フリーランスITコンサルタントになるには?独立後の年収や案件例

こんにちは、ITプロマガジンです。

現在、ITコンサルタントとして会社に勤務している方のなかには、「さらに高収入を目指したい」「もっと自由に活動したい」などの理由で、フリーランスとしての独立を考えている人も多いのではないでしょうか。SEやIT分野のPMといった技術職から、フリーランスのITコンサルタントを検討している人もいるかもしれません。

ITコンサルタントは非常に需要が高いため、フリーランスとして自由度高く働くことができる職種ですが、一方で会社の後ろ盾が無くなるために案件獲得に苦労する場合もあります。

本記事では、

  • ITコンサルタントがフリーランスになるメリット・デメリット
  • 独立後の年収目安や実際の案件例
  • フリーランスに求められるスキルや案件獲得方法

などを解説します。独立時の注意点についても紹介するので、フリーランスを検討している方はぜひ参考にしてください。

フリーランスの単価の伸ばし方

「必要以上に安売りをしてしまう」「市場感より高い単価で参画してしまいトラブルになる..」

フリーランス市場は売り手市場であるものの、いまだに正しいノウハウが確立されておらず、多くの方が案件探しに苦労されています。

ですが、現在の市場感や企業側に刺さる経験・スキルを理解し正しく案件探しをすれば、誰でも自身のバリューを活かし単価を伸ばすことができる、というのも事実です。

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Contents

フリーランスITコンサルタントの仕事内容

ITコンサルタントとは、クライアントの経営課題をIT活用によって解決する支援をする職業です。会社の経営戦略や現状をヒアリングしたうえで、ITへの投資方針を策定したり、必要なITツールを導入・開発する方針を立てたりします。

つまり、ITコンサルタントはIT人材というより経営コンサルタントに近い立場です。経営の課題解決の手段として、IT活用を強みにしたコンサルティングを行います。

ITコンサルタントの仕事内容はフリーランスでも会社所属でも基本的に変わりません。しかし、フリーランスは特定の会社に所属せず、クライアントと直接契約を結んで案件ごとに業務に従事する点が違いです。

またフリーランスのITコンサルタントは、小規模な案件が多い傾向があります。個人事業主か法人経営者のどちらの形をとるにしても、少人数で案件に対応するのが一般的だからです。フリーランスのITコンサルタントは、コンサル業務の他に営業や会計、労務管理なども一人で担うため、会社所属の場合に比べると対応できる案件の規模は小さくなります。

なお、ITに限らずフリーランスコンサルタント全般の情報については以下の記事でまとめています。

フリーランスコンサルタントになるには?年収・単価相場も徹底解説

フリーランスITコンサルタントの年収・報酬相場

続いて、フリーランスITコンサルタントの年収・報酬相場について、大手コンサルファームと比較しながら紹介していきましょう。

フリーランスコンサルタントの報酬の水準

フリーランスのITコンサルタントの報酬水準は月単価で100万〜200万円程度です。年収に換算すると、1,200万~2,400万円となります。

例えば以下は弊社ITプロパートナーズで募集している案件例となります。

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案件単価〜100,000円/月
勤務地恵比寿
スキルITコンサルタント,業務コンサルタント,社内SE経験,要件定義の経験
職種・ポジションITコンサルタント

ただし、手取りに換算すると、収入はやや減ります。所得や世帯状況にもよりますが、所得税・住民税・健康保険・年金などを差し引くと、月単価は70万〜140万円程度、年収換算で840万~1,680万円が報酬相場です。

大手コンサルファームとの年収比較

大手コンサルファームの場合は、会社員でも年収1,000万円近く稼ぐことができます。

  • アクセンチュア株式会社:867万円
  • 株式会社クニエ: 1144万円
  • デロイト トーマツ コンサルティング合同会社: 958万円

一方、フリーランスITコンサルタントの月単価は先ほど紹介した通り100万円から200万円程度で、年収に換算すると1,200万円から2,400万円です。このように、実績やスキルがあれば、大手コンサルファームよりもフリーランスのほうが稼げる可能性があります。

ITコンサルタントの平均年収は?年収1,000万以上を目指す方法も調査!

