こんにちは、ITプロマガジンです。
企業と業務委託の契約を結ぶ前に、履歴書の提出を求められた方は多いのではないでしょうか。あるいは転職の際、履歴書に業務委託の職歴をどのように書くのか迷っている方もいらっしゃるかと思います。
そこでこの記事では、業務委託における履歴書の必要性や、書くべき内容、書く際のポイント、よくある疑問とその答えなどに触れながら、業務委託の履歴書の書き方や職歴の記載方法について、詳しく解説します。いずれも、業務委託の履歴書をスムーズに作成するために役立つ情報ですので、ぜひ参考にしてください。
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目次
業務委託に履歴書は必要?
業務委託契約で仕事を請ける際は、クライアントから履歴書を提出するよう依頼されることがあります。多くの場合、業務委託する人材の経歴やスキルを確認し、複数の候補を比較のうえ、選定を実施するためです。また、仕事を斡旋するエージェントに登録する際にも、履歴書が必要になることがあります。
一方で、業務委託する人材の候補者が少数の場合には、履歴書の提出が求められず面談のみで契約に至るケースもあるようです。また、デザイナーやクリエイター、エンジニアといった専門職の場合には、履歴書よりもシンプルな職務経歴書やスキルシート、ポートフォリオ(過去の成果物を集めたもの)などの提出を求められることが多く、履歴書は提出しなくても問題ないことがあります。
業務委託の履歴書の書き方
業務委託の履歴書に決まったフォーマットはなく、特に指定がない限りは、一般的な履歴書の形態で作成すれば問題はありません。ただし、具体的な書き方については正社員やアルバイトの応募時などとは異なる部分もあるため、注意が必要です。本記事では、厚生労働省の履歴書テンプレートを用いて、業務委託の履歴書の書き方を解説します。
なお、厚生労働省の履歴書テンプレートは、ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」よりダウンロード可能です。
学歴
学歴に関しては、転職時の履歴書など一般的な書き方と違いはありません。ただし、業務委託の履歴書の場合には、最終学歴のみを記載するケースも多いようです。卒業年月・学校名・学部名・学科名をそれぞれ正確に記載してください。また、職業訓練を受講した経験を、学歴として一緒に記載しても問題ありません。一方で、大学浪人中に通った予備校などは、記載しないのが通例です。
職歴
業務委託の履歴書においても、企業に雇用されていた経験があれば、一般的な履歴書と同様に職歴として記載します。
○○○○年○○月 一身上の都合により退社
業務委託の職歴がある場合は、次のように記載します。会社員の職歴で「退社」「退職」にあたる業務委託の終了については、「契約満了」あるいは「契約終了」と記載するのがポイントです。
○○○○年○○月 契約満了 一身上の都合により退社
業務内容を記載するケースもあります。こちらの方が丁寧といえるでしょう。
○○○○年○○月 契約満了
なお、現在まだ契約中の場合には、「契約満了」の部分を「契約満了予定」「終了予定(更新の可能性あり)」などと記載しても差し支えありません。また、個人事業主や法人として起業していた場合、それを終了した場合には「廃業」「解散」などと記載します。
免許・資格
免許・資格については、一般的な履歴書と書き方に相違はありません。取得年月と免許・資格の正式名称を記載します。例えば、「自動車免許」ではなく、「普通自動車第一種運転免許」などと正式に記載しましょう。また、保持している免許や資格が多数に及ぶ場合は、委託元の業務に関連するものから優先的に書きます。
○○○○年○○月 ○○資格 取得
○○○○年○○月 ○○試験 合格
志望の動機・特技・好きな学科・アピールポイント
強みや得意分野などに関する自己PRです。業務委託の履歴書では書かないケースも見られますが、自らのアピールとして記載しておけば、好印象につながることもあります。一般的な履歴書の書き方と大きく異なることはありません。以下は、その一例です。
▼アピールポイントの記載例
私は、現在までの5年間、Web系開発エンジニアとして数多くのWebサイト構築に携わってまいりました。
ネットショップをはじめ、予約系やポータルなど、さまざまなWebサイトにおける開発を手掛けながら、PHP・Java・Python・RubyといったWeb系・サーバー系プログラミング言語を習得しました。なかでも最も得意な言語はRuby、特にRuby on Railsを活用した開発には自信があります。
エンジニアになる前は大手IT企業にて3年ほどWebソリューションの営業に従事しており、年間の個人売上で全国トップになったこともございます。その際にさまざまなクライアントの担当者様からご意見を頂戴した経験を活かし、常にユーザー目線の開発を心がけてきました。それが功を奏してか、ありがたいことに複数のお客様からリピートでお仕事をいただいております。
Webを最大限に活用し、多岐にわたるサービスを展開している貴社には大変興味があり、契約に至った際には、必ずや貢献できるものと考えております。
本人希望記入欄
自由に記載できる欄です。業務委託の契約にあたって、文字通り希望する内容を記載することが可能ですが、条件などの詳細についてはあまり事細かに記載せず、面談などの場で直接相談するのが妥当といえます。ただし、稼働可能な曜日や時間帯など、業務に従事する際に制限がある場合は、記載しておくことでトラブルの回避につながるでしょう。
