フリーランスグラフィックデザイナーの仕事の取り方7選と案件単価相場

こんにちは、ITプロマガジンです。

グラフィックデザイナーがフリーランスになる際に重要な課題の1つが仕事の取り方です。フリーランスのグラフィックデザイナーとして安定的に活動するには、仕事を獲得する方法をいくつか知ったうえで、報酬金額や働き方といった条件の合う案件を確保する仕組み作りが欠かせません。

フリーランスのグラフィックデザイナーに役立つ仕事の取り方は主に7パターンがあります。本記事では、フリーランスのグラフィックデザイナーに向けて、7つの仕事の取り方とそれぞれの特徴を解説したうえで、案件の種類・単価相場や、必要スキル・準備、未経験者が最短で仕事を獲得する方法、そして安定収入・高収入を目指すポイントを紹介します。

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フリーランス市場は売り手市場であるものの、いまだに正しいノウハウが確立されておらず、多くの方が案件探しに苦労されています。

ですが、現在の市場感や企業側に刺さる経験・スキルを理解し正しく案件探しをすれば、誰でも自身のバリューを活かし単価を伸ばすことができる、というのも事実です。

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目次

フリーランスグラフィックデザイナーの仕事の取り方7選

グラフィックデザイナーがフリーランスとして仕事を獲得するには、多くの方法があります。主な仕事の取り方は以下7選です。

  1. フリーランスエージェントに登録する
  2. クラウドソーシングで探す
  3. スキルシェアサービスを利用する
  4. コンテスト・コンペに参加する
  5. 人脈を活かす
  6. ブログやSNSで発信する
  7. デザインスクールの紹介サービスを利用する

最初はハードルが低いものや興味があるものから取り組み、徐々に自分に合った方法を探していきましょう。

1.フリーランスエージェントに登録する

フリーランスエージェントとは、個人で仕事を請けたいフリーランスに案件を紹介するサービスのことです。フリーランスにとっては、営業や交渉を代行してもらえるというメリットがあります。エージェントが抱えている案件のなかから自分のスキルや要望に合ったものを紹介してもらえるため、自分で仕事を探さなくても仕事を獲得できます。

グラフィックデザイナーが仕事を探す際は、デザイナーやクリエイター向けのエージェントを利用しましょう。登録は基本的に無料で、付加サービスとしてフリーランス向けの福利厚生を提供しているエージェントもあります。

デザイナーにおすすめのエージェントについては、こちらの記事をご覧ください。

デザイナーにおすすめのフリーランスエージェント8選【比較表付き】

2.クラウドソーシングで探す

クラウドソーシングとは、Web上で手軽に仕事の発注や受注ができるサービスのことです。Webサイトに掲載されている膨大な数の案件からやりたい仕事を選び、自由に応募ができる仕組みになっています。

デザイン系の案件が豊富で、制作物を提出して応募するコンペ形式の案件も少なくありません。発注者は大手企業から個人まで幅広く、案件の難易度や報酬も千差万別です。初心者が応募できるデザイン案件もあり、フリーランス歴が浅い人の実績づくりにも向いています。また、報酬の受け取りがWebサイト上で行えるため、未払いなどのトラブルが起こりにくいのも特徴です。

おすすめのクラウドソーシングサイトについては、以下の記事も合わせてご覧ください。

クラウドソーシングサイトおすすめ15選!初心者が副業で稼ぐコツとは

3.スキルシェアサービスを利用する

スキルシェアとは、自分自身のスキルを商品として出品できるサービスのことです。「チラシをデザインします」など、グラフィックデザイナーとして対応可能な仕事内容と料金などを登録し、依頼が来るのを待ちます。

いわゆる「待ち」の営業で、仕事が来るとは限らないものの、登録しておくだけで案件獲得の窓口を増やせるのがメリットです。サンプルを掲載できるため、SNSやブログなどから集客する際のポートフォリオのようにも使えます。依頼を通じて評判を高め、ファンやリピーターが付けば、コンスタントに稼ぐことも可能です。

