フリーランスが経費にできるものは?具体例やどこまで計上できるかも解説

こんにちは、ITプロマガジンです。

フリーランスや個人事業主として収入を得る際にも、毎年確定申告が必要です。経費を正しく計上すると、適切な税金を納めることができ、また節税対策にもつながります。しかし、どのようなものが経費として計上できるのか?を理解していないと、節税どころか脱税となりかねません。

そこで今回は、フリーランスなら必ず知っておくべき経費についてまとめました。

  • フリーランスが経費にできるもの・できないものの基準
  • 家事按分できるものの費用例
  • 経費を計上するうえでの注意点
  • インボイス制度における領収書の確認ポイント

など分かりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

なお、まずフリーランスの税金周りについて理解しておきたい人は「フリーランスが支払う税金の種類」の記事も参考にしてみてください。

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目次

フリーランスが経費にできるもの

経費とは、事業を行うにあたって必要な費用を指します。よく使われているのが「必要経費」という言葉で、事業で使用する設備機器や取引先との飲食代、移動時の交通費など、経費として計上できる費用はさまざまです。

経費として考えやすい11項目を一覧でまとめました。

勘定科目内容
開業費開業にかかった費用
地代家賃事務所等の家賃
水道光熱費電気・水道・ガス代など
広告宣伝費名刺など
支払い手数料振り込み手数料など
旅費交通費電車代・タクシー代、宿泊費など
新聞図書費書籍や雑誌など
通信費インターネットや電話代など
接待交際費取引先との食事など
外注工賃外注にかかった費用
租税公課個人事業税、固定資産税、自動車税など
給料賃金従業員へ支払った給料
諸会費自治会費など
消耗品費プリンターのインク代など(10万円未満のもの)
減価償却費パソコンや車など(10万円以上のもの)

開業準備のために支払った費用は開業費として計上できますが、「繰延資産」として特殊な処理が必要です。

なお、自宅と事務所を兼ねている場合、「家賃」「水道光熱費」「通信費」などを経費計上する際は、家事按分が必要になる可能性があります。家事按分の詳しい算出方法は「フリーランスの経費で家事按分できる費用例」で解説します。

フリーランスが経費にできないもの

経費として計上できない支出には、事業との関連性が薄いものと、事業に関連していても税法上、経費算入が認められていないものの2種類があります。

以下に、経費にできないものを以下でまとめました。

  • 個人や家族の生活・趣味関連の費用
  • 自身の住宅ローン
  • 健康診断や人間ドックで生じた費用
  • 健康保険料や国民年金
  • 家族に支払う報酬(青色事業専従者給与なら可能)
  • 事業所得にかかる税金
  • 事業に関して生じた罰金や違反金など
  • 敷金や保証金など返還が期待されるもの

フリーランスの経費で家事按分できる費用例

家事按分とは、「プライベートと事業の両方を兼ねる支出」を一定の割合で事業分のみ算出する方法です。

按分の割合に明確な決まりはなく、自分でルールを設定してかまいません。ただし、税務調査の際に按分の割合について問われた場合、算出した理由を明確に示せるようにしておく必要があります。

家賃

家賃の按分は、作業スペースの床面積や、作業時間をもとに割合を算出するのが一般的です。例えば月8万円の家賃で、1日8時間・月160時間働いている場合、160時間÷720時間(24時間×30日)×8万円=約1.8万円が経費の目安となります。なお、持ち家の場合は家賃に加え、住宅ローンの利息・固定資産税・火災保険料なども按分の対象です。

フリーランスは家賃を経費にできる?計算方法や割合・目安を解説

パソコン・通信費

パソコンなど事業で使うデバイスの購入費、および通信費も家事按分が可能です。按分割合の根拠には、一般的に作業時間を用います。

パソコンなど長期間使用できる物品の購入費用で10万円以上のものは、「消耗品費」として一括ではなく「減価償却費」として毎年少しずつ経費にしましょう。減価償却とは固定資産の費用を耐用年数に応じて配分し、毎年経費として計上する方法です。

個人事業主の場合、事業とプライベートの両方で使用するものについては、減価償却費も家事按分が必要です。具体的には、減価償却費として計算した金額に、按分割合をかけて経費計上します。

例えば、パソコン(耐用年数4年)を15万円で購入し、1日の総使用時間10時間のうち仕事で7時間使っていたとしましょう。減価償却費は15万円÷4年=3万7,500円で、按分割合は7時間÷10時間=70%です。従って、3万7,500円×70%=2万6,250円が年間の経費となります。

