こんにちは、ITプロマガジンです。
IT業界の急激な成長もあり、プログラマーとして起業する人も増えています。しかし「どのような事業モデルがあるのか」「起業に必要なスキルは何か」といった疑問を抱えている方も多いでしょう。
プログラマーとして起業を着実に成功させるには、プログラミングの知識やスキルだけでなく、ビジネスに関するさまざまな情報を把握する必要があります。
本記事では、プログラマーが起業に向いている理由を説明したうえで、プログラマーの起業に必要なスキル、起業の基本的な流れ、成功のコツなどを解説します。
「必要以上に安売りをしてしまう」「市場感より高い単価で参画してしまいトラブルになる..」
フリーランス市場は売り手市場であるものの、いまだに正しいノウハウが確立されておらず、多くの方が案件探しに苦労されています。
ですが、現在の市場感や企業側に刺さる経験・スキルを理解し正しく案件探しをすれば、誰でも自身のバリューを活かし単価を伸ばすことができる、というのも事実です。
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目次
プログラマーが起業に向いている3つの理由
プログラマーという職業は経営などとは少し離れた働き方のようにも思いますが、実は起業に向いている職種であると言えます。向いている理由は以下の通りです。
- イニシャルコストがほぼ人件費のみ
- ビジネスモデル次第ではランニングの固定費もほとんど掛からない
- デジタル化に弱い日本ではIT領域の市場がまだブルーオーシャン
特に、事業に必要な「固定費」を抑えられる働き方という点で、大きな強みとなります。それぞれ詳しく解説していきましょう。
イニシャルコストがほぼ人件費のみ
起業するにあたって、多くのビジネスではイニシャルコストとして大きな費用が必要となります。
しかしながら、プログラマーの場合にはイニシャルコストとして発生する費用はほぼ人件費のみといっても過言ではありません。
もちろんパソコンやインターネット代金、作業場所など必要なものはありますが、事業を始める前からすでにお持ちのパソコン環境をそのまま利用可能です。また作業場所に関しても自宅でのリモートワークなどであれば、費用がかかりません。
人件費に関しても最初は自分ひとりでビジネスを始めれば、給与が0となってしまう可能性はありますが、自分以外の人件費が掛かることも一切ないためイニシャルコストを限りなく0に近い状態で始められるメリットがあります。自分ひとりで起業するためのポイントやメリットは以下の記事を参考にしてください。
ビジネスモデル次第ではランニングの固定費もほとんど掛からない
同じくプログラマーの場合、ランニングコストに関してもほとんど0に近い状態まで抑えることが可能です。
もちろん人を雇うビジネスモデルでは固定費が必要となりますが、上述したように自分ひとりで起業する場合には、自分への給与と家賃・光熱費・インターネット代金といった最低限のランニングコスト以外は必要ありません。
自分の給与以外は起業していなくても費用として掛かってくるものですので、ランニングコストに関してもほとんど0に近い状態で始められると考えてよいでしょう。
デジタル化に弱い日本ではIT領域の市場がまだブルーオーシャン
日本は先進国として認知されているものの、デジタル化については遅れをとっている状況です。IMDの世界競争力センター(World Competitiveness Center)が公表した2023年版の「IMD世界デジタル競争力ランキング」によると、日本の順位は32位です。このランキングは2017年から作成されていますが、過去最低の順位になりました。
ただし、この状況は、まだデジタル化できる市場が多く残っているとも言い換えられます。日本はIT領域のビジネスチャンスがまだまだ豊富であり、ブルーオーシャンだと言えるでしょう。
IT領域のビジネスは、1人でも大きな利益を生み出せるケースも多いです。まだチャンスが多い状況であるため、独自のアイデアをもとにプログラマーとして起業すれば成功できる可能性があります。
プログラマーの起業に向いている事業モデル・業種
プログラマーが起業する際、自分のスキルを活かせる分野でかつリスクの少ない事業モデルを検討することが事業を継続するためには必須です。主に以下のような事業モデルが向いていると言えます。
- システム・サービスの受託開発
- Webサービスやアプリの運営による収益化
- ITコンサルタント
- Webメディア事業・情報発信
以下では順番に解説します。
