こんにちは、ITプロマガジンです。
フリーランスや個人事業主として働かれている方の中には、「家賃は経費にできるのか?」と疑問に感じている方もいるかと思います。
結論から伝えると、家賃を経費計上することは可能です。自宅で仕事をしているフリーランスにとって、固定費として毎月必要な家賃を経費にできれば、大きな節税効果が得られますよね。
しかし、家賃を経費にするには条件があり、経費計上できる金額の計算方法を理解する必要もあります。そこで本記事では、家賃を経費計上する為の条件や計算方法など、家賃を経費計上して賢く節税する方法を解説します。
また、光熱費や通信費など家賃以外の経費にできる項目についてもご紹介します。なお、税金の基本知識を知りたい方は「フリーランスが支払う税金の種類まとめ」を参考にしてください。
「必要以上に安売りをしてしまう」「市場感より高い単価で参画してしまいトラブルになる..」
フリーランス市場は売り手市場であるものの、いまだに正しいノウハウが確立されておらず、多くの方が案件探しに苦労されています。
ですが、現在の市場感や企業側に刺さる経験・スキルを理解し正しく案件探しをすれば、誰でも自身のバリューを活かし単価を伸ばすことができる、というのも事実です。
ITプロパートナーズでは、
・9割がエンド直案件のため、高単価
・約6割が週3-4案件のため、柔軟に働ける
・約7割がリモートのため、働く場所を選べる
などの魅力的な案件を数多く保有し、マッチング能力の高い即戦力エージェントが完全サポートします。
初めてのフリーランス、情報収集段階でも大丈夫です。あなたの働き方にマッチし、単価も高く、最もバリューを発揮できる案件を探しませんか?
目次
フリーランスが家賃を経費計上するための条件
フリーランスが家賃を経費計上するためには、下記2つの条件があります。確定申告で経費計上するために、事前に条件を確認しておきましょう。
自宅を仕事場として活用している
家賃を経費計上するためには、自宅を仕事場として活用している必要があります。自宅以外に事務所を構え、自宅を仕事で全く使わない場合は家賃を経費にできないので注意しましょう。
仕事に使っている割合を出す必要がある
自宅は日常生活を送る役割が主となるため、家賃全額を経費として計上できるわけではありません。経費として計上可能なのは、あくまで一部のみです。適切に仕事で使用した割合を計算することで、家賃を経費計上できます。
フリーランスが家賃を経費計上する際の計算方法と割合の目安
家賃やその他のコストを経費計上するために「家事按分」をする必要があります。ここでは、家事按分の具体的な意味と計算方法、一般的な割合の目安を解説します。
家事按分とは?
自宅を仕事場として活用している場合、家賃や電気料金、通信費などの出費について、どこまでが業務目的での出費で、どこまでがプライベートで使用する分なのか割合を計算します。適切な割合で算出できれば、事業コストとして経費計上することが認められています。それが家事按分の考え方です。
家賃を経費計上するための計算方法
家事按分で家賃を経費計上するには、業務に使用する面積をベースに計算する方法と、業務で費やす時間帯をベースに計算する方法の2つがあります。それぞれの計算方法をチェックしていきましょう。
面積で計算する場合
面積を目安に計算する場合は、まず、自宅の面積のうち何割を業務スペースとして使用しているかを割り出す必要があります。
例えば、1ヶ月分の家賃が120,000円のマンションに住んでいて、オフィスとして使っている部屋が自宅の総面積の30%を占める場合は、次のように計算します。
つまり、120,000円のうち36,000円を経費として計上できます。
時間で計算する場合
時間ベースで計算する場合、24時間のうち平均してどれくらいの時間を業務に費やしているか、見当を付ける必要があります。
例えば、1ヶ月分の家賃が120,000円のマンションに住んでいて、1日平均8時間を業務に費やしていた場合、24時間のうち8時間は全体の3分の1になります。このため、次のように計算します。
上記のように計算すると、40,000円を経費計上できます。
3割〜4割が経費になるのが一般的
フリーランスが家賃を経費計上する場合、割合としては3〜4割程度が一般的です。あまりにも経費分が多すぎるなど、不自然な処理の可能性が疑われる場合は、税務調査の対象となることもあるため、注意が必要です。
そのため、家賃の経費計上が適切に処理されていることの証明として、計算が実態に即して正しく行われている旨を説明できるメモや情報を保持しておくことが大切です。具体的には、作業スペースを明記した間取り図や、家賃の支払いを証明できる通帳記録などの保管がおすすめです。
フリーランスが家賃を経費計上できる他のケースは?
