プログラマーの年収は低い?低いと言われる理由やその実態を解説

こんにちは、ITプロマガジンです。

プログラマーの年収は低い、ブラック企業が多い、などという噂を耳にしたことはありませんか?本記事では、そのような噂に対して客観的なデータをもとにプログラマーの実態について検証していきます。

また、高年収のプログラマーとなるためのポイントやおすすめの言語、そしてプログラマーのキャリアパスについても紹介しています。ぜひ、この記事を通して、客観的にプログラマーの実態について理解し、今後のキャリアプランに役立ててください。

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プログラマーの年収は低い?

プログラマーの年収は低いと言われることがありますが、それは本当なのでしょうか?

まずは、プログラマーの平均年収について見ていきましょう。他職種と比較したプログラマーの年収実態やプログラミング言語別の年収状況などについて紹介していきます。

プログラマーの平均年収は433万円

2023年3月現在、 求人ボックス によると、プログラマーの平均年収は433万円です。

国税庁が2022年9月に発表した「 民間統計実態調査 」によると、日本全体の平均給与は443万円ですので、10万円ほど低い計算になります。

後ほど詳しく説明しますが、プログラマーの平均年収が全体平均よりも低いのには、IT業界の多重下請け構造や、平均年齢の若さが関係しています。しかし、以下の図が示すとおり、年収は320万円未満〜800万円超と給与幅は広いので、スキルや経験、勤務先等によってばらつきがあると考えられます。

そのため、一概にプログラマーの年収が低いとは考えず、自らのスキルなどを高められれば十分に高年収を狙えることは念頭に置いておきましょう。

次からは、企業規模別、職種別、言語別に平均年収を比較してみました。どういった場所で、あるいは分野で自分のキャリアを組み立てていくべきなのかを考える際に参考にしてみてください。

企業規模別の平均年収

2019年時点で、厚生労働省の公表した調査結果によると、以下の表の結果となりました。

社員数平均年収
100人未満約390万円
101人以上1,000人未満約427万円
1,000人以上約548万円

この表が示すとおり、平均年収の高低と企業規模の大小には相関関係が見られます。もちろんこれは、企業規模が大きいほど金銭的余裕から人材確保のためによりお金を使えることによるものでもありますが、中小企業は自社サービスを持たない下請け企業が多いということにも起因しています。

言語別の平均年収

次に、言語ごとの平均年収です。

言語平均年収
Objective-C693万円
Perl633万円
Go587万円
cobol571万円
C/C++563万円
VB/VBA551万円
Swift548万円
Python540万円
C#529万円
Ruby528万円
Java519万円
JavaScript519万円
PHP518万円
出典: 2021年最新版プログラミング言語ランキング|Geekly Media

プログラマーの平均年収は、扱える言語によって変わります。Geeklyの調査結果によると、2019年時点では、Objective-CとPerlが600万円台の平均年収となっていますが、これらは初期のiOSアプリ開発などに用いられていたため、エンジニアの平均年齢が高いことにも起因しており、注意が必要です。

反対に、企業からの需要が高い一方で、プログラマーの数も多いJavaやPHPは平均年収が相対的に低い傾向となりました。

職種別の平均年収

最後に、職種別の平均年収についてまとめました。以下の表は、2023年3月時点のものになります。

職種平均年収
フロントエンドエンジニア598万円
データベースエンジニア594万円
セキュリティエンジニア596万円
クラウドエンジニア597万円
アプリケーションエンジニア573万円
ソフトウェアエンジニア547万円
インフラエンジニア540万円
システムエンジニア517万円
出典: 求人ボックス

プログラマーの平均年収が433万円であったことから考えると、他のIT関連の職種は軒並み年収が高いことが分かります。

システム開発というのは、基本的に上流工程と下流工程に分かれます。上流工程とは、要件定義や機能設計などを行い、下流工程では実際にそれらをプログラミングします。プログラマーの仕事は主に下流工程を担当するため、より裁量や責任の重い上流工程に比べて年収が低くなる傾向があるといえるでしょう。