システム・サービスの受託開発
王道の起業スタイルとして挙げられるのは、システム・サービスの受託開発です。具体的にはフリーランスプログラマーとしてクライアントと業務委託契約し、システムやサービスを開発します。
この方法は、会社員・フリーランスを問わずプログラマーとして最も多い働き方であるため、着手しやすいのがメリットです。クライアントに常駐、もしくはリモートでの勤務になり、自分の生活スタイルに合わせて働き方を調整できます。
ただし会社員時代に担当することのなかった工程や、営業活動なども必要となるため、開発だけに専念できるわけではない点に注意が必要です。なお、フリーランスと企業の違いについて知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
Webサービスやアプリの運営による収益化
プログラマーが起業する方法として、Webサービスやアプリの運営による収益化もあります。受託開発ではなく、自分でWebサービスやアプリを開発・運営し、その売上で収入を得るビジネスモデルです。
収益化を達成するために重要なのは、高い企画力を発揮して、社会的に需要があるサービスを開発できるかどうかです。多額の費用を費やしたからといって、売上が大きくなるとは限りません。
もちろん事業会社の潤沢なリソースによる開発に勝つのは難しいですが、個人のWebサービスやアプリが大ヒットを記録する例もあるため、自信がある場合は検討するとよいでしょう。
ITコンサルタント
プログラマーとしての経験・知識を活かして、ITコンサルタントとして活動する方法もあります。コンサルタントには報酬や顧問料が支払われるため、それによって収入を得るビジネスモデルです。
基本的にプロジェクトベースで動くプログラマーとは異なり、ITコンサルタントは複数のプロジェクトを通じて、クライアントのITに関する課題を解決します。プログラミング自体の技術はそこまで要求されませんが、上流工程での実績や、ITに関する幅広い知見が求められます。
中小企業診断士やプロジェクトマネージャ試験などの資格があると、ITコンサルタントとしてのスキルを客観的に証明しやすくなるでしょう。フリーランスのITコンサルタントとしての働き方に興味がある人は、以下の記事も参考にしてください。
Webメディア事業・情報発信
プログラミングの現場からは多少離れてしまいますが、Webメディア事業・情報発信の形で起業する方法もあります。具体的には、ブログやSNSなどで情報発信し、アフィリエイト広告やアドネットワーク広告などで収入を得るビジネスモデルです。プログラミング講師となり、生徒に教えつつ情報発信する方法もあります。
Webメディアでは、ユーザーが知りたい情報や興味を持つ情報を発信して集客します。SEOやWebライティング、Webデザインなど、プログラマーとして働いていた頃とは異なるスキルセットが必要です。
プログラマーが起業するために必要なスキル
続いて、プログラマーが起業するために必要なスキルを解説します。最低限以下のスキルは身につけておきましょう。
- プログラミングスキル
- コミュニケーション能力
- マーケティングスキル
- マネジメントスキル
- 企画力・計画立案スキル
- 決断・判断力
- 各種手続きに関する知識
それぞれなぜ重要なのかも含め、解説していきます。
プログラミングスキル
プログラマーとして起業するなら、プログラミングスキルは欠かせません。特に、Web・システムサービスの受託開発事業や、特定領域のWebサービスやモバイルアプリ事業に取り組むなら、高いスキルレベルが求められます。
求められるレベルは事業内容により変わります。例えば、Webメディア事業では、それほどハイレベルなスキルはなくても構いません。しかし、スキルがあれば自分でサイトをアレンジできるため、他のWebメディアとの差別化につながります。
コミュニケーション能力
プログラマーとして起業すると、さまざまなシーンでコミュニケーション能力を問われます。一例を以下に示しました。
- 従業員と意見交換したい時
- 従業員と親睦を深めたい時
- クライアントと交渉する時
- 人脈を広げたい時
- 従業員のモチベーションを高めて、一丸となって目的達成したい時
コミュニケーション能力がある人は、交渉力とリーダーシップに優れています。2つのスキルを高めて、信頼関係を築き、スムーズなやり取りができるように心がけましょう。
マーケティングスキル
