フリーランスエンジニアの単価交渉のやり方と4つのコツ【例文付き】

こんにちは、ITプロマガジンです。

フリーランスエンジニアとして働く中で、「もう少し単価を上げてもらってもよいのでは?」と感じたことのある人は多いでしょう。しかしいざ単価交渉をしようと思うと、どうやって交渉に向かうべきなのか、どのような言葉で単価アップの希望を伝えればよいのかなど、さまざまなことに悩んでしまうかもしれません。

そこで今回の記事では、フリーランスエンジニアが単価アップを交渉するプロセスや交渉成功のためのポイントを、実際の単価交渉に使える例文とともに紹介します。慎重に交渉を進めたい人向けに、「交渉に失敗するケース」についても触れています。クライアントとの良好な関係を維持したまま受注単価を上げて、フリーランスとしての収入を高めたいと思っているエンジニアの方々は、ぜひ本記事を参考にしてください。

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フリーランスエンジニアにおける単価交渉の重要性とは?

会社員がひとりで給与アップの交渉をするのは難しいかもしれませんが、フリーランスとして働いているなら、クライアントとの交渉で受注単価が上がるケースも少なくありません。

業務内容に対してあまりにも安い単価で仕事を受けてしまうと、経済面の安定がなかなか図れません。ただでさえ、フリーランスは会社員に比べて収入が不安定になりがちです。したがってフリーランスは、稼げそうなときに、少しでも多く稼いでおくべきだといえます。そのためにも、自分の市場価値を理解した上で、適切な単価で仕事を受けることがとても大切です。

最初は「自分の受注単価が高いのか安いのかわからない」と悩む人もいるかもしれません。そこで、フリーランスエンジニアの単価相場を判断材料として紹介します。

財経新聞の報道では、2023年10月の60〜75万円程度というデータが出ています。もちろん経験によって差はありますが、20代で月70万円代、30代でも月90万円代の収入を得ている人もいます。「自分はまだ若いから」「すでに十分もらっているから」などと思い込まず、状況に応じて交渉する価値は十分あるでしょう。

フリーランスエンジニアの単価交渉のやり方を3ステップで紹介

単価交渉を成功させるには、適切な順序で交渉を進めることが大切です。大まかな流れは以下の通りです。

  1. 交渉する際の必要な材料を用意する
  2. 最低希望単価を決定する
  3. 納得感のある理由や付加価値を添えて提案する

それぞれのステップで大切なポイントを詳しく解説していきます。

1.交渉する際の必要な材料を用意する

まず取り組むべきことは、交渉の材料集めです。何も根拠なく「単価を上げてほしい」と要求しても、クライアントに納得してもらうことは困難です。スムーズに交渉を進めるためにも、ここでしっかり交渉材料を用意しておきましょう。

エンジニアとしてのスキル・実績

自分が持っているスキルや実績は、必ず用意したい交渉材料のひとつです。エンジニアとしてどのようなスキルを身につけているのか、そのスキルでこれまでどのような成果を上げてきたのかを、なるべく具体的に書き出してみましょう。

例えば、自分が提供した開発技術で売上向上に貢献したり、生産性を向上させたりと、クライアントの課題を解決した実績があれば、大きな交渉材料となります。この場合は、「売上が〇〇万円上がった」「生産性が〇〇%上がった」など、具体的な数字を添えると説得力が増します。資料を用意して客観性を高めても良いでしょう。

仕事に対する姿勢

「仕様変更に柔軟に対応できる」「主体性をもってプロジェクトに参画できる」「積極的に改善提案できる」など、仕事に取り組む上での姿勢も、単価交渉をおこなう上での重要な材料になります。

特に、実績の面に自信がなかったり、成果を明確に説明するのが難しかったりする場合には、仕事への姿勢をアピールすることが非常に重要になります。働き方の面でどのようにクライアントに貢献できるのか、明確に言語化してみてください。

クライアントとの信頼関係

たとえ見事なスキルや実績を持ち、仕事への姿勢が優れているようでも、「この人は信頼できなさそう」とクライアントに判断されてしまうと、単価交渉は暗礁に乗り上げてしまいます。