スキルシェアサービスおすすめ31選比較!副業で稼ぐコツも紹介

4.コンテスト・コンペに参加する

さまざまな民間企業や行政などがロゴマークやキャラクターデザイン、ポスターなどのコンテストやコンペを開催しています。

採用されれば報酬が出るほか、継続的に仕事を受けられる可能性があります。コンペの獲得経験を積むことで、営業をかける際のアピール要素とすることもできます。

コンペを探すには、コンペの情報に特化した以下のようなWebサイトを活用しましょう。

入賞すれば賞金や副賞などが獲得できるほか、自分の実力をはかるきっかけにもなります。

5.人脈を活かす

人脈を作る手段としては、勤めていた会社を円満に退社すれば、前職の同僚が仕事を紹介してくれる場合があります。また、同業者が集まるようなセミナーや交流会に行くことで同業者とつながりができます。

現在の仕事を着実にこなすことで信頼獲得につながり、クライアントが他のクライアントを紹介してくれるかもしれません。

6.ブログやSNSで発信する

ブログやSNSに作品を掲載したり、デザイナーとしての知見を発信したりして集客し、受注につなげる方法もあります。Web上にポートフォリオを公開し、ブログやSNSから誘導してもよいでしょう。

また、自由に投稿できるブログやSNSでは、仕事に対する考え方や今後取り組んでみたいことなども発信できます。人柄やビジョンなどに共感した人から「ぜひあなたに仕事をお願いしたい」と声をかけられる可能性もゼロではありません。

7.デザインスクールの紹介サービスを利用する

フリーランスになるためにスクールに通うことを検討しているのであれば、案件紹介サービスのあるデザインスクールで学び、仕事を紹介してもらうのがおすすめです。授業を受けることで確実にスキルアップできるのに加え、スクールによってはサポートを受けながら案件に取り組めます。

ただし、スクールを利用するにはそれなりに費用がかかります。どちらかといえばこれから学習を始める初心者や、スキルが不足している人向けだといえるでしょう。

フリーランスを目指せるスクールについては、こちらの記事で紹介しています。

フリーランスを目指せるおすすめスクール21選【職種・スキル別】

フリーランスグラフィックデザイナーの案件の種類と単価相場

グラフィックデザインとは、雑誌やパンフレットなどの印刷媒体のエディトリアルデザイン、ロゴなどのブランディングデザイン、Webサイトのデザインなどを総称したものです。そのため、一口にグラフィックデザインといっても制作物はさまざまです。それぞれの特徴と単価相場を紹介します。

ポスター・キービジュアル制作

ポスターやWebサイト(ECサイトなど)・紙媒体(パンフレット、カタログなど)のキービジュアルを制作する仕事です。

ECサイトやメーカーのポスターなどでは商品がメインとなることが多く、作成したキャラクター、公式キャラクター、背景、シンボルマーク、人物の写真、コピーなどを組み合わせて、1つのビジュアルにまとめます。

制作物の数やプロジェクトの大きさ、媒体などにより単価は変わりますが、ポスターの場合には10万~25万円が相場です。また、パンフレットなどは7万円からが相場です。

名刺・ショップカード制作

名刺やショップカードにおいてもグラフィックデザインが求められます。

仕事の流れとしては、クライアントから依頼を受け、デザインのイメージを固めて提案したうえで制作します。グラフィックデザイナーが担当するのは多くの場合はデザインまでで、実際のテキスト入力や印刷はクライアント側で行います。ただし、デザイナーが所有しているプリンターを使って、印刷まで行うケースもあります。

単価は1件8,000~3万円が相場です。

販促素材制作

民間企業がイベントやキャンペーンなどで使う販促素材において、ロゴや全体のデザインを行います。

顧客に配るアイテムやチラシ、販促用ハガキ、スーパーなどに置く販促物のデザインが典型例です。

単価は、店舗設置用の販促物で1件1万円から、チラシは1件2万円からが目安です。

バナー・ロゴ制作

Webサイト上で他のWebページに誘導するための「バナー」や、イメージなどを図案化し象徴的にあらわす「ロゴ」を制作する仕事です。動画コンテンツの普及にともない、動画バナーを制作する以下のような案件も増えています。

作業量そのものは多くないものの、キャッチーなデザインを作り上げるにはセンスが問われます。特にロゴの場合は、会社の名刺やパンフレットなどに使われることも多く、クライアントの要望を聞き取るためのヒアリングスキルなども必要です。

単価は企業やブランドの顔となるロゴ作成の場合、1件につき10万~30万円が目安です。

アートディレクション

制作物全体のデザインを統括、監督するのがアートディレクションです。

クライアントと打ち合わせを重ね、雑誌や広告、Webサイトの全体的なデザインイメージを決め、クライアントへのプレゼンテーションや、各デザイナーへの指示、撮影がある場合には撮影のディレクションなどを行います。

