こんにちは、ITプロマガジンです。
「個人事業主に興味はあるけれど、自分でもなれるのか心配」という方もいるのではないでしょうか。結論からいえば、法律上は個人事業主になれない人はいません。しかし、個人事業主に向かない人はいます。
そこで本記事では、個人事業主を検討している人向けに、なれない人や活躍しやすい人の特徴、独立におすすめな職種、なり方などについて紹介します。
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目次
個人事業主になれない人はいない
冒頭で紹介した通り、基本的に個人事業主になれない人はいません。個人事業主になるために必要なのは、開業届を税務署に提出することです。開業届は正しく記入されてさえいれば、適性やスキル・経験の有無を問わず受理されます。
ただし、例外として以下の人は注意が必要になります。
- 18歳以下の人:契約を締結するような行為を行う場合、両親による同意書や証明書が必要
- 公務員:国や国民のために働くことが義務であり、地方公務員法によって副業禁止が定められているため
- 会社の就業規則で禁止されている会社員:本業に支障をきたしたり、企業の情報漏洩する可能性を防ぐため
また、精神上の障害により判断能力が欠如している成年被後見人や社会的に信用の低い破産者や禁固以上の刑に処されたことがある人も、難しい場合があります。
なお、法律上は個人事業主になれても、性格やスキルの面で向いていない人は存在します。
向いていない人が個人事業主になると、思うように仕事ができず苦労したり、すぐに廃業してしまったりする可能性があります。個人事業主として長く活躍できる人のことを「個人事業主になれる人」と考えるのであれば、こうした人は個人事業主になれない人といえるでしょう。
そもそも個人事業主とは?
個人事業主とは法人を設立せず、個人で事業をおこなっている人や事業形態を指します。
個人事業主として事業を開始する際には、税務署に「開業届」を提出する必要があります。開業届を出さずとも個人事業主として活動はできますが、税法上「個人事業主」と呼ばれるのは、開業届を提出した人になります。
個人事業主は、自営業やフリーランスと混同されやすくそれぞれの違いについて確認していきましょう。
個人事業主と自営業の違い
自営業は他の会社に属さず働くといった働き方を指し、そのような人を自営業者と呼びます。
自営業者の中には個人事業主が含まれますが、個人事業主は自営業者の一部に過ぎません。また個人事業主と比較すると、自営業主は飲食店などの実店舗を構えて事業を行っている人を指すのが一般的です。
個人事業主とフリーランスの違い
フリーランスは個人事業主と比べると、業務や働き方において大差はありません。個人事業主も広義ではフリーランスとなります。
しかし税務上で明確な違いがあります。個人事業主とは、税務署に個人事業主として開業届けを提出した人を指す名称です。一方でフリーランスは単に「働き方」を指す言葉であり、開業届けを提出してないフリーランスは、税務上個人事業主ではありません。
フリーランスと個人事業主の具体的な違いについて知りたい方は、以下の記事を確認してみましょう。
個人事業主に向いていない人の特徴
個人事業主になれない人は基本的にいないと説明しましたが、向いていない人はいます。個人事業主に向いていない人の特徴として以下4点が挙げられます。
- 自己管理できない
- 約束を守れない
- 現状に満足している
- 決断力が低い
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
自己管理ができない
売上の目標管理や仕事のスケジュール管理、体調管理といった自己管理ができない人は、個人事業主に向きません。
例えば不摂生が続き体調を崩したりスケジュール管理が甘かったりしても、個人事業主だと仕事を手伝ってくれる人がいないため、納期に遅れる可能性があります。納期に遅れることが続けば、個人事業主として仕事を得にくくなるでしょう。
よって、自分で自分を律して体調やスケジュールなどを管理できない人は、個人事業主には向かないのです。
約束を守れない
約束を守れない人も、個人事業主として活動していくのは難しいです。
約束を守れないと仕事に支障が出るのは会社員でも同じです。しかし、それでも周りにはサポートしてくれる上司や同僚がいますし、日本企業の場合はよほど大きな問題を起こさない限り解雇はされにくいでしょう。
一方、個人事業主の場合は約束を守れないと失業同然の状態になりがちです。一旦クライアントの信用を失うと仕事の契約を切られてしまううえ、新しい仕事も獲得しにくくなるからです。
現状に満足している
現状に満足している人も、個人事業主として活躍していくのは厳しいでしょう。
例えば現在の会社員としての収入に満足しているのに個人事業主になると、「ボーナスがない」「収入が不安定になる」といったことで不満や不安を感じ後悔するかもしれません。個人事業主になるとたとえ収入が安定しても、突然仕事が切れて再び不安定になることは十分ありえます。よって、常に現状を疑い、リスクに備えたり目標を持ち続けたりできることが重要なのです。
また、向上心や上昇志向がない人も、個人事業主として活躍していくのは厳しいでしょう。