交渉を成功させるには、普段からクライアントからの信頼を積み上げておくことが大切です。今のあなたはクライアントからきちんと信頼を得られているかどうか、ふだんのやりとりなどを振り返って、改めて考えてみましょう。

2.最低希望単価を決定する

交渉材料が集まったら、「少なくともこのくらいはほしい」という最低希望単価を決めます。

他社案件の単価相場を参照するほか、フリーランス仲間に相談するなどして情報を集めたり、先ほど紹介した単価相場を参考にしたりと、一般的な額を知った上で、自分のスキルや実績、仕事への姿勢やクライアントとの関係性も加味して金額を決めましょう。

単価相場については以下の記事で詳しく紹介しています。

フリーランスエンジニアの単価相場は?100万円目指す方法も紹介

3.納得感のある理由や付加価値を添えて提案する

必要な材料が集まり、希望する単価が決まったら、いよいよクライアントとの交渉を始めるフェーズです。

クライアントが納得しやすい理由を添えて、単価アップの希望を伝えます。自分の用意した交渉材料をもとに、きちんと論理を組み立てて、丁寧な言葉遣いで伝えるように心がけます。

フリーランスエンジニアの単価交渉のメール例文

単価交渉メールの例文を掲載します。実際の交渉に臨む際には、状況に応じた文章で交渉することが重要です。適宜加筆・修正の上、ご活用ください。

自身のスキル向上や成長を感じられた場合

いつもお世話になっております。〇〇〇〇です。
本日は、ご契約の条件について相談させていただきたく、ご連絡いたしました。

これまでお仕事をご一緒させていただく中で、さまざまな経験を重ね、私自身の開発技術や成果物の品質が向上したと自負しております。先日、御社の売上が昨年度から〇〇%アップしたとの嬉しいご報告もいただきました。

当方としましても、今以上の熱意をもって末永く貴社とのお仕事に取り組み、さらなる事業拡大に貢献していきたいと考えております。

そのため、誠に恐れ入りますが、契約料金の引き上げをご検討いただけませんでしょうか。お忙しいところ申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします。

他社案件の単価と比較した場合

いつもお世話になっております。〇〇〇〇です。
本日は、ご契約の条件について相談させていただきたく、ご連絡いたしました。

先日、貴社の業務効率が〇〇%アップしたとの嬉しいご報告をいただきました。これまでお仕事をご一緒させていただく中で、ご期待に添うことができたと自負しております。そして、今後ますます高いエネルギーをもって、末永く貴社に貢献させていただきたいと考えております。つきましては、ベースアップをご検討いただけませんでしょうか。

金額につきましては、ほかのクライアント様からの同様のご依頼にて、月に〇〇万円のご提示をいただいております。こちらを参考にご検討いただけますと幸いです。何卒よろしくお願いいたします。

追加で作業を依頼された場合

いつもお世話になっております。〇〇〇〇です。
本日は、ご契約内容について相談させていただきたく、ご連絡いたしました。

先日、追加で〇〇に関するお仕事のご依頼をいただきました。いつもお仕事のご相談をいただき、誠にありがとうございます。エンジニアとして貴社のお役に立てること、心より光栄に思います。

今回のご依頼に際して、これまでよりも作業時間が増加する見込みでございます。つきましては誠に恐縮ですが、契約金額の引き上げをご検討いただけませんでしょうか。

金額につきましては、業務にかかる時間が〇〇%程度増える見込みであることから、月に〇〇円程度を基準にご検討いただけますと幸いです。お忙しいところ申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします。

フリーランスエンジニアが単価交渉する際の4つのコツ

フリーランスとして働くエンジニアが、クライアントとの良好な関係を維持したままでスムーズに単価交渉を進めるには、以下4つのコツがあります。

  1. まずは希望単価より高めで交渉してみる
  2. 相手の都合にも配慮しながら提案する
  3. 単価交渉はテキストで行う
  4. 単価交渉するタイミングを見極める

