こんにちは、ITプロマガジンです。
数あるプログラミング言語のなかでも、Pythonは将来性が高く、需要も拡大している言語です。AI(人工知能)開発やデータサイエンスといった分野は今後も伸びていくことが期待されており、それらの分野を得意とするPythonへの注目・ニーズも高まっています。
本記事では、Pythonの将来性や他の言語と比較した際の需要について解説します。Pythonでできることやメリット・デメリットも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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目次
Pythonとは
Pythonは、オランダ人開発者であるグイド・ヴァンロッサム氏によって1991年に初版が公開されたプログラミング言語です。
PerlやRuby、PHPと同じLL(軽量プログラミング言語/Lightweight Language)なので少ない記述でも処理を実行でき、習得・使用が簡単であるという特徴があります。その需要はJavaやCなどと並ぶ高さで、世界では需要が供給を上回っている状態と言っても過言ではありません。
まずは、需要が高まっている理由やPythonでできることについて詳しく解説していきます。
Pythonの需要・将来性が高いといえる5つの理由
冒頭で触れた通り、Pythonの需要は伸びており、特に将来性の高いプログラミング言語として注目を集めています。その理由はどのようなところにあるのでしょうか。以下、Pythonの需要・将来性が高いといえる5つの理由について、順に解説します。
Pythonは人気トップクラスの言語
Pythonは、2023年3月の「TIOBE Index」(月間のプログラミング言語ランキング)で1位になっています。
過去のランキングの動向を見てみると2018年ごろから人気が高まり、2020年ごろにはCやJavaと同じレベルへと成長しているのです。
このようにPythonの人気が高い理由には、主に次のようなものが考えられます。
- AI・機械学習、データサイエンスなど、近年注目されている分野での開発に適している
- ライブラリ・フレームワークが充実しており、少ないコーディング量での開発が可能である
- ソースコードがシンプルで可読性が高いため、初心者でも習得しやすい
特に1点目に関連して、後述するように、AI・機械学習、データサイエンスという分野が拡大傾向にあるなか、その開発に適しているPythonの利用者は今後も増えていくことが想定されます。
Pythonエンジニアは年収水準が高い
Pythonの将来性は、エンジニアの年収水準から考えることもできます。
ITエンジニア向けの転職・就職・学習プラットフォームを運営する企業が公開している「プログラミング言語に関する調査(2022年版)」によると、Pythonエンジニアの平均年収は644.7万円です。
これはプログラミング言語別に見たエンジニアの年収ランキング4位であり、2020年の調査と比べると8.3万円上昇しています。
高い報酬を出してでもPythonエンジニアが必要だと考えている企業が多い証拠なので、この点から見てもPythonの需要は高いことが分かるでしょう。
AI分野での需要が大きい
Pythonが将来性のある言語だといえる理由の1つに、AI分野での需要が大きいことが挙げられます。
Googleがオープンソースで開発・提供しているTensorFlowをはじめ、Amazonが提供しているAWS LamdaでもPythonが採用されています。このように大企業が使用していることも後押しして、PythonはAI開発分野で不動の地位を得つつあるのです。
今後は5G・6Gが普及することで、より広く多様な分野でAIが活用されていくことになると予想されます。
現在発展途上でなおかつ今後さらに注目が集まる分野でのデファクトスタンダードになり得る言語のため、Pythonエンジニアの将来性は非常に高いといえるでしょう。
データサイエンス分野でも活用されている
データサイエンス分野における需要の拡大も、Pythonの将来性を考えるうえで必須です。
現在、ネット上で集積されたビッグデータをマーケティングや事業施策に活用するためのデータ分析・解析が重要視されています。
ビッグデータを活用するには、まずデータを収集し、外れ値を除外したりデータを結合・分割したりといった前処理を行ったうえでデータの分析をし、レポートを作成しなければなりません。
Pythonを使うと、上記のような一連の工程を効率化させられます。「Pandas」をはじめ、Pythonには標準ライブラリを含むさまざまな統計や分析に優れたフレームワークが提供されているからです。