プログラマーとして起業する際に、需要のあるビジネスを見極めるには、マーケティングスキルが重要です。自分の持つプログラミングスキルを活かせるアイデアが見つかっても、需要がなければビジネスとして成り立ちません。見切り発車で行動せず、市場分析してアイデアの価値を見極めましょう。
また、ビジネスでは、売れる仕組みをつくることも大切です。売上を伸ばすには、商品やサービスが消費者に認知され、価値を認めてもらう必要があります。プログラミングで起業するなら、オンラインのマーケティングについて知識やスキルを身につけておきましょう。例えば、以下の知識や施策を勉強しておくと、ビジネスを成長させやすくなります。
- Web広告
- SEOやMEO(マップ検索エンジン最適化)
- SNS運用スキル
- リサーチスキル
- 解析ツールの操作スキル
マネジメントスキル
プログラマーとして起業する際に、従業員を雇うなら、人(人材)をマネジメントしなければなりません。また、1人で起業する場合でも、モノ(資材や製品)やカネ(運転資金)のマネジメントが求められます。
マネジメントスキルは、現状を把握して、問題を解決するスキルです。マネジメントスキルを高めるには、前述したコミュニケーション能力に加え、論理的に考えるロジカルシンキングスキルや、問題の本質を見極めるクリティカルシンキングスキルも養いましょう。
企画力・計画立案スキル
プログラマーとして起業する際に、成長が見込まれる事業を展開するためには、企画力と計画立案スキルが必要です。
- 企画力:思いついたアイデアを掘り下げて、やりたいことやターゲットを明確にするスキル
- 計画立案スキル:起業する過程で事業計画を策定するためのスキル
企画力や計画立案スキルが高い人の特徴は、「さまざまな人や物事に関わるのが好き」「トレンドを追うのが好き」など、好奇心旺盛かつ研究熱心なタイプです。日常的にインプット(情報収集)とアウトプット(情報発信)を繰り返すと、魅力的な事業を企画するための力が養われます。
決断・判断力
プログラマーとして起業する際は、貸借対照表や損益計算書などの数値の動きを見て、冷静に決断・判断を下すスキルも求められます。決断・判断力がないと、事業から撤退すべき時を誤ってしまいます。また、資金を集中させた方がよい時でも、なかなか踏み切れずにチャンスを逃してしまうかもしれません。
貸借対照表を見ると会社の資産状況が分かり、損益計算書では1年間の運用状況が分かります。2つの書類の見方を理解して、スピーディーに決断・判断を下しましょう。
各種手続きに関する知識
プログラマーとして起業する際は、会社設立のための手続きなど、各種手続きの方法についても把握しておきましょう。個人事業主として開業するなら開業届を提出すれば済みますが、会社設立(法人化)なら、以下の手順で手続きを進めます。
- 会社の基本事項の決定
- 法人用の実印の作成
- 定款の作成
- 定款の認証
- 設立登記の申請
この他に、税金や社会保険関連の手続きも押さえておく必要があります。なお、フリーランスから法人化するメリット・デメリットについて詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。
創業者にプログラミングの知識・スキルがあると良い理由
起業の手段はさまざまあり、創業者にプログラミングの知識やスキルが必須というわけではありません。たとえば、エンジニアやプログラマーなどをクラウドソーシングで確保し、創業者のアイデアをかたちにするという方法もあります。
ただし、創業者自身もプログラミングの知識やスキルをもっていると、より有利にビジネスに取り組める可能性が高いです。以下では、その理由について解説します。
スピード感を持ってビジネスを展開できる
創業者にプログラミングの知識やスキルがあると、スピード感のあるビジネスを実現できます。たとえば、緊急で修正が必要な箇所が見つかった場合も、創業者自身にプログラミングの知識やスキルがあれば、その場ですぐに修正が可能です。メンバーに修正を依頼する際も、分かりやすい指示を出せます。
また、新しいアイデアを思いついてすぐにカタチにしたいときも、プログラミングのスキルや知識があればイメージをそのまま表現できます。
アイデアを生み出しやすい
プログラミングの知識やスキルを含む豊富なITの情報が頭に入っていれば、新しいアイデアも生み出しやすくなります。プログラミングのルールが分かっていると、それを前提にして新しいサービスを模索できるからです。
ITに関する知識やスキルが乏しい場合、魅力的でも実現可能性が低いアイデアばかりが生まれる可能性もあります。たとえ身につけた知識やスキルが基礎レベルでも、何も知らない場合と比べれば、よりスムーズにかたちにできるアイデアを思いつきやすくなるでしょう。
