自社開発とは?受託開発・客先常駐と比較したメリット・デメリット

こんにちは、ITプロマガジンです。

エンジニアの働き方には、大きく「自社開発」「受託開発」「客先常駐」の3つがあります。

このうち自社開発は、エンジニアが目指すべきゴールと捉えられることが珍しくありません。特に経験の少ないエンジニアほどその傾向は強く、自社開発を絶対視しているような意見も見られます。

しかし、自社開発・受託開発・客先常駐にはそれぞれメリット・デメリットがあります。本来はそれぞれの働き方を比較して、自分にあった働き方を選択するべきでしょう。

そこで本記事では、自社開発とは何か?を、受託開発・客先常駐の働き方とそれぞれ比較しながら紹介します。自身にとってどの働き方が最適か、確認してみてください。

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Contents

自社開発とは?働き方や受託開発との違い

自社開発とは、自社でシステムを作成し公開もしくは販売することを指します。

自社開発では、商品やサービスを1から作成します。自社開発の企業のタイプは大きく「企業内で利用するシステムを開発する自社開発」「企業外のユーザーが利用するシステムを開発する自社開発」の2つです。

自社開発の場合、一般的には自社内に設置されたIT事業部などがシステムを自分たちで企画・設計し、他部署と連携しながらシステムを作ります。

一方、受託開発ではクライアントの提案を受けてシステムを設計・構築します。発注者である企業や組織から依頼を受けアプリケーションやサイトのシステムなどを請け負い作成し納品します。

これらをもとにまずは、自社開発の働き方、メリット・デメリットを確認しましょう。

自社開発エンジニアとして働くメリット7つ

自社開発エンジニアには、以下の7つのメリットがあります。

  • スケジュールの調整が付けやすい
  • コミュニケーションが取りやすい
  • サービスの良し悪しを直接実感できる
  • 企画段階から業務に携われる
  • 開発に集中できる
  • エンジニアの意見が反映される
  • ヒットすれば社内評価が上がる

それぞれのメリットを解説します。

1.スケジュールの調整が付けやすい

自社開発エンジニアには、スケジュールの調整がしやすいというメリットがあります。

特に自社内で利用するシステムを開発する場合は、売上に直結することが少ないため、ゆるめの納期が設定される傾向があります。

とはいえ、制作期間が長くなれば従業員の賃金というコストがかさむため、余りあるほどの長期の開発期間が設けられることは少ないでしょう。しかしそれでも、比較的余裕を持ったスケジュールで開発にあたることが可能です。

一方で受託開発の場合は、発注元の企業が提示する金額や納期などに合わせなければなりません。そのため、厳しいスケジュールが組まれることも多いのが現状です。

2.コミュニケーションが取りやすい

自社開発エンジニアの場合、周囲とコミュニケーションが取りやすいこともメリットの1つです。

ともに働くスタッフは自社の社員が大半を占めるため、プロジェクトが始まる前からの知り合いであることも珍しくありません。また、他の部署でも同じ企業で働いていることから、ある程度気軽にコミュニケーションを取ることができます。

一方、受託開発や客先常駐の場合には、コミュニケーションを取る相手が自分とは異なる企業の社員になることがほとんどです。そのため、気軽に質問できない、コミュニケーションが取りにくいといったケースも少なからず出てきます。

3.サービスの良し悪しを直接実感できる

自社開発エンジニアの場合、サービスの良し悪しを直接実感しやすいというメリットもあります。

開発したものが社内向けシステムであれば、同僚からの使用感を直接聞くこともあるでしょう。一般向けにサービスを公開した場合は、インターネット上にレビューや体験談が投稿されることもよくあります。

大きな売り上げが発生した場合は昇進につながるケースも多く、自信にもつながるでしょう。

一方、受託開発の場合は、システムを納品した時点で基本的な作業が完了します。ユーザーが実際にどのように利用して、どのような感想を持ったのか直接聞くことは難しいケースも多くあります。

4.企画段階から業務に携われる

企画段階から業務に携わることができるのも、自社開発エンジニアのメリットの1つです。

「こんなサービスがほしい」「こんなシステムがあればいい」というアイデアを出し、形にできる経験は非常に面白く、勉強になることでしょう。

一方、受託開発の場合は、クライアント企業が企画します。こちらは指示された仕様どおりにシステム開発を行っていくことしかできません。

5.開発に集中できる

開発に集中できることも、自社開発エンジニアのメリットです。

自社開発エンジニアの場合、自社内で仕事をします。勝手がわかっているオフィスで、よく知っている同僚たちと仕事ができるため、余計な気遣いなどをする必要がありません。万一トラブルが発生した場合も、すぐに上司に相談できます。

