フリーランスの時給相場を職種別で紹介!決め方のポイントも解説

こんにちは、ITプロマガジンです。

フリーランスとして働く場合、時給制が採られることがあります。フリーランスの時給相場は、例えばエンジニアで約4,000円、デザイナーで約2,000円ですが、時給の計算・交渉は単に相場を参考にすればよいというものではありません。

この記事ではフリーランスの時給相場や’時給単価の決め方、注意点を解説します。フリーランスが時給をアップさせるためのポイントも紹介するので、参考にしてみてください。

フリーランスの単価の伸ばし方

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フリーランス市場は売り手市場であるものの、いまだに正しいノウハウが確立されておらず、多くの方が案件探しに苦労されています。

ですが、現在の市場感や企業側に刺さる経験・スキルを理解し正しく案件探しをすれば、誰でも自身のバリューを活かし単価を伸ばすことができる、というのも事実です。

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フリーランスの職種別の時給相場

まずは、フリーランスの時給相場を職種別に紹介します。

ここでは、株式会社Anotherworksが2022年に実施した調査の結果と、弊社ITプロパートナーズに出ている案件から算出した時給を中心に見ていきましょう。

フリーランスエンジニアの時給相場

経験年数別にフリーランスエンジニアの時給相場を見てみると、以下の通りです。

3年未満2,000~3,000円
3~6年3,000~4,000円
7年以上4,000円~
引用元:Anotherworks Journal

一方、弊社ITプロパートナーズでご紹介している案件から算出した時給は、4,285円以上です。案件には想定月収60万~90万円ほどのものが多く、月収60万円、月の稼働時間を140時間(週5日7時間)とすると、時給は「60万円÷140時間=4,285円」となるのです。

フリーランス白書2023における「自分が意識している時間単価」を見てみても、エンジニア・技術開発系のフリーランスの回答は「4,000~5,000円未満」が最多となっていました。

「求人ボックス 給料ナビ」によれば会社員エンジニアだと平均年収は477万円なので、月140時間労働で考えると時給は約2,839円です。フリーランスエンジニアの時給のほうが約1.5倍高いことが分かります。

なお、フリーランスエンジニアの時給は、請負契約だと同じ案件でも納品までにかかる時間によって変わります。成果物単位で報酬が支払われるからです。一方、常駐案件の時給は予め定められた金額で固定されます。

フリーランスエンジニアの単価相場は?100万円目指す方法も紹介

フリーランスデザイナーの時給相場

フリーランスデザイナーの時給相場を経験年数別に見ると、以下の通りです。

3年未満1,500~2,000円
3~6年2,500~3,000円
7年以上3,500円~
引用元:Anotherworks Journal

一方、弊社ITプロパートナーズで募集されている案件から算出した時給は2,142円以上です。案件には想定月収30万~60万円のものが多いため、月収を30万円、月の稼働時間を140時間(週5日7時間)とすると、「30万円÷140時間=2,142円」が時給となります。

フリーランス白書2023における「自分が意識している時間単価」でも、クリエイティブ・Web・フォト系の回答は「2,000~3,000円未満」が多くなっていました。

会社員Webデザイナーの場合は平均年収473万円なので、月140時間労働で考えると時給相場は2,815円です。

冒頭の表を見ると、経験年数を重ねることで最終的にはフリーランスの時給相場が会社員の時給相場を超えることが分かります。また、納品をもって報酬が発生する案件なら、納品までの時間を短くすれば時給を高められます。

さらに、UI/UXデザイナーのように幅広いデザインを担当する職種では、月収が100万円ほどになる案件も豊富です。月収100万円なら月140時間労働で時給は7,143円なので、会社員の時給相場を大きく超えられます。

Webデザイナーの平均年収は?収入アップの方法や求められるスキル

フリーランスコンサルタントの時給相場

経験年数別にフリーランスコンサルタントの時給相場を見てみると、以下の通りです。

3年未満3,000~4,000円
3~6年5,000~6,000円
7年以上6,500円~
引用元:Anotherworks Journal

また、CAMELORS株式会社の調査によると、フリーランスコンサルタントの平均時給は4,866円です。平均年収は981万円、800万〜1,200万円の割合が約40%となっていることから、コンサルタントはフリーランスのなかでも特に報酬が高い職種だと分かります。