プログラマーの年収については、以下の記事でも詳しく解説しているので併せて参考にしてください。

プログラマーの平均年収はいくら?言語・企業・働き方別の収入実態

プログラマーの年収が低いと言われている2つの理由

プログラマーの年収が低いと言われていることには、実はいくつかのカラクリが隠されています。ここでは、そのカラクリを2つの観点から紐解いていきたいと思います。

平均年齢が若い

国税庁の調査 によると、日本全体の給与所得者の平均年齢が46.7歳になっているのに対し、 厚生労働省の調査 によると、プログラマーの平均年齢は33.8歳となっています。

なぜ、プログラマーの平均年齢は若いのでしょうか。それは、多くの場合プログラマーとして働くのは、エンジニアにおいてキャリアの前半部分だからです。プログラマーとしてキャリアを歩み始めた者の多くが40代にさしかかる頃には、プロジェクトマネージャーなどの上流工程を扱うエンジニアへとステップアップしていきます。そのため、プログラマーの平均年齢は相対的に若くなるのです。

結果として、平均年齢の若いプログラマーの年収は相対的に低く見えてしまうのです。

職種平均年収(30代)
営業350〜470万円
マーケター442万円
参考: パーソルマーケティングマイナビエージェント

上の表は、30代の営業ならびにマーケターの平均給与を並べたものになります。プログラマーの平均年齢が33.8歳であることを踏まえると、30代における他の職種と比較したほうがよりプログラマーの年収の高低を捉える上で確かな基準となるでしょう。

実際に上記の表と照らし合わせてみても、決してプログラマーの年収が低いとは言えないことがわかるかと思います。

2次請け・3次請けの案件をこなしている

先ほど解説したとおり、プログラマーの平均年収は決して相対的に低くありません。しかし、冒頭でも触れたとおり、プログラマーの年収には給与幅があり、年収に高低差があることも事実です。なぜ、このようなことが起きてしまうのでしょうか。

いくつかの説明が可能ですが、ここではシステム開発における構造的特徴から説明していきます。その特徴とは、多重下請け構造です。システム開発においては、クライアントから直接案件を受注する元請けの下に2次請けや3次請けなどの中小企業が続くという多重構造になっています。

元請け企業の下に連なる下請け企業が多いほど中間マージンが抜かれ、案件の単価も下がっていきます。よって、下請け企業で働いているプログラマーに支払われる給与も少なくなってしまうのです。このような構造からプログラマーの中でも年収に幅があると考えられます。

年収の高いプログラマーの特徴3つ

プログラマーの年収が低い理由について説明しましたが、一方で年収の高いプログラマーがいるのも事実です。それでは、どういったプログラマーの年収が高くなる傾向にあるのでしょうか?ここでは、特徴を3つに絞って紹介します。

扱える言語数が多い

扱える言語数が多いプログラマーほど活躍できる幅が広がり、年収が高くなりやすい傾向があります。いくつ扱える言語があればよいかということに関してですが、これはとくに目安はありません。3つくらいで十分だというプログラマーの方もいれば、5〜6個扱えるというプログラマーもいます。

ただし、さまざまな言語に手を出した結果、実務レベルで使える言語がほとんどないという器用貧乏に陥ることだけは避けるようにしましょう。まずは、1つの言語をしっかりと実務レベルで扱えるようにすることを優先してください。

能力の高いプログラマーによると、言語の違いはお作法の違いくらいのものであると言われています。つまり、1つの言語をマスターすることで、別言語であったとしてもそこまでの労力を要さずに扱えるようになります。そのため、まずは現場を通じて1つの言語を習得しながら、少しずつ扱える言語の幅を増やしていくと良いでしょう。

希少価値のあるノウハウを持っている

プログラマーに求められるスキルは必ずしもプログラミングスキルに限りません。より高い年収を望むならば、ほかのプログラマーにはない特定分野の専門知識やノウハウをもっていると良いでしょう。

金融分野の案件に携わった経験があるならば、そこのノウハウを更に深めることで、ほかのプログラマーと差別化をはかり、市場価値を高められるでしょう。ほかにも、医療分野、マーケティング分野などがあります。

