こんにちは、ITプロマガジンです。
将来フリーランスになることを夢見ている人は数多くいます。しかし、フリーランスになったとしても、今の会社員としての生活以上に収入が安定するかどうかは不確実です。フリーランスになったものの思うように収入が伸びず、廃業するケースも多々あります。
本記事では、実際の調査データに基づいてフリーランスの廃業率を見ていくとともに、フリーランスが廃業を決める理由や、廃業しないためのポイント、廃業を決める前に考えておくべきポイントをまとめてご紹介します。
「必要以上に安売りをしてしまう」「市場感より高い単価で参画してしまいトラブルになる..」
フリーランス市場は売り手市場であるものの、いまだに正しいノウハウが確立されておらず、多くの方が案件探しに苦労されています。
ですが、現在の市場感や企業側に刺さる経験・スキルを理解し正しく案件探しをすれば、誰でも自身のバリューを活かし単価を伸ばすことができる、というのも事実です。
ITプロパートナーズでは、
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初めてのフリーランス、情報収集段階でも大丈夫です。あなたの働き方にマッチし、単価も高く、最もバリューを発揮できる案件を探しませんか?
フリーランス1年目〜10年目までの廃業率
廃業率とは、前年度の事業所数に対して翌年度に廃業している事業所の割合です。
そこで、「中小企業白書 2006」に掲載されている「個人事業所に関する開業経過年数別の平均生存率」をベースに、フリーランスの平均廃業率を算出しました。
開業経過年数別で見ると、フリーランスの平均廃業率は以下のように推移しています。
- 1年後:37.7%
- 2年後:24.1%
- 3年後:20.5%
- 4年後:18.8%
- 5年後:16.2%
- 6年後:16.5%
- 7年後:14.8%
- 8年後:14.3%
- 9年後:14.0%
- 10年後:13.2%
廃業率は開業から1年後がもっとも高く、3年後と5年後を節目に徐々に下がる傾向が見受けられます。5年後以降はほぼ横ばいです。
独立してから1年以内は、フリーランスが廃業に陥ることがないよう、最も気を付けなければならない期間といえます。2年目・3年目も収入を安定させて廃業を免れるよう、注意が必要です。
フリーランスが廃業してしまう原因
ここでは、フリーランスが廃業してしまう主な8つの原因を解説します。
低単価案件しか獲得できない
低価格案件しか獲得できず廃業に追い込まれるのは、駆け出しのフリーランスに多い傾向です。実績もスキルも不足しているフリーランスが経験を得るため、あるいはスキルアップを図るために低単価案件ばかりを受けてしまい、仕事は多いものの稼げない状況が続いて廃業するパターンです。
低価格案件ばかり受注すること自体が悪いわけではなく、実績やスキル獲得に役立ちます。しかし、自信がついたらより高度・好条件の案件に早めに挑戦していくことが重要です。
案件が継続できない
フリーランスは、固定のクライアントから継続的に案件を受注できている間は収入が安定します。しかし自身のスキル不足やクライアントの意向が変わることで受注が途絶える可能性があります。
案件が継続できず、単発の案件ばかりになってしまうと収入が安定せずに廃業に追い込まれる確率が高まります。
営業や交渉が苦手
フリーランスは基本的に、案件獲得に向けて営業活動を単独でこなさなければなりません。もともと営業や交渉が苦手な人の場合、クライアントに向けて自身の魅力や付加価値などをうまく伝えられず、なかなか受注に至らない可能性があります。
運良く案件を受注できたとしても、交渉が苦手なので希望の単価がなかなか通らなかったり、本来受ける必要のない業務まで受けたりして、不利な条件での稼働を強いられている可能性もあります。
収入が不安定で安心できない
フリーランスは、常に一定の単価や案件数を維持できるわけではなく、月々の収入は変動しがちです。
複数の継続案件を抱えているうちは収入が安定してますが、うち1本でも案件が急に終了するようなことがあれば、基盤が崩れ始めます。こうした不安定な状況に耐えられず、見切りをつけて廃業していくケースは跡を絶ちません。
休日を確保できない
フリーランスは時間を自由に使える分、休みなしでずるずると働いてしまう人も多いです。複数の案件を掛け持ちしていると、常にクライアントから連絡がくる状況なので、なおさら休日が取りづらくなります。
このような生活を続けた結果、心身ともに休まらず体調面やメンタル面で不調に陥る可能性が高まります。不調になればフリーランスとしての稼働もままならなくなるため、最終的に廃業せざるをえません。
年金や税金などの負担が大きい
会社員の場合、自分自身で年金や社会保険、税金の手続きをする必要がありません。
一方、フリーランスの場合は年金や保険料が会社と折半されるわけではなく、所得税・住民税も含めて全額自己負担です。さらに、専門知識がない状態でもろもろの手続きを自分で行うため、手間や時間がかかり、作業そのものがストレスになりがちです。
初期投資や固定費の負担が大きい
フリーランスの場合、業務に使用するデスク・チェアなどの家具、パソコンやFAX、コピー機などの機器類、文房具などの備品類の確保などで、多額の初期費用が発生します。
さらに、自宅で開業する場合は別として、外部にオフィススペースを借りた場合の毎月の賃料、インターネットの利用料金、光熱費などの固定費の負担も毎月のしかかります。
