AWSエンジニアの年収は高い?低い?1000万を目指す方法も紹介

こんにちは、 ITプロマガジン です。

日本企業でもクラウドサービスの利用が一般的になり、AWSエンジニアをはじめとするクラウドエンジニアの需要が高まっています。需要が高まると報酬もアップするため、「AWSエンジニアの平均年収はいくら?」「これからAWSエンジニアを目指すことは可能?」といった点が気になる人も多いでしょう。

本記事では、AWSエンジニアの平均年収や他のエンジニアとの年収の違い、AWSエンジニアとして年収を上げる方法などを解説するので、ぜひチェックしてみてください。

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エンジニア市場は売り手市場であるものの、いまだに正しいマッチングノウハウが確立されておらず、多くの方が案件探しに苦労されています。

ですが、現在の市場感や企業側に刺さる経験・スキルを理解し正しく案件探しをすれば、誰でも自身のバリューを活かし単価を伸ばすことができる、というのも事実です。

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AWSエンジニアの仕事内容

AWSエンジニアは、Amazonが提供するクラウドサービス「AWS」を取り扱う技術者のことをいいます。

インフラ設計・構築、保守・運用、アプリケーション開発などプロジェクトに求められていることをAWSのシステムを用いて業務を進めていきます。

AWSでは100種類以上のサービスがあり、どのサービスが企業にとって有益であるか、利用していくかを提案・開発を行っていきます。

多くの企業がAWSクラウドを使用したWebサービスを作っていることからAWSエンジニアの仕事は、今後も需要があり、安定した職種であると言えます。

AWSエンジニアの平均年収

働き方平均年収
会社員AWSエンジニア500〜700万円
派遣社員AWSエンジニア384〜576万円
フリーランスAWSエンジニア840〜1080万円

AWSエンジニアの平均年収は、上記のとおり働き方によって違いがあります。ここでは、会社員・派遣社員・フリーランスの3つの働き方について、AWSエンジニアの平均年収の違いを見ていきましょう。

会社員AWSエンジニアの平均年収

dodaindeedなど複数の求人サイトでAWSエンジニアの正社員求人を確認したところ、年収500万円から700万円程度の求人が多く見られました。(2024年2月時点)

会社員AWSエンジニアのおおよその平均年収は、500〜700万円前後といえるでしょう。国税庁が公表した「令和4年分 民間給与実態統計調査」では日本の平均年収は458万円となっているため、会社員AWSエンジニアは全体平均よりも年収が高い傾向にあります。

派遣社員AWSエンジニアの平均年収

同じくindeedなどの複数のサイトを確認したところ、AWSエンジニアの求人の時給相場は2,000円から3,000円でした。(2024年2月時点)

1日8時間、月20日働く想定で年収に換算すると、派遣社員AWSエンジニアの平均年収は384万円から576万円になります。時給3,000円で安定して働き続けられれば、派遣社員AWSエンジニアは日本の平均年収を上回る年収を得られることがわかります。

フリーランスAWSエンジニアの平均年収

フリーランスAWSエンジニアの年収は、受注する案件数や単価によって大きく変わります。フリーランスエージェントの弊社ITプロパートナーズでAWSエンジニアの案件を検索すると、想定月収が70万円から90万円の案件が多く見つかりました。(2024年2月時点)これを年収に換算すると、840万円から1080万円になります。

案件名【C#/AWS】SaaS開発におけるフルスタックエンジニアの案件・求人
案件単価~900,000円/月
勤務地リモート/一部出社
スキル・システム基盤の設計・構築に関し、1年以上の実務経験
・AWS(EC2/RDS/S3)の構築経験
など
職種・ポジションフロントエンドエンジニア/バックエンドエンジニア

こちらは、実際にITプロパートナーズに掲載されているAWSエンジニアのフリーランス案件です。クライアントの自社サービスの開発全般を担当する案件で、AWSの構築経験が必須となっています。週5日勤務で、想定月収は90万円です。

AWSエンジニアと他エンジニアとの年収の違い

「AWSエンジニアの年収が他のエンジニアと比較して高いのか低いのか気になる」という人も多いでしょう。以下は、AWSエンジニアと代表的なエンジニア職について、正社員の平均年収をまとめた表です。年収は求人ボックスのデータを参照しています。

職種平均年収
AWSエンジニア500〜700万円
インフラエンジニア516万円
Webエンジニア549万円
システムエンジニア504万円
社内SE497万円

この表を見ると、社内SEと比較してAWSエンジニアの平均年収は高くなっていることがわかります。その他のエンジニア職については、AWSエンジニアの平均年収の幅に収まりました。AWSエンジニアとして500万円台後半の年収を獲得できれば、他エンジニアの平均年収を上回ることが可能です。

AWSエンジニアの平均年収が高い理由は?

