシャーがつらい
フリーランスは会社員のような収入の保証はないため、「今は良くても、将来的に収入が減るかもしれない」という不安は常に付きまといます。
仕事が途切れる可能性を考慮しながら働く状態は、想像以上に精神的な負担となります。このプレッシャーに耐えられず、フリーランスになったことを後悔するというケースもあるようです。
実際に収入が減った
独立後、思うように案件単価や稼働率が上がらず、手取り額が会社員時代を下回ってしまうことがあります。特に実績や人脈が乏しい独立直後は、好条件の案件を獲得する難易度が高いのが現実です。
さらに、後述する社会保険料や税金の自己負担まで考慮すると、「可処分所得が想像以上に少なかった」と後悔する声もよく聞かれます。
予定を立てにくい
先の仕事が確定しにくいため、長期的な予定を立てにくい点もフリーランスのデメリットです。突然の依頼や案件の納期延長によって、プライベートの予定を急遽調整せざるを得ない場面も多々あります。
あらかじめ休日が決まっている会社員と比べると、人によっては旅行やイベントの計画を立てるハードルは高くなりがちです。常に「案件のために予定を空けておかなければならない」ということになり、「思ったほど自由が少ない」と感じる人もいるようです。
確定申告が大変
フリーランスになると、確定申告を自分で行う必要があります。売上管理や経費の整理、帳簿作成といった事務作業の負担は、実際に体験してみなければ分かりにくいものです。
専門的な税務知識が不足している場合、調べながら進めるだけで膨大な時間を取られてしまうでしょう。こうした「本来の業務ではない作業」に追われる日々にストレスを感じ、後悔してしまうケースもあるのです。
スキルアップ・キャリアアップが難しい
多くの場合、フリーランスは即戦力であることを期待されて案件を受注します。そのため、未経験の分野に挑戦する機会は得にくく、どうしても現在のスキルセットでこなせる仕事に偏りがちです。
同じ領域の仕事を繰り返すだけではキャリアの幅が広がらず、将来的な成長に限界を感じることもあるでしょう。自発的に学習を続けていても、それを実務で試す場を見つけるのが難しい点は、フリーランス特有のジレンマといえます。
老後に悲惨な末路を迎えそうで怖い
フリーランスは老後への不安がつきものです。
会社員の多くは厚生年金に加入するため、年金の受給額が比較的多くなる傾向にあります。一方、多くのフリーランスが加入する国民年金は、月々の保険料負担が抑えられる反面、将来の受給額も少なくなります。
また、会社員であれば退職金制度によってまとまった老後資金を得られるケースもありますが、フリーランスにはそういった制度がありません。自ら意識的に貯蓄や資産形成を行わなければ、引退を考えたい時期に十分な蓄えがないという結果にもなり得ます。
老後の資金が不足していれば、年齢や健康状態にかかわらずいつまでも働き続けなければならず、後悔につながりかねません。
社会保険・税金の負担が大きくなった
会社員時代は企業が折半してくれていた社会保険料も、フリーランスになれば全額自己負担となります。また、厚生年金や健康保険の扶養制度も利用できないため、家族がいる場合はその分の負担も増えるのが避けられません。
額面の収入が増えていたとしても、そこから引かれる保険料や税金の多さに驚き、独立前の試算がいかに甘かったかを痛感して後悔するケースもあるでしょう。
孤独感がつらい
フリーランスは、仕事内容によっては一人で作業を進める時間が長く、孤独を感じることがあります。職場のように、日常的な悩みや愚痴を気軽に共有できる相手がいない環境は、想像以上に精神的な負担となり得ます。
フリーランスは不安を抱えている時やトラブルが発生した際でも、全ての判断・責任を一人で負わなければなりません。組織のように頼れる人がおらず、精神的につらくなって後悔する可能性もあります。
【フリーランスには不向き】後悔しやすい人の特徴
フリーランスは自由度の高い魅力的な働き方である一方、向き・不向きがはっきり分かれやすい選択肢でもあります。ここでは、独立後に「こんなはずではなかった」と後悔しやすい人の特徴を見ていきましょう。