ITコンサルタントの年収は?企業別ランキングやフリーランスの収入も紹介

フリーランスITコンサルタントの種類と案件例

フリーランスのITコンサルタントは、業務内容によって大まかに7種類に分けられます。それぞれ、仕事内容や報酬目安、必要スキルを案件例と共に紹介します。

PM・PMOコンサルタント

PM・PMOコンサルタントは、広い視野と、客観的な視点から、組織全体のプロジェクトを管理・問題解決を支援する職業です。案件の月単価は、80万~120万円が目安。プロジェクト間の調整も行うため、実務には統率力・コミュニケーションスキル・進捗管理能力・論理的思考力が求められます。

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案件単価〜1,000,000円/月
勤務地フルリモート
スキルクライアントの経営課題,組織課題へのコンサル経験,提案資料作成経験,PM経験
職種・ポジションPMコンサルタント

ERPコンサルタント

ERPコンサルタントは、SAPやMicrosoft Dynamicsなどの基幹系情報システムERPや顧客データを管理するシステムCRMの導入・運用を支援、プロジェクト全体の業務を効率化する職業です。案件単価は、月額単価にすると130万~200万円が目安となっています。

システムの導入に携わるために、システム開発全般に関する知識・経験は必須です。そのほか、論理的思考力やコミュニケーションスキルが求められます。

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案件単価〜800,000円/月
勤務地非公開
スキルERP製品導入におけるプロジェクトマネージャー経験,大手Sierと協力し、システム更改プロジェクトの全工程を担当,受け入れテストと稼働判定の基準設計に関する専門知識
職種・ポジションITコンサルタント

RPAコンサルタント

RPAコンサルタントは、人が手動で行っていた業務をAI(人工知能)や機械学習などの認知技術を使って自動化し、生産性の向上を支援する職業です。案件の月単価は、30万~80万円が目安。

システムを導入して自動化していくため、RPAプログラミングの知識・経験やコミュニケーションスキル、論理的思考力が求められます。

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案件単価〜700,000円/月
勤務地二重橋前
スキルMicrosoft Power Automateの結用経験,BPOの知見
職種・ポジションITコンサルタント

DX推進コンサルタント

DX推進コンサルタントは、デジタル技術を用いて、経営や事業を変革するDX(デジタルトランスフォーメーション)の戦略立案や、組織構造・企業文化を変革する職業です。案件の月単価は、100万円程度が目安となっています。

デジタル技術を利用して、新しい商品・サービスやビジネスモデルを生み出すことから、課題発見力やAI・機械学習の知識、マネジメント能力が必要です。

案件【コンサルタント】建設業事業会社での社DX推進支援!!
案件単価〜1,000,000円/月
勤務地神谷町
スキル総合コンサル経験,戦略策定PJ経験,PXプロジェクト経験,社内および社外との調整経験,人事労務業務に関する理解
職種・ポジションコンサルタント

IT組織・人事コンサルタント

IT組織・人事コンサルタントは、IT人材の採用・人材育成・人事評価制度の刷新など組織・人事面における経営課題を解決する職業です。案件の月単価は、10万~100万円が目安となっています。

現状分析力・課題解決力・論理的思考力・コミュニケーションスキル、その他採用・組織・育成など組織・人事に関する知識・経験が求められます。

案件【PM/コンサルタント】人事労務領域の業務改革におけるコンサルの案件・求人
案件単価〜1,000,000円/月
勤務地神谷町
スキル社内業務システム導入経験者,RPAに関する専門知識保有者,業務システムの初期設定・データ移行経験者,システムテストとチューニング経験者
職種・ポジションPMコンサルタント

クラウドコンサルタント

クラウドコンサルタントは、オンプレミスから、AWS/Google Cloud/Microsoft Azureなどクラウドサービスへの移行や運用を支援する職業です。案件の月単価は、100万円程度が目安となっています。

ITとクラウドサービスの知識はもちろん、論理的思考力・コミュニケーションスキル・マネジメント能力が必要です。

案件【ITコンサルタント・Azure】クラウド化サービスの導入コンサルタントを募集!
案件単価〜900,000円/月
勤務地非公開
スキル3年以上のPM/ITコンサルタント経験,パブリッククラウドを用いた開発経験,10名以上のプロジェクト参加経験,ビジネスサイドとの交渉能力と技術提案スキル,自立して能動的にプロジェクトに参画できる方
職種・ポジションITコンサルタント