開業当初はなんとかなったとしても、悪条件の案件ばかりで収入が増えないといった状況が続けば、固定費の支払いもままならなくなり、廃業に追い込まれる可能性があります。
柱となる案件が無くなった
好条件の案件を継続的に受注していた場合、それを主軸に収入を得ていたものの、ある日突然発注が途絶えてしまったため、十分に稼げなくなるケースは少なくありません。
新たに柱となる案件を獲得する前に、やむなく廃業するケースも多くあります。
フリーランスが廃業しないためのポイント
フリーランスが廃業しないために気を付けるべき7つのポイントを解説します。
開業前に資金を貯めておく
廃業の理由の1つが運転資金の枯渇です。フリーランスになる前に、数ヶ月は案件を獲得できなくても生活できるだけの資金をためておきましょう。
条件が悪い案件は断る
収入が少なくなる不安から、条件が悪くても仕事を断れないフリーランスは多くいます。業務量が多いわりに単価が低いようなら、十分に稼げない状況になりかねません。たとえ仕事が少なくても、条件が悪い案件は思い切ってNOと断りましょう。
スキルアップを図る
高度なスキルを持つフリーランスほど、高単価・好条件の案件を獲得できます。忙しい中でも休みをとって興味ある分野を学ぶ機会を設けたり、新しい技術・言語などを扱う案件を受注して、インプットしながら働くのがおすすめです。
自己管理を徹底する
きちんと納期を守り続けていれば、クライアントからの信頼獲得につながります。そのためにはまず、継続的に案件を受けられるよう健康を維持するのが大切です。規則正しい生活を送り、体調管理を徹底しましょう。
案件は常に複数持つようにする
1つの案件に依存した場合、その発注が途絶えた際に収入がゼロになるリスクがあります。常に複数の案件を維持するよう心がけましょう。
もちろん、案件を抱えすぎて納期が遅れるような状況になるなら、本末転倒です。無理のない範囲で複数の収入源を維持しましょう。
人脈や人間関係を大切にする
フリーランスの多くは一匹狼で仕事をしています。しかし、フリーランス同士や、クライアント企業とのつながりを大切に保つ取り組みも大切です。人脈を築き、良好な人間関係を維持していれば、将来的に思わぬ形で案件獲得や受注継続に発展しないともかぎりません。
病気やケガなど何らかの理由で休業せざるを得ない場合などに、知り合いに信頼できるフリーランスがいれば、仕事を紹介することも可能です。
収入と支出両方に気を配る
フリーランスの場合、収入の安定化を図るうえで、どうしても稼ぐことに目が行きがちですが、支出の管理を徹底するのも大事なポイントです。
家賃や電気光熱費、通信費など、毎月発生する固定費がどの程度なのかもきちんと押さえて、支出の全額を掴むことが大切です。その上で、支出を最小限に抑えるための節約をするのがおすすめです。
廃業する前に考えるべきこと
廃業という選択を検討している場合、その前にいくつか考えるべきことがあります。ここでは、3つのポイントをご紹介します。
健康面が理由なら休業も視野に入れる
病気やケガなどの健康面を理由に廃業する場合は、一時的な休業を視野に入れるのも1つの手です。一旦休業して十分に休養したのちに回復すれば、再度復帰することも可能です。
休業する際はそれまでにすべての案件を終わらせるようにし、継続案件を抱えている場合はしばらく休養が必要な旨をクライアント企業に連絡しておきましょう。
案件の獲得方法を再検討する
案件がなかなかうまく受注できずに廃業を考えている場合は、これまでの案件獲得方法を見直してみましょう。
案件の探し方は多種多様です。会社員時代の人脈や知人のフリーランス経由での紹介だったり、クラウドソーシングを介して希望の求人案件に巡り合ったりなど、様々な方法があります。
営業や交渉が得意ではない場合は、フリーランスエージェントの利用も検討してみましょう。エージェント側がクライアントとのもろもろの交渉事を一手に引き受けてくれるので、案件獲得にかかる手間や時間を大幅に省けます。業界に精通した担当者がヒアリングをした上で、希望や条件にかなった案件を紹介してくれます。
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フリーランスもM&Aが可能
M&A というとある程度規模のある企業間で行われるイメージが強いものの、個人事業であってもM&Aの対象になりえます。
M&Aを進める場合は、中小企基盤整備機構が運営している事業承継・引継ぎ支援センターを通じてM&Aの相手を紹介してもらったり、M&A専門の仲介業者から斡旋をうけたりなどの方法があります。
加えて、これまで営業用に持っていたブログやYouTubeチャンネルなどの売却も可能です。ブログの場合、アフィリエイトなどで利益を生み出しているものであれば特に高値が付きます。YouTubeチャンネルの場合、チャンネル登録者数が多いチャンネルは特に高値が付く傾向があります。ただし、将来売買が禁止される可能性もあるので、タイミングを見計らうのも大事です。
まとめ
一般企業と同様、フリーランスにとっても、収入が安定しない、あるいは健康がすぐれないなどの理由で廃業せざるをえないケースは多々あります。特に開業してから1年目は廃業率が最も高く、2年目・3年目も注意が必要です。
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