イラストレーターに資格は必要?おすすめの試験や難易度、勉強方法

こんにちは、ITプロマガジンです。

イラストレーターとして活動していく際、何か役立つ資格がないか気になる人も多いことでしょう。

資格のなかには取得をきっかけにその後の活動に影響を及ぼすものもあるので、事前の準備が大きな意味を持つ可能性もあるのです。

こちらではそんなイラストレーター関係の資格を、さまざまな角度からチェックしてまいります。資格の種類とおすすめの勉強法を確認して、本格的な導入を検討してみてください。

なおイラストレーターを含め、フリーランスのデザイナーになる方法など総合的な情報については「フリーランスデザイナーになるには?年収や注意点、案件獲得方法も解説」で解説していますので、併せてご覧ください。

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そもそもイラストレーターは資格が必要?

イラストレーターになって仕事を始める際には、特に資格が求められることはありません。目に見える資格よりも実際のセンスや絵の技術が優先される機会が多いので、実力さえあればしっかりと仕事を受けていくことができるでしょう。

しかし一方で、多くのライバルがいるなかで自分を目立たせるには、わかりやすいアピールポイントが必要になることがあります。

資格の有無は自分の実力をスムーズに相手に伝える手段となるので、就職や転職に良い影響を与えることがあるのです。

フリーランスのイラストレーターとして働く場合なども、資格の存在がクライアントへの印象を変え、新しい仕事を見つけるきっかけになり得ます。資格の取得にはさまざまメリットが考えられるので、将来を見据えて勉強を始めることは今後もおすすめされるでしょう。

イラストレーターの資格と試験概要一覧

イラストレーター関係の資格を取得するのなら、主に以下のようなものが検討されます。

  • Illustratorクリエイター能力認定試験
  • Photoshopクリエイター能力認定試験
  • Illustrator CC | Adobe Certified Associate(アドビ認定アソシエイト)
  • CGクリエーター検定
  • 色彩検定(R)
  • カラーコーディネーター検定試験(R)

それぞれの特徴と内容を把握して、自分に合う資格を選ぶのが第一歩です。未来に活かせる資格を見つけられるように、合格率から見える難易度や受験料、試験時間など基本的な内容をチェックしてみましょう。

Illustratorクリエイター能力認定試験

受験料エキスパート:8,400円
・スタンダード:7,400円
試験時間エキスパート:第1部が50分、第2部が90分
・スタンダード:第1部が40分、第2部が90分
合格率72.8%(2020年度)
受験環境誰でも受験可
解答方法多肢選択解答形式
・Illustrator上で編集後、解答データの提出
運営団体サーティファイソフトウェア活用能力認定委員会
公式サイトhttps://www.sikaku.gr.jp/ns/il/

イラストレーターの仕事に欠かせないソフトウェア「Illustrator」の使い方を熟知し、仕事で活かすことができる人におすすめの資格です。

いわゆる「イラレ」と呼ばれるこのソフトを実際に使えるかどうかは、イラストレーターの仕事の獲得に関わってきます。試験ではソフトの基本的な操作方法に加えて、課題に対しての適切なデータ提出が必要です。

資格試験への学習をきっかけにIllustratorの初歩スキルを獲得することもできるので、将来イラストレーターとして活躍していきたい初心者にもおすすめの資格となっています。

Illustratorは特にベクターデータの扱いに長けたソフトなので、ロゴ作成の案件などで利用可能です。既にイラストレーターとして活動している人も、本資格をきっかけに仕事の幅を広げることが可能であるため、本格的な取得を検討してみましょう。

Photoshopクリエイター能力認定試験

受験料エキスパート:8,400円
・スタンダード:7,400円
試験時間エキスパート:第1部が50分、第2部が90分
・スタンダード:第1部が40分、第2部が90分
合格率72.3%(2018年度平均合格率)
受験環境誰でも受験可
解答方法・多肢選択解答形式
・Photoshopでの画像ファイルの作成、作品制作
運営団体サーティファイソフトウェア活用能力認定委員会
公式サイトhttps://www.sikaku.gr.jp/ns/ps/

画像編集の有名ソフト「Photoshop(フォトショ)」に関する資格であり、イラストレーターとしてのスキルを証明するきっかけになるでしょう。

スタンダードでは基本的なスキルが求められ、エキスパートではDTPやWebデザインにおいて必要な知識と技術が試されます。自分の能力に合わせて受講し、少しずつイラストレーターとしてのステップアップを図っていきましょう。