安定した収入を求めている
フリーランスは収入の変動が激しい傾向があるため、「毎月決まった金額が振り込まれなければ不安」というタイプだと、ストレスを感じてしまいがちです。
フリーランスは案件の有無や契約条件によって月々の収入が大きく変わります。会社員のような給与保証がないため、たとえ一時的に高収入を得られたとしても、来月以降も同じ状況が続くとは限りません。
「固定収入をもとに生活費を工面したり将来の資金計画を立てたりしたい」と考える人にとって、この収入の波に振り回される環境は、精神的な負担が大きくなりやすいといえるでしょう。
積極的な営業活動ができない
フリーランスとして活動を続けるには、自ら仕事を獲得し続ける姿勢が欠かせません。たとえエージェントを利用する場合であっても、担当者に自分のスキル・経験を丁寧にアピールしたり、自ら働きかけたりしたりといった姿勢が求められます。
営業活動を苦手に感じ、「良い仕事であれば向こうからやってくる」という受け身の姿勢でいると、案件が途切れるリスクは高まる一方です。
自分のスキルや価値をアピールする行為に強い心理的抵抗がある場合、案件獲得の難しさを知り、後悔を感じるケースが多く見受けられます。
自己管理が苦手
フリーランスにおける自由とは、裏を返せば「全ての管理を自分で行う」ことと同義です。働く時間、進捗状況、さらには健康管理に至るまで、誰もフォローしてくれない環境で律していく必要があります。
自己管理が苦手な人の場合、いつの間にか生活リズムが乱れたり、納期管理が甘くなったりする恐れがあるでしょう。スケジュール調整のミスは、単なる作業の遅れにとどまらず、クライアントからの信頼失墜や契約終了につながりかねません。
フリーランスになっても後悔しない人の特徴

フリーランスとして安定して働き続けている人には、いくつか共通する特徴があります。ここでは主な特徴を紹介します。
コミュニケーション能力が高い
フリーランスにおけるコミュニケーション能力とは、単なる愛想の良さではなく、認識の相違を未然に防ぎ、業務をスムーズに進めるための実践的なスキルのことを指します。
例えば、依頼内容が曖昧な際に自ら要件を整理して言語化し、確認を徹底できる人は、結果として手戻りや余計な修正対応を減らせるでしょう。やり取りが丁寧だと、単に相手に評価されるだけでなく、自分の貴重なリソースを浪費しないための防衛策にもなります。
丁寧なコミュニケーションで信頼を獲得すれば、営業活動に注力しなくても継続的に案件が舞い込むようになるでしょう。精神的、金銭的な余裕が生まれ、フリーランスとして活躍しやすくなります。
指示を受けるよりも自分で考えて動く方が好き
フリーランスとして充実しながら活躍しやすいのは、指示を待つよりも、目的から逆算して自ら動き方を決めることに喜びを感じるタイプの人です。
フリーランスが関わる現場では、詳細な手順書はなく目的やゴールだけが共有されるケースも多くあります。そこで自ら仮説を立てて提案を行えば、単なる受け身の作業ではなく、主体的に仕事に関わっているという感覚を得られるでしょう。自分の実力やアイデア次第でアウトプットの品質を高められるため、自由度の高いフリーランスという働き方を最大限に活かせるようになります。
自分で考えて動くことを楽しめる人ほど、不自由さを感じにくく、後悔の少ない働き方を実現できるはずです。
向上心が強い
フリーランスとして長く活躍し続けるためには、変化し続ける市場に合わせて自分自身をアップデートしていく姿勢が不可欠です。
会社員のように教育機会が用意されていない環境では、日々の業務を通じて新しい技術や動向を吸収することを、将来への投資として楽しめる姿勢が重要になります。学習を習慣化できている人は、時代の変化に応じて案件の幅を広げられるため、特定のスキルやクライアントに依存しすぎるリスクを分散できるでしょう。
フリーランスになったことを後悔しないためにできる9つのこと
フリーランスとして後悔しないためには、独立後の努力はもちろん、独立前の準備が重要になります。働き方の自由さだけに目を向けず、収入・制度・キャリアの現実を踏まえた行動が欠かせません。