セキュリティコンサルタント

セキュリティコンサルタントは、クライアントの情報セキュリティに関する戦略の立案から体制の構築・実行まで支援する職業です。案件の月単価は、60万~100万円が目安です。

情報セキュリティに関する経験・知識や仮説構築力、プレゼンテーション能力、セキュリティ関連の法律に関する知識などが求められます。

案件【リモートOK/セキュリティコンサルタント】医療系ベンチャーでのセキュリティ強化プロジェクトを牽引いただける方募集中!
案件単価〜600,000円/月
勤務地非公開
スキル医療業界でのセキュリティガイドラインの知見,セキュリティを意識したAWS設計の要件定義や構築メンバーへの指示出し経験,アカウント管理の整備や運用方法の提言
職種・ポジションコンサルタント

弊社ITプロパートナーズでは、上記の他にもITコンサル案件を数多く扱っています。9割がエンド直案件となっており、高単価を実現しています。これまでの経験やスキルを活かして、魅力的なITコンサル案件を獲得したい方は、ぜひ無料登録をして、まず案件をチェックしてみてください。

フリーランスITコンサルタントが担当する業務工程

フリーランスのITコンサルタントが関わる業務工程は、上流から下流の順に次の通りです。

  • IT戦略・企画
  • 要件定義
  • 設計・開発
  • 保守・運用

ここでは工程ごとに具体的にどのような業務、役割を担うのか解説します。

IT戦略・企画

ITコンサルタントは経営コンサルタントと同じ立場なので、IT戦略の立案・企画における初期段階から関わります。この工程では以下のような業務を行います。

  • 経営課題やクライアントニーズのヒアリング
  • 現状の事業環境の把握
  • IT領域の課題の洗い出し
  • IT活用による事業戦略や解決策の提案

これらの業務はその後の工程の土台となるため重要です。また、経営成果につなげられるかどうかも、この業務の精度が大きく左右します。

ITを活用したマーケティング戦略立案やビジネス企画の需要は非常に高いため、案件単価も高い傾向です。

要件定義

要件定義とはシステム開発や導入をするにあたって、必要な機能や性能要件などを文書にまとめる作業です。要件定義にはITに関する広く専門的な知識が必須であるため、ITコンサルタントが関わります。

要件定義で重要なのは、クライアントと密なコミュニケーションを図ることです。IT戦略・企画で立てた目標を実現できる要件定義をしなければ、後のトラブルにつながりかねません。そのため、コミュニケーションスキルとともに、コンサルティングやプロジェクト参加の経験や、業界・業態への理解などが要求される工程です。

この業務単体の案件の場合、IT人材向けの案件として掲載される場合があります。

設計・開発

設計・開発は、ITコンサルタントが要件定義で実装を決めた機能を具現化する工程です。システムインターフェースや画面レイアウト、コード一覧など、利用者の目に触れる部分(フロントエンド)の設計や、システムの動作など直接目に触れない部分(バックエンド)の設計を行います。

この工程は、上流担当のシステムエンジニア(SE)や開発エンジニアが受け持つのが一般的です。しかし、大規模なプロジェクトや設計・開発の自由度が高いような場合には、設計・開発の大枠を決める担当者として、ITコンサルタントに業務が依頼されます。

なお、設計書の完成後は、SEやPMなどの技術者に引き渡してシステムを実装してもらい、単体/結合テストを経てリリースする流れとなります。

保守・運用

ITコンサルタントが関わる保守・運用は、本番稼働後のシステム不具合への対応策の立案や、クライアントからの改修要求に対応する業務です。例えば、システムメンテナンス手順を改訂したり、通信負荷に耐えられるサーバーやネットワークを整備することを提案したりします。一方、システム監視やバグ修正といった技術領域は開発人材が担当するため、ITコンサルタントは通常関わりません。

つまり、保守・運用のフェーズとは言え、ITコンサルタントは実質上、コンサルティング業務を行うわけです。例えば「保守人員を削減した結果システムトラブルが頻発している」「情報漏えいによって行政処分が下された」などの問題が出た際に、ITコンサルタントに依頼が来る場合があります。