通信費の場合も、同様の計算方法で経費を算出しましょう。1ヶ月の通信費が5,000円で、1日の使用時間10時間のうち、仕事で7時間使っていたと仮定します。5,000円×70%=3,500円が、1ヶ月分の経費となります。

水道光熱費

IT系・Web系の仕事では、業務中に水道やガスを使う場面はほとんど想定されません。そのため、作業時間などを根拠に家事按分して経費計上しようとしても、税務署から合理性を認めてもらうのは難しいといえます。

一方、パソコンを使って作業する以上、電気代は業務との関連性が明確なため、家事按分による経費計上が認められやすい費用です。

電気代の家事按分は、作業スペースの床面積や、作業時間をもとに割合を算出するのが一般的といえます。

例えば、月の電気代が8,000円で、1日6時間・月120時間働いていたとしましょう。1日6時間・週5日稼働している場合、1ヶ月の作業時間は約120時間となります。1ヶ月の総時間は24時間×30日=720時間であり、按分割合は120時間÷720時間=約17%です。つまり、8,000円×17%=約1,360円が1ヶ月の経費の目安となります。

自動車にかかる費用

自動車を事業で使用している場合、購入費と維持費の両方が家事按分の対象となります。維持費の内訳としては、ガソリン代・車検費用・自動車保険料・駐車場代などです。按分割合を決める根拠としては、一般的に、走行距離や使用日数が用いられます。

購入費については、まず減価償却費を算出したうえで、按分割合をかけた金額を経費として計上しましょう。

例えば、200万円で購入した軽自動車(耐用年数4年)で、1年間の総走行距離1,000kmのうち仕事での走行距離が500kmであったと仮定します。年間の減価償却費は200万円÷4年=50万円です。走行距離による按分割合は500km÷1,000km=50%となり、50万円×50%=25万円が年間の経費となります。

維持費も同様に按分して計算しましょう。例えば、月のガソリン代が7,000円で、1ヶ月の走行距離の按分割合が50%であれば、7,000円×50%=3,500円が1ヶ月の経費となります。

フリーランスの経費はぶっちゃけどこまでOK?迷いやすい項目を解説

フリーランスとして活動していると「この費用は経費にできるのか?」と判断に悩むケースもあるでしょう。以下からフリーランスが悩みやすい経費の例を紹介します。

例1:カフェで仕事した場合コーヒー代は経費になる?

カフェで仕事をした際にかかったコーヒー代は、一定の条件を満たせば経費として計上可能です。例えば、取引先との打ち合わせや一人で仕事を進めるためにカフェを利用したなら、かかった費用を経費にできます。この場合、カフェのコーヒー代は業務に直接関係する費用として認められるためです。

ただし、プライベートの利用は経費の対象にはなりません。

例2:引越し代は経費として計上できる?

フリーランスとして仕事をするための事務所の引越しをした場合、それにかかった費用は経費として計上できます。事務所は事業を営むために必要なものだからです。

なお、フリーランスのなかには、自宅の一部を事務所として使用している人もいるでしょう。そのようなケースでは、事務所として使用している部分の引越しにかかった費用のみを経費として計上できます。

例3:フリーランスでも接待交際費を経費にできる?

業務上の妥当性がある支出は経費として計上できます。接待交際費は、取引先との付き合いに対して発生した費用に用いる勘定科目です。例えば、取引先との商談のために開催した食事会の費用は、接待交際費として計上できます。

ただし、取引先と食事をしたとしても、業務上の妥当性が認められなければ経費としては計上できません。接待交際費を計上する際は、内容をしっかり吟味したうえで正確に判断する必要があります。

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フリーランスの経費に関する領収書の保存方法や注意点

経費を計上するうえで、領収書の保存は欠かせません。ただ保存しておけばよいわけではなく、保存方法にはいくつかのルールがあります。

紙で保管する方法

領収書を紙で保管する場合は、封筒にまとめて入れる、ノートに貼り付ける、ファイルに綴じるなどの方法があります。

紙で保管する方法は手軽さがメリットですが、かさばりやすいうえに、紛失するリスクがあります。また、時間の経過とともに印字が薄れて読めなくなるケースもあるため、保管場所や整理のルールをあらかじめ決めて仕組み化しておくことが大切です。