正社員採用でプログラマーとして働く場合には、勤める企業ではどういった分野の案件や仕事が多いのか調べ、将来的にはどこに強みを持ったプログラマーになっていきたいのか考えてみるとよいでしょう。

ビジネスコミュニケーション力が高い

人とコミュニケーションをとることが苦手ゆえに、営業などはできないと考え、プログラマーを志望される方もいるかと思います。たしかに、プログラマーは営業ほどコミュニケーションをとることはないかもしれませんが、顧客とのやり取りでニーズを把握したり、すり合わせたりすることも仕事の範疇なので、一定のビジネスコミュニケーション力は必要です。

システム開発は基本的にチームで行います。そのため、スケジュール設定やチーム間の調整、情報伝達、情報共有などのプロセスでコミュニケーションが必ず発生します。ビジネスコミュニケーション力を身につけ、顧客との交渉やチームとの連携で結果を残せれば、キャリアアップの可能性を高められるでしょう。

これからプログラマーを目指す人におすすめのプログラミング言語

ここでは、これからプログラマーを目指す人におすすめしたい言語や将来性のある言語の見分け方について紹介したいと思います。

今オススメの言語5選

現在、未経験や初心者で2023年から学ぶのにおすすめしたいプログラミング言語を5つ紹介します。

おすすめ言語①:Python

Pythonは、AI・機械学習のほかにもWEBアプリ開発、データ分析などの先端技術で広く使われているプログラミング言語になります。将来性もあり、現役プログラマーからの支持も厚いPythonですが、実は比較的習得難易度も低く、初心者も学びやすいという点が特徴の言語になります。

AI・機械学習エンジニアやデータサイエンティストは今後も人材不足が続くことが見込まれ、スキルを高めることができれば就職や転職、さらにフリーランスとして独立しやすい上に、平均年収も高い傾向にあります。

おすすめ言語②:Java

Javaの特徴は、OSなどの環境に依存しないために汎用性が高く、セキュリティにも優れていることです。大企業のセキュリティ開発やWEBサービス、ゲーム、アプリまで幅広いシステム開発に使われています。

Javaの市場は大きいため、スキルの習得が仕事に繋がりやすいです。一方で、独学の難易度がやや高い点には注意が必要でしょう。Javaは、プログラムの実行前にコンパイル(=機械が理解できる言語へ翻訳すること)が必要な言語であるため、プログラムの動作確認には実行環境の構築が必要となります。もし、独学での学習が難しいと感じた場合にはプログラミングスクールなどの受講も検討してみましょう。

おすすめ言語③:PHP

PHPはWEBサービスの開発で人気のある言語です。WordPressのカスタマイズやWEBサイトの保守・改修などではPHPのスキルが必要な案件が多く、企業のWEBシステム開発の増加とともにPHPの求人数も増加傾向です。

また、学習難易度が比較的低いこともおすすめのポイントです。世界的に人気のある言語のため、PHPに関する情報はネット上に非常に多く、学習しやすいという特徴があります。

おすすめ言語④:JavaScript

JavaScriptはWEBサイトにアニメーションなどの動的な要素を実装でき、ブラウザ上で動作するプログラム開発で必須の言語となっています。JavaScriptの実行環境であるNode.jsを活用すれば、PHPのようにサーバーサイドでも動作することが可能で、JavaScriptの需要は増加傾向にあります。

複雑な環境構築が不要で、初心者でもすぐに学習を開始できる点もおすすめのポイントです。

おすすめ言語⑤:Ruby

RubyはWEBサービス開発で広く使われている言語になります。有名なところだとクックパッドや食べログなどでも採用されています。最近では、RubyのWEBアプリケーションフレームワークであるRuby on Railsも人気が高まっています。短期間・低コストでWEBアプリの開発が可能であるため、スタートアップ企業などで採用実績があり、転職求人数やフリーランス・副業案件数も多いです。

日本人が開発したプログラミング言語であるため、日本語情報が多く、またコードの記述量が少ないため学習難易度も低めです。

将来性のある言語の見分け方

プログラマーとして、あるいはエンジニアとして長く活躍し続けたいのであれば、今後需要が見込まれる言語を習得しておくことも大事な観点です。需要があり、かつ、その言語を扱えるプログラマーが少なく希少価値があればあるほど年収は比例して高くなります。