弊社ITプロパートナーズでは、70万〜100万円/月と高単価なITコンサル案件を数多く扱っています。具体的にどのような案件があるのか気になる方は、ぜひ以下からチェックしてみてください。

フリーランスのITコンサルタントに必要なスキル・経験

ここで、フリーランスのITコンサルタントとして活動するために必要なスキルと経験を確認しておきましょう。

PM・上流工程での実績

フリーランスのITコンサルタントになるには、IT分野でのPMや上流工程のシステムエンジニアの知識と実績が必要です。ITコンサルタントは経営陣に近い視点で課題を抽出し、解決のための改善案を立案します。そして、その後は経営層と現場責任者の橋渡し役となり、経営課題を解決する方向にプロジェクトが進んでいるか現場責任者と話し合い、時には助言や指示をしなければならないからです。

そのためには、上流工程での実務経験が欠かせません。詳細な技術の知見は要りませんが、現場責任者と技術的な話し合いができるスキルは必須です。

このスキルを磨くには、さまざまなプロジェクトへの参画が役に立つでしょう。大規模なプロジェクトでは複数のPMの上に立って全体を管理するため、広い視野が求められます。特にフリーランスは即戦力が求められるため、実務レベルでのプロジェクト管理経験を積むべきです。

専門的かつ広範なITの知見

ITコンサルタントは専門的かつ広範なITの知見が求められます。なぜなら、経営課題の解決方法は1つではなく、例えば基幹システムの刷新や、既存ツールの導入、ミドルウェアのカスタマイズなどいろいろな手段があるからです。また、高度な技術を導入すればよいとは限らず、コスト面や納入スケジュールなども考慮して、最適なIT活用手段を検討しなければなりません。

つまり、ITコンサルタントは特定の領域に強みを持っているだけでは不十分で、広範囲に専門的な知識を持ち、多彩な提案ができるスキルが必要です。いかに最短ルートで課題解決に導けるかが、フリーランスのITコンサルタントとしてやっていけるかどうかを左右します。

営業スキル

フリーランスのITコンサルタントとして安定的に案件を獲得するには営業スキルが必須です。電話やメール、訪問営業などでスキルや実績を売り込むスキルがあると、受注を獲得するうえで有利になります。

営業スキルは、多くの顧客との商談で徐々に身につけられるので、日頃から見込みのある会社に電話やメールで積極的にアプローチするとよいでしょう。特に、フリーランスになってはじめて営業業務をする場合は、意識的に営業スキルを伸ばす必要があります。

しかし、営業が苦手な人は、本業のコンサルティングに集中できなくなる場合もあるでしょう。このような時は、営業から契約締結まで一貫して代行してくれるフリーランスエージェントを活用する方法がおすすめです。

弊社ITプロパートナーズでも、さまざまなITコンサル案件を抱えているので、営業の工数を省きたい方や、スキルを活かせる案件に出会いたい方はぜひ利用してみてください。

フリーランスの営業方法7選!案件獲得のコツや営業せず仕事を取る方法も

コミュニケーションスキル

ITコンサルタントは相談役としての信頼をクライアントから得て、なおかつ提案した解決方針にプロジェクトの関係者をまとめる必要があります。このため、ITコンサルタントに特に求められるのは次の2つです。

1つはクライアントから課題を引き出すためのヒアリングスキルです。ITコンサルタントは技術的な観点からのアプローチだけでは不十分で、ビジネス上の悩みやビジョンに対する理解など経営的な観点での共感力も求められます。

もう1つは、相手の心と行動を動かすコミュニケーションスキルです。これは相手が自ら答えに気づくのを支援するコーチングスキルに近い能力と言えるでしょう。ITコンサルタントに指揮権はないので、プレゼンや対話を通じて、クライアントに最適な提案を選んでもらう必要があります。時には合意を得にくい改善策や予算の増額も必要になりますが、クライアント自らの意志で実施するように導くのが、優秀なコンサルタントの特徴の1つです。

資格

資格を取得しておくと、スキルを持っていることを客観的に証明できます。フリーランスはクライアントに信頼してもらえなければ仕事を獲得できないため、公的資格で信用力を高めるのも1つの方法です。フリーランスITコンサルタントが取得しておきたい資格として、以下のようなものが挙げられます。

資格が必須というわけではありませんが、保有していることで有利に働く場面があるかもしれません。

ITコンサルタントに資格は必要?ITコンサルティングで役立つ試験を調査!