電子データで保存する方法

領収書をスキャンや撮影などで電子データとして保存すれば、保管場所を取らず、紛失や劣化のリスクも大幅に下げられます。電子帳簿保存法のルールに沿って保存すれば、紙の原本を破棄することも可能です。

保存にあたり、日付や取引先で検索できる状態にしておく、改ざん防止のために変更履歴が残るシステムを活用するなど、電子帳簿保存法の要件を事前に確認しておきましょう。

なお、もともとデジタルで発行された領収書は、そのままデジタルで保管しなければならなくなっています。

詳しくは、国税庁資料の「電子帳簿保存法が改正されました」をご確認ください。

領収書がない場合や紛失した場合の対処方法

バスや電車など領収書をもらいにくい公共交通機関を利用したり、コインパーキングで領収書の発行を忘れたりして、領収書を入手できなかったケースもあるでしょう。また、いったんは領収書を確保したものの、紛失してしまう場合もあります。

領収書がなくても、出金伝票を作成しておけば経費の計上が可能です。出金伝票は取引内容を記録するためのものであり、取引の実態が分かるように作成する必要があります。日付、勘定科目、金額などの情報をしっかり記載しましょう。

フリーランスの領収書の扱い方は?受領・発行の対応方法や注意点

フリーランスが領収書を作成する側になった時の対応方法

クライアントから報酬を受け取った際など、領収書の発行を求められるケースもあります。領収書の作成に必要なものと記載項目を、あらかじめ把握しておきましょう。

領収書発行時に必要なもの

紙で領収書を発行する場合は、領収書用紙またはテンプレートを準備しておきましょう。クライアントによっては押印を求められることもあるため、印鑑も手元に用意しておくと安心です。一方、電子データで発行する場合は、会計ソフトなどのツールがあれば対応できます。

なお、5万円未満の取引は非課税ですが、5万円以上になると収入印紙の貼付が必要です。ただし、電子データとして発行する領収書については、収入印紙は不要となります。

領収書の記載項目

領収書の記載項目は、以下のとおりです。

  • 発行日
  • 宛名
  • 金額
  • 但し書き
  • 発行者情報

インボイス登録済みの場合は、自身の登録番号と適用税率、税率別の税額を追加で記載する必要があります。

なお、IT系・Web系のフリーランスには関係しないケースが多いですが、飲食業や小売業など、不特定多数の相手と取引する事業では、簡易インボイスを発行できる場合があります。

通常のインボイスでは、適用税率と消費税額の両方が必要です。対して、簡易インボイスではどちらか一方のみで対応できます。なお、宛名の省略も可能です。

インボイス制度における領収書の確認ポイント

インボイス制度における領収書の確認ポイントを解説します。

領収書受領側の場合

受け取った領収書が適格請求書に該当しない場合、原則として消費税の仕入税額控除が受けられません。受領時には、相手の登録番号・適用税率・消費税額が記載されているかを確認しましょう。

なお、例外もあります。例えば電車の切符のように、使用時に回収される入場券等を利用した3万円未満の取引では、領収書がなくても帳簿への記録のみで仕入税額控除が認められます。例外について、詳細は「国税庁の資料」を確認してください。

領収書発行側の場合

領収書を発行する際は、領収書用紙やテンプレート、会計システムなどを活用すると効率よく対応できます。事前に記載項目に漏れがないかを確認してください。特に登録番号や税額の入力ミスは後々のトラブルにつながるため、発行前に必ず見直しましょう。

万一誤りがあった場合は、一部だけ修正せず、正しい内容で新たに作成し直すのが望ましい対応です。すでに先方に渡してしまった後に気づいた場合は、修正した領収書を再送するとともに、変更箇所を相手に説明しておきましょう。

また、発行した領収書は写しを手元に残しておく義務があります。電子データで発行した場合はそのままデータとして保存可能です。紙で発行した場合は、複写式の領収書を使うか、スキャンやスマホ撮影で電子データに変換して保存しておくとよいでしょう。

把握しておきたい特例・経過措置について

インボイス制度には、フリーランスを含む小規模事業者の負担を軽減するための制度があります。把握しておきましょう。

例えば、少額特例として、税込1万円未満の課税仕入れであれば、帳簿が所定のルールに沿って作成されていることを条件に、適用対象者は領収書がなくても仕入税額控除を受けられます。