データサイエンスの需要は今後も続くと考えられるため、それに用いられるPythonも将来にわたって需要が高くなるといえるのです。
サーバーサイド言語として幅広い用途がある
PythonはAIやデータサイエンスの他にもWebアプリケーションの開発時にサーバーサイド言語として幅広く活用されます。
YouTubeやInstagramのほか、例えば新型コロナウイルス感染症を機に需要が高まったECサイトの作成でもPythonが使われているのです。
Webアプリケーションにはさまざまなものがあり、今後も新たなアプリケーションが生まれていくでしょう。そこで活用されるPythonは、将来的にも安定した需要が期待できると考えられるのです。
Pythonの将来性を他の主要言語と比較
高い将来性が見込まれるPythonですが、これから学習する場合、「他のプログラミング言語と比べた場合の将来性」も気になるポイントです。ここではJava、PHP、Rubyと、Pythonの将来性を比較していきます。
Javaと比較したPythonの将来性
JavaとPythonは、どちらも汎用的かつオブジェクト指向のプログラミング言語として比較されることがあります。それぞれに独自の長所があり、幅広く用いられているという共通点がありますが、将来性の比較という点ではいくつかの異なるテーマでの比較になりそうです。
まずJavaについては、SIerといった受託開発を長年続けてきた伝統的な会社・プロジェクトにおいて一種のデファクトスタンダードとなっています。実際、多くの金融系・基幹系・製造系・エンタープライズ系のシステムにJavaが用いられています。また、オブジェクト指向を学びやすいことからエンジニアの新入社員研修にJavaが用いられることも多く、大企業系やSIer系の案件では今後も新規開発や保守運用において使用が見込まれ、将来性はあると言えるでしょう。
一方Pythonについては、Javaと比較して比較的新しい言語であるため、伝統的な会社・プロジェクトではJavaほど用いられていないと言えそうです。しかし、コードの可読性・記述性の高さや、特定分野でのライブラリの豊富さという点など、Javaを上回る強みもあり、特に機械学習やAI開発といった分野では、高い将来性が見込めるでしょう。
PHPと比較したPythonの将来性
PHPはWeb開発において長年支配的な言語で、世界で最も高いシェアを占めるCMSであるWorpressに採用されていることもあり、依然、存在感の高い言語です。会社・プロジェクトにもよりますが、Web開発エンジニアにとっては必須と言われる場面も少なくありません。Web開発という文脈においては、将来性はまだまだあると言えるでしょう。
一方、Pythonはサーバーサイドでの使用がメインとして扱われることが多かった歴史がありますが、現在は、DjangoやFlaskといったWebアプリケーションにおいて役立つフレームワークも多くあります。自社Webサービスを提供する企業にとっては、Webアプリケーションを開発できるエンジニアの確保は重要な課題ですが、PythonはWebアプリケーションにも役立つうえさまざまなライブラリによって拡張も容易で、将来性は高いと言えそうです。
Rubyと比較したPythonの将来性
RubyはPythonと同じく、オブジェクト思考のプログラミング言語でありながら、直感的かつ簡潔な構文という点でPythonと比較されることが多い言語です。またRubyは日本人によって開発され日本語でのドキュメント・参考文献が充実しているため、日本人エンジニアが習得しやすく、実際に国内のスタートアップ企業やベンチャー企業で多く用いられています。特にRuby on RailsはWeb開発において高い人気があり、このフレームワークを習得しておくと将来的にも案件の受注が期待できるでしょう。
一方Pythonについては、RubyのようにRubyと同様に読みやすい・書きやすい構文でありながら、幅広いライブラリがあり、またWeb開発にも用いることができるフレームワークまで充実しているという点が強みです。単にWeb開発という分野においてはRubyもPythonも将来性の比較は難しいといえますが、機械学習やAI開発といった近年注目されている先端技術領域という点ではPythonの方が上だと言えるでしょう。
Pythonエンジニアはフリーランスでも需要・将来性が高い
Pythonはフリーランスエンジニアとしても将来性の高いプログラム言語です。
スタートアップ企業などが早期にプロダクトをリリースするためにPythonを選択するケースが非常に増えてきているからです。
実際に弊社ITプロパートナーズで募集されているPython案件を見てみると、約300件がヒットし、報酬相場としては月収60万~100万円、年収換算すると720万~1,200万円となります(週5日勤務の場合。2024年1月時点)。