上記で言語ごとの平均年収を紹介しましたが、Objective-CやPerlの平均年収が600万円台となっています。たしかに、初期のiOSアプリ開発などで使われていたこれらの言語は現在も一定の需要があります。さらに、扱えるプログラマーも少なく希少価値があるので年収は相対的に高くなっています。一方で、これらはレガシーな言語であるため、将来性があるかは疑問が残ります。

このように、現在どの言語の需要があるのか、将来どの言語の需要が高まりそうか、そして、扱えるプログラマーはどれくらいいるのかという3点を考えながら、将来性のある言語は何なのか、そして自分はどの分野で専門性を磨いていくのか考えてみてください。プログラミングの世界は非常に変動性が高いです。そのため、一度自分の専門性を一定築いた後でも、時代の流れを見つつ、常に先取りして新しい言語についても学んでいく姿勢が求められているといえるでしょう。

ここで一つ、現在需要があり、将来も需要のありそうな言語を調べるときに役立つサイトを紹介します。オランダのTIOBE Softwareが月次で発表する人気プログラミング言語ランキング「 TIOBE Index 」というものがあります。TIOBE Indexとは、プログラミング言語を使用する開発者数、コース数、サードパーティベンダー数、Googleなどの検索エンジンにおける検索数などから人気度を測定したものです。

出典: TIOBE Index (2023年3月時点)

2023年3月現在、PythonやC言語、Javaの人気度が高いといわれています。過去のランキングも閲覧できますので、現在と比較しながら今後どの言語の需要が高まりそうか考える際の1つの材料としてみてください。

プログラマーになるメリット・デメリット

プログラマーとして働く上で、ひとまず押さえておきたいメリットとデメリットをまとめました。

プログラマーになるメリット3つ

まずは、プログラマーになることで得られるメリットを3つ紹介します。

業界として人材不足のため将来性あり

次の図表を一度は見たことがある人も多いのではないでしょうか。こちらは経済産業省が既存統計調査データをもとに推計した「IT人材の供給動向の予測と平均年齢の推移」です。

こちらの推計によると、2030年までに最低でも40万人、最高で80万人近くIT人材が不足するといわれています。もちろん、この推計の対象はIT人材であってプログラマーだけのものではありませんが、同様にプログラマーも、さらにはプログラマーとしてのキャリアの先にあるエンジニアという職種は今後も人材不足に陥ると予想されます。

一方で、のちほど「プログラマーに将来性はあるの?」で詳しく解説しますが、AIの台頭により必ずしもプログラマーになれば人材不足により引く手数多な状態であるとはいえない点には注意が必要です。

自由に働きやすい

基本的にプログラマーは働く場所を限定されません。昨今は、コロナ流行の影響もあり様々な職種にもリモートワークが浸透してきましたが、一方で仕事はオフィスでするべきだとする揺り戻しも起きています。しかし、プログラマーに関しては基本的にリモートワークを容認、あるいは推奨している職場や案件が依然として数多くあります。

もちろん、従事している仕事や案件によっては実際に職場まで出向いた方がスムーズに進む場合もあるため一概にはいえません。ただ、好きな場所で仕事ができるという利点にメリットを感じるのであれば、プログラマーとして働くことは有力な候補となるでしょう。

思考を現実化できる

プログラマーという仕事を通じて得られる最も大きなメリットとして、自分の考えたロジックを通じてコンピューターを動かせるというものがあります。プログラミングを通じて自身の創造性を発揮できる、と言い換えられるでしょう。

現在、日本でもDX化が推し進められているように、プログラミングで解決できる問題は依然として多くあります。悩んでいる人に対して、あなたのプログラミングスキルと創造性でもってしてシステムを開発し、「ありがとう」と感謝されるのはプログラマーという仕事の醍醐味でしょう。