また、インボイス未登録の免税事業者から仕入れを行った場合は、経過措置が適用される仕組みです。支払った仕入税額の全額ではありませんが、一定期間内であれば一部を控除できます。特例や経過措置についての詳細は、国税庁の公式ページで確認しておきましょう。

フリーランスの経費における注意点

ここからは、フリーランスにおける経費の注意点を解説します。

不正計上は罰則を受けることになる

経費を計上すれば節税になるため、経費をなるべく多く計上したいと考える人もいるでしょう。しかし、経費を正しく計上しないと罰則を受ける恐れがあるため、注意が必要です。事業との関係を説明できない費用を経費に計上すると、不正計上とみなされるリスクがあります。経費を計上する際は、事業とどのような関係があるか必ず確認してください。

フリーランスの経費は戻ってくるわけではない

フリーランスの経費は自分自身が負担する費用です。節税になるとはいえ、会社員のように負担分が戻ってくるわけではないため経費の使いすぎには注意しましょう。経費が増えるということは、それだけ出費も増え所得が減るということ。所得金額があまりにも少なすぎると、事業運営や生活にも影響が出かねません。経費が多いほど得になるとは考えず、備品などの購入は計画的に行いましょう。

領収書の保管期限を把握しておく

領収書には、法律で定められた保管期限があります。インボイス登録済みのフリーランスが仕入税額控除を受ける場合、申告方法にかかわらず7年間の保存が必要です。インボイス未登録の場合は、白色申告であれば原則5年、青色申告であれば原則7年が保管期限となります。

フリーランスの経費に関するQ&A

開業費として認められる期間やフリーランスが経費にできる割合など、経費に関する疑問についてお答えします。

フリーランスの開業費はいつまでさかのぼれる?

開業準備に何ヶ月・何年など長い期間がかかった場合、いつまでさかのぼって開業費を計上できるのかが分かりにくいことがあります。ただし、開業費として証明および説明できる必要があり、開業前6ヶ月~12ヶ月程度が一般的です。なお、10万円を超えるものや仕入れ代金は対象となりません。

以下は開業費として認められる支出の一例です。

  • 事務所の賃貸費用(敷金・礼金は除く)
  • 消耗品購入費(10万円未満のもの)
  • 広告宣伝費
  • 打ち合わせ費用

これからフリーランスとして活動を検討している方は、独立準備にかかった費用の領収書を保管しておくとよいでしょう。

フリーランスが経費にできる割合はいくらまで?

現在の確定申告の仕組みは、収入金額から必要経費を引いたものが所得となり、この所得に対する税金を納めるというものです。従って、所得が少ない場合には税金も少なくなるので、「できるだけたくさん経費として計上したい」と考える方もいるでしょう。

しかし、収入に対して経費が多すぎると税務署からチェックが入りますので注意が必要になります。では、フリーランスが経費にできるのはいくらまでなのでしょうか?

実はこれは業種や人によってさまざまなので一概にはいえません。ただし、一般的にフリーランスの場合は経費率がおよそ6割程度を超えてしまうと脱税が疑われ税務調査の対象となる可能性があるといわれています。例えばフリーランスエンジニアの経費率は4割〜5割程度が一般的です。

経費率とは
「(経費÷収入)×100」という計算式で求められる経費の割合のこと

もしも不正に経費を計上しすぎた結果、税務調査が入った場合、重い追徴課税の納付を求められる可能性があります。

しかしもちろん、正しく経費を計上した結果、高い経費率になってしまっている場合は万が一税務調査が入ったとしてもきちんと証明ができれば問題ありません。正しい経費計上をしているか証明するためには領収書をきちんと保管するなどの必要があります。

フリーランスの経費精算業務を効率化するには?

フリーランスの経費精算には手間がかかるため、効率化も意識すべきです。事務作業を効率化できれば、メインの業務に専念しやすくなります。

例えば、確定申告ソフトやオンラインアシスタントなどを活用すると、スムーズに経費精算や確定申告の作業を進められます。より適切に経費精算を行うためには、税理士に依頼するのもおすすめです。節税について専門家の視点からアドバイスをもらえます。

フリーランスの帳簿の付け方は?白色・青色の違いやおすすめアプリも紹介

まとめ:フリーランスは経費の管理も大切

フリーランスの経費管理は、節税対策だけではなく健全な事業運営にも欠かせません。経費にできるもの・できないものの基準、家事按分の考え方を理解し、領収書の保存やインボイス制度への対応もしっかり押さえておきましょう。

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