フリーランスが廃業する際に必要な手続きや届出、注意点とは

こんにちは、ITプロマガジンです。

フリーランスのなかには、廃業を検討中の人もいるのではないでしょうか。高単価な案件が突然終了したり、体調や気持ちなどの問題に悩んだりして廃業を検討するフリーランスは少なくありません。また、個人事業主が法人化する際も、廃業手続きが必要です。廃業を決める前に、フリーランスを廃業する手順や注意点などを知っておきましょう。

本記事では、フリーランスの廃業率や、廃業届を始めとするさまざまな手続きを解説します。廃業以外の選択肢や多くのフリーランスが悩みがちな問題も紹介するので、参考にしてください。

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フリーランスにおける廃業とは?

フリーランスにおける廃業とは自分の意思で事業をやめることです。廃業するためには廃業届などの数々の手続きが必要になるため、手際よく準備を進めましょう。

多くのフリーランスが廃業に追い込まれる理由は、スキル不足や景気による収入減、資金繰りの悪化、体調不良などです。ただし、ネガティブな理由ばかりではなく、法人化するために廃業を選択する人もいます。

なお、廃業と間違われがちなものが「倒産」と「閉店」です。意思を問わず事業を辞めざるを得ない時は、倒産にあたります。閉店とは店舗の運営をやめることです。経営する店舗が1つなら、閉店に伴い廃業を迎えます。

フリーランスの廃業率

廃業率は、前の年の事業所数を100とした時に、次の年に廃業している事業所の割合を示したものです。「中小企業白書 2006」から算出した、開業からの期間別に見るフリーランスの廃業率の推移は以下のとおり。

  • 1年後:37.7%
  • 2年後:24.1%
  • 3年後:20.5%
  • 4年後:18.8%
  • 5年後:16.2%
  • 10年後:13.2%

開業直後は廃業率が高いものの、徐々に廃業率は低下し5年目以降はほぼ横ばいです。スキル次第で稼げるイメージのあるフリーランスですが、働き続けるには、経理・事務関連など本業の枠を超えた幅広いスキルが欠かせません。開業から間もない時期は、経験不足で廃業するフリーランスが多いと推測されます。

フリーランスが廃業する際に必要な手続き

フリーランスが廃業する際には、いくつかの手続きが必要です。以下の届出書について、概要や入手方法、提出期限、書き方などを解説します。

  • 個人事業の開業・廃業等届出書
  • 青色申告取りやめ届出書
  • 消費税の事業廃止届出書
  • 個人事業税の廃業届出書
  • 所得税の予定納税額の減額申請書
  • 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出書

立場が変われば提出する書類が変わるため、自分が対象となる届出書をよく確認してください。

個人事業の開業・廃業等届出書

個人事業の開業・廃業等届出書」は、事業の開業・廃業に伴い提出する届出で、全てのフリーランスが提出するものです。開業届と同じ書式のため、見覚えがある人も多いと考えられます。

  • 入手方法:国税庁のホームページ or 最寄りの税務署
  • 提出先:管轄の税務署
  • 提出期限:原則、廃業から原則1ヶ月以内

青色申告取りやめ届出書

青色申告取りやめ届出書」は、青色申告承認を解消するための届出で、青色申告していた人が対象となります。

ただし、不動産所得など廃業する事業以外の収入がある場合、届出書の提出はおすすめできません。

  • 入手方法:国税庁のホームページ or 最寄りの税務署
  • 提出先:管轄の税務署
  • 提出期限:原則、取りやめようとする年の翌年3月15日

消費税の事業廃止届出書

消費税の事業廃止届出書」は、消費税の課税事業者が廃業する際に提出する届出です。免税事業者は提出の必要はありません。提出期限に明確なルールはありませんが、できる限り速やかに提出しましょう。

  • 入手方法:国税庁のホームページ or 最寄りの税務署
  • 提出先:管轄の税務署
  • 提出期限:明確なルールはなし

個人事業税の廃業届出書

各都道府県に個人事業税を納めている人は、「個人事業税の廃業届出書」も提出しましょう。個人事業税は事業所得が290万円を超えると発生します。

  • 入手方法:各都道府県のホームページ
  • 提出先:都道府県税事務所
  • 提出期限:事業廃止から10日以内

所得税の予定納税額の減額申請書

所得税の予定納税額の減額申請書」の対象者は、予定納税していて廃業に伴い前年分から大幅に所得が低下する人です。減額申請書を提出せずに予定納税を無視すると、延滞税を科される恐れがあるため注意しましょう。

