こんにちは、ITプロマガジンです。
昨今「女性社長」の肩書きでメディアに登場する人もいるなど、起業家として活躍している女性が取り上げられることも目立ちます。しかし、「家事・育児など家庭の悩みが多い女性にとって、やはり起業のハードルは高いのでは?」と考えている方も多いでしょう。
この記事では、起業・自営業を始めたいと考えている女性に向けて、おすすめの職種ランキングを紹介します。女性の起業に関する調査・データなど、役立つ情報もあわせて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
なお、女性に限らない自営業の職種ランキングは以下の記事で紹介しているので併せて参考にしてください。
▶︎自営業の職種ランキング!年収・将来性・始めやすさからTop10を選定
「必要以上に安売りをしてしまう」「市場感より高い単価で参画してしまいトラブルになる..」
フリーランス市場は売り手市場であるものの、いまだに正しいノウハウが確立されておらず、多くの方が案件探しに苦労されています。
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初めてのフリーランス、情報収集段階でも大丈夫です。あなたの働き方にマッチし、単価も高く、最もバリューを発揮できる案件を探しませんか?
目次
女性が起業・自営業をするパターン
女性が起業・自営業をするパターンは、以下の4つです。
- 個人事業主になる
- 独立してフリーランスになる
- 副業ビジネスをする
- 法人を設立する
ここでは、それぞれの概要を解説します。
個人事業主になる
1つ目は、個人事業主になるというパターンです。税務署に開業届を提出し、個人事業主として活動します。個人事業主として仕事を受ける方法は、主に以下の2つです。
- 1.プログラミングやWebライティングなどクライアントから仕事を請ける(主に業務委託契約)
- 2.ブログや講師など個人ビジネスをする
詳しくは後述しますが、女性による起業は、このパターンが多いとされています。
独立してフリーランスになる
2つ目は、独立してフリーランスになるというパターンです。個人事業主とフリーランスはとても近い概念ですが、厳密には意味が異なります。
- 個人事業主:税務上の区分で、開業届を提出している人
- フリーランス:特定の企業や団体に属さず、自分自身の専門知識・スキルの提供で対価を得る人
クライアントから仕事を受けたり、個人でビジネスを展開したりと、フリーランスの働き方はさまざまです。一時的に企業から雇用されるケースもあります。
副業ビジネスをする
3つ目は、副業ビジネスをするというパターンです。会社に属して働きつつ、副業をする人もいます。個人事業主と同様、「プログラミングやWebライティングなどの業務委託」と「個人ビジネス」の2つが主なケースです。
ただし副業ビジネスの場合は、個人事業主やフリーランスとは異なり、本業との兼ね合いがあります。フリーランスのクライアント常駐のような、長時間に渡って拘束されるような働き方は、比較的ハードルが高いでしょう。
法人を設立する
4つ目は、法人を設立するというパターンです。主に2つのケースが考えられます。
- 会社を辞めてそのまま起業をする
- 個人事業主やフリーランスとして活動し、ある程度収益が得られるようになってから法人化をする
女性の場合は、「会社を辞めて起業する」以外にも、専業主婦から法人を設立することもあります。
ただし、法人設立にはおよそ10数万円以上の費用がかかり、運営にも時間的・稼働的なコストが多くかかることから、ここまで紹介した3つのパターンと比較すると、最も負担の大きい方法です。
女性の起業・自営業におすすめの職種・自営業ランキング
ここでは、女性の起業・自営業におすすめの職種・自営業ランキングを、1位から10位まで発表します。「難易度」「収入」「将来性・安定性」の3つのバランスを考慮してピックアップしました。
第1位:事務・カスタマーサポート
仕事内容 | バックオフィス業務や書類作成など |
報酬相場 | 月収20万〜30万円程度 |
難易度 | ★★☆☆☆ |
第1位は「事務・カスタマーサポート」です。事務スタッフであればバックオフィス業務や書類作成、カスタマーサポートであれば電話やチャットを使った業務を行います。
仕事内容によって求められるスキルは変わりますが、WordやExcelなどのソフトに関する能力を求められることがほとんどです。相場は、月収20万〜30万円程度になります。
第2位:Webライター・編集者
仕事内容 | ・Web媒体の記事の執筆 ・記事の編集 |
報酬相場 | 月収20万〜30万円程度 |
難易度 | ★★★☆☆ |
第2位は「Webライター・編集者」です。WebライターであればWeb媒体の記事の執筆、編集者であればライターが書き上げた記事の編集をします。