フリーランス白書2023を見てみても、「自分が意識している時間単価」についてコンサルティング系フリーランスの半数以上が5,000円以上と回答しています。1万円以上と回答した人も34.3%と他の職種に比べ最多でした。

会社員のコンサルタントの場合は平均年収が644万円なので、週5日7時間勤務と考えると時給は3,833円です。フリーランスコンサルタントの時給のほうが約1.3倍高くなっています。

フリーランスコンサルタントになるには?独立後の年収・単価相場

フリーランスマーケターの時給相場

経験年数別にフリーランスマーケター(toB)の時給相場を見てみると、以下の通りです。

3年未満2,000~3,000円
3~6年3,000~3,500円
7年以上4,500円~
引用元:Anotherworks Journal

なお、マーケターにはtoBマーケターの他にもtoCマーケターやSEOマーケター、SNSマーケターなどがあります。経験年数7年以上の時給相場で比較すると、SNSマーケターが5,000円~、toCマーケターが5,500円~と上記よりも高くなっています。

一方、弊社ITプロパートナーズに出ている案件から算出したフリーランスマーケターの時給相場は、5,000円以上です。案件の想定月収は70万~100万円が多くなっています。月収70万円と、月の稼働時間を140時間(週5日7時間)と考えると、時給相場は「70万円÷140時間=5,000円」となるのです。

会社員マーケターの平均年収は496万円なので、同じ稼働日数・時間で時給を算出すると2,952円です。フリーランスマーケターの時給相場のほうが約1.7倍高いことが分かります。

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フリーランスの時給単価の決め方

フリーランスとして案件の報酬価格を交渉する際、時給単価の決め方を知っていなければ適切な交渉はできません。

どのように時給単価を決めればよいのか、ポイントを3つ紹介します。

請負契約では作業時間を見積もる

請負契約で時給単価を考える際は、納品物を制作する時間を把握することが重要です。

フリーランスの契約形態には、大きく分けて「請負契約」と「準委任契約」の2種類があります。準委任契約は労働時間に対して報酬が支払われるため、時給計算のために作業時間を把握する必要はありません。

請負・委任・準委任契約の違いは?それぞれの特徴や注意点を解説

一方、請負契約では作業時間に関係なく成果物に対して報酬が支払われます。時給が低く作業時間が少なかった場合、最終的に得られる報酬は成果物に見合わない金額となってしまいます。

よって、時給単価は「その成果物に対する妥当な報酬」を「必要な作業時間」で割ったものを基本とするとよいでしょう。

なお、本来成果物に対して報酬が発生する請負契約で、時給制を採ることに疑問を感じる人もいるかもしれません。しかし、結論からいうと請負契約で時給制を採用することは必ずしも違法ではありません。

請負契約における時給制や、請負契約の概要については以下の記事をご覧ください。

業務委託の時給制は違法?契約時の注意点や時給相場、交渉方法

税金・保険料・経費も計算に入れる

手取りでの時給を計算する際は、税金・保険料・経費の金額も含めましょう。フリーランスの場合、以下のような税金・社会保険料は報酬から天引きされません。

  • 個人事業税
  • 消費税
  • 住民税
  • 国民健康保険料
  • 国民年金保険料

受け取った報酬から上記項目を支払わなければならないため、税金・社会保険料・経費を考慮せず時給を計算していると、実際の手取りは想定以下になってしまうのです。

会社員やパート・アルバイトは、給与所得が一定額を超えると税金・社会保険料が天引きされます。よって、勤める場合の時給と比較する際は、社会保険料などを差し引いた手取り時給を用いるようにしましょう。