一方、受託開発の場合は、トラブルが発生した場合にクライアントと相談などをしなければいけないケースが多いです。客先常駐の場合は、慣れないオフィスでクライアント企業の人たちと一緒に仕事をします。円滑に作業を進めるにはさまざまな気遣いが必要になるため、開発に集中しにくいと感じる人もいるでしょう。

6.エンジニアの意見が反映される

エンジニアの意見が反映されるのは、自社開発エンジニアのメリットです。

企画の段階から各部門でアイディアを出し合い、どのようなプロダクトを作っていくかを話し合います。そのなかにはもちろんエンジニアもいるため、エンジニアの視点からも意見やアイディアを出し最終的に自分の意見が反映されることで大きなやりがいにつながっていきます。

その点、受託開発では、他社からどのようなプロダクトを作るかを事前にもらうため自分の意見が反映されないことがほとんどです。一から企画に関わることで学びだけでなく達成感が得られるのは大きいでしょう。

7.ヒットすれば社内評価が上がる

ヒット作を出すことで社内評価につながるのは、大きなメリットです。

世の中にはさまざまなサービスや製品が出回っていますが、ヒット作というのはそのなかのごく一部になります。自社開発でヒット作が出ればそれが大きな利益につながったり、社内業務効率化になったりとプラスに働きます。

結果的に、プロジェクトメンバーの社内評価や昇給・昇進につながることが大いにあります。

自社開発エンジニアとして働くデメリット6つ

自社開発エンジニアのデメリットには、以下の6つがあげられます。

  • スキルがないと入社が厳しい
  • 使用するスキルが偏る
  • 人脈を作りにくい
  • プロダクトに興味がないと継続しにくい
  • 利益が出なかった時のリスクが大きい
  • 労働時間が膨れ上がる可能性がある

それぞれのデメリットを順番に解説します。

1.スキルがないと入社が厳しい

自社開発エンジニアは、エンジニアとしてのスキルがない状態では入社そのものが厳しいのが実情です。

自社開発では、新卒以外の未経験者を採用することは基本的にありません。企業が求めるスキルをある程度以上のレベルで保有していることが、入社の最低条件となるでしょう。さらに、エンジニアに人気の働き方であることから競争率も高くなります。

一方、客先常駐は比較的経験の浅い人でも出向させるため、採用基準はゆるくなりがちです。

2.使用するスキルが偏る

使用するスキルが偏りがちなのもデメリットの1つです。

自社開発エンジニアは、ある程度限られた分野の技術しか利用しないことが多く、実務レベルで身につけられるスキルに多少なりとも偏りが生まれます。特に、社内で独自開発したフレームワークなどを利用することで身についたスキルは、社外でほとんど役に立たない可能性もあります。

さらに限定したスキルしか持っていない場合は、転職の足かせになってしまう点にも注意が必要です。自社開発に特化した結果、市場で広く必要とされるスキルが身につかず、他社で通用しないエンジニアになってしまうこともあります。結果として、「スキルの偏りが原因で転職したくてもできない」という状況になりかねません。

自社開発の現場で働く場合は、積極的に新しい言語などを学ぶなど、スキルが偏らないよう自主的に勉強を続けていく必要があるでしょう。

3.人脈を作りにくい

自社開発エンジニアは基本的に自社内で仕事をするため、外部の人と出会う機会は少なく、人脈をつくりにくいこともデメリットの1つです。定年まで同じ仕事を続けるのであれば困らないかもしれませんが、人脈があれば新しい情報に触れたり視野を広げたりするきっかけにもなります。

自社開発エンジニアとして働く場合は、意識して社内外のなるべく多くの人とコミュニケーションを取り、人脈を広げておくことをおすすめします。

4.プロダクトに興味がないと継続しにくい

プロダクトに興味がないと、仕事を継続するモチベーションを維持しにくい点もデメリットだといえるでしょう。

自社開発エンジニアの仕事は、自社プロダクトを開発することです。そのため自社プロダクトに興味や関心を持てないと、「仕事がつまらない」「働く意欲がわかない」といった理由から、仕事を継続するのが難しいと感じる人もいます。

