こんにちは、ITプロマガジンです。
フリーランスとして独立したばかりの方のなかには、「領収書をどのように保管・管理すればよいだろう」「領収書の書き方やルールが分からない」といった悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
領収書は金銭の授受を証明するものであり、フリーランスの仕事においても必要不可欠です。この記事では経費や税務処理を正確かつスムーズに行えるように、受け取った領収書の管理・保管方法について解説します。
また、領収書を求められた場合には、フリーランスにも発行義務があります。書き方・ルールをチェックしておくと取引の際に慌てません。領収書発行の書き方やよくある疑問と回答も記載していますので、参考にしてください。なお、フリーランスについて基本的なことを知りたい方は「フリーランスとは?仕事内容から始め方まで」の記事を参考にしてください。
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目次
フリーランスにとっての領収書と経費の関係性
領収書は経費を示すための重要な書類です。フリーランスは確定申告が必要であり、代金の支払いを客観的に証明しなければなりません。さらに経費を正しく計上することは、納める税額にも関係します。
税額は所得に一定の税率をかけて算出されますが、もとになる所得は売上から経費を差し引いた金額です。以下が計算式になります。
- 売上-経費=所得
- 所得×税率=税額
経費を増やすことは所得を減らすことであり、税額も軽減されるため節税につながるのです。なお、フリーランスにおける税金に関する基本知識を知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
フリーランスが受領した領収書を管理する際のポイント
フリーランスにとって領収書の重要性を把握したところで、保管・管理方法について確認しましょう。領収書の保存年数は決められており、事業年ごとにまとめると管理がスムーズです。
領収書の保存・管理は必須
領収書の保存期間は定められており、国税庁HPには次のように明記されています。
- 青色申告:7年(※前々年分所得が300万円以下の場合は5年)
- 白色申告:5年
領収書は支出・収入をきちんと把握し、正確な帳簿作成をするために必須であり、確定申告においても重要な書類です。確定申告の際に領収書の提出は求められませんが、経費として盛り込んだ項目の根拠は必要になります。
仮に税務調査を受けることがあっても、領収書があれば確定申告書や決算書類の裏付けとして有効です。2022年1月からは「電子帳簿保存法」が施行され、領収書等の紙データをスキャナで取り込み、電子データとして保存できるようになりました。
領収書の保管方法は「事業年ごと」
領収書の管理方法は、税務調査を意識して事業年ごとに分類しておくのがベターです。次のポイントを基本とします。
- 事業年に分ける
- 科目で分ける
税務調査は確定申告ごとに行われるため、まずは事業年で分け、さらに科目ごとに分類しておくのがおすすめです。税務署から照会があった時にスムーズに対応できます。
さらに、合計金額も明記しておけば探す時に便利です。領収書の整理は後回しになりやすいので、日頃からおおまかにでも分類しておくと後々、楽になります。
フリーランスの領収書のもらい方ともらえない場合の対処法
経費処理に欠かせない領収書ですが、発行されないことがあります。この場合の対処法は「取引先に領収書を請求する」もしくは「出金伝票を使用して作成する」の2つです。
経費処理で必要な場合は相手に請求する
取引先や店舗における事業用備品の購入など、事業に関係する支出がある場合は、基本的に領収書を求めます。取引において領収書を請求すれば、相手には発行義務が生じるので断られることはありません。
特に高額な取引(10万円以上)の場合は、税務調査などで自分が支払ったことを証明できないと経費と認められない可能性があります。必ず領収書をもらっておきましょう。
ただし現金以外の支払いでは、領収書が不要となるケースがあります。例えば、銀行振込やクレジットカードで支払った場合は、振込明細書や利用明細書が領収書として代用可能です。
宛名は自分の名前か屋号で貰う
領収書の宛名は自分の本名、もしくは屋号を記入してもらいます。両方記入されていても問題はありません。
まれに「上様」という宛名書きを見ることがありますが、代金の支払者が分からなければ証明にはならず、税務調査で領収書と認められない可能性があります。フルネームで正しく記入された宛名が望ましいといえるでしょう。
領収書をもらえない場合は出金伝票を使う
事業に関わる支出であっても、領収書の発行が難しい場合があります。例えば、次のようなケースです。
- 自販機での購入
- 香典・祝儀
- ネットでの取引
- 交通費
領収書を受け取れない事情がある場合は「出金伝票」で代用が可能です。出金伝票には以下の項目を記入します。
- 日付
- 支払先名
- 勘定科目
- 支払いの内容
- 金額(改ざんできないように「¥」や「-」を記入する)
出金伝票と一緒に、案内状や取引履歴などの証拠資料を保管しておくとなおよいでしょう。また、少額の支払いであればレシートも領収書の代用として効力があります。
フリーランスが経費処理で損しないための領収書の取り扱い