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ITコンサルタントがフリーランスになるメリット

現在、ITコンサルタントとして会社で働いている人であれば、フリーランスになると次のようなメリットがあります。

  • 報酬が上がるチャンスがある
  • 自由に案件を選べる
  • 働く時間・場所の自由度が高い
  • 将来性もあり自分でキャリア設計ができる
  • 適正な価格で顧客に提案できる

それぞれについて解説します。

報酬が上がるチャンスがある

ITコンサルタントがフリーランスになる大きなメリットは、年収アップを目指せる点です。前述したようにフリーランスであれば、大手コンサルファームに近い報酬も決して珍しくありません。事務処理や営業活動を自分で行う分、全ての報酬が自分のものになるため、独立することで収入アップが目指せます。

また、実力次第で収入アップできるのも魅力でしょう。会社員の場合、貢献度がそのまま給与に反映されるとは限りません。しかしフリーランスであれば成果は直接収入アップになります。仕事のやりがいという点でも、スキル向上や実績によるクライアント数増加や、成果報酬による収入アップなどが目に見える形で出るのは大きな魅力です。

自由に案件を選べる

フリーランスのITコンサルタントは、受ける案件を選べます。会社勤めのITコンサルタントでは、クライアントから理不尽な要求をされたり、無理なスケジュールを強要されたりしても、自分の裁量で断ることはまず不可能です。しかし、フリーランスは自分の責任で参画する案件を決められます。

逆に、受ける案件を増やすことも可能です。例えば戦略とIT、クラウドとセキュリティなど、得意分野や興味のある分野の仕事を掛け持ちできます。複数分野に対応できるITコンサルタントは重宝され、継続した案件受注にもつながるでしょう。幅広い分野の実績を確保しておくと、より高単価な案件を獲得できる可能性があり、収入アップも狙えます。

働く時間・場所の自由度が高い

フリーランスのITコンサルタントは働く時間と場所の自由度が高い面があります。

会社員と違って勤務時間に決まりはないため、クライアントが許可すれば働く時間帯と曜日を選びません。週2~3日程度の仕事量に調整して、残りの時間をプライベートにあてるといった柔軟なスタイルも可能。逆に、残業規制のないフリーランスの立場を利用して稼働を増やし、高収入を目指す人もいます。

また、フリーランスのITコンサルタントの案件ではリモート業務も豊富です。このため、テレワークによる在宅勤務や、特定の場所を拠点としないノマドワークをしやすいメリットがあります。

将来性があり自分でキャリア設計ができる

ITコンサルタントの需要は高まっており、需要のある職業です。

デジタル化が加速する一方で、産業界ではIT人材が足りない状態が続いており、経済産業省によると2030年には最大79万人のIT人材が不足すると試算されています。この背景から、フリーランスのITコンサルタントは、企業の「技術ギャップ」や「知見ギャップ」を埋める重要な役割を担い、将来性が非常に明るい職業とされています。

またフリーランスという働き方自体、自身のキャリアパスを自由に設計することが可能です。得意分野に特化して専門性を高めたり、新しい分野に挑戦して幅広いスキルを身につけたり、コンサルタントとして起業することもできます。

仕事の選択肢が広がることで、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が実現可能になり、例えば育休の取得や地方、海外への移住など、人生設計そのものの幅も広がるでしょう。

適正な価格で顧客に提案できる

フリーランスのITコンサルタントは価格競争上、コンサルファームやIT企業より優位です。フリーランスは営業や経理なども自分でするため低単価を提示できますが、コンサルファームやIT企業は案件に関わる人の数が多く諸経費がかさむので単価が高くなってしまいます。

実際、クラウドワーキングやオンライン対応のエージェントサービスの普及もあり、ITコンサルタントに限らず、コストを抑えたい時はフリーランスに依頼するケースが増加傾向にあります。