フリーランスの仕事場は、自宅の賃貸物件、自分名義の持ち家、親族が所有する不動産など、さまざまな形が考えられます。参考までに、家賃を経費計上できるいくつかの代表的なケースをご紹介します。
事務所を自宅以外に構えている場合
最も分かりやすいのが、自宅とは別に事務所を借りているケースです。事務所で仕事が完結し、自宅では全く仕事をしない場合は、事務所の賃料を100%経費として計上できます。
一方、フリーランスの働き方のスタイルによっては、外に事務所を構えつつ、自宅でも仕事をしている場合もあります。よくあるのが、日中は外の事務所で仕事をして、夜は家に仕事を持ち帰るパターンです。自宅で仕事をしている割合を出すことで、この場合でも家賃の経費計上は可能です。
例えば、家賃が12万円で、平日5日間は平均3時間を自宅で業務し、業務に使用する部屋が全体面積の25%の場合は、次のように計算します。
上記のように計算することで、2,700円を経費として計上できます。
家族名義の賃貸の場合
親族名義の賃貸物件で仕事をしているケースもあります。
例えば、自分の父親が所有する賃貸物件を借りて、住居兼仕事場として家賃を払っているケースはどうでしょうか。この場合、家賃は父親に支払っているため、経費計上は可能です。他のケースと同様、経費は前述の家事按分に基づく計算で算出します。
また、自分ではなく家族の名義、例えば夫の名義で賃貸物件を借りている妻が、住居兼仕事場として使用している場合、経費計上が認められます。同じく、経費は家事按分に基づいて算出します。
一方、家族間でも経費計上が認められていないケースもあります。例えば、同じ家で生活している父親、つまり自分と生計を一にしている父親名義の不動産物件を、賃料を払って事務所として借り上げている場合は、家族間で利益調整が行われるリスクを阻止するために、費用計上は認められていません。
賃貸ではなく持ち家の場合
賃貸ではなく、戸建てやマンションなど、自分の持ち家を自宅件仕事場としている場合、家賃そのものが発生しません。代わりに、建物部分の減価償却費や固定資産税、住宅ローンの金利部分、管理費、火災保険料などの項目を経費計上することが認められています。
ただし、住宅ローン控除を受けており、事業使用割合が50%以上の場合は、控除を受け取れません。10%以下であれば、全額控除の対象となります。住宅ローンへの対応については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。
フリーランスが家賃以外で家事按分できる経費は?
適切な計算処理さえを守れば、家賃以外にも電気料金やガス料金、水道料金、通信費、駐車代などの支出を経費計上できます。項目ごとに概要と注意点を解説します。
電気料金
フリーランスにとって、電気料金は重要な経費の1つです。パソコンやプリンター、電話機、その他の機器類、照明、エアコンなど、業務中に多くの項目で電気を消費します。
電気料金を家事按分して経費計上する場合、作業時間や日数、業務に使用するコンセントの数などをベースに割合を計算します。
事業内容によっては何をベースとするかが大きく変わる可能性があります。万が一税務調査を受けた場合にきちんと説明できるよう、何を根拠に割合を算出したかを明確にしておくことがおすすめです。
ガス代、水道代
事業内容によっては、ガス代や水道代も経費として計上可能です。例えば自宅のスペースを利用して弁当の宅配サービス業を営んでいる場合は、明らかにガス代・水道代は事業内容に不可欠な経費とみなされるため、問題なく経費計上できます。
一方、例えばエンジニアやライターなどの場合は、業務内容とガス代・水道代の明確な関係性の説明は困難なため、無理な家事按分で経費計上を試みるのはおすすめしません。
通信費
事業内容との直接的な関連性が認められるなら、通信費も経費計上できます。例えばエンジニアやライターの場合、仕事柄インターネットの利用は不可欠です。税務署から問い合わせを受けても説明できるよう出費と業務の関係を明確にしたうえで、家事按分で割合を計算して計上します。業務上のニーズでスマートフォンを使用する場合も、例えばプライベートとは別に業務用のデバイスを用意するなどの工夫で、より簡単に経費計上が可能です。
駐車場代など車関連の出費
自家用車をフリーランス業務に使用する場合も、事業内容との明確な関連性が認められるなら、家事按分で経費計上できます。経費計上可能な項目には、駐車場代やガソリン代、車検料金、自動車税、車両の購入費用などが含まれます。一般的には、走行距離をベースに割合を計算して計上する方法がよく用いられます。
このほか、経費について更に詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
フリーランスが家賃を経費計上する際の注意点
フリーランスが家賃を経費計上する際は、いくつかの点に注意する必要があります。ここでは、代表的な注意点を5つピックアップし、それぞれ詳しく解説します。
不自然な按分割合だと税務調査の対象になる可能性がある
まずは家事按分の際の割合に注意しましょう。なるべく税額を抑えたい気持ちもあるかもしれませんが、不自然な按分割合にしてしまうと、税務調査の対象になる可能性があります。