  • 入手方法:国税庁のホームページ or 最寄りの税務署
  • 提出先:管轄の税務署
  • 提出期限:原則、第1期分はその年の7月1日から7月15日までで、第2期分は11月1日から11月15日まで

予定納税は毎年2回に分けて行い、第1期の支払い期間は7月1日から7月31日までで、第2期は11月1日から11月30日までです。

給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出書

給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出書」の対象は、従業員を雇用していた人や、家族を青色事業専従者にしていた人です。

  • 入手方法:国税庁のホームページ or 最寄りの税務署
  • 提出先:管轄の税務署
  • 提出期限:廃業から1ヶ月以内

フリーランスが廃業する際に知っておきたい特例について

廃業関連の届出書を提出した後で経費が発生した時に、所得税法第63条の「事業を廃止した場合の必要経費の特例」を活用すると、該当する経費を損金として算入可能です。

経費として認められる支出は、事業を続けた場合に経費計上できるものに限られます。廃業後に発生する可能性のある経費の一例を以下に示しました。

  • 借りていた物件の原状回復にかかる費用
  • 在庫や設備の処分にかかる費用
  • 売上債権の貸倒損失

どこまで経費計上できるかは税務署の判断により異なります。経費計上できる費用がわからない場合は、税務署に問い合わせて確認しておきましょう。

フリーランスが廃業する際の注意点

フリーランスが廃業する際はさまざまな手続きが必要になります。廃業後に訪れる確定申告も忘れてはいけません。フリーランスが廃業する際の注意点を、以下のポイントを押さえて解説します。

  • 廃業の手続きは計画的に行う
  • 確定申告を忘れずに行う
  • 廃業のタイミングを考慮する
  • お金が必要な場合は給付金を活用する

廃業の手続きは計画的に行う

業種によっては設備の撤去などに時間がかかるケースもあるため、計画的に廃業の手続きを進めましょう。廃業日を決め、提出期限までに前述した書類を出し、方々に連絡を取ります。

取引先にも連絡してください。契約満了を待って取引をやめられるとスムーズです。ただし、途中解約する場合はトラブルになるかもしれません。

契約書に「契約終了の場合は◯ヶ月前に連絡する」などと書かれていれば、ルールに従って廃業日を検討します。契約内容にもよりますが、途中解約すると、作業した分の報酬の支払いを拒否されたり、損害賠償を求められる恐れもあるため注意してください。

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確定申告を忘れずに行う

当然ですが、廃業した年の分も確定申告の義務があります。廃業する年の所得が黒字の場合においては、通常通り翌年2月16日から3月15日までに確定申告の手続きが必要になります。確定申告が必要であるのにもかかわらず、手続きをしないとペナルティの対象になるため注意が必要です。

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廃業のタイミングを考慮する

廃業するタイミングを可能な限り年末に近い日にしましょう。事業に関係する支出を計上することで、節税につなげるためです。

また廃業後に就職を検討している場合は、転職活動なども考慮する必要があります。転職先がすぐに決まればよいですが、なかなか決まらない場合は経済的に困窮してしまうでしょう。いきなり廃業せず、フリーランスの仕事を抑えつつ転職活動に取り組み、魅力的な職場が見つかった時点でフリーランスを廃業するという手もあります。

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お金が必要な場合は給付金を活用する

転職先がなかなか決まらないなど、廃業後にお金に困る場合も少なくありません。設備や在庫処分費用、従業員への退職金が必要になる場合もあります。お金が必要な場合は、以下の給付金の活用を検討しましょう。

  • 小規模企業共済
  • 住居確保給付金
  • 求職者支援制度

フリーランスでいる間に「小規模企業共済」に加入しておくと、廃業時に共済金を受け取れます。掛金は全て所得控除の対象のため、節税の観点からも小規模企業共済はおすすめです。また、小規模企業共済には、事業資金を借入れできる制度があります。コストが問題で廃業を検討している時に利用すると、窮地を脱せるかもしれません。

