こんにちは、ITプロマガジンです。
Webマーケティングの需要は高まっており、Webマーケターの将来の見通しは明るいとされています。しかし一方で、AIや機械学習の台頭により、webマーケティングはなくなるのでは?と危惧の声も上がっています。
果たしてWebマーケティング業界の今後の将来性や需要はどうなっていくのでしょうか?
本記事では、Webマーケティングの将来性や需要について、様々なデータをもとに徹底解説します。併せて、Webマーケターの年収・キャリアパスなども解説します。記事を読むことで、Webマーケティングの将来性が明るい理由や必要なスキルがわかります。ぜひ参考にしてください。
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目次
Webマーケティングは現在需要が高い
近年、Webマーケティングの需要は高まっています。株式会社電通が2022年2月に公表した調査レポートの「2021年 日本の広告費」によると、インターネット広告費は2021年に初めてマスコミ四媒体広告費(新聞・テレビメディア・ラジオ・雑誌)を超えたことがわかりました。2021年の総広告費6兆7,998億円のうち、マスコミ四媒体広告費は2兆4,538億円で前年比108.9%。
一方、インターネット広告費は2兆7,052億円で前年比121.4%でした。インターネット広告費はマスコミ四媒体広告費を約2,500億円上回る結果となっています。総広告費に対するインターネット広告費の構成比は2019年に30.3%でしたが、この2年間で39.8%と約1割増を達成していることがわかります。
Webマーケティングの将来性が明るい3つの理由
Webマーケティングの将来性が明るいとされる理由は、以下の3つです。
- インターネット広告市場はさらに拡大の見込み
- 国内動画広告の市場も伸びている
- SNS広告も順調に伸長
それぞれの理由を以下で解説します。
インターネット広告市場はさらに拡大の見込み
インターネット広告市場は、今後もさらに拡大すると予想されています。株式会社矢野経済研究所が2021年10月に発表した「インターネット広告市場に関する調査」によると、2018年度に1兆6,990億円だった市場規模が2020年度には2兆1,290億円にまで拡大しています。
2022年度以降も成長し続け、2024年には3兆2,740億円まで拡大すると予測が立てられました。調査結果から、インターネット広告市場は将来性の見通しが明るいことがわかります。
国内動画広告の市場も伸びている
インターネット広告市場のなかで急成長を遂げているのが動画広告市場です。株式会社Cyber Agentが2020年12月に発表した「2020年国内動画広告の市場調査」によると、2019年に2,592億円規模だった動画広告市場は、2021年には3,889億円にまで増大しました。2022年以降も増加することが見込まれており、2024年には6,856億円に到達する見通しを立てています。
動画広告市場ではスマートフォンにおける動画広告の需要が多く、2019年動画広告市場の総広告費に対して88.6%と約9割を占めていることから、スマートフォンの普及が追い風となっていることが読み取れます。
SNS広告も順調に伸長
インターネット広告市場の将来性が明るい理由は、動画広告だけでなくSNS広告も順調に拡大しつつあるからです。
株式会社電通が2022年3月に発表した「2021年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」によると、2021年のSNS広告市場は7,640億円で前年比134.3%と前年度を大きく上回る市場規模に成長し、インターネット広告市場の35.4%を占めていることがわかります。
これらの情報により、Webマーケティングの市場規模が今後さらに拡大することが予測できます。
Webマーケティングの将来性に関する懸念点
将来性の見通しが明るいWebマーケティング市場ですが、以下の2つの懸念点が挙げられます。
- 需要に対してwebマーケターの数が多い?
- AI・機械学習により仕事がなくなる?
ただし、Webマーケティングの将来性を悲観するほど大きな問題ではありません。以下で、それぞれの懸念点と対処法を解説するので、ぜひ参考にしてください。
需要に対してwebマーケターの数が多い?
Webマーケティング広告市場の拡大によってWebマーケターの需要が高くなるものの、人数が増えると「競争率が高くなるのではないか」という懸念点が挙げられています。しかし、急成長を遂げているWebマーケティング広告市場に対し、Webマーケターの数は圧倒的に不足しているため、当面はWebマーケターが溢れて求人が不足するといった事態は起こりません。
ただし、将来的にWebマーケターの需要に対して供給が上回る可能性があるため、今から実績を増やしてスキルを磨く必要があります。
AI・機械学習により仕事がなくなる?