上述したように、AWSエンジニアの平均年収は比較的高い傾向にあります。

では、なぜAWSエンジニアの年収が高く設定されているのか理由についても分析していきましょう。

  • 理由①:需要と供給のバランス
  • 理由②:クラウド産業の将来性
  • 理由③:AWSのシェア率の高さ

需要と供給のバランス

IT業界全体の人手不足が囁かれていますが、AWSエンジニアの人手不足はより顕著に表れています。

多くの企業がAWSへの移行を検討しているのに対し、実際に業務を遂行出来るだけのスキルを持ったAWSエンジニアの絶対数は圧倒的に足りていません。

企業として、採用における優先度が高く設定されているケースも多いことから、年収を高く提示してでも優秀な人材を確保しようという企業が多いようです。

クラウド産業の将来性

従来のオンプレミス環境からクラウド上にサーバーを構築することで費用の削減を図る企業は増え続けており、今後もクラウド産業の成長は著しいことが予測されています。

パブリッククラウドと呼ばれる企業の運営に必要なITインフラストラクチャーを丸ごとクラウドサービスでまかなってしまおうという動きも増えてきており、クラウドエンジニアの需要は増すばかりです。

今後企業にとって、クラウド関連の知識は必須のスキルとなり得ることから、人材の確保に動き出している企業が多いのも平均年収を押し上げる1つの要因でしょう。

AWSのシェア率の高さ

クラウド産業の将来性が高いとご紹介しましたが、中でもクラウド市場で大きなシェア率を確保しているのがAWSです。

canalysの調査では、2023年第2四半期のAWSのシェア率は30%でした。クラウドエンジニアの中でもAWSエンジニアの需要は特に高くなっています。

また、同じくcanalysの情報によると、クラウドインフラストラクチャサービスは2022年第22四半期も引き続き高い需要があり、世界の支出は、データ分析と機械学習、データセンターの統合、アプリケーションの移行、などのさまざまな要因によって、前年比で 33%増加し、623億米ドルになったことを発表しています。

このようにAWS市場は非常に規模が大きく、AWSに特化した専門的な知識を有する方は、クラウドエンジニアの中でも企業が求める割合が高くなるため、平均年収も増加傾向にあります。

AWSエンジニアとして年収1000万円は稼げる?

正社員AWSエンジニアの平均年収は500万円から700万円程度ですが、フリーランスのAWSエンジニアなら年収1000万円を目指すことも可能です。先ほど紹介したとおりフリーランスAWSエンジニアの年収の目安は840〜1080万円で、正社員AWSエンジニアの年収を大きく上回っています。

フリーランスとして年収1000万円を稼ぎたい場合、単純計算で毎月84万円程度の報酬を獲得できれば可能です。実際にITプロパートナーズでは想定月収100万円のAWS案件を扱っているので、このような案件の継続受注を目指しましょう。

システム開発案件は基本的に上流工程に携わるものほど単価が高くなるため、マネジメント経験を積んでプロジェクトマネージャーなどのポジションに就ければ、年収1000万円を実現できる可能性はさらに高まります。

フリーランスエンジニアの年収については以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

フリーランスエンジニアの年収は?会社員との比較や職種別の収入

AWSエンジニアとして年収を上げる方法

AWSエンジニアが年収をさらに上げたい場合、以下のような方法があります。

  • AzureやGCPなど幅広いスキルを身につける
  • AWS認定資格を取得する
  • 最新の情報を積極的に入手する
  • キャリアアップを目指す
  • 年収アップを狙える企業に転職する
  • フリーランスAWSエンジニアとして独立する

上記の方法について、それぞれ以下で解説します。

AzureやGCPなど幅広いスキルを身につける

AWSだけでなくその他のクラウドサービスについての知識・スキルがあると、ほかのAWSエンジニアとの差別化につながります。特に、AWSと並んでシェア率の高いAzureやGCPを扱えるようになっておくと、クラウド関連の幅広い案件に対応できるのでおすすめです。

例えばAWS・Azure・GCPそれぞれの特徴を深く理解しておくと、クライアントに最適な提案がスムーズにできるでしょう。知識やスキルの幅が広いほど、クライアントから信頼してもらえる可能性が上がります。

