個人事業主の税金や手取り計算シュミレーション【年収別の早見表】

こんにちは、ITプロマガジンです。

個人事業主として活動していたり、独立を検討していたりする場合、税金がどのくらいかかるのかあらかじめ把握しておきたいと考えている人も多いのではないでしょうか。

個人事業主の売上からは、税金や社会保険料が引かれます。節税対策や適切な資金繰りを実施するためには、税金や社会保険料をシミュレーションしてみましょう。

本記事では、個人事業主が支払う税金や社会保険料の種類と計算方法を解説します。年収別に白色申告・青色申告に分けて手取りをシミュレーションした事例や、効果的な節税対策、法人化の目安なども紹介するので、参考にしてください。

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個人事業主が支払う税金の種類と計算方法

会社員と同じく、個人事業主も、税金や社会保険料を支払わなくてはいけません。個人事業主の手取りは以下の式で算出できます。

  • 所得=売上-経費
  • 手取り=所得-税金-社会保険料

つまり、どの程度税金や社会保険料を支払えばよいかが分かると、手取りを計算できる仕組みです。

以下では、2024年12月時点の個人事業主が支払う税金や社会保険料の概要と、それぞれの計算方法を解説します。

所得税

所得税とは、年間の所得金額に対して課税される税金です。所得税の納付税額は、以下のステップで計算できます。

  • 課税される所得金額=(所得-所得控除の合計額)
  • 所得税額=課税される所得金額×累進税率-控除額
  • 納付税額=(所得税額-税額控除の合計額)×1.021

所得から差し引かれる所得控除には、基礎控除48万円や扶養控除、配偶者控除、医療費控除などを含む15種類があります。

日本は累進課税制度を採用しており、課税される所得金額が高い人ほど累進税率と控除額が高くなる仕組みです。以下に、課税される所得金額に対する、税率と控除額を示しました。

課税される所得金額税率控除額
1,000円 から 1,949,000円まで5%0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円 以上45%4,796,000円

引用元:No.2260 所得税の税率|国税庁

主な税額控除は、配当控除や住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)などです。

なお、平成25年(2013年)から令和19年(2037年)までは、納付税額に復興特別所得税2.1%が上乗せされます。

住民税

個人事業主が支払う住民税は、所得割と均等割の2つで構成されています。所得割は所得に応じて負担が変わり、税率は一律10%です。均等割は、所得によらず年額 4,000円(道府県民税 :1,000円、市町村民税:3,000円)となります。

住民税の納付税額は、以下のステップで計算できます。

  • 税額控除後の所得割額=(所得-所得控除の合計額)×10%-税額控除の合計額
  • 納付税額=税額控除後の所得割額+均等割額(4,000円)+森林環境税(1,000円)

住民税には基礎控除43万円を含む14種類の所得控除があります。また、森林環境税が、令和6年(2024年)から新たに徴収されるようになりました。

個人事業税

個人事業税は、都道府県に対して納税する地方税です。都道府県が定める法定業種に相当する事業について所得が290万円を超えた際に、個人事業税の納付義務が発生します。個人事業税の納付税額の計算式は、以下のとおりです。

  • 納付税額={所得-事業主控除(290万円)等}×税率

例えば「東京都」の場合、法定業種の業種例と税率は以下のとおりです。

事業区分代表的な法定業種税率
第1種事業(37業種)・物品販売業
・飲食店業
・製造業
・出版業
・請負業
5%
第2種事業(3業種)・畜産業
・水産業
・薪炭製造業
4%
第3種事業(30業種)・医業
・税理士業
・デザイン業
・コンサルタント業
・弁護士業
5%

消費税

消費税は、商品やサービスを提供する事業者が、消費者にかわって収める税金です。適格請求書発行事業者には消費税の納税義務があります。免税事業者であれば、消費税を納める必要はありません。

消費税の納付税額の計算式は、以下のとおりです。

  • 納付税額=売上にかかる消費税額-仕入れによる消費税相当額

仕入れによる消費税相当額を差し引くには、仕入先からのインボイス(適格請求書)が必要です。取引相手が免税事業者の場合、インボイスを発行できないため、消費税相当額を差し引けません。

なお、売上高が5,000万円を超えない事業者は、簡易課税制度を選択できます。簡易課税制度は、実際の仕入額に関係なく、事業区分ごとに定められた「みなし仕入率」を用いて計算する方法です。簡易課税制度を選択する場合は、事前に税務署に「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出してください。