近年、AIの機械学習の成果によって「仕事がなくなるのではないか」と問題視されてきました。Webマーケターの仕事も同様に懸念の声が挙げられます。
AIに奪われる仕事が存在することは事実ですが、すべての仕事が失われるわけではありません。AIの機械学習には向き・不向きがあり、人にしかできない仕事・作業は替えがきかないので人の仕事として残ります。AIに向いている作業と向いていない作業は次のとおりです。
- 向いている作業:データの集計や分析
- 向いていない作業:企画の立案や広告の入稿など
AIにできることを任せてWebマーケターにしかできないことを行うようにすれば、精度の高い仕事ができるようになります。
Webマーケティング職の年収
Webマーケターは需要が高い職業であることはわかったものの、実際の年収はいくらなのか知りたい方もいらっしゃるでしょう。そこで、厚生労働省が運営する職業情報サイト「jobtag」や国税庁のデータを紹介します。
2021年の賃金構造基本統計調査によると、Webマーケターの平均年収は620.9万円。同年のハローワーク求人統計データの求人賃金(月額)は25.4万円となっています。
国税庁が2021年9月に発表した「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、全職種の平均年収は433万円です。Webマーケターは全職種の平均年収を上回っていることから、高収入が期待できます。
ただし、Webマーケティング職の年収は、職種や業種によっても大きく変わります。Webマーケターの年収を更に詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
将来性の高いwebマーケターの特徴
Webマーケターは需要や平均年収が高く、将来性の見通しが明るい職種です。しかし、すべてのWebマーケターが高収入を得続けられるとは限りません。将来性の高いWebマーケターに見られる特徴は、主に次に挙げる3つです。
- 常に需要の高いスキルを学んでいる
- 上位レイヤーの職種を目指している
- さまざまな案件を受けている
それぞれの特徴を以下で解説します。
常に需要の高いスキルを学んでいる
将来性のあるWebマーケターはインターネット広告市場の需要に敏感で、常に必要なスキルを磨き続けている特徴があります。インターネット広告市場では、動画広告市場やSNS広告市場が今後さらに拡大することが予想されているため、動画やSNSを活用した広告の企画・運用などのスキルが求められます。
必要になってからスキルを学ぶのではなく、先回りして今後必要なスキルを習得しておくことで他のWebマーケターとの差別化が可能です。
上位レイヤーの職種を目指している
将来性のあるWebマーケターに見られる特徴として、マネージャーや経営層などのハイクラスの役職を目指す傾向が挙げられます。生涯現役のWebマーケターでいることは可能ですが、35歳以上はより高い役職での活躍が求められるケースが増えてきます。
チャンスがあればマネージャー以上のポストを引き受け、チーム全体で勝ち取った成果を実績に残すようにしましょう。目指すべき職種や方向性が定まれば、習得が必要なスキルを早く見極められます。
さまざまな案件を受けている
将来性の高いWebマーケターの特徴は、さまざまな案件を引き受けて豊富な実績を積み重ねていることです。Webマーケターとして働く場合、大きく分けて会社員とフリーランスが挙げられます。
Webマーケターの仕事はパソコンとインターネット環境があれば時間や場所を選ばずに働けるため、会社員でも週末や休日を利用して副業にチャレンジできます。Webマーケティングスキルはさまざまな業種で活用できるため、本業にも活かせるでしょう。
将来性の高いWebマーケティングのスキル
将来性の高いWebマーケターを目指すためには、Webマーケティングのスキルを習得しておく必要があります。代表的なスキルを4つ紹介します。
- Web・SNS広告の運用スキル
- SEOの知見・スキル
- データ分析のスキル
- 保有スキルを掛け合わせる
それぞれのスキルについて解説します。
Web・SNS広告の運用スキル
Webマーケターとして活躍し続けるためには、Web・SNS広告の運用に必要なスキルが求められます。具体的にはいかに広告をクリックさせるかを考え、広告を掲載する媒体選びから打ち出し方・デザインの企画を立て、施策の効果検証までを行う能力が必要になります。
Web・SNS広告はさまざまな種類があるため、実際に運用しながらターゲットに合った広告を見極める力を養っていく必要があります。
SEOの知見・スキル
Webマーケティングを行う上で、SEOの知識が必要です。SEOとは、Search Engine Optimizationの略称で、インターネット検索結果ページで上位表示されるために行う施策のことです。日本語では「検索エンジン最適化」と訳されます。