エンジニアとコミュニケーションがとりやすくなる
創業者にプログラミングの知識やスキルがあれば、エンジニアとのコミュニケーションも円滑になります。エンジニアがどのように作業を進めるか理解できている場合、それに配慮した指示を出しやすくなるからです。エンジニアの仕事に配慮できると、創業者自身がイメージしたサービスの開発をよりスムーズに進められます。コミュニケーションのすれ違いによるストレスを減らし、効率的にビジネスを展開できるようになります。
人件費の削減になる
創業者もプログラミングができる場合、人件費の削減につながります。創業者自身も開発の作業を進められ、確保するプログラマーやエンジニアも最低限で済むからです。創業者が対応しきれない業務のみ、他のメンバーに対応してもらうという方法もあります。
起業するなら身につけておきたいプログラミング言語
起業する場合、どのようなプログラミング言語を身につければよいのでしょうか。おすすめのプログラミング言語を紹介します。
Webサービス向けの言語
Webサービスを開発するなら、Python、PHP、Javaを身につけると役立ちます。それぞれの特徴について解説します。
Python
Pythonは、シンプルで分かりやすく、汎用性の高いプログラミング言語です。DjangoやFlaskなどのフレームワークを活用してバックエンドシステムを構築するために使用できます。Webサービスだけでなく、データ解析や機械学習などの開発にも利用できます。
PHP
PHPは、Web開発のために作られたプログラミング言語です。WordPressなどをはじめとするCMSにPHPが利用されているため、人気があります。特に、中小規模や個人のプロジェクトでは、PHPが選ばれるケースが多いです。PHPは、Laravel、Symfony、CakePHPなどのフレームワークを活用できます。
Java
Javaは、Webサービスだけでなく、業務システム、ゲーム、スマートフォンアプリなどさまざまな開発が可能なプログラミング言語です。汎用性の高さから人気があります。Javaは、JVMというJava仮想マシンでプログラムを実行する仕組みです。特に、大規模な開発に向いています。
アプリ開発向けの言語
アプリ開発をする場合、 Kotlin、Swift、Rubyのスキルがあるとよいです。それぞれの特徴について解説します。
Kotlin
Kotlinは、Androidアプリを開発するための公式のプログラミング言語として認定されています。Javaのコードが引き継がれているため、KotlinとJavaは同時に使用できます。なお、KotlinはJavaよりも簡潔で分かりやすく、学習の難易度も低めです。近年注目度が上がっており、今後アプリ開発をするなら習得を目指すとよいでしょう。
Swift
Swiftは、アップル社によって作られたプログラミング言語です。iOSアプリを開発するために利用できます。従来iOSアプリの開発に使用されていたObjective-Cと比較し、Swiftはさらにコードが短くなっています。ただし、バージョンアップも高頻度で行われているため、最新情報を確認しながら学習する必要があるでしょう。
Ruby
Rubyは、日本人により開発されたプログラミング言語です。アプリやWebサイトのバックエンドなどの開発に使用できます。コードがシンプルなうえに、日本人にとって特に分かりやすい構造になっています。Rubyに関する日本語の情報も豊富なため、スムーズに習得を目指せる可能性が高いです。
起業する前にプログラマーが考えるべきこと
プログラマーが起業に向いているとはいっても、何も考えずに勢いで起業したのでは成功する確率が高いとは言えません。
事前に最低限考えておきたいポイントを把握しておきましょう。
セールス・マーケティングメンバーをどう揃えるか
プログラマーから起業した場合、営業活動に関しては未経験者であることが大半です。もちろん自分自身でマーケティングを行うことも可能です。
しかし実際には、あまり営業が得意ではない、または時間が取れないなど理由はさまざまですが、専門的な知識のあるプロに依頼してしまった方がよいことも少なくありません。
セールス・マーケティングメンバーを揃える方法としては、正社員として人材を雇う方法やフリーランスの営業と一時的に契約するなどさまざまな方法が存在します。
起業してから考えるよりも、起業前にどのような方法でどれくらいのランニングコストを掛けて人材を揃えるのか検討することが大切です。