なかには、週3勤務で月70万円、フルリモート勤務で月100万円といった高単価案件もあります。
案件数だけで見てみるとPHPの450件、Rubyの353件よりは少ないですが、本記事でも解説した通りPythonは将来的にさらに需要が伸びると期待される言語なので、今後案件数が増えることは十分に考えられます。
こうした高単価案件は未経験だと獲得しにくいのは事実です。しかし、会社員エンジニアとして経験を積めば、独立し高単価案件を獲得することも可能です。
Pythonでフリーランスエンジニアになりたいと考えている人は、以下の記事も参考にしてください。
Pythonのメリット
Pythonのメリットには、以下の3点があります。
- シンプルで可読性が高い
- コンパイル不要で実行できる
- ライブラリが豊富にある
上記3点から具体的にどのようなメリットが得られるのかを踏まえながら、Pythonの将来性を見ていきましょう。
シンプルで可読性が高い
Pythonには、ソースコードがシンプルで、可読性が高いというメリットがあります。そのため、他のエンジニアが記述したプログラムでも容易に解読でき、メンテナンスしやすいのが特徴です。他言語と比較しても少ない記述量で済むためスピーディな開発が可能となり、実用性が高く、初心者でも習得しやすいプログラミング言語であるといえます。
可読性が高い理由の1つに、Pythonが適用している「オフサイドルール」があります。オフサイドルールとは、処理の範囲をインデント(字下げ)することによってブロック化し、明確に指定するというものです。if文・for文・関数などを記述する際にインデントが強制され、感覚的に処理範囲をつかむことが可能になります。その結果、誰が書いても分かりやすく、統一性のあるソースコードとなるのです。
コンパイル不要で実行できる
コンパイル不要で実行できる点も、Pythonのメリットです。
コンパイルが必要な言語の場合、ソースコード全体をまとめて実行形式に変換します。その際に大量のエラーが発生し時間がかかることが多いです。
それに対してPythonはコンパイル不要なインタプリタ言語なので、ソースコードを書くと順次実行形式への変換・実行が行われていきます。エラーがあればその都度分かるため、プログラムの修正がしやすいのです。
こうした利便性も、Pythonの需要の高さにつながっています。
ライブラリが豊富にある
Pythonはライブラリが豊富にあることからも、業務の効率化に役立ちます。
ライブラリとは、よく使われるプログラムを定型化して再利用しやすいようにまとめたものです。Pythonではこのライブラリが豊富に用意されているため、ゼロからソースコードを書かずに済みます。
定型化されたプログラムを引用したうえで必要なコードのみを書けばよいので、効率よく早く作業ができるのです。
こうした点からも、Pythonは将来的にも引き続き需要が高いと考えられます。
Pythonのデメリット
Pythonには、以下のようなデメリットもあります。
- 実行速度が比較的遅い
- オフライドルールがエラーの原因になることがある
上記デメリットゆえにあまりPythonが使われない分野もあるので、確認していきましょう。
実行速度が比較的遅い
Pythonは、以下の点から実行速度が比較的遅いというデメリットを持ちます。
- GIL(グローバルインタプリタロック)がある
- インタプリタ言語である
- 動的型付き言語である
GILがあると、GILを保持した1スレッドしか実行できません。複数スレッドを並行処理できないのです。また、Pythonが該当するインタプリタ言語は、コンパイル言語に比べ実行速度が遅くなっています。
さらにPythonは、変数に代入される型を書かない動的型付き言語です。書く側としては型を書く作業を省ける一方、実行時には型を判断する工程が入るため、その分実行速度が遅くなるのです。
こうした点から、Pythonは処理速度が求められる分野ではあまり使われません。
オフサイドルールがエラーの原因になることがある
先述したオフサイドルールは可読性の向上に貢献しますが、一方で文字下げのずれがエラーの原因になることがあります。
オフサイドルールがあるがゆえの利点がある一方、オフサイドルールがあるがゆえに発生しうるエラーもあるのです。
Pythonは何ができる?主な分野
Pythonはさまざまな分野で利用することが可能ですが、主に次の4分野での活用が注目されています。
- AI・機械学習モデルの開発
- データ処理・業務の自動化
- Webサービス・アプリ開発
- 組み込みプログラムの開発
それぞれについて、順に解説します。
AI・機械学習モデルの開発