AzureとAWSの違いを徹底比較!両者の将来性やメリット、使い分け方

AWS認定資格を取得する

資格を取得しておくと、その分野に関する知識・スキルを有していることを客観的に証明できます。AWS関連の資格取得を目指すなら、「AWS認定資格」がおすすめ。

AWS認定資格はAmazonが運営する公式の資格試験で、以下のレベルに分類される複数の試験があります。

レベル概要
FOUNDATIONAL・AWSの基礎的な内容が問われる試験
・事前の経験は不要
ASSOCIATE・AWSに関する知識とAWS上でのシステム構築に対応できるスキルが求められる試験
・クラウドおよびオンプレミスでのIT経験があることが望ましい
PROFESSIONAL・AWS上でのアプリケーションの設計やプロセスの自動化など、高度な知識・スキルが問われる試験
・2年以上のAWS経験が推奨される
SPECIALTY・ネットワーク、データベース、機械学習など、各専門領域に特化した複数の試験が用意されている
・それぞれの領域に関する高い知識・スキルが問われる

最新の情報を積極的に入手する

AWSは常にアップデートされているため、最新の情報を積極的に入手する姿勢も求められます。情報収集を怠るとクライアントに最適な提案ができず、信頼を失ってしまうおそれがあります。高い報酬を獲得できる優秀なAWSエンジニアになるためには、最新情報のキャッチアップとスキルの習得が欠かせません。

キャリアアップを目指す

エンジニアからのキャリアアップも、年収をアップさせる方法のひとつです。AWSエンジニアのキャリアパスとして、以下のような選択肢があります。

  • AWSスペシャリスト
  • プロジェクトマネージャー
  • フルスタックエンジニア
  • コンサルタント

「AWSについてスキルを極めたい」「上流工程を担当できるようになりたい」など、なりたい将来像に合わせてキャリアパスを考えてみてください。

フルスタックエンジニアとは?年収やなる為に求められる5つのスキル

年収アップを狙える企業に転職する

会社員が年収をアップさせる近道のひとつが、より高い年収が得られる企業への転職です。転職エージェントなどを使って、今の自分のスキルに見合う報酬が得られているのか一度確認してみるのもおすすめ。人によっては、転職によって年収を大きくアップさせられるケースもあります。

ただし、年収だけで企業を選ばないことも大切です。転職先の業務内容が理想とするキャリアパスに合っているかなど、年収以外の条件もしっかり確認するようにしてください。

フリーランスAWSエンジニアとして独立する

先ほど紹介したとおり、フリーランスAWSエンジニアの年収は会社員AWSエンジニアよりも高い傾向にあります。そのため、フリーランスとして独立して高単価案件を獲得できれば、年収を大幅にアップさせられます。

ただし、高単価案件を受注するには高いスキルや知識、豊富な経験が求められる点に注意してください。クライアントが求める水準に届かなければ案件を受注できず、独立によって年収が下がってしまうケースもあります。

フリーランスAWSエンジニアの働き方とは?案件単価や必要スキル

AWSエンジニアになるために必要なスキル

AWSエンジニアには、以下の知識・スキルが求められます。

  • AWSに関する知識・スキル
  • ITインフラに関する知識・スキル
  • データ管理に関する知識・スキル
  • セキュリティに関する知識・スキル
  • Web開発に関する知識・スキル

それぞれどのようなスキルが求められるのか、以下で詳しく見ていきましょう。

AWSに関する知識・スキル

AWSエンジニアには、当然ですがAWSに関する知識・スキルが必須です。AWSは仮想サーバーやネットワーク、データベースなどサービスの種類が多いため、EC2やRDSなど主要なサービスから優先的に扱えるようになっておくとよいでしょう。

ITインフラに関する知識・スキル

AWS上に開発環境を構築する案件も多いため、サーバーやネットワークなどITインフラに関する知識やスキルも求められます。また、オンプレミスからクラウドへ移行する案件もあるため、オンプレミス環境のサーバーなどを扱えるとAWSエンジニアとして受注できる案件の幅が広がります。

データ管理に関する知識・スキル

AWS上に多くのデータを保存するほど課金されるため、コスト管理の観点からデータ管理に関する知識・スキルも重要になります。不要なデータを保存しておくと無駄なコストがかかってしまうため注意してください。データのバックアップや移行について適切に設計し、無駄のない管理ができるエンジニアは、コスト削減にも貢献できます。