それぞれのポイントを詳しく解説しますので、ぜひひとつずつチェックしてください。

1.まずは希望単価より高めで交渉してみる

一般的な交渉術として、最初は高めのハードルを提示し、そこから徐々に下げていくことで、希望を通すというものがあります。フリーランスエンジニアの単価交渉においても、このテクニックが有効なケースが少なくありません。

最初は、自分で決めた希望単価よりも高めの単価をクライアントに伝えてみましょう。もちろん、法外な価格を要求すると話し合いに応じてもらえない可能性が高いので、あくまでも常識の範囲内で、希望よりも少し高めを提示してみてください。

2.相手の都合にも配慮しながら提案する

フリーランスに支払われる人件費は、クライアント企業の経営状況によっても変わります。「収入を上げたい」という自分の都合だけを押し出すのではなく、そういった相手側の事情にも配慮する姿勢を示すことで、交渉はスムーズに進みやすくなります。

また、単価が上がれば今までよりも多くの時間を割ける、より丁寧な仕事が可能になるなど、単価アップによるクライアント側のメリットに触れるのも効果的な場合があります。

3.単価交渉はテキストで行う

単価について交渉するときは、対面や電話、チャットツールを使うよりも、メールを使うのがおすすめです。

メールなら、送信するまでのあいだにしっかり時間をかけやすいので、慎重に内容を推敲できます。また、交渉の経緯を文章で残せるため、言った言わないのトラブルになりづらいのもメリットです。

4.単価交渉するタイミングを見極める

交渉に取り組むタイミングも、重要な要素のひとつです。中途半端な時期に交渉しても、なかなか結果は出ません。おすすめの単価交渉タイミングは、以下の3つです。

新規契約で契約内容を確認するとき

最初のおすすめ交渉タイミングは、新しく契約を結ぶときです。提示される業務内容や求められるスキル・経験に対して単価が低いと思ったときは、契約を結ぶ前に交渉してみるとよいでしょう。ただし、希望単価を上げすぎて失注することは避けたいもの。相手の事情も慮りつつ、状況に応じて可能な範囲で希望を伝えるようにしてください。

契約更新をするとき

現在付き合いのあるクライアントとの契約更新時期は、単価交渉に適したタイミングです。契約の更新は、それまでの契約内容を振り返る格好の機会であり、業務内容に対して適正な価格を算出して提示しやすいためです。

また、クライアントからの信頼が高まるにつれて、頼まれる仕事が増えたり、幅が広がったりすることもあるでしょう。更新時期には、こういった変化もぜひ単価へと反映してもらいましょう。

新しいプロジェクトが始まるとき

ひとつのプロジェクトが終了したあと、同じクライアントから別のプロジェクトへの協力依頼を受けるケースもあるでしょう。そのようにして、付き合いのあるクライアントのもとで新しいプロジェクトが始まる時期も、単価交渉に最適なタイミングのひとつです。

新年度に向けて動く3月末から4月始め

新年度に向けての動きが活発な3月末から4月初めも、単価交渉に最適な時期です。この時期は、新入社員の受け入れや人事異動が盛んで、多くの企業が新たな計画や予算を立てるため、単価交渉に最適なタイミングとなります。

そのため、現在のクライアントや新しいクライアントに対して単価交渉をしてみましょう。また、単価交渉の際は、自分の市場価値やこれまでの成果を収集するなどの事前準備をしっかりと行い、自分の価値を正確に伝えることが大切です。

フリーランスエンジニアが単価交渉に失敗してしまうケースと対策

フリーランスエンジニアの単価交渉は、いつどんな場合でも成功するわけではありません。交渉に失敗しやすいケースとして代表的な4例を、失敗しないための対策とあわせて紹介します。

市場相場を把握できていない

現在契約している単価が、相場に比べて元々高めである場合には、交渉してさらに単価を上げるのが難しいケースが少なくありません。

クライアント側は、フリーランスエンジニアを雇う場合の報酬相場についてしっかりリサーチして設定していることがほとんどです。フリーランスの側でもそういった調査をおこなってから、それでも単価が低いと思ったときにのみ交渉することで、この失敗を避けやすくなります。

あるいは、平均的なエンジニアが持っていない独自の技術や強みを身につけて、クライアントにより高い価値を提供できるようになれば、さらなる単価交渉の可能性もひらかれるかもしれません。