その他社会保険料

税金ではありませんが、手取りを適切に計算するために以下の社会保険料も理解しておきましょう。

  • 国民年金保険料
  • 国民健康保険料

国民年金保険料

個人事業主のような国民年金第1号被保険者は、国民年金保険料を支払います。国民年金制度は、老齢、障害、死亡といった状態になった時の社会保障制度です。

令和6年(2024年)度の国民年金保険料は、「1か月あたり16,980円」。年間では203,760円です。ただし、一定期間の保険料をまとめて前払いすると、割引が適用されます。

国民健康保険料

国民健康保険料は、個人事業主などが加入する国民健康保険の保険料です。国民健康保険料は住んでいる自治体や、年収、家族構成などで変動します。

国民健康保険料の構成要素は、医療分、後期高齢者支援金分、介護分の3つです。要素ごとに、均等割額、所得割額が個別に設定されており、合算した金額が保険料です。自治体によっては、平等割額も課されます。

均等割額と平等割額は、所得に関係なく自治体が定めた一定の額です。所得割額は前年中の所得金額に応じて決定され、高所得者ほど納税額が多くなる傾向があります。以下は、所得割額の計算式です。

  • 医療分の所得割額=(所得-基礎控除額43万円)× 自治体が定めた医療分所得割料率
  • 後期高齢者支援金分の所得割額 = (所得-基礎控除額43万円)× 自治体が定めた支援金分所得割料率
  • 介護分の所得割額 = (所得-基礎控除額43万円)× 自治体が定めた介護分所得割料率

国民健康保険料には上限が定められています。「令和6年(2024年)の医療分と後期高齢者支援金分を合計した上限は89万円で、介護分の上限は17万円」です。

フリーランスが支払う税金については以下の記事でも解説しています。

フリーランスが支払う税金の種類とは?対策や払わないリスクも紹介

年収別:個人事業主の税金と手取りのシミュレーション

個人事業主の年収別に、税金や社会保険料、手取りをシミュレーションしました。

年収税金・社会保険料手取り
年収200万円57万5,668~75万5,426円124万4,574~142万4,332円
年収300万円90万7,218~111万6,074円188万3,926~209万2,782円
年収400万円133万734~156万6,136円243万3,864~266万9,266円
年収500万円181万6,531~209万5,836円290万4,164~318万3,469円
年収600万円234万6,231~262万5,536円337万4,464~365万3,769円
年収700万円287万5,931~315万5,236円384万4,764~412万4,069円
年収800万円339万3,971~362万7,325円437万2,675~460万6,029円
年収900万円384万4,516~406万2,155円493万7,845~515万5,484円
年収1,000万円427万9,346~455万77円544万9,923~572万654円

以下では、それぞれ白色申告と青色申告にわけて計算しています。白色申告の場合は「所得=売上(年収)-経費」ですが、青色申告の場合は「所得 = 売上(年収)-経費-青色申告特別控除」です。

【計算条件】
・経費なし
・基礎控除以外の所得控除なし
・税額控除なし
・江戸川区在住
・年齢:30代
・ITエンジニアとして第一種事業に該当(税率5%)
・課税事業者で第5種事業に該当(みなし仕入率50%)

国民健康保険料については、「江戸川区国民健康保険料シミュレーション」を使用しました。

あくまでおおよその数値になるため、個人の家族状況や経費の金額などによって詳細は異なります。より正確な額を算出したい時は、自分の条件に合わせて計算してください。

年収200万円

年収200万円の個人事業主が支払う税金や社会保険料、手取りについて詳細を解説します。

白色申告の場合

所得税は、以下のステップで7万7,596円と計算されます。

  • 課税される所得金額=200万円-基礎控除48万円=152万円
  • 所得税額=152万円×累進税率5%=7万6,000円
  • 納付税額=7万6,000円×1.021=7万7,596円

住民税は、以下のステップで16万2,000円と計算されます。

  • 税額控除後の所得割額=(所得金額200万円-基礎控除43万円)×10%=15万7,000円
  • 納付税額=15万7,000円+均等割額(4,000円)+森林環境税(1,000円)=16万2,000円

事業所得金額が290万円未満のため、個人事業税は発生しません。

簡易課税制度で消費税を計算すると、10万円となります。

  • 納付税額=売上200万円 ×消費税率10%×(1-みなし仕入率50%)=10万円

社会保険料は、国民年金保険料が20万3,760円、国民健康保険料が21万2,070円です。

以上、税金と保険料を合算すると75万5,426円。手取りは124万4,574円となります。

青色申告の場合

所得税は、以下のステップで4万4,413円と計算されます。

  • 課税される所得金額:200万円-青色申告特別控除65万円-基礎控除48万円=87万円
  • 所得税額=87万円×累進税率5%=4万3,500円
  • 納付税額=4万3,500円×1.021=4万4,413円