セキュリティに関する知識

サイバー攻撃の多様化・巧妙化が進むなか、インターネット経由で利用するクラウドサービスを扱う場合はセキュリティに関する知識も欠かせません。システムの設計やAWSの設定が適切にできていなければ、サイバー攻撃を受けた際に甚大な被害を受けてしまう可能性があります。

AWSでは不正アクセスの防止やモニタリング、インシデントの検出などセキュリティ関連のサービスも提供しているため、これらのサービスについての知識・スキルも習得しておきましょう。

Web開発に関する知識・スキル

AWSエンジニアとして仕事の幅を広げたいなら、Web開発に関する知識・スキルの習得がおすすめです。Webサービスやシステム、アプリの仕組みや動作を理解しておくと、AWS案件で環境構築から実際の開発まで広く担当できるようになります。AWS関連の知識を身につけたら、追加でプログラミングスキルの習得も目指すとよいでしょう。

未経験からAWSエンジニアになるには?

未経験からAWSエンジニアを目指したいと考えている人もいるかもしれませんが、全くの未経験からいきなりAWSエンジニアにチャレンジするのは簡単なことではありません。

「経験がないけどAWSエンジニアになりたい」という人は、まずインフラエンジニアもしくはプログラマーとしての経験を積むのが近道です。以下で、インフラエンジニアから目指す道とプログラマーから目指す道について、それぞれ解説します。

インフラエンジニアから目指す道

インフラエンジニアとは、サーバーやネットワークなどITインフラの設計・構築・運用などを担当するエンジニアのことをいいます。インフラエンジニアからAWSエンジニアへの転身は、メジャーなキャリアパスのひとつです。

AWSエンジニアはクラウド環境上にインフラを設計・構築する仕事を担うため、インフラエンジニアとしての経験が役立ちます。AWS案件のなかにはネットワーク設計やサーバー構築などの実務経験が求められるものもあるため、インフラエンジニアとしての経歴は有利になるケースも多いです。

インフラエンジニアとして数年間の実務経験を積んだら、AWS関連の知識・スキルを習得しましょう。その後、クラウドソーシングやエージェントなどを使って規模の小さいAWS案件から経験を積んでいけば、AWSエンジニアへのキャリアチェンジが目指せます。

プログラマーから目指す道

プログラマーは、プログラムを記述して仕様書のとおりにシステムを実装する職種です。AWS案件のなかにはシステム開発経験が求められるものもあり、プログラマーとしての経験が役立つことも多いです。

PythonやRuby、PHPなどが扱えると、AWS上での開発案件を受注できる可能性があります。プログラミングに興味がある人は、プログラマーからAWSエンジニアを目指すのもおすすめです。

プログラマーの平均年収はいくら?言語・企業・働き方別の収入実態

AWSエンジニアの将来性

AWSエンジニアの将来性に関しても、ほぼ間違いなく需要の高い状態が継続すると予測できます。 総務省のクラウドサービスにおけるデータでも以下のように需要が増加していることを表しています。

クラウドサービスの需要が上がっているということは、比例してAWSエンジニアの需要も上がってきます。

現状オンプレミス環境からクラウド環境への移行を進める企業が多く、環境構築と保守・運用を含めて実装ができるAWSエンジニアが必要になります。

特に、クラウドサービスのような大規模プラットフォームを利用する場合、企業が頻繁に他社サービスへの乗り換えを行うとも考え難いため、現状シェア率の高いAWSエンジニアは数年以上に渡り高い需要が見込まれます。

また環境移行に関しても、現状大企業は移行を進めており、多くの中小企業もこれからクラウド環境への乗り換えを行うことになってきます。

新規案件に関しても、AWSエンジニアの需要が高い状態は引き続き継続されるものと予測できます。

まとめ

AWSは世界で高いシェアを誇るクラウドサービスで、日本でもAWSを活用している企業は少なくありません。そのためAWSを扱えるエンジニアは需要が高く、会社員AWSエンジニアの年収は全体平均を上回っています。また、AWS関連のフリーランス案件は高単価なものが多く、フリーランスAWSエンジニアは年収1000万円を超えるケースも。

AWSエンジニアとしてより年収をアップさせたいなら、AzureやGCPといったAWS以外にシェアが高いクラウドサービスの知識・スキルを習得するといった方法があります。フリーランスとしての独立を考えている場合は、高単価案件を扱うエージェントの活用を検討してみてください。

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