Webライターとして活動する際に、求められる資格はありません。ただし一定の文章力や、SEOの知識が求められます。編集者は、ライターに必要なスキルに加えて、企画力や校正力などが必要です。相場は、月収20万〜30万円程度になります。
第3位:Webデザイナー
仕事内容 | ・サイトの構造設計 ・UI/UXのデザイン |
報酬相場 | 月収25万〜35万円程度 |
難易度 | ★★★★☆ |
第3位は「Webデザイナー」です。クライアントからの要望に応じて、サイトの構造やUI/UXをデザインします。デザインについての基礎知識に加えて、Photoshopや Illustratorなどのツールに関するスキルが必要です。
報酬相場は、25万〜35万円程度です。時給換算で考えると、事務やWebライターよりも少し高めというイメージになります。
第4位:家事代行
仕事内容 | 家主の代わりに掃除や洗濯、炊事などの家事をすること |
報酬相場 | 月収20万〜30万円程度 |
難易度 | ★☆☆☆☆ |
第4位は「家事代行」です。家主の代わりに掃除や洗濯、炊事などを行います。家事に関する幅広いスキルが求められますが、日頃から主婦業をこなしている人であれば、仕事に困ることはほとんどないでしょう。長期間主婦をしている女性に人気の高い仕事です。
高齢化社会では、介護への負担が増え、家事に手が回らなくなるケースもあります。今後も一定の需要が見込まれるでしょう。相場は、月収20万〜30万円程度です。
第5位:動画編集者
仕事内容 | YouTube配信や動画広告などに用いられる動画を編集 |
報酬相場 | 月収30万円程度 |
難易度 | ★★★☆☆ |
第5位は「動画編集者」です。YouTubeなどのメディアにアップロードされる動画を編集します。カットやテロップといった基本的なことから、細かい編集を任されることもあります。
動画編集者として求められるのは、「Adobe Premiere Pro」など、編集ソフトに関するスキルです。動画やチャンネルの方向性によって、使用するソフトが異なるため、複数使えるようにしておくと理想的です。相場は、月収30万円前後となります。
第6位:ITエンジニア
仕事内容 | システムの構築・設計(SEの場合) |
報酬相場 | 月収30万〜40万円程度 |
難易度 | ★★★★☆ |
第6位は「ITエンジニア」です。とても幅広い意味を持つ単語であり、職種によって仕事内容が大きく異なります。例えばシステムエンジニア(SE)であれば、クライアントの要望に応じて、システムの構築・設計をします。
ITエンジニアとして働くためには、プログラミング言語や幅広いITスキル、数年の実務経験が必要です。基礎〜中級レベルの場合の相場は、月収30万〜40万円程度となっています。
第7位:ネイリスト
仕事内容 | ネイルケアやネイルアートなど、爪の美容に関するサービス |
報酬相場 | 月収25万円程度 |
難易度 | ★★★☆☆ |
第7位は「ネイリスト」です。爪のメンテナンスをするネイルケアをはじめとして、マニキュアを塗るネイルアートなど、さまざまな仕事があります。特に資格は必要ありませんが、美容専門学校で学び、ネイリストとしての基礎的な技能を身につけるのが一般的です。
専門学校以外にも、ネイルスクールや独学で、知識を養う方法もあります。相場は、月収25万円程度となっています。
第8位:Webマーケター
仕事内容 | ターゲットの選定やマーケティング戦略の企画・立案など |
報酬相場 | 月収30万〜50万円程度 |
難易度 | ★★★★☆ |
第8位は「Webマーケター」です。企業のマーケティングに関する仕事をします。具体的には、ターゲットの選定やマーケティング戦略の企画・立案、施策の実施などです。ユーザーの立場になって考えるので、女性ならではの共感力を活かしやすい仕事です。
Webマーケターとして仕事をするためには、幅広いITスキルや論理的思考力が必要です。相場は、月収30万〜50万円程度となっています。
第9位:アフィリエイター
仕事内容 | 自分のブログに広告を設置する |
報酬相場 | 1件あたり数百~数万円程度 |
難易度 | ★☆☆☆☆ |
第9位は「アフィリエイター」です。自身のブログに設置した広告を通して、ユーザーに商品・サービスの購入・契約をしてもらい、広告主から成果報酬を受け取ります。
アフィリエイターとして活動するために、特に必要なスキルはありません。自分でブログを開設するだけなので、実務経験も不要です。ただし、多くのユーザーをブログに取り込むためには、SEOの知識が必須となります。
第10位:Youtuber
仕事内容 | 動画の投稿 |
報酬相場 | 1再生で0.5円程度 |