この点に少しでも惹かれるのであれば、プログラマーという働き方をぜひ検討してみてください。

プログラマーになるデメリット2つ

一方で、(もちろん個人差はありますが)世間一般的にいわれているデメリットもあります。そちらに関しても、ここでは2つほど紹介します。

勉強し続ける必要がある

1つ目のデメリットは勉強し続ける必要があることです。しかし、これはプログラマーに限った話ではありません。営業であろうと、マーケターであろうと、人事であろうと活躍し続けるためには、その分野におけるトレンドやノウハウを常に学び続ける必要があります。

もちろん、ITの世界は他の分野と比較して変動性が高いため、学んでいる内容が1年後、3年後、5年後では全く異なっている可能性があり、プログラマーは他の職種と比べて学ぶべき内容が多い可能性はあります。とはいえ、根本は変わらないでしょう。上記でも、プログラミング言語の違いは作法の違いに近いと説明しましたが、しっかりと1つの分野を深めれば他の分野にも応用が効きます。

学ぶ内容が多岐にわたると身構えずに、まずは、1つの分野についてコンスタントに学び続けることを癖付けると良いでしょう。

納期に追われる

どのような仕事であっても期日があるように、プログラマーも納期に追われることがあります。プログラムの完成が納期までに間に合わない場合には、残業や休日出勤となることもあるでしょう。さらに、納期間近にバグが生じれば、修正作業を深夜まで行います。

クライアントによっては、納期が変更になり、それに柔軟に対応しなくてはなりません。そのため納期を意識しながら、計画的に余裕を持って作業を進めていく能力が求められます。

プログラマーのキャリアパス

プログラマーはエンジニアの登竜門であり、業務を通じてさまざまなスキルを磨くことでキャリアが広がる職種です。ここでは、そんなプログラマーのキャリアパスとしてはどのようなものがあるのかを紐解いていきます。年数はあくまで目安であり、会社の規模やあなたのスキルによって変わります。また、こちらで使用している職種の定義は会社によって異なることもあるため参考程度に理解しておいてください。

1〜3年目

スキルレベルによりますが、未経験からプログラマーとして就職した場合、最初はテスト工程から任されることが一般的です。他にも運用・保守工程、開発工程のプロジェクトにアサインされることもありますが、いずれの場合も先輩のアシスタントとしてスキルや経験を積んでいくことになります。

3〜5年目

プログラマーとして一人前に開発工程をこなせるようになると、マネジメントの経験を積むこととなります。一般的には2〜5名程度のチームのリーダーやサブリーダーを任され、進捗管理などを行います。

さらに、クライアントとの折衝に参加し、基本設計や詳細設計の工程も担当することが増えていきます。会社によっては、「システムエンジニア(SE)」という職種名に変わることもあります。

5〜10年目

システムエンジニアとして要件定義からテストまでの全ての工程を担当できるようになると、多くの場合には次の2通りのキャリアパスに分かれます。それは、マネジメント職とスペシャリスト職です。

マネジメント職

マネジメント職を目指す場合には、さまざまなプロジェクトに参加し、チーム編成や開発計画の策定、進捗管理を学び、「PL(プロジェクトリーダー)」や「PM(プロジェクトマネージャー)」へとキャリアを歩んでいくことになります。

さらに、「プレジデント職」として自社における役職を高めていく道や、「ITコンサルタント」としてITを活用して経営課題を解決していくというキャリアを歩むこともできます。

スペシャリスト職

スペシャリスト職としては、ネットワークやデータベースなどの特定の領域に精通してシステム開発の設計から運用までを行う「ITスペシャリスト」を目指すことになります。その先には、経営的視点を持ってIT全体のシステム設計を行う「ITアーキテクト」や技術部門の最高責任者としての役割を持つ「CTO」といったキャリアがあります。

プログラマーとして高年収を目指すために

ここからは、現在プログラマーとして働かれている方、あるいは、これからプログラマーとして働くか悩んでいる方に向けて、どのようにキャリアを設計すれば年収アップできるのか、3つのポイントを紹介していきます。

キャリアアップを狙う

まず、プログラマーとしてキャリアを歩む上で年収を上げる方法はシステムエンジニア(SE)などのエンジニアや、プロジェクトマネージャー(PM)などへとキャリアアップを図ることです。