先述の通り、PythonはAI・機械学習モデルの開発に強いのが特徴の1つです。AIと一口にいってもその内容は多岐に渡りますが、PythonにはKeras・Chainer・OpenCV・TensorFlowなど、機械学習や科学技術計算、言語処理、画像認識といった各分野に特化したフレームワークやライブラリが豊富に揃っており、それらを利用した効率的な開発が実現できます。
今後、AIの活用がさらに普及することにより、Pythonの需要も拡大していくでしょう。
データ処理・業務の自動化
データ処理や分析に活用できるのもPythonの強みです。Pandas・Numpy・Matplotlibなど、あらゆるデータの解析や数値計算、グラフ描画のためのライブラリが充実しており、データサイエンスと呼ばれる分野で数多く利用されています。また、Beautiful SoupやScrapy、Seleniumなどのライブラリによって、Web上から画像やテキストデータを自動収集する「スクレイピング」も容易に実現できます。
これらのライブラリを組み合わせることで、膨大な量のデータを有効活用しながら、さまざまな業務の自動化・効率化を図ることが可能です。
Webサービス・アプリ開発
Pythonは、Webサービス・アプリ開発の分野でも数多く活用されています。Django・Flask・Tornadoなど、Webサービス・アプリ開発のためのフレームワークが豊富に存在し、効率的な開発を実現することが可能です。InstagramやYouTubeを始め、世界中で広く利用されている著名なサービスにも、Pythonによって開発されたものが数多く存在します。
また、Pygame・Tkinter・Cocos2dなど、ゲームアプリの開発に適したライブラリが充実していることもポイントです。
組み込みプログラムの開発
組み込みプログラムとは、電子機器などのデバイスや家電製品、工場で稼働する機械などに組み込まれているソフトウェアのことです。これらの開発にもPythonが多く利用されています。
一方で、高速なレスポンスが求められる組み込みプログラムでは、処理速度が比較的速いといわれるC言語やC++が使用されているケースも少なくありません。とはいえ、これらのプログラミング言語とPythonは非常に親和性が高いため、今後はそのようなケースにおいてもPythonとの併用が進むものと考えられます。
Pythonエンジニアを目指すには?
Pythonエンジニアを目指すには、次の3ステップを踏むことが基本です。
- 書籍・学習サイトで独学する
- スクールで学ぶ
- システムを自作する
それぞれについて詳しく解説します。
書籍・学習サイトで独学する
Pythonは学習しやすい言語であるため、書籍や学習サイトで独学することも可能です。
書籍もよいですが、学習サイトなら文法を学んだあとに実際に練習問題でコードを書いてみることができるので、より実践的な学習ができるでしょう。
ただし、Pythonエンジニアには即戦力が求められることが多いです。そもそもエンジニアとしての経験がない場合やAI・データサイエンスに関する知識がない場合は、独学でPythonを学ぶだけでは仕事の獲得は難しいでしょう。
スクールで学ぶ
独学での習得は難しいと感じる場合や、Pythonエンジニアとして通用するスキル・知識を早く身につけたいという場合は、専門のスクールに通うこともおすすめです。
Pythonに苦手意識があっても講師に質問したり実際に手を動かしながら教えてもらったりすることで理解が進みやすくなります。
転職や案件獲得の斡旋をしてもらえるスクールもあるので、Pythonエンジニアとしての今後の活動にもつながるでしょう。
システムを自作する
ある程度Pythonの習得が進んだら、システムを自作してみるのもよいでしょう。Pythonを使った開発の流れが実践的に理解できます。
また、Pythonエンジニアとしての転職や案件探しに際して自分の実力をアピールするためにも、システムを自作しておくことは重要です。
最終的にはWebアプリを作れるようになることが理想ですが、まずは掲示板やタイマーなどから作ってみるのもおすすめです。また、システムの自作と並行して、Pythonの資格を取得することも一つの選択肢でしょう。
まとめ
Pythonは、AIやデータサイエンスなど今後さらに需要が伸びる分野をはじめ、幅広い場面で活用されるプログラミング言語です。
Python技術を身につけると会社員や副業としてPythonを使えるだけでなく、フリーランスとしても案件獲得・高収入を目指せるようになります。
ただし、フリーランスとして活動するには自ら案件を獲得する営業力も必要です。
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