難易度 | ★☆☆☆☆ |
第10位は「Youtuber」です。動画を投稿し、広告収益を得ます。YouTuberとして求められる能力は、企画力や演者としての面白さ、動画の編集スキルなどです。
その他にも、投稿した動画のパフォーマンスを確認し、次回以降のコンテンツに反映していく力が必要になります。YouTuberの報酬相場は、「1再生=0.5円程度」です。ただしチャンネルや動画のジャンルによって、大きく異なります。
起業・自営業をしたい女性が業種・分野を選ぶ時のポイント
起業・自営業をしたい女性が、業種・分野を選ぶ際は、いくつかのポイントを意識する必要があります。ここでは、必ず知っておきたいポイントを4つのトピックに分けて解説します。
自分のスキル・経験に合ったものを選ぶ
まずは自分のスキル・経験に合ったものを選ぶことです。個人事業主やフリーランスとして活動するにせよ、法人を設立するにせよ、ビジネスの世界では他者(他社)との差別化が欠かせません。
最も簡単に差別化を達成する方法が、自分のスキル・経験などの強みを活かすことです。「スキルの掛け算」と呼ばれるように、複数のスキル・経験を組み合わせることによって、より高い価値を提供できるようになります。
初期費用やランニングコストを想定する
初期費用やランニングコストを想定するのも重要です。初期費用が高ければ、自己資金だけでは足りず、お金を借りなければならないケースもあります。また、初期費用に加えて、事業を継続するためのランニングコストが必要です。
初期費用やランニングコストを甘く見てしまうと、キャッシュフローが厳しくなり、多額の借金を背負ってしまうリスクもあります。起業・自営業をする前に、初期費用やランニングコストは必ず計算しておきましょう。
ワークライフバランスを考える
ワークライフバランスを考えるのも大切なポイントです。起業や自営業を始める場合、会社員に比べて、どうしても仕事量のセーブが難しくなります。
仕事ばかりに気をとられてしまい、家庭がおろそかになってしまうと、家族との関係に問題が生じてしまうかもしれません。特に子どもがいる家庭で夫が仕事で忙しい場合、自身も仕事ばかりになってしまうと、親子の関係に亀裂が入ってしまうリスクもあります。
他にも、過度に働くことによって、体調を崩してしまうケースもあるので注意が必要です。
年齢・性別に関係なく活躍できるかどうかを確認する
年齢・性別に関係なく活躍できるかどうかも確認しておきましょう。職種によっては、女性に向いていないものもあります。例えば、力作業で仕事を進めていくような職種は、女性にとってハードルが高いでしょう。
一方でWeb関係のような職種は、肉体的な強靭さを求められる機会が少ないため、女性でも十分活躍しやすいといえます。年齢や性別に関係なく評価してもらえるような環境を、自分で選びとっていく意識も重要です。
女性が起業・自営業を始めるまでの流れ
女性が起業・自営業を始めるまでの流れは、「スキル・経験を積む」「職種や業界を選ぶ」「実際に仕事を始める」の3ステップです。ここでは、それぞれのステップについて詳しく解説します。
スキル・経験を積む
まずはスキル・経験を積みましょう。先述のように、ビジネスの世界で成功するためには、自分ならではの強みが必要です。「この職種で独立したい」など、明確な目標が決まっている場合は、自分がなりたい姿から逆算してノウハウを身につけましょう。
これといったスキルがない場合は、スクールや独学などの方法で、基礎的な力を養っておくのが重要です。ただしスクールや独学などの知識だけで起業をするのは、無謀に近いといえます。できる限り、実務経験を積むことを優先しましょう。
職種や業界を選ぶ
次に職種や業界を選びます。「自分のスキル・経験を活かしやすい業界」「女性でも活躍しやすい職種」など、今回の記事で紹介したポイントを意識しましょう。特に起業を考えている場合は、とても重要なステップです。
個人事業主やフリーランスとして活動する場合であれば、途中で職種を変えるのもそれほど難しくはありません。どうしても職種や業界が決められない場合は、ひとまず事業として成り立ちそうなもの、つまり収益性が高いビジネスを選択しましょう。
実際に仕事を始める
職種・業界を選んだら、実際に仕事を始めましょう。どの職種を選ぶかによって、仕事方法は若干異なります。例えばWebライティングを始めた場合は、クラウドソーシングサイトなどのサービスを使って、仕事を獲得します。
一方でアフィリエイターやYouTuberのような職種は、仕事を探しに行くのではなく、「自分でコンテンツを発信していく」という形です。職種・業界によって、準備するものも変わってくるので、事前に想定しておきましょう。
女性の起業・自営業に関する調査から見る現実