【早見表付き】フリーランスの手取り | 年収/月収別の手取り額と計算方法

目標年収に必要な時給金額を計算する

目標とする年収・月収を決めて、そこから時給を割り出すのもポイントです。先に紹介した社会保険料や税金のほか、家賃や光熱費、食費、趣味・交際費、貯金に回したい金額などを考えて、目標年収・月収を考えてみましょう。

ただし、目標年収・月収のみを踏まえて時給を計算すると、案件の内容・難易度に見合わない金額になることがあります。この場合、時給の交渉でクライアント側に納得してもらえない可能性が高いです。

目標年収・月収と案件の内容とのバランスを見ながら時給を考えることが重要といえます。

フリーランスが時給を決める際の注意点

フリーランスが時給を決める際は、以下の点に気をつけましょう。

  • 会社員・パート・アルバイトよりも高い水準で設定する
  • 相場を基準に設定する

それぞれについて詳しく解説します。

会社員・パート・アルバイトよりも高い水準で設定する

フリーランスの時給は、会社員やパート、アルバイトよりも高い水準で設定しましょう。

先述の通り、フリーランスの手取りは受け取った報酬から税金・社会保険料・経費を差し引いたものとなります。手取りを会社員やパート、アルバイトと同等にするには、こうした費目の金額も上乗せした時給設定をしておく必要があるのです。単純に「同程度の業務を行う会社員などの時給を参考にすればよい」というわけではありません。

また、フリーランスは会社員やパート、アルバイトに比べて不安定な立場にあります。突然案件が終了して収入が減ることもあるため、こうしたリスクへの備えとしても時給を高く設定することは重要です。

フリーランスの単価の決め方は?注意点や単価の上げ方も紹介

相場を基準に設定する

フリーランスの時給設定では、自分のスキルやレベル、分野に応じた時給相場を基準にすることも重要です。相場に対して時給が高すぎるとクライアントに納得してもらえませんし、時給が低すぎると損することになりかねません。

時給相場を知る方法として、「実際に出ている案件を見てみる」というものがあります。しかし、数ある案件のなかから自分のレベルに合った案件を見極めなければ、適切な相場を把握できない点が難しいところです。

そこでおすすめなのが、フリーランスエージェントの利用です。自分のスキルやレベル、分野に応じた案件をスタッフが客観的にピックアップしてくれるため、時給相場を効率よく確認できます。詳しくは本記事内「フリーランスエージェントの活用」で解説します。

フリーランスが時給アップするためのポイント

フリーランスとして働くにあたって、時給は高いほどよいものです。しかし、どのように時給をアップさせればよいのか分からず、時給を上げるための行動を取れない人は多いのではないでしょうか。そこでここでは、フリーランスが時給をアップさせるためのポイントを4つ紹介します。

フリーランスが時給1万円をもらう為に必要な事と案件の探し方

時給単価交渉をする

時給をアップさせるには、クライアントとの交渉が重要です。

契約前に納得のいく時給になるよう交渉することはもちろん、「長期契約でクライアントとの信頼関係ができたら時給アップを交渉する」という方法もおすすめです。当初設定した時給以上のパフォーマンスをしており、時給を上げてでも引続き依頼したいとクライアントに思ってもらえれば、時給を上げてもらえる可能性があります。

ただし、クライアントとの信頼関係を構築する前に時給の交渉をすると、心証を損ないかねません。タイミングを見計らうことがポイントです。

フリーランスエンジニアの単価交渉のやり方と4つのコツ【例文付き】

単価の高い分野のスキルを身につける

単価の高い分野のスキルを身につけると、今より時給を上げやすくなります。

例えばエンジニアの場合は、需要の高い言語や最新のスキルを身につけると高単価案件を獲得しやすくなります。また、上流工程に行くほど単価が高い傾向にあるため、PM/PLといったマネジメント職の経験を積むのもおすすめです。

他にも、コンサルタントのように時給相場の高い職種を目指すこともポイントです。

言語や業務の幅が広がると対応できる案件が多くなるため、案件が途切れることを防ぎ、収入を安定させることにもつながります。

作業スピードを向上させる

成果物に対して報酬が支払われる請負契約の場合は、作業スピードを上げて早く成果物を完成させることで時給がアップします。作業スピードを上げることで浮いた時間を別の案件にあてれば、さらなる報酬アップも見込めます。