特に、幅広いスキルを身につけることが好きなエンジニアは、自社開発では物足りなさを感じる可能性があります。逆に、1つの技術を深掘りして身につけていきたい人にとっては、充実感が得られる可能性も高いでしょう。

5.利益が出なかった時のリスクが大きい

自社開発のエンジニアの場合、開発したプロダクトで利益が出ないと経営状態が悪化し、昇給が望めなくなったり、プロジェクトの規模が縮小したりするリスクがあります。特にベンチャー企業で柱となるプロジェクトが失敗すれば、そのまま倒産することもあり得るでしょう。

一方で受託開発や客先常駐であれば、求められた仕事をするだけで会社の売り上げにつながるため、利益が出るか否かの心配は無用です。また、万が一プロジェクトが頓挫した場合でも別の案件に切り換えるなどの対処がしやすく、リスクは小さいといえます。

自社開発は、受託開発や客先常駐のように仕事をすれば必ず売り上げになるというものではありません。売り上げによっては、自分の給与などにも影響があることを視野に入れておく必要があるでしょう。

6.労働時間が膨れ上がる可能性がある

自社開発であっても、労働時間が膨れ上がる可能性があります。

自社開発はスケジュールの融通がききやすいといわれます。しかしサービスや商品に問題が起きた場合は、24時間体制での対応に追われることも少なくありません。

スタートアップ企業では、経営を軌道に乗せるために朝から晩まで働いているという話も頻繁に耳にします。自社開発だから納期もなく、緩いスケジュールだと思って入社すると、後悔することになるかもしれません。

受託開発とは?自社開発と比較した働き方とメリット・デメリット

受託開発の働き方やメリット・デメリットを、自社開発エンジニアと比較しながら解説します。

受託開発エンジニアは依頼元が中心の働き方

自社開発エンジニアの仕事が自社内で完結するものであるのに対し、受託開発は依頼元(クライアント)中心の働き方であることが大きな違いだといえるでしょう。

受託開発は、発注者から依頼されたシステムを作成する働き方です。サイトのデザインや機能といった面で提案をすることはありますが、最終決定権は発注者側にあります。

納期についても、発注者側から納品日を指定する形で依頼されるケースがほとんどです。

受託開発エンジニアのメリット

受託開発エンジニアのメリットは、主に以下の3つです。

  1. さまざまな企業のシステム開発に携わることが可能
  2. 安定して仕事を獲得しやすい
  3. 事務所持ち帰り案件が多い

順番に見ていきましょう。

1.さまざまな企業のシステム開発に携わることが可能

受託開発エンジニアの大きなメリットの1つは、さまざまな企業のシステム開発に携われることです。

受託開発においては、システムの納品で一旦仕事に区切りがつき、そのあとは別の企業のシステム開発に参画します。つまり、同じ企業に所属していながら、さまざまな企業のシステム開発に参加できるのです。

2.安定して仕事を獲得しやすい

エンジニアを雇って開発を手がける企業からすると、受託開発は自社開発と比較した場合に安定して仕事を獲得しやすい傾向があります。

受託開発では納品が完了した時点で売り上げが発生します。そのため、企業としても予算の都合が付けやすく、業績を安定させやすいことがメリットです。企業の経営状態が安定すれば、雇用されて働く側も安心して仕事ができます。

一方、自社開発では、商品が売れなければ売上が発生しません。開発したシステムが売れない場合や、あるいは売上に貢献しなかった時には、赤字に陥りやすくなります。

3.事務所持ち帰り案件が多い

受託開発エンジニアは、受託した側の企業が自社でシステム開発を行う「事務所持ち帰り案件」が多いこともメリットです。

基本的には自社内で作業を行うため、チームをある程度自由に組めます。経験が浅いエンジニアでも、実地研修をかねてプロジェクトに参加できるでしょう。

受託開発エンジニアのデメリット

受託開発エンジニアのデメリットとしてよくあげられる点は、以下の2つです。

  1. 案件毎に求められるスキルが異なる
  2. 人間関係を案件毎に1から築く必要がある

詳しく解説します。

1.スケジュールが厳しくなりやすい

受託開発エンジニアはスケジュールが厳しくなりがちです。

その原因の1つとして考えられるのが、短納期かつ低コストで納品可能だとアピールして案件を獲得しようとする営業担当者がいることです。

依頼者側から見ると、「価格」と「納期」は委託先を決める際の重要なポイントです。そのため受注したい企業間で価格競争が起こり、無理なスケジュールが設定されるケースも少なくありません。