具体的には、ユーザー向けの有益な情報を自社のWebサイトで発信したり、ユーザーが利用しやすいようにWebサイトのデザインを改善したりすることが挙げられます。SEOの仕組みを理解し、自社に合った施策を行うことが大切です。
データ分析のスキル
Web広告やSEO対策などを行う際に、データの分析スキルが求められます。ターゲットの興味を惹き付ける広告にしなければ、広告費は無駄になります。また、Webサイトの離脱率が高い場合にどのWebページで離脱するユーザーが多いのかを分析できれば、スムーズに改善できるでしょう。
ほかに、アクセス解析ができるITツールを活用するためにはツールの機能や操作方法を把握しておく必要があります。
保有スキルを掛け合わせる
前述したスキルを習得するだけでなく、保有する複数のスキルを掛け合わせて活用しましょう。単独のスキルに特化したWebマーケターは多く存在します。複数のスキルを掛け合わせることで差別化を図ることができれば希少な人材として見られるようになり、マーケティング業界で活躍しやすくなるでしょう。スキルの掛け合わせの例は次のとおりです。
- SNS×動画
- SNS×SEO
- 広告運用×SEOなど
複数のスキルを掛け合わせることで、それぞれのスキルの強みが引き出されて相乗効果が生まれます。
Webマーケティング職のキャリアパス
Webマーケティングのスキルを習得することで、さまざまなキャリアパスの道が開けます。代表的なキャリアパスとして次の4つの職種が挙げられます。
- Webコンサルタント
- リーダー・ディレクター
- CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)
- フリーランスとして独立
それぞれの職種の仕事内容や必要なスキルについて以下で解説します。
Webコンサルタント
Webコンサルタントは、企業のマーケティング課題の解決策を提案したりアドバイスを行ったりする仕事です。業種や規模、ターゲット層などによって課題は異なるため、企業のニーズに合った解決策を提案する必要があります。
企業が認識している課題とは違うところに問題が潜んでいる場合もあることから、Webマーケティングにおける幅広い知識に加えて、状況を的確に把握する力や課題解決につながる提案力も欠かせません。
リーダー・ディレクター
Webマーケターとして社内で評価を高めることで、リーダー・ディレクターへの昇進を目指すことも可能です。社内で評価を高めるためにはWebマーケティングの経験を積み、成果を上げることが求められます。
Webマーケティング業界では実績の高さが評価につながるため、若年層や未経験でも優れた実績があれば昇進する可能性は高まります。ただし、リーダー・ディレクターになるとチームで協力して成果を上げる必要があるため、コミュニケーションスキルや実行力などのスキルも必要です。
CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)
Webマーケティングを極め、CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)を目指す道もあります。CMOはCEO(最高経営責任者)やCFO(最高財務責任者)と同じ管理職の一つで、企業のマーケティングの最高責任者です。
部署内で提案されたマーケティング施策を実行するかどうかの決断はもちろん、結果に伴う重責をすべて負う立場にあります。CMOはWebマーケティングの知識だけでなく、経営者としての視点も求められます。
フリーランスとして独立
Webマーケターは、フリーランスとして活躍するキャリアパスもあります。Webマーケティングに必要なスキルや経験、実績があれば、自ら企業に営業をかけて案件を獲得できます。Webマーケターとして案件を引き受けながら、Webコンサルタントとして企業にアドバイスやサポートを行うことも一つの方法です。
フリーランスの場合、Webマーケティングスキルのほかに、実績をアピールするための営業力やコミュニケーションスキル、所得税の申告に必要な確定申告の知識などを習得しておきましょう。
まとめ
Webマーケティングの需要は高く、Web広告市場はさらに拡大することが見込まれていることから、Webマーケターの将来性の見通しは明るいとされています。
全職種の平均年収を上回るWebマーケターは高年収が期待できる職種です。ただし、安定して活躍し続けるためにはWeb・SNS広告の運用スキルやデータ分析のスキルなどを習得し、保有するスキルを掛け合わせて差別化を図ることが大切です。
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