フリーランスのメリット・デメリットを整理する
大前提として、フリーランスという働き方の良い面と厳しい面の両方を正しく理解することが大切です。「自由度が高い」あるいは「高収入を目指せる」といった魅力だけに目を向けて判断してしまうと、独立後に直面する現実とのギャップに苦しむことになりかねません。
フリーランスという働き方は大きな裁量を持てる一方で、収入の安定や福利厚生、病気への備えなどは全て自己責任となります。また、評価がそのまま契約の継続に直結するシビアな側面も無視できません。会社員生活との違いを冷静に比較し、「自分が許容できる条件か」を事前によく見極めておきましょう。
十分なスキル・実績をつける
フリーランスとして安定した案件を確保し続けるには、独立の時点で即戦力として通用するスキルと実績が必要です。独立後にスキルを磨くことも可能ですが、基本的には最初からプロとしての成果を求められるのが現実です。
特に重要視されるのは、単なる実務経験の年数よりも、「具体的な課題をどのように解決してきたか」という実績です。難易度の高い業務を完遂した経験や、継続的に信頼を得てきた実績があれば、条件交渉でも有利に進められるでしょう。「準備不足で低単価案件から抜け出せない」という事態を避けるためにも、自分の強みを磨いておくことが重要です。
ある程度の貯金をしておく
フリーランスになってから経済的・精神的な余裕を保つためには、まとまった貯金が不可欠です。独立直後は収入が不安定になりやすいものです。そのような不安から焦って無理な案件を引き受けてしまうと、心身ともに疲弊して後悔を招く原因になります。
最低でも生活費の3ヶ月から半年分程度を確保しておけば、たとえ案件が途切れる時期があっても、落ち着いて次のステップを考えることができるでしょう。また、会社員時代と異なり、翌年の住民税や健康保険料を自分で全て支払う必要があるため、税金分の資金もあらかじめ分けて管理しておくと安心です。
案件の獲得経路を確保しておく
独立後に案件が途切れるリスクを減らすため、案件獲得の経路は複数確保しておきましょう。案件獲得に力を入れていないと、現行の案件が終了した時に収入が途絶えてしまう恐れがあります。
エージェントサービスへの登録、SNSでの発信、クラウドソーシングの活用など、自分に合ったチャネルを育てておくことが重要です。特にエージェントは営業代行の側面も強く、登録しておくと安心材料になります。
複数の収入源を確保する
特定のクライアントだけに依存する働き方だと、そのクライアントとの契約が終了した瞬間に収入がゼロになるリスクがあります。経営を安定させるためには、複数のクライアントと契約し、収入源を分散させておくのが賢明です。
例えば、週3日のメイン案件と週2日のサブ案件を組み合わせるといった方法ならば、万が一どちらかが終了しても生活への影響を最小限に抑えられます。収入減を複数持つという考え方は、リスクヘッジとして意識すべきポイントです。
節税の知識をつけておく
フリーランスは会社員と異なり、確定申告を通じて自分で税金を納めます。知識がないままでは税負担が重くなり、「手取り額が思ったより残らない」という事態になりかねません。
青色申告特別控除の活用や、経費の正しい計上、小規模企業共済への加入など、ルールの範囲内での節税対策を学ぶことは必須です。稼ぐことと同じくらい、「いかに手元にお金を残すか」という知識をつけることが事業継続のカギとなります。
年金を増やす工夫をする
独立すると厚生年金から外れ、原則として国民年金のみの加入となります。将来受け取れる年金額が会社員時代より減少するため、自力で老後資金を準備する対策が欠かせません。
例えば、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や「国民年金基金」、「付加年金」といった制度を活用することで、公的年金に上乗せできます。将来後悔しないよう、早いうちから計画的に積み立てを行うことが重要です。