ただし、作業スピードを上げることでパフォーマンスが落ちるのは避けるべきです。契約終了につながるおそれもあります。便利なツールを使いこなしたり単純作業を自動化したりと、質を担保しつつ作業効率を上げる方法をとりましょう。

体調やモチベーション、集中力を徹底管理し高いパフォーマンスを維持することもポイントです。

案件の探し方を工夫する

時給の高い案件を安定して獲得するには、案件の探し方を工夫することが重要です。

例えば自分のこれまでの作品・成果物をまとめたポートフォリオを用意しておけば、クライアントに自分のスキルや実績を証明しやすくなります。高単価案件を獲得しやすくなるでしょう。

また、高単価案件をスムーズに見つける方法を把握しておくことも重要です。案件獲得までに長い時間がかかった場合、高単価案件を獲得できたとしても、案件探しの時間も含めると時給が下がってしまうからです。

フリーランスの時給アップにおすすめの案件の探し方

フリーランスが時給アップを目指す際には、高単価案件を獲得することが重要です。そこでここからは、時給アップにおすすめな案件の探し方として以下の3つを紹介します。

  • フリーランスエージェントの活用
  • 直接営業
  • 知り合い・友人の紹介

それぞれ詳しく見ていきましょう。

フリーランスエージェントの活用

時給アップのために単価の高い案件を探すなら、フリーランスエージェントの活用がおすすめです。

フリーランスエージェントとは、登録した経歴やスキル・希望に合った案件を紹介してもらえるサービスです。フリーランスエージェントを活用すると、自分では見つけられないような高単価案件に出会いやすくなります。また、今の自分のスキルに合った案件相場が分かるため、自分の実力に対して報酬の低い案件を避けられるようにもなります。

こうした理由から、フリーランスエージェントは時給アップにつながる案件探しにおすすめなのです。

弊社ITプロパートナーズも、多くの案件を扱うフリーランスエージェントです。報酬が高くても作業にかかる時間が長ければ時給は下がってしまいますが、ITプロパートナーズなら高単価かつ週2日~の案件もご紹介しています。フリーランスエージェントを活用すれば営業活動の時間・労力も削減できるため、案件探しの際にはぜひご活用ください。

直接営業

営業スキルに自信がある人は、クライアントへの直接営業がおすすめです。

エージェントなど仲介業者を挟まずクライアントと直接契約すると、中間マージンが差し引かれることなく報酬がそのまま手元に入ります。その分、効率的に時給をアップさせやすいのです。

ただし、直接営業では案件が途切れるリスクもあるため、フリーランスエージェントも活用するなど案件が途切れない工夫が必要です。

知り合い・友人の紹介

仕事関係の人脈がある場合は、知り合い・友人の紹介で案件を獲得することもおすすめです。

自分の人柄や経歴・スキルをよく知っている知り合い・友人なら、初めから自分を信頼して報酬を高めに設定してくれる可能性があります。すでに信頼関係ができ上がっている分単価を上げる交渉がしやすい点も、時給アップにつながるポイントです。

高い報酬を得たり単価アップの交渉をしたりするにはクライアントからの信頼を得ていることが重要なので、知り合いや友人をクライアントとするのは効率的だといえます。

フリーランスの仕事の探し方・取り方11選!案件を継続するコツも紹介

まとめ

フリーランスが時給を考える際には、社会保険料などを考慮したり、目標とする収入から逆算したりすることがポイントです。また、時給をアップさせるには自身のスキルを磨いたり、高単価案件を獲得したりすることが有効です。

フリーランスエージェントを活用すれば、スキルを磨くための案件や単価の高い案件を獲得しやすくなり、時給アップが期待できます。弊社ITプロパートナーズでは、週2日~の高単価案件を多く紹介しています。時給をアップさせたい場合はぜひご活用ください。

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