Photoshopのスキルは出版業や広告業でも活用できるので、資格取得がイラストレーターとして対応できる企業の数を増やすことにつながります。

仕事の窓口が広がればそれだけ自由に働きやすくなるため、今後を考えるのであれば早めの取得を考えてみましょう。

Illustrator CC | Adobe Certified Associate(アドビ認定アソシエイト)

受験料10,584円
試験時間50分
合格率不明
受験環境誰でも受験可
解答方法CBT形式
運営団体Adobe
公式サイトhttps://adobe.odyssey-com.co.jp/outline/cc-ai.html

PhotoshopやIllustratorを提供している「Adobe」が主催する、世界共通の国際認定資格となっています。ソフトの使い方に熟知した人材であると判断されるため、就職や転職時にメリットを与えてくれるでしょう。

世界で通用する資格なので、将来イラストレーターとして海外での活躍を視野に入れている人にもおすすめされます。

試験内容はIllustratorの基本操作と、デザインに関するプロジェクトの設定、グラフィックの活用におけるさまざまなルールなどが出題範囲として採用されているようです。

ソフトをスムーズに動かすことはもちろん、その他実際の仕事に求められる知識が重要になってくるので、試験対策としてあらゆる角度からIllustratorについて学んでおきましょう。

CGクリエーター検定

受験料・ベーシック:5,600円
・エキスパート:6,700円
試験時間・ベーシック:10問 60分
・エキスパート:10問 80分
合格率・ベーシック:63.9%(2021年度)
・エキスパート:20.8%(2021年度)
受験環境誰でも受験可
解答方法マークシート形式
運営団体CG-ARTS
公式サイトhttps://www.cgarts.or.jp/

公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS)が主催している検定で、主にゲームや映像業界、TV業界などで活躍したいCGクリエイターを目指す方にオススメの資格です。

ベーシック、エキスパートの二つに分かれており、出題範囲は以下の通りです。

ベーシック
  • 2次元・3次元のCGやデザインの基礎知識
  • CGによる静止画制作の基礎的な能力
エキスパート
  • 3次元CGや映像制作の専門的な理解
  • 3次元CG映像の制作能力
  • 知的財産権など法律の理解

専門性も高く出題範囲も広いエキスパートコースは合格率も20.8%(2021年度)となっており、難易度は高いと言えるでしょう。時間をかけた対策と学習が必要になってきます。

色彩検定(R)

受験料・1級:15,000円
・2級:10,000円
・3級:7,000円
・UC級:6,000円
試験時間・1級:1次90分、2次90分
・2級:80分
・3級:70分
・UC級:60分
合格率・1級:45%(2020年度)
・2級:77.6%(2020年度)
・3級:76.3%(2020年度)
・UC級:87.3%(2020年度)
受験環境誰でも受験可
解答方法マークシート形式(1級は記述と実技、2級は記述あり)
運営団体A・F・T
公式サイトhttps://www.aft.or.jp/

公益社団法人色彩検定協会(A・F・T)が行う、文部科学省後援の公的資格が色彩検定(R)です。

色の基礎から、配色技法など、色彩に関する幅広い知識や技能を問う検定試験となっています。1級からUC級(ユニバーサルデザイン級)までありますが、どの級からでも受験可能となっています。

公的資格ということで知名度も高く、活かせる職種も様々な資格です。近年はデザイナーだけでなく様々な業種の方から人気にもなっています。

カラーコーディネーター検定試験(R)

受験料・アドバンスクラス:7,700円
・スタンダードクラス:5,500円
試験時間90分
合格率・アドバンスクラス:50.3%(2020年度)
スタンダードクラス:72.3%(2020年度)
受験環境誰でも受験可
解答方法マークシート形式
運営団体東京商工会議所
公式サイトhttps://www.kentei.org/color/

東京商工会議所が行う検定試験がカラーコーディネーター検定試験(R)で、色彩についての実践的な知識を身につけていると証明できる資格となっています。

これまでカラーコーディネーターの検定試験は「3級・2級・1級」の3種類となっていましたが、2020年6月からスタンダードクラス・アドバンスクラスの2種類に変更になっています。

2級と1級の内容がアドバンスクラスの試験に統一された為、試験範囲が狭まっており、以前と比べて取得難易度は下がっていると言えるでしょう。こちらの資格の取得を考えている方は今が狙い目といえます。