イニシャル・ランニングコストをどこから調達するか
イニシャルコストとランニングコストに関しても自分自身の資金で十分にまかなえない場合には、資金調達方法をあらかじめ検討しておく必要があります。
プログラマーの起業は他の事業に比べると、イニシャルコスト・ランニングコスト共にほとんど掛からないとご紹介しましたが、少なからず資金力は必要で最低でも数ヶ月出来れば1年程度は事業を運営出来るだけの資金を用意しておきたいものです。
資金調達の方法はさまざまですが、公的機関から調達する方法や最近ではクラウドファンディングで資金を調達する方法などが一般的です。
プログラマーとして起業するまでの基本的な流れ
プログラマーとして起業するまでの基本的な流れは、以下の6ステップです。
- 起業する目的を整理する
- プログラミングのスキルを身につける
- 事業計画を策定する
- 必要に応じて副業で事業をスタートする
- 開業届・法人登記をする
- 資金調達を検討する
それぞれのステップを詳しく解説します。
起業する目的を整理する
アイデアがあるからと突発的に起業しても、モチベーションが長続きしない可能性があります。起業には手間も費用もかかるため、「起業して何を成し遂げたいか」「起業以外で目的をかなえられる方法はないか」などを考えて、目的を明確化しておきましょう。
「自分でアプリを作ってみたい」といった漠然としたものではなく、できるだけ具体的に事業のイメージを固めましょう。
プログラミングのスキルを身につける
次に、起業する目的に沿って、プログラミングスキルを身につけましょう。プログラマーは、自分が持っている「技術力」こそが商品であり、その内容に応じて収入が変わります。特に受託開発の場合は、上記の傾向が顕著です。
自分でWebサービス・アプリを開発するタイプの起業であれば、優れたアイデアや企画力・計画立案スキルが最優先です。こちらの場合、プログラミングのスキルは、独学でも十分対応できます。
ただし受託開発やコンサルタントとして起業する場合は、基本的に実務経験が求められるため、就職して経験を積むのが必須です。もちろん就職をしてからでも、プログラミングの知識・実績は得られますが、入社前から一通り学んでおくと就職活動時に有利になります。
事業計画を策定する
起業する目的が決まったら、事業計画を策定して事業計画書を作成します。事業計画書に記載する項目は個人で決めて構いませんが、プログラマーが起業する時は主に以下の内容を検討するとよいでしょう。
- 経営理念や目的
- 事業内容
- 市場環境や競合の情報
- 自社や商品やサービスの特徴
- マーケティング戦略
- 資金調達に関する計画
- 利益見込み
事業計画書を作成すると、事業計画が明確になり、従業員との認識共有や、課題発見に役立ちます。
必要に応じて副業で事業をスタートする
思い立った時期に独立するのもよいですが、いきなりプログラマーの仕事をやめて起業するのではなく、副業でスタートするのがおすすめです。なぜなら起業初期は、クライアントとのネットワークや社会的な信頼もなく、思うように売上が出ない可能性があるからです。
副業から始めることで、起業当初のランニングコストをまかなえるなど、収入が減るリスクを減らせます。さらに会社員とは異なる働き方にも慣れるため、起業直後の混乱も抑えやすくなるでしょう。
プログラマーにおすすめの副業は以下の記事で詳しく解説しています。
開業届・法人登記をする
プログラマーとして副業をしている時点でも、開業届や法人登記など会社設立の手続きは可能です。開業届の提出とは、事業を始めたことを管轄の税務署に通知する手続きになります。手続き自体は完全に無料で、書類1枚を記入すればよいため、税理士などに依頼する必要もありません。
法人登記とは、会社やその他の法人を設立する際に、法務局に対して行う手続きです。会社員として副業をしている状態でも法人登記自体はできますが、「かえって税負担が重くなる可能性がある」「税理士などの費用がかさみやすい」などの点には注意しましょう。
個人事業主としての開業を考えている方は、以下の記事を参考にしてください。
資金調達を検討する
プログラマーとして1人で起業する場合は、それほど資金は必要ないかもしれません。ただし、事務所を借りたり、人を雇ったり、備品を買いそろえたりする場合は、資金調達が必要な場合があります。また、すぐに経営が軌道に乗るとは限らないため、独立前に半年分ほどの生活資金を準備しておいた方が無難です。