提案した金額が適切でない

仕事内容やスキル・実績に対してあまりにも高額な単価を提示してしまった場合にも、交渉がまとまらないことが多いでしょう。

この記事の中で、単価交渉には単価アップの根拠を示すことがポイントだと述べました。提案する金額についてもその根拠を明確にしようとすれば、自然に適正金額が見えてくるはずです。感覚だけでなんとなく決めた金額を提示するのではなく、なぜその金額なのか説明できるようにしてから交渉に臨むとよいでしょう。

もし、単価の決め方についてお悩みの方は、以下の記事を参照すると、単価を決める時のポイントがわかり適性な単価を設定できます。

フリーランスの単価の決め方は?注意点や単価の上げ方も紹介

クライアントの予算に限界がある

フリーランスエンジニア側のスキルや実績が十分であっても、クライアント側の予算が限られているために、単価交渉に応じてもらえない場合もあります。

すぐに交渉がまとまらなくても、単価を上げることのメリットがクライアントに伝われば、場合によっては、年度が変わるタイミングなどで予算が増額されるかもしれません。しかし、そううまくいかない場合も多いでしょう。このまま仕事を続けるか、よりよい条件のクライアントを見つけるか、フリーランスとしての判断が問われることになります。

実績や信頼が足りていない

まだ仕事を始めたばかりで実績が足りない場合や、クライアントとの付き合いが浅く信頼関係が十分築かれていない場合にも、交渉がまとまらないことがあります。

この場合は、もうしばらく仕事に励んで実績や信頼を蓄積し、十分な交渉材料が揃ったタイミングで再度交渉を検討するのがよいでしょう。

単価交渉が苦手なフリーランスはエージェントに代行してもらう選択肢もある

ここまでの内容を読んで、「クライアントと交渉するのは難しそう」「少しでも成功確率を高めたい」「適正な単価を自分の代わりに提示してほしい」と感じた人もいるのではないでしょうか。

その場合、フリーランスエージェントを利用して案件を獲得し、単価交渉を代行してもらう方法もあります。フリーランスエージェントはあなたの経験やスキルに応じて最適な案件を紹介するのが主な仕事ですが、単価などの条件交渉も仕事の一つです。従って、営業や交渉が苦手なエンジニアの方は、フリーランスエージェントに交渉を代行してもらうと良いでしょう。

IT/Web業界専門のフリーランスエージェントである弊社「ITプロパートナーズ」でも、エンジニアの皆様の契約内容に関する交渉をサポートしています。また、高単価の案件も多数掲載しています。現在の受注単価にお悩みの方は、ぜひ一度ITプロパートナーズにお問い合わせください。

単価交渉に関するよくある質問

最後に単価交渉に関するよくある質問に回答します。

クライアントへ希望単価を伝えるべきタイミングはいつですか?

クライアントへの希望単価は、プロジェクトの要件や範囲が明確になり、正式な見積もりや提案書を作成する前に伝えるべきです。この時期に単価設定の根拠を説明することで、双方にとって期待値が明確になり、後の交渉で発生する価格調整や誤解を避けられます。

クライアントの提示料金が期待以下だったらどうすれば良いですか?

クライアントの提示料金が期待に満たない場合、その価格が提示された背景や理由を理解するために質問することが大切です。これにより、クライアントの予算制約や価格設定の根拠を知ることができます。

その情報を基に、自分のサービスや製品の価値をアピールし、どのようにして価格が正当化されるかを説明しましょう。

まとめ

今回の記事では、フリーランスエンジニアが単価アップを交渉する重要性やそのプロセス、交渉成功のためのポイントと失敗しやすいケースを、実際の単価交渉に使える例文とともに紹介しました。

フリーランスとして自由に働きながら安定した生活を手に入れようと思うと、単価交渉が必要になる場面が往々にしてあります。この記事を参考にして、収入アップを目指しましょう。「やっぱり交渉は苦手だ」と思った方は、ぜひフリーランスエージェントの「ITプロパートナーズ」にも頼ってください。

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