イラストレーターの資格でおすすめはillustratorクリエイター能力認定試験

イラストレーターの資格でおすすめは、illustratorクリエイター能力認定試験です。Webディレクターなどの職種では、illustratorいわゆる「イラレ」を使えることが必須条件の求人もあります。

illustratorクリエイター能力認定試験は、サーティファイが主催している民間資格です。国家資格ではありませんが、転職時や就職時に持っていると有利になることが多いため挑戦してみると良いでしょう。

illustratorクリエイター能力認定試験は、難易度が高い試験ではありません。勉強法さえ把握すれば初心者でもクリアできる可能性が高いとされています。

イラストレーター資格取得のための独学勉強法

独学でイラストレーターの資格を取得するためには、以下のような勉強方法がおすすめされます。

  • 参考書
  • 問題集
  • 学習サイト

「〇〇の勉強方法が特別に良い!」というわけではなく、自分の生活環境や性質にあったものを的確に選び取り、上手に利用するのがポイントとなります。以下ではそれぞれの勉強方法におけるおすすめをご紹介しますので、気になるものはピックアップしておきましょう。

参考書

参考書の利用は資格勉強の基本であり、着実に学んでいくのに必要なポイントになります。特に各種ソフトの利用に慣れていない人や、イラストレーターとしての活動を始めたばかりの人は、積極的に参考書から情報を集めていきましょう。

Illustrator しっかり入門 増補改訂 第2版

出典元:Amazon

「llustrator しっかり入門 増補改訂 第2版」はIllustratorの知識がゼロでも問題なく学び始められるので、資格試験への第一歩としておすすめの参考書です。

基礎から応用までしっかりと押さえているため、最初のうちはこの本を片手に仕事を進めていくのもいいでしょう。同じスタイルでPhotoshopの内容をまとめた「Photoshop しっかり入門 増補改訂版」もあるので、合わせてのチェックがおすすめです。

Illustrator クイックマスターCC Windows&Mac

出典元:WeNet

「Illustrator クイックマスターCC Windows&Mac」はIllustratorクリエイター能力認定試験への対策本であり、基本的な知識と技術をまとめて得られる良書となっています。

近く資格試験を受けることを想定しているのなら、スムーズに勉強するためにもあらかじめ対策本の購入もおすすめです。

こちらも同じくPhotoshopクリエイター能力認定試験に対応した「Photoshop クイックマスターCC Windows&Mac」があるので、受験する資格に合わせて購入を検討しましょう。

問題集

学習した知識をしっかりと頭に刻み付けるには、問題集を解いて内容を反復することが大切です。参考書である程度の知識を得て、実際にソフトを動かして感覚をつかんだ後は、問題集でその能力を確かめてみましょう。

Illustrator クリエイター能力認定試験問題集

出典元:WeNet

Illustrator クリエイター能力認定試験問題集」は資格試験の運営を行なっているサーティファイが認定している公式問題集であり、各級4題ずつの模擬問題が記載されています。

現在の環境に適応している最新版を買うように注意し、繰り返しの学習で知識を深めましょう。問題集もまた「Photoshop クリエイター能力認定試験問題集」があるので、Photoshopを学ぶのならこちらのチェックが必要です。

学習サイト

学習サイトを合わせて利用することで、基本的なソフトの使い方がわかってきます。イラストレーターの基礎を作ることができるため、学習サイトを軸に勉強を始めるのもおすすめです。

Adobeの公式チュートリアル

出典元:Adobe

AdobeはIllustratorのチュートリアルとPhotoshopのチュートリアルを、公式で配信しています。基本的な使い方と中級以上の応用方法が豊富に用意されているので、自分の学習レベルに合わせて内容を確認できるでしょう。

「そもそもIllustratorとPhotoshopで何ができるの?」という人は、まず公式サイトから各ソフトの魅力を体験してみてください。

イラストレーターの資格を取得するメリットは?就職・転職で有利になる?

イラストレーターに関する資格を取得すれば、就職や転職を有利に運ぶきっかけを得られます。

今以上の待遇を求めて転職したい、副業から本格的にイラストレーターとして働ける職場に就職したいという人は、資格の取得が充実した未来を引きつける可能性を高めるでしょう。

イラストレーターは個人の感覚やセンスが重視される職業ですが、だからといって基礎的な学習を放棄することはおすすめされません。

資格を取得しているという事実は、仕事で役立つ確かな技術と知識を持つ人材であると企業にアピールする機会となります。企業からの信頼を得ることにつながるので、スムーズな就職・転職を目指すのなら資格勉強を始めてみることがおすすめです。

まとめ:イラストレーターの資格は理想的な就職と転職を叶える!

イラストレーターという職業でも、専門資格は就職や転職をサポートしてくれます。

資格という魅力的な武器をひとつ増やして、自分が有能なイラストレーターであることを企業にしっかりと伝えていきましょう。

資格勉強では継続した努力と、自分に合った環境を整えることが大切です。こちらで紹介した参考書や問題集をチェックして、資格取得のための準備を進めてみてください。

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