アートディレクターは制作物をまとめて統括するため、プロジェクトの規模により報酬が大きく変わります。

フリーランス向けエージェントの案件情報などをチェックすると月単価45万~65万円が相場です。

こちらのBtoC商材のアートディレクションを担当するフリーランス向け案件は、月単価90万円となっています。

フリーランスグラフィックデザイナーが安定して仕事を獲得するために必要なスキル

フリーランスのグラフィックデザイナーとして生活していくには、デザインスキルだけでなく、クライアントの求めに柔軟に対応するスキルや仕事を獲得するためのスキルが必要です。ここでは具体的にどのようなスキルが必要か解説します。

需要のあるソフトウェアを扱うスキル

デザインの仕事をこなすには、案件で使用するソフトウェアを使えるようになっておく必要があります。グラフィックデザイナーとして仕事を請けるのであれば、最低でもIllustrator(イラストレーター)とPhotoshop(フォトショップ)のスキルは必須だといえるでしょう。

この他にも、InDesignFigmaなど、案件のジャンルやクライアントごとに必要なソフトウェアは異なります。包丁を扱えない人が料理人になるのが難しいのと同様に、デザイン系のソフトウェアを扱えない人がデザイナーになるのは困難でしょう。

マーケティングスキル

デザインは常に市場やユーザーの動向・トレンドを反映する必要があります。安定した収入を得るためには、その時に需要があるデザインが分かっているに越したことはありません。マーケティングの全てを学ぶことは簡単ではありませんが、特に市場の分析や調査などは、グラフィックデザイナーにとっても重要な要素だといえるでしょう。

また、Webサイト関連のグラフィックデザインを担当する際は、多くのケースでSEOや広告運用といったWebマーケティング関連のスキルが求められます。

コミュニケーションスキル

フリーランスのグラフィックデザイナーが安定して稼ぐには、コミュニケーションスキルも大切です。

契約前に面談や商談を成功させるには、コミュニケーションスキルがものをいいます。また、そもそもクライアントは「円滑なコミュニケーションが取れるデザイナーと仕事がしたい」と考えているもの。なかには、デザインスキルと同じくらいコミュニケーションの取りやすさを重視されるクライアントも存在します。

営業や打ち合わせなどを自らこなすフリーランスにとっては、コミュニケーションスキルも大きな武器となると考えておきましょう。

各種資格

グラフィックデザイナーとしてのスキル・知識を証明できる資格を取得しておくと、クライアントへのアピールに使用できます。

クリエイター向けとしては上のような民間資格があります。

グラフィックデザイナーに資格はいるの?役立つ試験4つを調査!

グラフィックデザイナーに資格は必要?おすすめ試験4選と取得メリット

グラフィックデザイナーとして独立するために準備すべきこと

フリーランスのグラフィックデザイナーとして収入を得ていくには、独立前から準備をしておくことが大切です。独立するにあたって準備すべきことを解説します。

未経験の場合はまず実務経験を積む

フリーランスは即戦力となることを求められるため、実務経験が不可欠です。まずは会社員デザイナーやインハウスデザイナーとして働き、実務経験を積みましょう。組織に入って仕事をすれば、チームでの仕事の進め方なども身につきます。

案件獲得だけが目的であれば、デザインスクールの紹介サービスを使う方法もあるものの、会社員として働けば自然に人脈も広がります。一度は企業に雇われる形で、グラフィックデザイナーとしての実績を積んでおくとよいでしょう。

副業案件を経験しておく

会社員として働きながらでもこなせる副業案件を経験しておくことは、独立に向けたよい準備になります。グラフィックデザイナー向けの副業案件は、納期だけが決められているものがほとんどで、拘束時間の縛りがありません。夜間や休日を活用して副業をこなすことで、実績づくりや人脈づくりにつながり、独立後も仕事を獲得しやすくなります。