起業・自営業に関する調査を見てみると、女性ならではの傾向がいくつか見られます。ここでは実際のデータを参照しつつ、女性による起業の形態や起業前の状況、選ぶ仕事などの項目を解説します。
起業の形態は個人事業主が多い
「2018年度 女性起業家白書」によれば、女性の起業形態は「個人事業主」が多く、約7割を占めている状態です。さらに「従業員を雇用していない」という回答が、8割以上を占めています。
ハイリスク・ハイリターンを狙うようなビジネスとは異なり、比較的小規模のビジネスに従事する人が多いようです。なお、同じ調査で「起業後の仕事満足度」について質問したところ、8割以上の人が「満足(満足・やや満足の合計)」と回答しています。
起業直前の仕事は会社員・専業主婦が多い
同「2018年度 女性起業家白書」では、「起業直前の仕事は会社員・専業主婦が多い」という点が明らかになっています。起業・自営業を始めるのであれば、「自家営業を手伝っていた人や、会社などの役員に関わってきた人が多いのではないか」というイメージもあるでしょう。
しかし女性で起業している人の大半は、会社員や専業主婦など、経営にそこまで近くない層です。具体的な内訳としては、正規・非正規を合わせた「民間企業の社員・従業員」が6割以上、専業主婦が2割程度となっています。このデータを見る限り、経営に携わったことがなかったとしても、起業自体のハードルはそこまで高いものではありません。
人と接する仕事を選ぶケースが多い
女性による起業は、人と接する仕事を選ぶケースが多くなっています。同「2018年度 女性起業家白書」によれば、起業した事業の具体的な内容として最も多いのは、講師・教室運営(2割以上)です。そこから、販売、コンサルティング・カウンセリング(いずれも1割程度)と続きます。
さらに帝国データバンクの調査によれば、女性社長比率が多い業種細分類として、「保育所」「化粧品販売」「美容業」が目立ちます。特に「保育所」は4割を超えており、半数に近い企業で女性が社長を務めているという結果になりました。
女性が起業・自営業を始めるメリット
女性が起業・自営業を始めるメリットはさまざまです。ここでは、裁量やワークライフバランスなど、代表的なメリットを3つピックアップして解説します。
自分のスキル・経験を活かせる
まずは自分のスキル・経験を活かせる点です。Webデザインやマーケティング、家事代行など、女性ならではの視点が役立つ仕事も多くあります。
例えばWebマーケティングの分野では、ユーザーの視点に立って考えることが重要です。しかしターゲットを女性にする場合、男性の努力だけではどうしても取りこぼしてしまう部分があり、このような場面では女性が活躍する余地が大きいでしょう。
自分の裁量で働きやすい
自分の裁量で働きやすいというメリットも見逃せません。昨今では、男性が育休をとるケースもありますが、依然として家事・子育てと仕事との両立に悩む女性も多いでしょう。
起業や自営業を始めることで、会社員とは異なり、自分の裁量で働きやすくなります。仕事と家事・育児が両立しやすくなるため、家庭に関する悩みを軽減できる可能性が高まります。
ワークライフバランスを確保しやすい
自分の裁量で働きやすいといった点に関連して、ワークライフバランスを確保しやすいというメリットもあります。起業・自営業であれば、プライベートが忙しくなった際にも、ある程度柔軟に仕事量を調整可能です。
妊娠や出産などのライフステージの変化に合わせて、ワークライフバランスを確保しやすくなるのは、女性にとって大きなメリットといえます。
起業・自営業を始めるデメリット・注意点
女性が起業・自営業を始めるデメリット・注意点としては、いわゆる「ガラスの天井」の問題が挙げられます。もちろん現代は、女性の社会進出が進んでおり、女性の活躍を阻むような決定的な要因があるというわけではありません。しかし現実として、女性社長が男性社長よりも少ないといった明確な事実があります。
帝国データバンクの調査によれば、女性社長の年齢層は「70〜74歳」が最多です。さらに就任経緯では、女性社長の半数以上が「同族承継」、つまり親族から経営をバトンタッチされるパターンが多くなっています。若い女性が起業をするには、何かしらのハードルがあると考えられるでしょう。
女性が起業時に直面する課題としては、やはり家庭との両立が挙げられます。家事や育児など、家庭に関する悩みが軽減できれば、起業への道も開かれてくるでしょう。
まとめ
現状として、女性は男性に比べて、起業・自営業に対するハードルが高いようです。家族を持っている場合は、どのような起業の形態にせよ、配偶者や子どもからの理解が必要になるでしょう。いきなり法人を設立するのはリスクが高いため、自信がない場合は個人事業主から始めてみるのがおすすめです。
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