節税対策にも有効なフリーランスの経費処理では、経費対象となるボーダーラインを知ることが大切です。ペナルティを課せられないために、領収書管理もしっかりと行いましょう。
開業準備に関する領収書も保管しておく
開業準備のために支払った領収書は捨てずに保管しておきましょう。「開業準備費」として確定申告に反映できます。例えば、次のような費用です。
- 名刺
- 広告費用
- ホームページ開設費用
- パソコンやプリンターの購入費(10万円以下)
- フリーランスになるために参加したセミナー代
開業に関わる費用だと証明できれば、比較的広い範囲で適用されます。処理できる期間は決められていませんが、開業前の1年~半年が目安です。ただし、以下の費用は開業準備費にできませんので注意しましょう。
- 10万円以上の固定資産
- 商品の仕入れ代金
- 敷金・礼金
経費に計上できるかどうかの基準を知る
経費に計上できるかどうかの判断基準は、「事業に関係しているか」「売上に貢献しているか」の2点です。そもそも法律で定められた基準はないため、普遍的な正解もありません。
解釈は人によって異なります。税務調査で指摘された時に事業との関係を説明でき、納得させられることが大切です。
また、自宅と事務所を兼用しているフリーランスの場合、生活費用(電気、水道、通信、賃貸など)の一部を経費計上できます。これを「家事按分」といい、比率は特に決められていませんが、常識的な範囲で算出するのが望ましいでしょう。
なお、経費にできるものについては以下の記事で詳しく解説しています。
経理処理の誤りやペナルティを防ぐ方法
経理・税務申告での間違いを減らす方法は、「経費は領収書をもらい、確実に管理すること」に尽きます。とはいえ、100%間違わないとはいえません。
仮に税務調査で「領収書は残っているが、この支出は経費に該当しない」と判断されるとどうなるでしょうか。追加の所得に対する「延滞税」がかかる可能性はありますが、大きな金額にならないのが一般的です。
ただし、自分が支払っていない支出の領収書を自分の支出として経費処理・税務申告したり、架空の領収書を作成して申告に使ったりといった悪質な行為は別です。税務官が調べればすぐに発覚し、重い追加課税が課されることもあるので絶対に避けてください。
なお、正しい節税知識については以下の記事を参考にしてください。
フリーランスが領収書を発行する際に知っておきたい基本ルール
フリーランスは領収書を受け取るだけでなく、時には発行することもあります。求められた時には発行義務が生じるため、ルールを確認しておくと安心です。ここからは発行時の決まり・コツを解説します。
領収書を請求された場合は発行義務がある
「領収書を請求された場合は発行義務がある」と法律で定められており、民法には次のように記されています。
弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる。
引用元:E-GOV「民法第486条」
弁済をする者は、前項の受取証書の交付に代えて、その内容を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。ただし、弁済を受領する者に不相当な負担を課するものであるときは、この限りでない。
上記の通り、「電磁的記録」による提出を求められた時は応じる必要があります。これは電子帳簿保存法が施行されたことにより、新設された規定です。いずれにせよ、領収書の発行を拒否した場合には、相手側も支払いを拒否できます。
領収書を発行する場合はルールを要チェック
領収書は税務申告・税務調査・決算書類作成に深く関わる書類なので、発行にはルールが定められています。
必要な項目がない、あるいはルールが守られていないなどの不備があると「支払いの証明」として認められず、不正防止といった本来の目的も果たせません。
トラブルにつながる可能性もあり、信用にも関わってくるため発行時のルールを細かくチェックしておくとよいでしょう。領収書の書き方については次項で詳しく解説します。
フリーランスが領収書を発行するステップ・書き方
領収書を求められた時には発行する必要がありますが、全ての支払いに義務が生じるわけではありません。ここからは領収書発行の流れと必要項目、書き方について説明します。
領収書の発行義務・方法を確認する
まずは、本当に領収書を発行すべきかどうか確認しましょう。そのうえで、紙や電子データ(PDF)など形式の確認も忘れずに行います。前述した通り、領収書には発行義務が発生しますが例外もあります。
例えば、クレジットカードによる支払いでは領収書発行が不要とされており、特別な理由がない限り再発行も不要です。銀行振込に対する領収書は原則発行が必要とされていますが、支払者の了承があれば振込明細書を代用として使用できます。
領収書の記載項目・書き方を確認する
税務署が認める経費の証明書には以下の4項目が必要です。
- 書類の作成者の氏名又は名称
- 課税資産の譲渡等を行った年月日
- 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
- 課税資産の譲渡等の対価の額
さらに「領収書作成者の住所」も加えると、なおよいでしょう。
日付
日付欄には代金の支払いが行われた日を記入します。和暦・西暦のどちらでも構いませんが、省略せず正確に記入しましょう。銀行振込の場合は入金された日付とします。税務処理において重要な欄なので、記入漏れには要注意です。