資金調達方法として、金融機関の融資や、補助金や助成金を検討する人もいます。ただし、手続きは大変で審査に通るとも限りません。できる限り、自己資金を貯めてから起業することをおすすめします。
プログラマーが起業して成功するためのコツ
続いて、プログラマーが起業して成功するためのコツを解説します。
アイデアに需要があるのか入念に調査する
アイデアを思いついても、成長が見込めないものでは失敗してしまいます。市場調査を実施して、需要あるアイデアかを入念に調査しましょう。市場調査には、以下の方法が挙げられます。
- インターネット調査
- フィールド調査(店頭やイベントに出向いて調査する方法)
- SNS分析
- リサーチ会社の活用
- 公的機関が出した資料や統計データの活用
- 新聞記事の閲覧
人脈構築に力を入れる
人脈構築に力を入れると、仕事につながる、情報収集に役立つなどのメリットを得られます。イベントに参加する、異業種交流会・セミナーへ参加する、SNSで交友関係を持つなどの方法で、積極的に人脈を広げましょう。
人脈を活用するポイントは、連絡手段を複数用意することです。名刺には、電話番号とメールアドレス、SNSなど複数の連絡手段を記載しましょう。また、自分(自社)のWebサイトがあれば、問い合わせフォームを設置してください。複数の問い合わせ方法を用意しておけば、好きな手段を選べるため連絡するハードルを下げられます。
なお、ビジネスパートナーや仲間探しについてはマッチングサービスを活用するのもおすすめです。
時代の変化に柔軟に対応する
時代の変化によって、消費者の価値観や市場動向はどんどん変化していきます。変化に対応して事業を続けるには、柔軟な思考・行動が必要です。競合がいない領域で成功を収めている会社でも、その領域自体に需要がなくなってしまえば事業を続けられません。
例えばWeb・システムサービスの受託開発事業で起業するなら、PythonやJava、JavaScriptなど需要のある言語や分野を見極めて、スキルアップに励みましょう。従業員にもその分野に注目するように働きかけてください。データサイエンスと機械学習関連など、勢いのあるジャンルを知ることも大切です。
以下の記事では、起業に失敗する原因について詳しく解説しているのであわせてチェックしてみてください。
起業後に資金がショートしそうになった場合の対策・対処法
起業というのは、どれだけ綿密に計画を建てたとしても計画通り行くことは稀で、最悪の場合資金がショートしそうになってしまうことも考えられます。
最悪の状況をあらかじめ想定して対応策を考えておくことも、起業するうえで大事なポイントです。
ここからは資金がショートしそうになった時の対策を解説していきます。
デッド・エクイティファイナンスを検討しよう
「デットファイナンス(Debt finance)」とは借入金融を意味し、金融機関や投資家からお金を借りることで資金調達する方法です。
「エクイティファイナンス(Equity finance)」とは、新規株式を発行することにより資金調達する方法です。
大きな違いとしてデットファイナンスでは資金の返済義務があるのに対し、エクイティファイナンスでは原則として返済義務がない特徴があります。ただし、エクイティファイナンスにもデメリットはあり株主が経営に関与出来るようになるため、大きな影響力を及ぼす可能性があることを意識しておく必要があります。
どちらが優れているということはなく、会社の状況を判断しながら適切な資金調達方法を選択することが大切です。
ファクタリングサービスを使う
起業後に資金がショートしそうになった際は、ファクタリングサービスを使うのもおすすめです。ファクタリングとは、一言で言えば「請求書買取サービス」で、入金前の請求書を現金化できるサービスを指します。
一般的に、請求書が発行されてクライアントから入金されるまでの期間は、1ヶ月から数ヶ月です。しかしファクタリングサービスを使えば、すぐに請求書を買い取って現金化してもらえるため、資金のショートを防ぎやすくなります。
プログラマーとして受託開発をする場合やITコンサルタントなど、請求書が絡む起業であれば、ファクタリングサービスを利用可能です。
記事を取得できませんでした。記事IDをご確認ください。
週2〜3日のフリーランス案件で稼ぐ
プログラマー特有の資金調達方法とも言えるかも知れませんが、週2日~週3日のフリーランス案件をこなすことで、資金を補うことも可能です。プログラマーとして実務経験がそれなりにあれば、週2日~週3日の案件獲得も難しいことではありません。