その結果、デスマーチと呼ばれる残業だらけのプロジェクトが発生しやすくなるのです。

2.顧客の意見に振り回されやすい

受託開発エンジニアは顧客の要望に従って開発を進めるため、顧客側の方針や好みなどに振り回されることがあるのもデメリットだといえるでしょう。開発が始まってから「仕様を変更したい」「機能を追加したい」といった要望が出てくることも珍しくありません。

また、顧客の既存システムの保守などに関する仕事では、最先端の技術ではなく、あまり使われなくなったプログラミング言語を使わざるを得ないこともあります。顧客の意見に現場が振り回されてしまうことにストレスを感じる人は多いでしょう。

客先常駐とは?自社開発と比較した働き方とメリット・デメリット

客先常駐エンジニアの働き方やメリット・デメリットを、自社開発エンジニアと比較しながら解説します。

客先常駐エンジニアは多様な企業の案件に参画する働き方

客先常駐エンジニアは、依頼企業または受託開発を行っている企業のオフィスなどへ出向し、自社開発や受託開発のサポート的なポジションで仕事をします。そのため、基本的に自社に自社の仕事のみをこなす開発エンジニアとは違い、多様な企業の案件に参画できる働き方だといえるでしょう。

また、「コーディングのみ」や「テストのみ」など、特定の期間のみプロジェクトに参加することも多いことも特徴の1つです。

客先常駐エンジニアのメリット

客先常駐エンジニアのメリットは、主に以下の3つです。

  1. さまざまな企業の人と交流できる
  2. 現場を転々としていても問題視されない
  3. 極端な残業にはなりにくい

順番に解説します。

1.さまざまな企業の人と交流できる

企業に訪問して仕事をする客先常駐エンジニアは、さまざまな企業の人と交流を持つことができます。

自社開発や受託開発のエンジニアは、働き方や仕事の性質上、他の企業の人と関わりを持つ機会が少なく、人脈を広げることが難しくなりがちです。しかし客先常駐においては、自社よりも上流を担当する企業の社員と交流を深めることも難しくありません。

将来的に転職を希望する場合にも、築いた人脈からヘッドハンティングや紹介などを介して新しい働き先が見つかることも少なくないでしょう。

2.現場を転々としていても問題視されない

客先常駐エンジニアにとって、プロジェクトやフェーズごとに案件が変わることは珍しくありません。複数の現場を転々としていても、問題視されることはないでしょう。

長く同じ職場で働くことを苦痛に感じるのであれば、客先常駐エンジニアとして数ヶ月単位で案件を移っていくことは効率的な働き方だとも考えられます。

3.極端な残業にはなりにくい

客先常駐エンジニアには、極端な残業が発生しにくいというメリットもあります。

その理由は、自社が常駐先企業と契約する際に、労働時間単位で契約が行われるためです。働いた時間分だけ人件費がかかる以上、残業が発生すればするほど、常駐先企業が支払う費用は高くなります。常駐先企業はできる限り人件費を抑えたいと考えるため、結果的に極端な残業が発生しにくくなっています。

企業間においては残業代を払わないなどの措置は実質不可能です。そのため常駐先企業側も契約時間内で作業が完了するよう配慮します。

一方、受託開発エンジニアの場合は納品が最優先であるため、長時間残業も起こりやすくなります。

客先常駐エンジニアのデメリット

客先常駐エンジニアならではのデメリットとしては、以下の2つがあげられます。

  1. 案件毎に求められるスキルが異なる
  2. 人間関係を案件毎に1から築く必要がある

順番に見ていきましょう。

1.案件毎に求められるスキルが異なる

客先常駐エンジニアは、案件によって求められるスキルが異なります。そのため、フレームワークはもちろんのこと、プログラミング言語自体も柔軟に切り替えなければなりません。

さまざまなスキルを学べるという意味ではメリットがありますが、すべてのスキルが中途半端になりやすいという欠点もあります。そのため、技術者として高度なレベルに到達することが難しいといったデメリットが付きまといます。

2.人間関係を案件毎に1から築く必要がある

客先常駐では、案件を移るたびに1から人間関係を築く必要があります。

客先常駐のエンジニアは、案件によって働く場所が変わります。一般的に数ヶ月から1年単位で案件が変わることから、関係が深まりはじめたタイミングでプロジェクトを抜け、新たなチームに参加することも珍しくありません。

うまくチームに溶け込み滞りなく仕事を進めるには、メンバーとの信頼関係を結ぶことが必須です。数ヶ月単位での信頼関係構築は負担も大きく、デメリットと呼べるでしょう。

エンジニア未経験から自社開発企業に転職することは可能?