もしも仕事の質や信頼性において企業と同等であれば、十分な利益が出る単価を設定しても安定的な受注を見込めるでしょう。自由な裁量ができ意思決定のスピードも速いフリーランスなら、柔軟な価格交渉によって契約につなげられるのもメリットです。

ITコンサルタントがフリーランスになるデメリット

ITコンサルタントがフリーランスになるとメリットが多くありますが、以下のようなデメリットもあるため注意してください。

  • 収入が不安定になりやすい
  • 社会的信用が低い
  • 組織に守られない
  • 成長が止まる可能性がある

それぞれのデメリットについて解説します。

収入が不安定になりやすい

ITコンサルタントがフリーランスになる大きなデメリットが、収入が不安定になりやすいことです。フリーランスITコンサルタントは高収入だと紹介しましたが、それは安定して案件を受注できた場合で、案件が受注できなければ当然ながら収入は得られません。

個人との直接取引を禁止している会社もあり、会社員時代に多くの実績があったとしてもフリーランスになると案件獲得が難しいケースがあります。特に独立したばかりの期間は、収入が不安定になることを覚悟しておきましょう。

社会的信用が低い

フリーランスは社会的信用が低いのもデメリットです。特に独立したてのフリーランスは信用力が低く、事務所を開設したいのに物件を借りるための審査に通らなかったり、銀行からの融資が受けられなかったりする可能性があるため、注意してください。

各種ローンやクレジットカード、物件の契約など、信用力が必要な場面が想定される場合は、独立前に手続きを済ませておくのがおすすめです。

組織に守られない

フリーランスのITコンサルタントはトラブルが起きた際に、会社からの保護を受けられません。会社員であれば重大な損害が出た際には上司や経営者が対応するでしょうし、法律上のトラブルは顧問弁護士からサポートを受けられます。しかしフリーランスはこうした事柄に自己責任で対応する必要があります。

また資本力という点において、フリーランスはクライアントより弱い立場になりがちです。会社員の場合は会社対会社のやりとりになるため、全てを個人で背負う必要はありませんが、フリーランスの場合はクライアントに対して立場が弱くなる傾向にあり、契約にない作業や想定以上の稼働を求められたり、報酬が支払われなかったりするリスクがあります。

独占禁止法や下請法などフリーランスを守るための法整備が進められていますが、実際にクライアントから要求されると断れない場面もあるでしょう。クライアントからのクレームや報酬未払いなど、さまざまなリスクに自分で備えておくことが必要です。

フリーランスが報酬の未払い・踏み倒しにあった際の対応と予防策

成長が止まる可能性がある

フリーランスは、積極的にスキルアップをしていく姿勢でなければ成長が止まってしまう可能性があります。会社員は異動や昇進など勤続年数に応じて成長の機会がありますが、フリーランスになって同じ内容・レベルの案件ばかり受注していては、成長につながりません。

これまでとは違う分野の案件にチャレンジしたり、少しずつ案件の難易度をアップさせたりして、自分で成長の機会を作ることが大切です。

ITコンサルタントがフリーランスとして独立する方法・手順

ここからは、フリーランスになりたいという人向けに独立する方法について、以下の手順に沿って紹介していきます。

  1. 企業でITコンサルタント職関連の経験を積む
  2. 人脈を構築する
  3. スキル・経験を棚卸しする
  4. 副業からスタートしてみる
  5. 独立に必要な手続きをする

順番に見ていきましょう。

1.企業でITコンサルタント職関連の経験を積む

フリーランスになるデメリットからも分かるように、フリーランスは社会的信用が低くなりやすいため、クライアントに信用してもらえるようITコンサルタント職関連の経験を積むことが重要です。

必ずしも「ITコンサルタント」の肩書きで業務に当たらなくても、IT系の特定分野の実績があれば、それを軸にITコンサルタントのキャリアに移行することができます。ITコンサルタントへの移行を目指す場合は、経営や組織・人事など各種コンサルティングや、営業・プリセールス、システム設計・開発エンジニア、DX推進、PM・PLといった経験があるとプラスになります。

2.人脈を構築する

会社員のうちに人脈を作っておきましょう。会社員のITコンサルタントとしてのスキルや人柄を知っているクライアントや同僚・上司との人脈を保っておくと独立後に受注を得やすくなります。