住居確保給付金」は、住居の確保が困難な人が利用できる国の救済制度。住居確保給付金を申請できる人は、離職・廃業後2年以内か、個人の責任によらず収入が離職・廃業と同レベルまで減少した人です。給付が認められると、自治体の生活保護制度の住宅扶助額を上限に、家賃額が原則3ヶ月間支給されます。

求職者支援制度」を利用すると、月10万円の給付金を受け取りながら、無料の職業訓練を受講可能です。ハローワークに求職の申込みをした人が、制度の対象になります。給付金を受け取るには、本人収入が月8万円以下、世帯全体の収入が月30万円以下などの条件を満たさなくてはいけません。ただし、給付金なしでも職業訓練の受講自体は認められます。

フリーランスは廃業以外の道も検討することが大切

法人化の場合はともかく、事業をやめる意味で廃業を検討する時は、よく検討してください。廃業には数々の手続きが必要で、時間もコストもかかります。ここでは、フリーランスが廃業する際に知っておきたい廃業以外の選択肢について解説します。

一時的に休業する

一時的な体調や精神の疲れで廃業したい時は、休業も検討しましょう。フリーランスの休業には、届出が必要ありません。取引先や従業員の了承を得られれば一時的に事業を中断できます。

貯金があるなら自宅で何もせずに休むとよいでしょう。心身の疲れを取ると、再びフリーランスとして働く気持ちが湧いてくるかもしれません。また、リラックスすることで事業のアイデアなどを思いつく可能性もあります。手元にお金がない場合は、実家に帰るなどして休養をとりましょう。英気を養うには、衣食住を確保することが大切です。

事業を立て直せないか積極的に模索する

収入減を理由に廃業するフリーランスは多く見られます。しかし、案件を獲得できない状況から立て直せないか模索することが大切です。人脈を活かして案件を紹介してくれないか相談する方法もあります。また、フリーランスエージェントを活用してみましょう。

エージェントのスタッフは、これまでのキャリアや仕事を考慮して、自分に合う仕事を紹介してくれます。高単価な案件や週2~3日の稼働で済む案件など、さまざまな案件がそろっているので、上手く活用すれば事業を立て直せるでしょう。弊社「ITプロパートナーズ」でも案件を紹介しているので、諦めずにまずはお気軽にご相談ください。

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フリーランスの廃業に関するQ&A

フリーランスの廃業に関するQ&Aとして、以下の3つを解説します。

  • 廃業届を出さないとどうなる?
  • 廃業手続きに費用はかかる?
  • 廃業した後にすぐ開業できる?

廃業届を出さないとどうなる?

廃業届を出さない人に対する罰則はありません。ただし、廃業届を提出しなければ事業を継続しているとみなされるので、必ず提出してください。提出しないと、税務署から確定申告の案内が届く場合があります。廃業しているからといって案内を無視すると、税務調査や課税の対象になるかもしれません。先ほども解説しましたが、提出は原則、廃業から原則1ヶ月以内になります。

廃業手続きに費用はかかる?

廃業手続き自体には、基本的に費用はかかりません。ただし、弁護士や公認会計士などに手続きを代行する場合は費用がかかります。また、設備の撤去や、従業員への退職金などがあればそれに伴う費用も見積もっておきましょう。

廃業した後にすぐ開業できる?

廃業から日が浅くても開業は可能です。再度、所轄の税務署に、開業届や青色申告申請書を提出してください。現在の事業を廃止して、すぐに別に事業に取り組みたい場合は、廃業の手続きをしつつ、新しい事業の準備も進めておきましょう。

まとめ

フリーランスに成り立ての時期に、廃業を選択する人は少なくありません。しかし、廃業すると、廃業届や青色申告取りやめ届出書など、多数の届出が必要になります。手続きそのものへの費用はかかりませんが、設備や在庫の処分、従業員への退職金などのお金もかかります。

いきなり廃業を決めず、一時的に休業するか、事業を立て直せる可能性はないか検討してみましょう。案件獲得には、フリーランスエージェントがおすすめです。弊社「ITプロパートナーズ」には、柔軟な案件や、高単価な案件を多数とりそろえています。事業の立て直し策を模索中の人は、お気軽にITプロパートナーズにご相談ください。

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