エンジニア未経験から、自社開発企業に転職することは可能でしょうか。

結論から言うと、未経験エンジニアが自社開発で働くのはほぼ不可能と考えてよいでしょう。

自社開発で働くには、高いスキルとコミュニケーションスキルが必要です。未経験エンジニアの場合、コミュニケーションスキルがある程度高い人はいたとしても、スキルが高い人はほとんどいないでしょう。

まずは受託開発企業などで経験とスキルを積み、そこから自社開発企業に転職することを考えたほうがよさそうです。

エンジニア未経験であっても自社開発企業に転職したい場合は、自社開発企業への転職実績が多いプログラミングスクールで学ぶという方法があります。自社開発企業への転職実績が多いプログラミングスクールをいくつか挙げておきます。

自社開発で求められるスキル

自社開発エンジニアには、「スピーディーな対応力」「調査・分析力」「人間関係を構築するスキル」の3つのスキルが求められます。

スピーディーな対応力

まずは、スピーディーな対応力です。

自社サービスとしてシステムを開発・販売する以上、良いアイデアをできるかぎり短期間で形にし、リリースする力が求められます。

調査・分析力

調査・分析力も必要なスキルです。

商品としてシステムを開発するにはまず、「どのようなシステムに対するニーズがあるのか」「なぜそのようなニーズがあるのか」を知る必要があります。そのうえで「どうすればそのニーズを満たせるのか、ユーザーの課題を解決できるのか」といったことを考え、計画を立てなければなりません。

そのためには最新かつ正確な情報を収集し、世間のトレンドやユーザーの傾向などを把握する必要があります。市場を調査して情報を収集するスキルや、データを分析するスキルがない状態では、売り上げにつながるシステムを開発することは難しいでしょう。

人間関係を構築するスキル

1つの会社で長く働くためには、組織のなかで人間関係を構築し、周囲と協力しながら仕事を進められるスキルが求められます。

円滑な人間関係を築くスキルは、受託開発や客先常駐の場合も必要なものです。しかし、次々と案件をこなす働き方であるがゆえに数ヶ月だけの付き合いで終わることも多く、多少コミュニケーションに難があっても大きな問題にはなりにくいといえます。

その点、自社開発エンジニアは、特定のメンバーと長く付き合うことになる可能性が高いため、人間関係を築くスキルが重要だといえます。

自社開発企業一覧と平均年収

自社開発企業にはどのようなものがあり、そのエンジニアの年収はいくらくらいなのでしょうか。ランキング形式で表にまとめました。

順位平均年収
1位:株式会社メルカリ982万円
2位:株式会社リクルートホールディングス852万円
3位:株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)794万円
4位:グリー株式会社742万円
5位:GMOフィナンシャルホールディングス株式会社700万円
6位:エムスリー株式会社679万円
7位:株式会社サイバーエージェント 639万円
8位:ヤフー株式会社631万円
9位:株式会社SmartHR410〜700万円
10位:合同会社DMM.com535万円

※株式会社SmartHR以外の数字はopenwork参考。株式会社SmartHRの数字はIndeed企業口コミ参考。

ひとことで自社開発企業といっても、その年収には200万円以上の差があります。収入面にメリットを感じて自社開発に転職したい場合は、あらかじめ口コミサイトなどで平均年収を確認しておくとよいでしょう。

自社開発の優良企業の見極め方

自社開発であっても、優良企業とそうでない企業があります。自社開発の優良企業の見極めるポイントは以下の4つです。

  • 自社サービス・製品できちんと売上を上げている
  • 複数のサービス・製品も取り扱っている
  • インターネットでの評判が良い
  • 受託開発も並行して行っている