住民税は、以下のステップで9万7,000円と計算されます。

  • 税額控除後の所得割額=(所得金額200万円-青色申告特別控除65万円-基礎控除43万円)×10%=9万2,000円
  • 納付税額=9万2,000円+均等割額(4,000円)+森林環境税(1,000円)=9万7,000円

事業所得金額が290万円未満のため、白色申告と同じく個人事業税は発生しません。また、消費税や国民年金についても白色申告と同じです。国民健康保険料は、青色申告特別控除65万円が引かれる分安くなり、13万495円となりました。

以上、税金と保険料を合算すると57万5,668円。手取りは142万4,332円となります。

年収300万円

年収300万円の個人事業主が支払う税金や社会保険料、手取りについて詳細を解説します。

白色申告の場合

上記と同様に計算すると、以下のようになります。

年収300万円:白色申告の場合
・所得税:15万7,744円
・住民税:26万2,000円
・個人事業税:5,000円
・消費税:15万円
・国民年金保険料:20万3,760円
・国民健康保険料:33万7,570円

なお、年収290万円を超えたため、個人事業税が発生します。

  • 納付税額={所得金額300万円-事業主控除(290万円)}×税率5%=5,000円

以上、税金と保険料を合算すると111万6,074円。手取りは188万3,926円となります。

青色申告の場合

上記と同様に計算すると、以下のようになります。

年収300万円:青色申告の場合
・所得税:9万5,463円
・住民税:19万7,000円
・個人事業税:5,000円
・消費税:15万円
・国民年金保険料:20万3,760円
・国民健康保険料:25万5,995円

個人事業税および消費税や国民年金は、白色申告と差はありません。

以上、税金と保険料を合算すると90万7,218円。手取りは209万2,782円となります。

年収400万円

年収400万円の個人事業主が支払う税金や社会保険料、手取りについて詳細を解説します。

白色申告の場合

上記と同様に計算すると、以下のようになります。

年収400万円:白色申告の場合
・所得税:28万2,306円
・住民税:36万2,000円
・個人事業税:5万5,000円
・消費税:20万円
・国民年金保険料:20万3,760円
・国民健康保険料:46万3,070円

以上、税金と保険料を合算すると156万6,136円。手取りは243万3,864円となります。

青色申告の場合

上記と同様に計算すると、以下のようになります。

年収400万円:青色申告の場合
・所得税:19万3,479円
・住民税:29万7,000円
・個人事業税:5万5,000円
・消費税:20万円
・国民年金保険料:20万3,760円
・国民健康保険料:38万1,495円

以上、税金と保険料を合算すると133万734円。手取りは266万9,266円となります。

年収500万円

年収500万円の個人事業主が支払う税金や社会保険料、手取りについて詳細を解説します。

白色申告の場合

上記と同様に計算すると、以下のようになります。

年収500万円:白色申告の場合
・所得税:48万6,506円
・住民税:46万2,000円
・個人事業税:10万5,000円
・消費税:25万円
・国民年金保険料:20万3,760円
・国民健康保険料:58万8,570円

以上、税金と保険料を合算すると209万5,836円。手取りは290万4,164円となります。

青色申告の場合

上記と同様に計算すると、以下のようになります。

年収500万円:青色申告の場合
・所得税:35万3,776円
・住民税:39万7,000円
・個人事業税:10万5,000円
・消費税:25万円
・国民年金保険料:20万3,760円
・国民健康保険料:50万6,995円

以上、税金と保険料を合算すると181万6,531円。手取りは318万3,469円となります。

年収600万円

年収600万円の個人事業主が支払う税金や社会保険料、手取りについて詳細を解説します。

白色申告の場合

上記と同様に計算すると、以下のようになります。

年収600万円:白色申告の場合
・所得税:69万706円
・住民税:56万2,000円
・個人事業税:15万5,000円
・消費税:30万円
・国民年金保険料:20万3,760円
・国民健康保険料:71万4,070円

以上、税金と保険料を合算すると262万5,536円。手取りは337万4,464円となります。

青色申告の場合

上記と同様に計算すると、以下のようになります。

年収600万円:青色申告の場合
・所得税:55万7,976円
・住民税:49万7,000円
・個人事業税:15万5,000円
・消費税:30万円
・国民年金保険料:20万3,760円
・国民健康保険料:63万2,495円