個人事業主は、会社員のように他人からフィードバックを受ける機会は多くありません。現状維持を続けていると、「業界の新たな流れについていけない」「個人事業主歴にスキルが見合わない」といった理由から仕事を得にくくなり廃業に追い込まれるおそれがあるのです。
決断力が低い
決断力も、個人事業主として仕事をしていくために欠かせない要素です。個人事業主になると、時にはリスクを冒してチャレンジすることも必要です。事業存続にかかわる重大な決断が必要になることもあります。
「どういう方向性で事業を進めていけばよいか分からない」「さらなる事業拡大につながるチャレンジをしたいが踏み出せない」などと迷っていると、タイミングを逃してしまうおそれがあるのです。
こうしたことから、個人事業主には大きな決断をする力も必要です。
個人事業主に向いている・活躍しやすい人の特徴
個人事業主に向いていない人の特徴を見てきましたが、反対に個人事業主として向いている人・活躍しやすい人には次のような特徴があります。
- 主体的に物事に取り組める
- 責任感や覚悟を持っている
- 自分自身を客観視できる
上記3点について、詳しく解説していきます。
主体的に物事に取り組める
主体的に物事に取り組める人は、個人事業主として活躍しやすいです。個人事業主は自分自身で事業を動かしていかなければならないため、会社員よりもさらに主体性が求められます。
例えば収入が不安定だったり仕事が少なかったりする場合は、自分自身で営業をして仕事を増やしていかなければなりません。
このように仕事上の問題は全て自分の判断と行動で解決していくという主体性があれば、個人事業主として長く働きやすくなります。
責任感や覚悟を持っている
責任感や覚悟を持っていることも、個人事業主として活躍しやすい人の特徴です。
個人事業主は自分で事業を回していくため、良いことも悪いことも全て自己責任となります。例えば「クライアントが報酬を上げてくれない」「クライアント側の納期設定に無理がある」など他責思考で考えていても何も変わりません。
「なぜ収入が上がらないのか」「納期が短いなかでどのような工夫あるいは交渉をすべきか」などを自己責任ベースで考えて行動していく覚悟があれば、状況を好転させながら活躍していけるでしょう。
自分自身を客観視できる
自分自身を客観視できる人も、個人事業主として活躍しやすいです。
個人事業主には上司や同僚がいないため、自分の強みや弱みを客観的に指摘してくれる人が少ないです。よって、自分自身を客観視し、強みを伸ばして弱みを克服していかなければ、成長できなかったり努力の方向を間違えたりしてしまうでしょう。
自分を客観視することは、体調管理やスケジュール管理など自分自身をコントロールするためにも重要です。
個人事業主になりたい人におすすめの職種
個人事業主になりたい人におすすめな職種は、以下のとおりです。
- ITエンジニア
- Webライター・編集者
- Webデザイナー
- 事務・カスタマーサポート
- デリバリースタッフ
ここでは上記の職種について順番に解説していくので、個人事業主として職種を選ぶ際の参考にしてみてください。
ITエンジニア
ITエンジニアの仕事には業務委託のものが多く、個人事業主におすすめです。
ITエンジニアといっても細かく見ると次のようにさまざまな職種があり、仕事に応じて実装スキルやシステム設計スキルなどが求められます。
- システムエンジニア
- プログラマー
- ネットワークエンジニア
- サーバーエンジニア
- セキュリティエンジニア
ITエンジニアの案件を弊社ITプロパートナーズで見てみると、勤務日数は週2~5日、月単価は30万~80万円のものが多いです。実際に案件を獲得を目指している方は、まずは登録してみてください。
Webライター・編集者
Webサイトに掲載する記事を書くWebライターや、記事の企画・構成から公開までを管理する編集者の仕事もおすすめです。
Webライターや編集者として働くには、正しい日本語を書く力や分かりやすく物事を説明する文章力はもちろん、SEOに関する知識やスキルも必要です。
弊社ITプロパートナーズに掲載されている案件だと、いずれも業務委託契約でライターなら週3日勤務で月収30万円、編集者なら週4日勤務で月収50万円のものがあります。
Webデザイナー
Webデザイナーは、WebサイトやWeb広告のデザイン・制作をする仕事です。Webサイトの記事に載せるイラストを制作することもあります。
「クライアントの意向を汲み取り、見る人を引き付けるデザインを考えるスキル」「IllustratorやPhotoshopなどのソフトを使いこなすスキル」「コーディングスキル」などが求められます。
弊社ITプロパートナーズに出ている案件は、週3~5日勤務で月収30万~60万円のものが多いです。
事務・カスタマーサポート
事務は、総務や人事、会計などバックオフィスの仕事をする職種です。データ入力など簡単なパソコンスキルのほか、企業によっては業界の専門知識も必要になります。
求人ボックスによると、業務委託契約の事務職は平均月収31.9万円です。
カスタマーサポートは、メールや電話、チャットで顧客からの問い合わせに対応する仕事を指します。パソコンスキルのほか、接客業なのでビジネスマナーも必要です。
Indeedで業務委託案件を見てみると月収20万~40万円の案件が多いですが、時給制の案件もあります。
デリバリースタッフ
デリバリースタッフの仕事にも業務委託契約のものが多くあるため、個人事業主におすすめです。