金額
金額欄には受け取った代金を税込みで記入します。
- 数字の先頭に「¥」または「金」をつける
- 数字の末尾に「-」または「※」「也」をつける
- 3桁ごとに「,」を打つ
改ざん防止のために上のような記載方法が用いられるのが一般的です。
但し書き
但し書きには取引した商品やサービスの内容を記入します。経費を証明するという観点から、できるだけ具体的に書くことがポイントです。「書籍代として」「接待費として」のように第三者が見ても分かるような記述を心がけましょう。
もし分かりやすい記述が難しい場合は、明細書や納品書を添付しておくと信憑性が高まります。また、クレジットカード払いの領収書を求められた時には、二重発行を防ぐ意味で「クレジットカード利用」と明記します。
宛名
宛名には支払者の氏名や屋号など正式名称を記入します。企業の場合は「(株)」と省略せずに「株式会社」と書き、さらに前株・後株にも注意しましょう。
空欄や「上様」とするのは極力避けた方が無難です。誰に対する領収書か特定できないため、税務調査で事実関係を問われる可能性があります。
ただし支払いが少額(3万円未満)である場合や、小売業・飲食店業・写真業・旅行業など特定の業種では宛名の省略が可能とされています。
発行者
領収書を発行した人の氏名や屋号、住所などを発行者欄に記入します。手書き・住所印のどちらでも構いません。よく発行者欄に印鑑や角印が押されている場合があります。
押印は法律で定められていないため、必ずしも必要ではありませんが、偽造防止という意味では有効です。ただし、次項で説明する収入印紙の割印は必須となります。
収入印紙の有無も要確認
5万円以上の領収書には収入印紙の貼付が必要です。収入印紙とは印紙税を納税した証明であり、5万円以上が課税対象となります。収入印紙を負担し貼付するのは発行者です。貼付した収入印紙に割印を押すことで納税になると同時に、再使用防止にもなります。
ただし、レシートの場合は「印紙税申告納付につき○○税務署了承済」の印字で省略可能です。クレジットカードについては課税対象となりません。収入印紙の金額は領収書の金額に応じて異なり、以下の通りです。
領収書を発行・複写の控えを保存する
領収書の発行後は控えの保存を忘れないようにしましょう。領収書の控えは取引の証拠になります。控えがなければ取引の証拠や記録が残らず、仮に不備があったとされても事実確認ができません。
手書きであれば、複写式の領収書を使うと便利です。「下敷きを使う」「誤って控えを渡さない」といった点に注意し、一連番号をつけておくと抜けがあった際に見つけやすくなります。領収書と同様に控えについても保管期間は7年です。
フリーランスの領収書発行についてのよくある質問と回答
フリーランスの領収書について解説してきましたが、発行時によくある疑問点についてまとめました。4つのポイントを確認しておきましょう。
発行済み領収書に誤りがあった場合はどうする?
誤りがある領収書を回収・破棄し、正確な内容を記載したうえで再発行します。二重線と訂正印による訂正は可能ですが、修正ペン・修正テープの使用は認められていません。
さらに「日付」「宛名」「金額」の訂正は行わないのが望ましいでしょう。トラブルや悪用される原因となり、正式な領収書と認められない可能性があります。回収した領収書は破棄せず、原本と控えの両方に大きくバツ印をして、ホチキスなどで留めておきましょう。
再発行を求められた場合は応じるべき?
領収書の再発行は原則として拒否が可能です。二重計上を避ける観点から、応じる義務はありません。やむを得ず発行する場合は「再発行」である旨を記載するのも1つの手でしょう。「○○年○月○日の再発行分」のように明記しておけば、不正使用などのトラブルを防げます。
また、あらかじめ「領収書の再発行は行っていない」旨を伝えておくことも有効です。収入印紙についてですが、再発行といえども例外ではなく貼付が必要になります。
印鑑は必要?
法律上は印鑑がなくても領収書として有効ですが、商習慣で押印することも多く、押す方が無難といえます。偽造や改ざん防止にもつながるため、特別な理由がない限りは押印しておきましょう。
取引先によっては「押印のない領収書は不可」というルールがあったり、失礼と感じたりする場合があるため習慣付けておくと安心です。印鑑は個人名の認印で問題なく、発行者名に被せるように押印します。
領収書を発行する必要がないケースとは?
領収書の発行が不要なケースは次の3つです。
- クレジットカード払い
- キャッシュレス決済
- 実態と異なる、あるいは実態がない取引
クレジットカード払いは実際に金銭の授受がないため、原則として領収書の発行が不要とされています。キャッシュレス決済でも同様で、デジタル明細の使用が可能となりました。さらに取引自体がないにもかかわらず領収書を発行することは、文書偽造などの罪に問われます。
まとめ
フリーランスにとって領収書は経費・税務処理に欠かせず、節税にもつながる重要な書類です。いつか来るかもしれない税務調査に備えて、しっかりと保管・整理を行いましょう。また、ルールに則って領収書を発行することで、スムーズな取引が実現できます。
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