フリーランス案件である程度安定した収入を確保したうえで、残りの稼働日で起業したビジネスに注力することにより、事業を継続しながら資金のショートを防ぐことも可能となります。
手前味噌ですが、弊社サービス「ITプロパートナーズ」では数多くの週2日〜3日でできる案件・求人を取り扱っています。もしご興味のある方はご相談ください。
プログラマーとして起業した人の体験談
プログラマーとして起業した人の体験談を紹介します。起業の流れや成功のポイントを参考にしてください。
プログラミング教育事業を立ち上げた斉藤さん
斉藤さんは、親子向けのプログラミング教育事業を立ち上げました。会社を退職後フリーランス案件で経験を積みつつ、法人化の準備を進行。弊社ITプロパートナーズで、柔軟に働ける高単価な案件を獲得したことで、しっかり準備する時間を確保できました。
2020年から開始されるプログラミングの義務教育化に目をつけたところも、起業成功のポイントと言えます。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
世界中でヒットしたアプリを開発した小林さん
全世界で広く使われている電卓アプリを開発した小林さんは、会社を退職して早々に会社を立ち上げています。
起業後、マッチングサイトや人脈を使って仕事を獲得。さらに、弊社ITプロパートナーズを通じて案件を獲得し、資金調達しつつ派遣先の会社の内部体制を勉強しました。派遣先で把握した内部体制は、従業員を雇用する際に大いに役立っています。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
プログラマーの起業に関するQ&A
プログラマーの起業について、他にも気になることがある人もいるでしょう。ここでは、 プログラマーの起業に関するQ&Aを紹介します。
プログラミングで成功した起業家は?
プログラミングにより大成功を収めた起業家は多くいます。たとえば、以下の起業家です。
- ビル・ゲイツ(Microsoft)
- ジェフ・ベゾス(Amazon)
- マーク・ザッカーバーグ(Facebook)
- ケヴィン・シストロム(Instagram)
- 山田 進太郎(メルカリ)
いずれもプログラミングの知識を活かしてサービスを生み出し、誰もが知るサービスへと成長させました。
プログラミングの起業に役立つ書籍はある?
プログラミングで起業するなら、以下の書籍がおすすめです。
- ジョブ理論
- 起業の科学
- 起業のファイナンス
「ジョブ理論」は、顧客が解決したい課題をもとにビジネスを考えるための思考を学べます。「起業の科学」は、課題解決のためにどのようなサービスを設計すればよいかまとめられた書籍です。
また、起業にあたっては手続きや資金についての理解も必要になるため、「起業のファイナンス」を読むと基本的な知識を得られます。
プログラミングの起業は独学でも可能?
独学でも、プログラマーとして起業できる可能性はあります。ただし、プログラマーには専門的なスキルが必要であり、まずはスキルを磨かなければなりません。そのため、独学の場合はすぐに起業できず時間がかかるでしょう。
プログラミングの起業に強いスクールはある?
プログラミングでの起業を目指してスクールで学ぶなら、たとえばジーズアカデミーがおすすめです。プログラミングの初心者でも、基礎から学べます。卒業後の目標に応じた支援を行っており、起業にも対応しています。永続的なコミュニティがあるため、うまく活用しましょう。
まとめ
本記事では、プログラマーが起業に向いている理由と成功するために把握しておきたい基本的な情報について紹介してきました。
結論として、プログラマーは低リスクで起業することが可能な職種であり、ITの需要の高さからもチャンスの大きい分野であることは間違いありません。
しかし、行き当たりばったりで起業してしまったのでは成功する可能性も低くなってしまいますので、今回ご紹介したような基本的な考え方や対策をしっかりと理解したうえで、ご自身の起業にチャレンジしてみてください。
手前味噌ですが、弊社サービス「ITプロパートナーズ」では「高単価」「フルリモート可能」「週2〜3日からのジョインOK」といったフリーランス案件を数多く取り扱っています。プログラマーとして仕事探しをしたい方はご興味のある方はご相談ください。
- 高額案件を定期的に紹介してもらいたい
- 週2日、リモートワークなど自由な働き方をしてみたい
- 面倒な契約周りはまかせて仕事に集中したい
そのような方はぜひ、ITプロパートナーズをご利用ください!
まずは会員登録をして案件をチェック!