プログラマーは主に上流工程から下りてきた設計通りにプログラミングしていくことが仕事です。それだけでなく、上流工程の要件定義や設計なども行うエンジニアや、人をまとめ、プロジェクトを管理するプロジェクトマネージャー(PM)へとキャリアアップすることで、年収を上げることができます。

エンジニアとして活躍するためには、プログラマーの知識は必須ですので、しっかりとプログラマーとして経験を積んでいってください。

事業規模の大きい会社に転職する

会社の規模とプログラマーとしての年収の相関関係は上記でも紹介したとおりです。中小企業には下請けである企業が多く、反対に大企業では自社開発を行っていたり、元請けであることが多いため、年収は上がる傾向にあります。

決して中小企業が悪いということではありません。自社開発をしている中小企業であれば、待遇が良くなる可能性もあります。また、自社開発の場合、上流工程に携われるチャンスがあるので、将来的なキャリアアップや転職のために、自社開発を行う中小企業で経験を積むというのも有効な手でしょう。

フリーランスとして高単価案件を狙う

プログラマーとして実務経験を積み、実績を作れた後はフリーランスとして働くことも年収を上げる方法として1つの選択肢となります。

弊社サービスの ITプロパートナーズ に登録いただいているフリーランス57名を対象にアンケート調査を行なったところ、フリーランスの年収レンジは以下のグラフのようになりました。

ボリュームゾーンは800万円以上1000万円未満となっており、さらにアンケート回答者57名のうち52名が年収500万円以上と回答していることから、フリーランスのほうが正社員プログラマーよりも高年収であることがわかります。

プログラマーで年収1000万は可能!フリーランスが収入アップの近道?

もちろん、フリーランスになれば自動的に年収が上がるわけではありません。フリーランスとして活躍し、高収入を得るにはいくつかのポイントがあります。プログラマーとして高い技術力を持っているということは当然なのですが、ビジネスコミュニケーション力、ネゴシエーション力もあると年収が上がりやすくなります。

プロジェクトを前にすすめるためには、エンジニア側も積極的に意見を出していく必要もあります。また、しっかりとクライアント側とコミュニケーションを取り、信頼関係を築いておくことが次の仕事につながることも多々あります。

まずは会社にてプログラマーとして働く中で、技術力やコミュニケーション力を磨き、将来的には自由な働き方ができ、かつ高年収も狙えるフリーランスとして活躍することも考えてみるとよいでしょう。フリーランスプログラマーの働き方については以下の記事で詳しく解説しています。

フリーランスプログラマーになるには?仕事の実態から案件例まで解説

プログラマーに将来性はあるの?

ここでは、ChatGPTの登場により多くの読者が考えているであろう「AIはプログラマーの仕事を奪うのか否か」に焦点を当てて、プログラマーの将来性について解説していきます。

※ここでの説明はあくまで1つの考え方に過ぎないので、参考にしつつ自分でも考えてみると良いでしょう。

AIの台頭

ここでの結論は以下のとおりです。

  • AIの台頭で今すぐにでもプログラマーが不要になるわけではない
  • しかし、将来的にはAIでは代替が効きにくいと予想されるスペシャリストやPMを目指す必要がある

1つずつ解説していきます。現状、AIが正確かつ完璧なコードを返すためにはいくつかの条件があります。それは、「正確なプロンプトを書いてAIに伝えられる人がいること」「返されたコードが正確かつ要件を満たしたものかを判断する人がいること」です。これらの条件を満たす人は、つまりプログラマー(エンジニア)です。

このことから分かる通り、AIは現状、プログラマーがより効率的にコードを書くための補助的な役割を担えるに過ぎず、プログラマーの仕事をすべて奪うわけではないということです。

スペシャリストあるいはPMを目指そう

しかし、そう楽観視していられそうにはありません。というのも、AIの技術進歩は急速に進んでおり、将来的には今よりも簡単に、そして正確にAIから複雑なプログラムを引き出せるようになるかもしれません。そのような場合には、コードを書き、読むことができるだけの人材の仕事の多くは奪われてしまうでしょう。