また、前項で触れたアピールポイントを補足する目的で目標などを付記したり、特記事項を伝えるための通信欄として使用したりするケースもあります。
▼本人希望の記載例
○月○日までは現業務に従事しているため、平日の○○〜○○時はお電話に出られないことがございます。
業務委託の履歴書を書く際のポイント
実際に業務委託の履歴書を書き進めるにあたっては、前章で解説した書き方に従えば概ね問題はありませんが、それらに加えて押さえておきたいいくつかのポイントがあります。以下より、業務委託の履歴書を書く際の主なポイントを紹介します。
公開してよい実績だけを記載する
守秘義務など当時の契約内容により、公開できない過去の職歴や実績については、履歴書に記載しないよう留意します。特に守秘義務とされていなくても、公開することに不安を感じる際には、当時の契約先や担当者に問い合わせるなどして確認するのが賢明です。
また、公開できない場合、あるいは公開してよいかどうか不明な場合は、「大手マーケティング企業」「著名ポータルサイト」といった形で名称を伏せるなどの工夫を施し、特定できないように配慮して記載する方法もあります。
具体的な実績・スキルを示す
業務委託では、未経験でも問題のない正社員やアルバイトの募集とは異なり、即戦力であるかどうかが重視されるケースがほとんどです。つまり、稼働中あるいは稼働予定の業務において一定の責任を担い、即座に活躍することが期待されます。
そのため、業務委託の履歴書では、過去の実績や成果物を数値で具体的に示しながら、即戦力であることが感覚的に捉えられるよう工夫することが重要です。また、業務に直接関係する特定のスキルはもちろん、コミュニケーションスキルや協調性といった一般的なスキルについても、具体的な例とともにアピールできれば理想でしょう。
クライアントに合わせて記載内容を変える
本記事で解説している内容は、あくまでも一般的な傾向をもとにした例であり、実際に業務委託の履歴書を作成する際には、クライアントに合わせて工夫を加えながら調整するのが理想です。
一度作成した履歴書をすべてのクライアントに対してそのまま使いまわすようなケースも見られますが、決して賢明な行為であるとはいえません。クライアントの業種や特性、委託案件のジャンルや内容などに応じて、先方が求めている情報がどのようなものであるかを十分に考慮のうえ、訴求力の高い履歴書を作成する必要があります。
なお、以下の記事では業務委託の面接におけるコツや注意点を解説しているので、業務委託として面談を控えている方はぜひ参考にしてください。
業務委託の履歴書についてよくある疑問
業務委託の履歴書についてよくある疑問には、次のようなものがあります。
- 業務委託用の履歴書のフォーマットは決まっている?
- 職務経歴書と履歴書の違いは?
- 業務委託から正社員に応募する場合の履歴書の書き方は?
それぞれについて、以下より順に解説します。
業務委託用の履歴書のフォーマットは決まっている?
業務委託の履歴書に、決まったフォーマットはありません。委託元(要員募集元)から指定がある場合、それに従うのは当然ですが、特に指定がない場合には、厚生労働省の書式やJIS規格など、一般的な履歴書のフォーマットを使用して差し支えありません。
パソコンを使用して作成する場合には、パーソルキャリアが公開しているdodaのページ「【ニーズ別】履歴書テンプレート~ダウンロードしてすぐに使える~」など、テンプレートを無料でダウンロードできるサイトがいくつか存在するため、それらを利用するのがおすすめです。
職務経歴書と履歴書の違いは?
職務経歴書とは、過去の実績や保有するスキルをアピールするために、仕事上の経験や業務内容に特化して記載するものです。そのため、インターネット上などに参考となるテンプレートは存在するものの、まとめ方や記載の形態は自由で、基本的には履歴書のように固定されたフォーマットがありません。
一方で履歴書は、氏名や住所などの個人情報をはじめ、一般的な経歴や現在の状況を示すプロフィールです。職務の経歴だけではなく、志望動機や人物像をつかむための項目があり、テンプレートによって細部に違いはあるものの、フォーマットはほぼ固定されています。
業務委託から正社員に応募する場合の履歴書の書き方は?
業務委託から正社員に応募する場合、志望動機やアピールポイントなどについては応募先企業を意識した工夫を施す必要がありますが、職歴については「業務委託の履歴書の書き方」の章で解説した方法と同様で問題ないでしょう。
業務委託の経験は、決してマイナスにはなりません。むしろ、自立した仕事人として即戦力となる可能性の高さを感じさせ、職歴として大きなアピールポイントになり得るため、積極的に記載することをおすすめします。
まとめ
前述した通り、履歴書は個人のプロフィールであり、これまでの経歴や人物像が分かる重要な書類です。その出来具合が、先方の印象を大きく左右し、その後の流れを決定づけます。
業務委託時に提出を求められた際には、本記事の内容を確実に押さえながら、ぜひ効果的な履歴書を作成してください。
なお、ITフリーランス向けエージェントサービスのITプロパートナーズでは、高単価かつ柔軟な働き方ができる案件を多数掲載しています。業務委託の仕事も豊富にありますので、ぜひご活用ください。
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