食べ物や通販で購入した商品など、あらゆるものを顧客のもとへ届けます。バイク、軽自動車、トラックなど用いる乗り物は契約先によっても変わってきます。自転車を使うこともありますが、運転免許が必要なケースも多いです。
Indeedで配送ドライバーの業務委託案件を見てみると、月給ベースでは40万円程度のものが多くなっています。
個人事業主になるまでの流れ
会社員が個人事業主になるまでの流れは、次の通りです。
- 事前準備をする
- 開業届を提出する
- 青色申告承認申請書を提出する
- 国民健康保険や国民年金に加入する
これから個人事業主を目指すためにも、それぞれの手順について確認しましょう。
事前準備をする
事前準備とは、貯金やクレジットカードの作成などを指します。個人事業主になるとしばらくは収入が安定しないことが予想されます。クレジットカードの審査も厳しくなる可能性があるため事前に準備しておきましょう。
その後、自分のスキルの棚卸しや事業環境のリサーチをし、職種や事業内容について考えましょう。
開業届を提出する
その後、開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)を出せば個人事業主になることができます。開業届の提出方法は3つあります。
- 税務署の窓口へ持参する方法
- 郵送する方法
- e-Taxを使う方法
e-Taxとは国税電子申告・納税システムのことを指し、このシステムを利用することで、インターネット経由で開業届の提出が可能です。Freee開業などのサービスを利用すれば、より効率的に手続きを進められるので、利用を検討してみるといいでしょう。
青色申告承認申請書を提出する
確定申告で青色申告をする場合は、開業届を提出した年の3月15日までに、管轄の税務署へ青色申告承認申請書を提出する必要があります。青色申告承認申請書を提出することで、最大で65万円の青色申告特別控除などのメリットを受けることができます。
国民健康保険や国民年金に加入する
個人事業主は、健康保険や厚生年金に加入することができません。そのため、国民健康保険や国民年金に加入する必要があります。
加入手続きはお住まいの市区町村役場で行います。加入に必要な書類は以下のとおりです。
国民健康保険に必要な書類 | 国民年金に必要な書類 |
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・健康保険の資格喪失日が分かる証明書 ・マイナンバーが確認できるもの ・身分証明書 ・印鑑 | ・退職日がわかる証明書 ・年金手帳 ・身分証明書 ・印鑑 |
手続きは退職翌日から14日以内に済ませる必要があるので注意しましょう。
個人事業主が仕事を探す方法
個人事業主になる前に、ある程度仕事を探す方法を把握しておくことも重要です。ここでは、個人事業主が仕事探しで使うことの多いエージェント、クラウドソーシング、人脈・SNSについて解説していきます。
エージェント
エージェントは、フリーランスなどの求職者と、人材を探している企業をマッチングするサービスです。
会員登録すれば募集中の案件に応募できるだけでなく、実績やプロフィールをもとにエージェント側から案件を紹介してもらえます。営業が苦手な人でも希望通りの案件を獲得しやすい点がメリットです。
エージェントには副業向けの副業エージェントや、フリーランス・個人事業主向けのフリーランスエージェントがあります。
弊社ITプロパートナーズのフリーランスエージェントでは、週2日から始められる高単価な案件を幅広く取り揃えています。収入を大きく上げたいと考えている方は、ぜひ登録してみてください。
クラウドソーシング
クラウドソーシングは、企業が案件を発注し、ユーザーが受注するためのプラットフォームです。
サービス名 | 特徴 |
---|---|
ランサーズ | 仕事のジャンルが多い |
クラウドワークス | 案件数が特に多い |
ココナラ | 自分のスキルを出品できる |
募集中の案件を探して応募したり、プロフィールを見た企業側から声がかかったりすることで案件を獲得できます。
報酬は低めなので、クラウドソーシング経由の仕事のみで生活していけるほど稼ぐのは効率が悪いでしょう。しかし、初心者歓迎の案件も多く出ているため、実務経験があまり多くない場合に実績を積むのにぴったりです。
人脈・SNS
人脈やSNSを通して仕事を獲得するのも1つの手です。
個人事業主としてどのような仕事をしているのか友人や知人に話すと、仕事を紹介してもらえる可能性があります。行きつけの美容院や飲食店などから仕事を依頼してもらえることもあるでしょう。
SNSも、カジュアルに仕事を探せる方法です。個人事業主としての仕事や学びを発信していると、仕事の依頼が来やすくなるでしょう。SNS上で案件の募集をかけているクライアントもいます。
まとめ
個人事業主になること自体は誰でも可能です。しかし、個人事業主として長く働くことを考えると、自己研鑽の習慣化や事業を自分で回す責任感・主体性などが必要です。
また、自分のスキルや希望条件に合った案件を獲得することも、個人事業主として働くために欠かせません。弊社ITプロパートナーズなら、エージェントが厳選した案件を紹介します。
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