実際、フリーランス協会「フリーランス白書2023」によると、フリーランスの直近1年間の受注経路で最も多かったのは「人脈(知人の紹介含む)」で全体の70.6%を占めています。事業を軌道に乗せるには、人脈作りがカギとなるのです。

具体的には取引先と名刺交換する機会を逃さないようにし、チャンスがあれば人間関係を構築するとよいでしょう。また、同僚・上司と積極的に交流しておくと、人を紹介してもらえたり、案件を回してくれたりする場合があります。

3.スキル・経験を棚卸しする

独立する前に、スキル・経験を整理して資料にまとめておきます。これらはポートフォリオサイトに記載して自分をアピールする資料になります。フリーランスとして信用を得るには、自分がどのようなスキル・経験を持っているのか提示することが必要です。常にクライアント視点でスキル・経験を整理するとよいでしょう。

将来的に独立したいという人もスキル・経験の棚卸しは役立ちます。これまでのキャリアを振り返ることによって、「自分に足りないこと」「独立するまでに習得しておきたいスキルや経験」を明確にすることもできるからです。競争率や市場ニーズから逆算して、あらかじめ計画立ててスキル・経験を実績を積んでいけると独立後の案件獲得がよりスムーズになるでしょう。

フリーランスのITコンサルタントにはセルフプロデュースが必須であり、資格や実績などはその土台となります。

4.副業からスタートしてみる

フリーランスとしての独立に不安がある人は、副業からスタートするのも1つの方法です。副業から始めてクライアントや人脈をある程度確保しておけば、独立後に仕事がなく収入が急激に減ってしまう事態を防げます。また、案件の取り方や会計処理・確定申告のやり方などに慣れておけるため、独立してスムーズに本業に注力できるでしょう。

幸い近年では、副業でできるコンサルティング案件を人脈のない個人でも受注しやすくなりました。エージェントサービスを利用して週2日程度のボリュームの案件を受注するのも1つの方法です。また、ビデオ通話による相談援助業務やWebサイトのアクセス解析および改善策提案といったスポット的な案件に取り組むのも、経験を積むチャンスです。

副業コンサルタントの始め方とおすすめサイト5選!単価相場も紹介

5.独立に必要な手続きをする

独立の際は法律上の手続きが伴います。個人事業主として独立する場合は

  • 開業届を「個人事業の開業・廃業等届出書」を納税地の税務署に提出する
  • 青色申告を希望する場合は「所得税の青色申告承認申請書」を納税地の税務署に提出する
  • 社会保険関係の変更手続き

開業届は副業で活動を始めた段階からでも提出できます。他にも、エージェントサービスやクラウドソーシングへの登録、営業用のホームページ、SNSアカウント作成など、会社員のうちにできる準備は済ませておくのがおすすめです。

準備が整い独立したら、積極的に案件に参画しましょう。初めのうちはあまり案件を選びすぎず、フリーランスのITコンサルタントとして実績を作るのが優先です。会社に勤めている時から副業としてフリーランス案件を受注し、フリーランスとしてプロジェクトに参画することに慣れておくのもおすすめです。

フリーランスITコンサルタントが案件を獲得するには?

フリーランスITコンサルタントが仕事を獲得する方法として、以下の受注経路が挙げられます。

受注経路やるべきこと
知人からの紹介・仕事を紹介してもらう
・人脈を広げる
SNSやホームページによる集客・自分のアカウントを開設する
・スキルや実績の情報を発信する
・クライアントに有益なコンテンツを発信する
クラウドソーシングの活用・会員登録する
・案件に応募する
・ポートフォリオを掲載して依頼を待つ
フリーランスエージェントの活用・会員登録する
・エージェントから希望に合う案件をご紹介してもらう

このようにさまざまな方法がある中で、フリーランスエージェントは特におすすめです。

フリーランスエージェントとは、フリーランスの仕事を探している個人と仕事を提供する企業との間を仲介するサービスです。フリーランスのスキルや経験に合った仕事を見つける手助けをし、サービスによっては、交渉や契約締結もサポートしてくれます。