自社サービス・製品できちんと売上を上げている

まずは、自社サービス・製品で売上を確保していることです。

一見売上好調な企業であっても、よく見ると本業以外のビジネスで利益を出していて、肝心な本業のビジネスではあまり利益を出せていないケースがあります。

優良企業は、本業のビジネスで利益を出しています。本業でどれだけ利益を出しているかを確認しましょう。

複数のサービス・製品も取り扱っている

複数のサービス・製品を取り扱っているかも確認しましょう。

主力のビジネスで成功していれば、他の分野に投資できる余裕ができます。つまり、複数のサービス・製品を取り扱っている企業は、他の分野に投資できる程度に主力のビジネスに成功している、安定している企業であると判断できます。

インターネットでの評判が良い

インターネットでの評判が良いことも、優良企業のポイントの1つです。

特に匿名の口コミサイトなどでは、匿名であるがゆえに本音の意見が集まりやすくなっています。こういったサイトの情報を確認して、企業の評判を確認しましょう。

受託開発も並行して行っている

受託開発も並行して行っている企業は、優良企業であると考えてよいでしょう。

自社開発のみの場合、自社サービスの売上が落ちればとたんに経営は不安定になります。しかし受託もやっていれば、自社サービスの売上が落ちても受託の売上は残るので、安定した売上を確保できると判断できます。

自社開発・受託開発・客先常駐はどう選べばいい?

結局のところ、自社開発・受託開発・客先常駐は何に注目して選べばよいのでしょうか。

答えは「自分はどういった働き方がしたいか」によります。

まずは自分の働く目的とベストな働き方をイメージしてください。例えば、「なるべく良い労働環境で働きたい」「サービスの企画からやってみたい」と思うのであれば、自社企業を選ぶとよいでしょう。

さまざまな業界・企業の案件に携わりたいなら受託開発、企業の壁を越えて人脈を広げたいなら、客先常駐が向いているでしょう。

インターネット上の情報では、「エンジニアなら自社開発を目指すべき」「一番働きやすいのは自社開発企業」などの発言も多く見られます。

自分の働き方を考えたうえで出した答えが「自社開発」であれば問題ありません。しかしなんとなく「自社開発が良いらしい」程度の認識で転職活動をしてしまうと、入社後に「なんか違う」と後悔する可能性もあります。

それぞれの企業における働き方とメリット・デメリットを確認し、判断しましょう。

自社開発に関するよくある質問

最後に、自社開発という働き方に関するよくある質問と回答をご紹介します。

自社開発とSESの違いは?

SESとはシステム・エンジニアリングサービスの略で、企業にエンジニアを派遣する仕組みのことです。SES企業が手がける事業はエンジニアを派遣することであり、自社で開発を行うことはありません。SESで働くエンジニアは、一般的に客先常駐で仕事をこなすことになります。

一方で自社開発のエンジニアは、自社で使ったり販売したりするシステムを開発する働き方です。自社開発を行う企業は、エンジニア不足を補うためにSESを利用することもあります。

「SESはやめとけ」と言われる6つの理由!実態や契約形態も解説

自社開発はやめとけと言われる理由は?

自社開発はやめとけという意見の根拠となるのは、主に次の3つです。

  1. 会社の経営状況がサービスや商品の売り上げに左右される
  2. 自社開発でも労働時間が膨れ上がる可能性がある
  3. 1つの技術に偏りがちなため、転職に苦労する

もしも開発に失敗すれば企業の経営が傾きかねないことは、自社開発のデメリットだといえるでしょう。1度でも失敗した経験があるエンジニアであれば、おすすめできないと考えても不思議ではありません。

また、自社開発であっても働き詰めになってしまう現場があることや、身につくスキルが限定的なことも、やめたほうがいいといわれる理由です。

自社開発が勝ち組と言われる理由は?

自社開発エンジニアが勝ち組といわれるのには、「残業が少なめ」「納期にゆとりがあり精神的に追い詰められない」といった理由があげられます。また、ユーザーの声に触れる機会があることも、仕事に取り組むモチベーションにつながるでしょう。

このほか、1つの会社で勤め上げることは、変化を好まない人にとって大きなプラス要素だといえます。自分自身の個性と社風が合う場合は、常に働きやすい環境で仕事ができるという点も魅力的です。

まとめ

自社開発と受託開発、客先常駐での働き方を比較しながら、それぞれのメリット・デメリットについてご紹介しました。

どの働き方にもメリット・デメリットがあります。そしてどの働き方が合っているかどうかは、自分自身の働く目的次第です。

転職活動を行う際は、まずは自分の目的や目標を十分に検討することから始めましょう。それから自社開発・受託開発・客先常駐の働き方を比較し、選んで、満足できる転職を実現させてください。

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