さらに仕事の獲得から納品、請求といった一連の流れを把握できることや、確定申告の手続きを経験できる点もメリットです。

グラフィックデザイナーが副業案件を獲得する方法や収入などについては、こちらの記事も合わせてご覧ください。

グラフィックデザイナーは副業で稼げる?在宅や未経験可能案件も紹介

人脈による受注経路を確保しておく

フリーランスのグラフィックデザイナーとして収入を得るには、仕事を紹介してくれる人とのつながりを持っておくことも大切です。

企業に営業をかけるにしても、クラウドソーシングを利用するにしても、必ず仕事を獲得できるとは限りません。人脈があれば営業することなく案件を受注できるのに加え、口コミで評価が広がればそれだけで十分な収入を得ることも可能です。

さらに同業者と知り合いになっておけば、業界内の情報を交換したり、困った時に相談したりすることもできます。

未経験者が最短でグラフィックデザインの仕事を取る方法

グラフィックデザイナーとして働いた経験がない状態でフリーランス向けの案件を取ることは、簡単ではないものの不可能ではありません。成果物が目に見えるグラフィックデザイナーは、ポートフォリオで実績を分かりやすく示せるため、スキルがあれば未経験でも仕事を獲得できる可能性があります。

実務未経験でも仕事を取りやすい方法は以下の4つです。

  • スキルシェア
  • コンテスト・コンペ
  • ブログやSNSで発信
  • デザインスクールの紹介サービス

ただし、実際に収入を得るには、どのような方法であっても高いデザインスキルが求められます。まずは問題なく仕事をこなせるレベルのデザインスキルをつけ、ポートフォリオで示せるような制作物を作り上げる必要があるでしょう。

フリーランスのグラフィックデザイナーとして安定収入・高収入を目指すには

フリーランスのグラフィックデザイナーとして収入を安定させるためには、常に仕事が入ってくる状態にしなくてはなりません。また、高収入を目指すには案件単価を上げる必要があります。ここからはフリーランスのグラフィックデザイナーが安定収入・高収入を実現する方法を解説します。

上流・ディレクションスキルをつける

デザイナーをまとめるリーダー的存在の「チーフデザイナー」や、全体のアートディレクションを行う監督責任者「アートディレクター」として上流工程から関われるようになると、収入が上がりやすくなります。

チーフデザイナーやアートディレクターは、デザインの知識も必要ですが、デザインチームを取りまとめるマネジメント力やクライアントへのプレゼン力、作品全体のイメージを固める企画・構想力が必要です。

専門・関連スキルのどちらも磨く

グラフィックデザインの専門知識・スキルを高めると同時に、関連スキルも磨いていくと仕事の幅が広がり、継続的に仕事を受注できるようになります。

例えばデザイナーとしての視点を生かして企業のブランディングができるようになれば、より報酬の高い上流工程にも関われるでしょう。

Web系のデザインも手がける場合は、プログラミングやマークアップの知識を身につけ、デザインのできるWebディレクターやWebエンジニアになるのも1つの方法です。グラフィックデザイナー兼Webデザイナーとして、分析力や提案力といったマーケターとしてのスキルを学べば、コンサルタント業務もこなせるようになります。

Webデザイナーのキャリアパスについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

Webデザイナーのキャリアパス6選!今後身につけるべきスキルとは

ポートフォリオを磨き込む

ポートフォリオの作り込みも必要です。クライアントが見た時に、どのようなデザインが得意なのかがひと目で分かるような工夫をしましょう。

ポートフォリオは報酬が出ないからといって手を抜かず、画像の配置、画質など細部までこだわることが大切です。また、作品の制作日やコンセプト、工夫点などの補足情報も追加してみてください。

信頼を積み重ねる

クライアントや編集者との信頼関係を築くことは、フリーランスのグラフィックデザイナーとして長く働くために大切です。「締め切りを守る」「要望を正確に反映する」「成果物の精度を上げる」ことで信頼関係は構築されます。

万一、納期が遅れる場合は、速やかに連絡しましょう。信頼できるデザイナーであると判断されれば、報酬のアップにもつながります。

まとめ

グラフィックデザイナーがフリーランスとして仕事を獲得するには、デザインスキルだけでなく、マーケティングの知識やコミュニケーションスキルなども身につけることが大切です。

そのうえで、人脈づくりや効果的なポートフォリオの作成なども意識しつつ、エージェントやクラウドソーシングなどを活用し、自分に合った獲得方法を見つけていきましょう。

フリーランスとして独立したばかりの人におすすめなのが、スキルや希望に合わせた案件を紹介してもらえるエージェントです。条件さえ合えば、独立後すぐに仕事を始めることもできます。

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