雇用保険代わりのサービスを利用する
フリーランスには雇用保険(失業保険)がありません。病気やケガで働けなくなった場合や廃業時の保障がないため、それに代わる備えを自ら用意しておく必要があります。
例えば、「小規模企業共済」は廃業時に退職金代わりの共済金を受け取れますし、民間の「就業不能保険」やフリーランス協会などが提供する「所得補償制度」もあります。万が一の事態に備え、自分を守るセーフティネットを知っておきましょう。
自己管理スキルを磨いておく
フリーランスは自由な働き方ができる反面、オン・オフの切り替えが難しく、働きすぎや生活リズムの乱れを招きがちです。健康を損なっては元も子もないため、自己管理スキルを磨くことが、フリーランスを長く続けるコツといえます。
「業務時間は○時まで」「休日は通知を切る」といったルールを決めたり、タスク管理ツールを活用したりするなど、自律的に働く環境を整えましょう。
フリーランスになって後悔している場合の対処法

すでにフリーランスとして独立し、後悔を感じているとしても焦る必要はありません。収入の不安定さや孤独感など、悩みの原因に応じた対処法が存在します。ここでは具体的な解決策を3つ紹介します。
案件の取り方を変える
収入面や営業活動で後悔している場合は、案件獲得のチャネルを見直してみましょう。特定の方法だけに固執せず、未活用の方法を試すと思わぬ好案件と出会える可能性があります。主な獲得方法は以下の9つです。
- フリーランスエージェントを活用する
- クラウドソーシングを活用する
- スキルシェアサービスを使う
- SNSを活用する
- ブログを書いて発信する
- 交流会・セミナーに参加する
- 知人・友人に相談する
- 営業メールでアプローチする
- 電話・飛び込み営業する
まだ使ったことがない方法があれば積極的に活用してみましょう。特に、スキル・経験がある人であれば、フリーランスエージェントがおすすめです。ほとんどが経験者向けなので、高単価な優良案件に出会えるケースが多く、またエージェントが案件探しや交渉・面談調整なども代行してくれるので、仕事探しの手間が少ないという特徴があります。
なお、弊社が運営するITプロパートナーズでは、週2~3日から参画できる単価の高い案件が多数揃っていますので、高単価案件をお探しの方は、ぜひ一度ご覧ください。
フリーランスコミュニティに参加する
孤独感や相談相手がいないことにストレスを感じているなら、フリーランス向けのコミュニティに参加するのが有効です。
フリーランス向けのコミュニティなら同じ境遇の仲間ができるだけでなく、税務や案件に関する情報交換ができたり、モチベーション維持につながったりといったメリットがあります。横のつながりがあれば精神的な孤立が解消され、新たなビジネスチャンスが広がる効果も期待できるかもしれません。
再就職して会社員に戻る
どうしてもフリーランスに適応できない場合は、無理に続けず会社員に戻るのも1つの選択です。フリーランス経験者が再就職することは十分に可能であり、独立して培った視点を評価する企業もあります。
ただし、フリーランス経験が長いと「組織に馴染めずすぐに辞めるのではないか」という懸念を持たれやすいのも事実です。そうした見られ方があることを理解したうえで、「フリーランスとしての経験を、その会社でどのように活かせるかアピールする」など、コツを押さえた転職活動が重要になります。
まとめ
本記事では、フリーランスになって後悔する主な理由や、向き不向きの特徴、独立に向けた事前の準備について解説しました。
フリーランスは裁量が大きく自由な働き方ができる反面、収入の不安定さや自己管理の難しさといった厳しさも伴います。後悔を避けるためには、メリットとデメリットを正しく理解し、スキル向上や資金計画などの準備を整えておくことが重要です。また、万が一後悔を感じた場合でも、案件の獲得方法を見直したり、再就職を検討したりといった対処法があることを知っておくとよいでしょう。
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