実際に弊社ITプロパートナーズでは、仲介業者を挟まず直接クライアントと契約しているので高単価な案件を数多く用意しています。契約の交渉や債権管理なども代行しており、フリーランサーは新しい働き方を実現できるでしょう。

ITコンサルタントがフリーランスになる際の注意点

ITコンサルタントがフリーランスになる際の注意点を4つ紹介します。

  • 自分の強みをしっかりと理解する
  • 貯金を貯めておく
  • 自己管理ができるようにしておく
  • 無料で行う業務範囲を明確にしておく

注意点を把握し、適切な対策をとりましょう。

自分の強みをしっかりと理解する

フリーランスとして独立し、その後も働き方を続けていくためには自分の強みをしっかりと理解する必要があります。

IT人材が不足しているものの、フリーランスITコンサルタントを目指している方は年々増えてきており、同業者との差別化を図らなければ埋もれてしまい、継続的に働くことが難しくなります。

独立自体は開業届けを提出すれば、基本的に誰でも目指せるのはフリーランスなので、自己分析し自分の強みを理解し、営業時にしっかりとアピールしましょう。周りにない強みが結果的に単価交渉や継続案件につながる可能性があります。

貯金を貯めておく

フリーランスのITコンサルタントになる前は、ある程度の預貯金をしておくべきです。フリーランスは、給与が出る会社員と違って、収入が不安定になる傾向があります。独立直後は案件が獲得できなかったり、入金タイミングが遅れたりして収入がない月があることも十分に考えられるからです。

そのため少なくとも、無収入で3ヶ月~半年は暮らせる程度の貯金があると安心です。生活費や事業の諸経費、税金などの額を見積もっておき、余裕を持って蓄えておくとよいでしょう。

フリーランスはいくら貯金するべき?独立前後や老後に分けて紹介

自己管理ができるようにしておく

ITコンサルタントに限った話ではありませんが、フリーランスには自己管理が不可欠です。

まず、高いパフォーマンスを保つための体調管理が必要です。フリーランスは労働基準法が適用されないため、労働時間を自分で適切にコントロールしなければなりません。働きすぎて体調を崩すとクライアントに迷惑がかかり、仕事を受けられない期間ができると収入が途切れてしまいます。自己管理をしっかりと行って、健康的に働きましょう。

また、フリーランスが質の高い仕事をするために自分を律する必要もあります。会社員ではミスや手抜きをすれば上司や同僚から怒られますし、納品前にチェックを受けるので責任感も自然に生じます。しかしフリーランスにはこうした他人の目がありません。気づかぬうちに自分に甘くなっている場合もあるので、プロとして自分に厳しくする必要があります。

フリーランスに向いている人・向いてない人の特徴とは?

無料で行う業務範囲を明確にしておく

フリーランスになったばかりの頃は、営業の一環として無料コンサルティングなどを実施するケースがあります。この時、無料で行う業務範囲を明確にしておかなければ、次々と無料で仕事を依頼されてしまうかもしれません。事前に無料と有料の範囲を線引きしておくことが大切です。

業務範囲は最終的に、契約書の内容で決まります。契約の際には業務範囲や追加料金の有無などを確認しておきましょう。不利な条件で契約しないよう自己防衛する意識を忘れないことが大切です。

業務委託契約の注意点は?トラブル事例やフリーランス必見のポイント

まとめ

本記事では、ITコンサルタントがフリーランスになる時に知っておきたい情報をまとめて紹介しました。重要ポイントをまとめると以下の通りです。

  • フリーランスのITコンサルタントは高収入が目指せ、多様な働き方を選べる
  • 案件を獲得できない、報酬が未払いになるといったリスクもあるので、自分を守る工夫も必要
  • フリーランスになるにはスキルや得意分野、人脈の獲得、事業資金など計画的に準備を進めよう

弊社ITプロパートナーズは、専属スタッフがフリーランス1人ひとりに付いて、希望をヒアリングしたり、契約交渉や債権管理を代行したりとフリーランスとしての働き方をサポートします。経験やスキルがあれば独立したばかりでも案件を獲得しやすく、安定した収入を目指せる点も魅力です。ITプロパートナーズを利用して、フリーランスITコンサルタントとして好スタートを切りましょう。

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