以上、税金と保険料を合算すると234万6,231円。手取りは365万3,769円となります。

年収700万円

年収700万円の個人事業主が支払う税金や社会保険料、手取りについて詳細を解説します。

白色申告の場合

上記と同様に計算すると、以下のようになります。

年収700万円:白色申告の場合
・所得税:89万4,906円
・住民税:66万2,000円
・個人事業税:20万5,000円
・消費税:35万円
・国民年金保険料:20万3,760円
・国民健康保険料:83万9,570円

以上、税金と保険料を合算すると315万5,236円。手取りは384万4,764円となります。

青色申告の場合

上記と同様に計算すると、以下のようになります。

年収700万円:青色申告の場合
・所得税:76万2,176円
・住民税:59万7,000円
・個人事業税:20万5,000円
・消費税:35万円
・国民年金保険料:20万3,760円
・国民健康保険料:75万7,995円

以上、税金と保険料を合算すると287万5,931円。手取りは412万4,069円となります。

年収800万円

年収800万円の個人事業主が支払う税金や社会保険料、手取りについて詳細を解説します。

白色申告の場合

上記と同様に計算すると、以下のようになります。

年収800万円:白色申告の場合
・所得税:111万6,565円
・住民税:76万2,000円
・個人事業税:25万5,000円
・消費税:40万円
・国民年金保険料:20万3,760円
・国民健康保険料:89万円

上限に達したため、国民健康保険料は89万円となりました。

以上、税金と保険料を合算すると362万7,325円。手取りは437万2,675円となります。

青色申告の場合

上記と同様に計算すると、以下のようになります。

年収800万円:青色申告の場合
・所得税:96万6,376円
・住民税:69万7,000円
・個人事業税:25万5,000円
・消費税:40万円
・国民年金保険料:20万3,760円
・国民健康保険料:87万1,835円

以上、税金と保険料を合算すると339万3,971円。手取りは460万6,029円となります。

年収900万円

年収900万円の個人事業主が支払う税金や社会保険料、手取りについて詳細を解説します。

白色申告の場合

上記と同様に計算すると、以下のようになります。

年収900万円:白色申告の場合
・所得税:135万1,395円
・住民税:86万2,000円
・個人事業税:30万5,000円
・消費税:45万円
・国民年金保険料:20万3,760円
・国民健康保険料:89万円

以上、税金と保険料を合算すると406万2,155円。手取りは493万7,845円となります。

青色申告の場合

上記と同様に計算すると、以下のようになります。

年収900万円:青色申告の場合
・所得税:119万8,756円
・住民税:79万7,000円
・個人事業税:30万5,000円
・消費税:45万円
・国民年金保険料:20万3,760円
・国民健康保険料:89万円

以上、税金と保険料を合算すると384万4,516円。手取りは515万5,484円となります。

年収1,000万円

年収1,000万円の個人事業主が支払う税金や社会保険料、手取りについて詳細を解説します。

白色申告の場合

上記と同様に計算すると、以下のようになります。

年収1,000万円:白色申告の場合
・所得税:163万9,317円
・住民税:96万2,000円
・個人事業税:35万5,000円
・消費税:50万円
・国民年金保険料:20万3,760円
・国民健康保険料:89万円

以上、税金と保険料を合算すると455万77円。手取りは544万9,923円となります。

青色申告の場合

上記と同様に計算すると、以下のようになります。

年収1,000万円:青色申告の場合
・所得税:143万3,586円
・住民税:89万7,000円
・個人事業税:35万5,000円
・消費税:50万円
・国民年金保険料:20万3,760円
・国民健康保険料:89万円

以上、税金と保険料を合算すると427万9,346円。手取りは572万654円となります。

個人事業主が手取りを増やすための節税方法

シミュレーション結果を見ると分かるように、個人事業主は売上から多くの税金を引かれます。手取りを増やすために、節税対策を検討しましょう。以下に、個人事業主が手取りを増やすための節税方法を解説します。

かかった経費を漏れなく計上する

個人事業主の場合、「所得金額=売上-経費」です。かかった経費を漏れなく計上して、課税される所得金額を減らしましょう。事業で使った費用はもちろん、家賃や光熱費などの費用も家事按分で経費計上できる可能性があります。

なお、経費計上するためには領収書などの書類が必要です。用途を証明できない費用は、税務調査の際に経費であると認められない場合があります。

所得控除を利用する

所得控除も節税のポイントです。自分に適用される所得控除を漏れなくピックアップしましょう。所得税の場合は基礎控除が48万円、住民税の場合は基礎控除が43万円ありますが、それ以外にも所得控除を受けられる可能性があります。

国税庁のサイトに掲載されている所得控除は以下のとおりです。

雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、 小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、 地震保険料控除、寄附金控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除