そのためにも、プログラミングだけでない価値を身につけていく必要があります。仮にAIが複雑な構成のプログラムを出力できたとしても、そもそもそのプログラムを書く必要があるのか?ビジネス上のニーズはあるのか?どのような障害が起こり得て、その障害にはどう対応すべきなのか?といった「判断」を行うことができず、さらにその判断に対して「責任」を取ることはできないでしょう。

つまり、今後プログラマーを目指す方や、現状プログラマーとして働いている方は、特定の分野に特化して判断を下せるスペシャリストや、プロジェクト全体をマネージメントしながら判断を下せるPMとしてのキャリアを志向していく必要性があると考えられます。

プログラマーに将来性や需要はある?今後必要なスキルと併せて解説

プログラマーの年収に関するよくある質問

最後に本文では触れることができなかったプログラマーの年収に関してよくある質問をまとめました。ぜひ参考にしてください。

アメリカと比べて日本のプログラマーは年収が低い?

結論としては、アメリカと比べて日本のプログラマーは年収が低いです。アメリカのプログラマーの平均年収は750万円前後といわれています。なぜこのような高年収が実現できているのでしょうか。

そもそもアメリカと日本では物価が違うため、賃金の額も違うというのは事実ですが、アメリカにおいてプログラマーという職種は、大学でコンピューター工学などを修め、修士号や博士号を取得したものが就く仕事とされています。つまり、プログラマーやエンジニアとなれるものは限られており、年収が引き上げられやすいという構造があります。

上記と関連して、アメリカでは日本のように新卒採用という概念がなく、あくまで募集しているポストに対して既に能力があるものを採用するという形式です。日本のように0からプログラマーを企業内で育てるわけではないので、初任給もアメリカでは日本と比べて高くなる傾向にあります。

プログラマーは残業や勉強時間が多くてきつい?

厚生労働省の公表している「 賃金構造基本統計調査 」によるとプログラマーの平均残業時間は15時間前後であるそうです。しかし、この統計は会社が回答しているため、実態が反映されにくい傾向にあります。

「プログラマーになるデメリット2つ」でも述べたとおり、クライアントの設定した納期に追われやすいプログラマーは残業や休日出勤といったこともあります。そのため、率直に言ってプログラマーとして働く際には、ある程度の残業は覚悟しておいたほうが良いでしょう。

プログラマーは激務って本当?激務になりやすい5つの理由と実態

また、勉強についても変動性の高いプログラミングという世界では、休日等にもコンスタントに学んでいく必要があることも事実です。ただし、プログラマーとして活躍されている人は、これを勉強としてではなく趣味として捉えて楽しみながらやっています。もし、勉強が大変と感じるのであれば、実務に直接繋がらなくても、少しでも自分が作ってみたいと思えるものを中心に勉強してみてください。新しい発見があるかもしれません。

また、どうしてもプログラミングすること自体に興味を持てなくても大丈夫です。実際に、プログラミング自体に興味はないが、物を作れたときの達成感が好きで、あるいは誰かと協力しながらものを作っていくことが好きでプログラマーやエンジニアをしている方もいます。現時点でプログラミングに興味を持てなかったとしても、プログラマーとして経験を積みながら、将来的にはプロジェクトリーダー(PL)やプロジェクトマネージャー(PM)などのマネジメントレイヤーにキャリアを進めるという道もあるので、そこまで身構える必要はないでしょう。

まとめ

本記事では、プログラマーの年収は本当に低いのかについて検討してきました。平均年齢が30代であることから考えると、決してプログラマーの年収が低いとはいえないことがわかるかと思います。

もちろん、プログラマーの中でも給与幅がありますので、どの言語を専門とするのか、どういった会社で働くのか、といったことを考慮しながらキャリアプランを立てていく必要があるでしょう。

しかし、プログラマーとして実務経験を積んだ後には、プロジェクトマネージャー(PM)やITスペシャリストなどの多種多様なキャリアパスや、フリーランスエンジニアとしての働き方もあり、魅力的な職種であるといえます。未経験でも十分目指せる職種ですので、エンジニアを目指す第一歩として、プログラマーとしてのキャリアを選択してはいかがでしょうか。

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