引用元:No.1100 所得控除のあらまし|国税庁

青色申告を採用する

シミュレーション結果を見ると分かるように、白色申告と青色申告では、同じ年収でも手取りの差が明らかです。青色申告特別控除は最大65万円で、所得税と住民税の節税に貢献します。

さらに、事業で赤字を出した場合、青色申告をしていれば3年間赤字を繰り越せる点にも要注目。過去の赤字を黒字から差し引けると、課税される所得金額を減らせるため節税が可能です。

青色申告をするためには、事前に開業届と青色申告承認申請書を提出し、複式簿記で記帳する必要があります。手続きや経理の手間はかかるかもしれませんが、会計ソフトを活用すると、経理に不慣れな人でも複式簿記に対応しやすいでしょう。

タイミングを見て法人化する

所得に応じて、法人化した方が節税することができます。

法人化する節税上のメリットは以下のとおりです。まず、自分に支払われる給与や賞与など、経費として認められる項目が個人事業主より広がります。赤字を最大10年間繰り越せるようになり、個人事業主より長期間の繰越も可能です。

さらに、所得が高い場合、法人税率が個人の所得税率より低くなる可能性があります。普通法人の場合、法人税率は以下のとおりです。

  • 課税される所得額が年800万円以下:15%
  • 課税される所得額が年800万円超の部分:23.2%

一方、個人事業主の場合、課税される所得金額が900万円を超えると税率が23%から33%と大幅に上がります。

したがって、個人の所得が800万円を超えたタイミングで、法人化を検討してみるとよいでしょう。

フリーランスが法人化する7つのメリットと最適なタイミングの目安

ふるさと納税を行う

厳密にいうと節税にはつながりませんが、ふるさと納税を行うと、所得税や住民税をお得に納められる可能性があります。ふるさと納税は、自治体に寄付する見返りに返礼品をもらえる仕組みです。寄付金額から2,000円を引いた額が、翌年の所得税と住民税から控除されます。

ふるさと納税の注意点は、確定申告時に寄附金額を申告しなければ控除を受けられない点です。

また、上限額を超えてしまった寄付金額は自己負担となる点も理解しておきましょう。寄付金額の上限は、済んでいる地域、年収、家族構成、住宅ローン控除や医療費控除の有無などで変わります。自分の状況を確認して、寄付金額の上限をシミュレーションしてからふるさと納税を利用しましょう。

フリーランスができる節税対策4選!効果的な方法と注意点を解説

個人事業主が手取りを増やすには収入アップの観点も大切

手取りを増やすためには、上記で挙げた節税対策を行いつつ、売り上げを上げるよう意識しましょう。例えば、スキルアップして高単価案件を受注する、効率を高めて受注案件数を増やすなどの戦略が効果的です。

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個人事業主の税金や手取りに関するよくある質問と回答

個人事業主の税金や手取りに関するよくある質問を、回答と併せて解説します。

個人事業主が税金の観点で一番得する年収はいくら?

所得税の税率に着目して、個人事業主が税金の観点で一番得する年収について考えてみましょう。

個人事業主の税率」を見ると、課税される所得金額が694万円9,000までの税率は20%で、695万~899万円までの税率は23%、900万円を超えると33%となっています。

税率の上昇幅を見ると、695万~899万円までの範囲に課税される所得金額を納めるとお得です。

課税される所得金額は、年収から基礎控除48万円や、青色申告特別控除65万円を差し引いた額となります。つまり、695万~899万円までの範囲に課税される所得金額を納める場合、白色申告なら年収743万~947万円、青色申告なら年収808万~ 1,012万円を狙うとよいでしょう。

個人事業主が税金の観点で一番損する年収はいくら?

所得税の税率は、課税される所得金額が900万円を超えると、23%から33%へと大幅にアップします。つまり、課税される所得金額が900万円を超えたタイミングが、一番損しやすいといえるでしょう。

具体的には、白色申告なら年収948万円、青色申告なら年収1,013万円が、損しやすい年収です。

個人の所得が800万円を超えたタイミングで、法人化の検討をおすすめします。

個人事業主が税金貧乏になってしまう理由は?

節税に関する知識がない個人事業主は、税金貧乏になりがちです。まずは青色申告の活用が基本となります。基礎控除48万円を超える収入がある場合、青色申告特別控除を利用すべきです。

活用可能な所得控除や税額控除を把握し、法人化による節税も検討することで、効果的な節税が可能になります。

まとめ

個人事業主の年収からは、税金や社会保険料が引かれます。手取りを増やすために、どれだけの額が年収から引かれるかシミュレーションし、年収に応じた適切な節税対策を実行しましょう。

個人事業主が手取りを増やすには、収入アップも重要です。

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