例えば自宅兼事務所として使っているのにもかかわらず、10割に近い割合で申告したような場合です。もし不適切な申告を行ってしまうと、税逃れとみなされて追徴課税に加えて懲役刑や罰金刑などが発生する可能性もあるので注意してください。先ほども触れたように、一般的な按分割合は3、4割程度です。
家事按分の割合の根拠となる資料を残しておく
家事按分をする際は、その割合の根拠となる資料を、必ず残しておきましょう。こうした資料は、確定申告時に必要になることはありません。税務署から「どうしてこの按分割合なのか?」と聞かれた際に、説得力をもって答えられるようにするためのものです。
根拠となる資料の例は、家賃の支払いの証明ができる通帳明細などです。また「仕事に使っている面積」で家事按分をする場合は、部屋の間取りを示した図や、その場所で作業したことが分かる履歴などがその証明となります。
家事按分の割合をむやみに変えない
家事按分の割合をむやみに変えないのも重要です。家事按分をする際は、最初に割合を決め、なるべく一貫して同じ比率を使い続けるようにしましょう。
しかし、どうしても按分割合を変えなければならない事情もあります。例えば仕事のスタイルが大幅に変わったり、引っ越しをして居住面積が広がったり(狭まったり)といったケースです。
もし家事按分の割合を変える場合は、税務署に指摘されても、説得力のある説明ができるように準備しておきましょう。
敷金・保証金などは経費にできない
敷金・保証金などの項目は、経費にできないので注意しましょう。これらの費用は、管理会社などに支払うものですが、あくまでも債務を担保するために預けるものです。
敷金は、特に債務が発生していなければ、退去時に返金されるのが原則で、大家さんへのお礼として支払う礼金とは性質が異なります。このような、「後に返ってくるお金」は、経費計上できません。
なお礼金は、後で返還されるお金ではないため、経費にできます。
白色申告と青色申告の規定の違いに留意する
白色申告と青色申告の規定の違いにも気をつけましょう。いずれも、自宅を業務に使用している場合であれば、家賃の一部を経費計上できます。ただし、運用のルールが若干異なるため、注意が必要です。
まずは分かりやすい青色申告について確認しましょう。所得税法施行令第96条第2項によれば、業務の遂行に直接必要だった部分を経費計上できるとしています。
青色申告書を提出することにつき税務署長の承認を受けている居住者に係る家事上の経費に関連する経費のうち、取引の記録等に基づいて、不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務の遂行上直接必要であつたことが明らかにされる部分の金額に相当する経費
引用元:e-Gov法令検索
次に白色申告です。所得税法施行令第96条第1項によれば、必要な部分を明らかに区分できる場合に限って、経費計上が認められます。
家事上の経費に関連する経費の主たる部分が不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができる場合における当該部分に相当する経費
引用元:e-Gov法令検索
両者を比較してみると、青色申告の方が実務上の運用はしやすいといえるでしょう。
フリーランスが更に正しく節税するには?
今回ご紹介した家賃やその他の経費のように、経費として落とせるコストはできる限り経費計上していくのが賢明です。また、確定申告の際は青色申告で申請することにより、最大65万円まで控除を受けることが可能です。敷居が高そうな青色申告も、ITクラウドツールの使用で問題なく進められるでしょう。
フリーランスの節税対策に関する詳細は、以下の記事で解説しています。ぜひご参照ください。
フリーランスが家賃を経費にする際のよくある質問と回答
最後に、フリーランスが家賃を経費にする際のよくある質問と回答をまとめました。今回の記事で扱っていない内容にも触れていますので、ぜひあわせてご確認ください。
1.事業が赤字でも家賃を経費にできますか?
結論からいえば、赤字や黒字にかかわらず、家賃を経費にできます。特に青色申告の場合は、赤字を最長3年間繰り越せるルールがあり、家賃を経費計上することで赤字幅を拡大すれば、翌年以降の節税に活用しやすくなるのです。
赤字を繰り越すためには、他の所得と「損益通算」し、損失を控除する必要があります。損益通算をしても赤字になる場合は、その分を翌年以降に繰り越せます。
損益通算の処理が挟まれる都合上、「個人事業は赤字だが給与所得が十分」という場合は赤字にならず、繰越ができない可能性もあります。
2.もし税務調査の対象になったらどうすればよいですか?
もし税務調査が入った場合は、経費計上の根拠を論理的に示すのが大切です。もちろん、調査の際に、自分でも分からないことに直面する可能性もあります。
分からない部分に関しては、適当に答えるのではなく、「現時点では不明です。後日調査して再回答します」といった対応をするのが重要です。もし回答が間違っていた場合、信用問題につながるので注意しましょう。
税務調査は、税理士の立ち会いが認められています。顧問税理士がいるのであれば、調査の立ち会いを依頼しましょう。
とはいえ、フリーランス(個人)に対して税務調査が入るケースは少ない傾向があります。
3.シェアハウスやルームシェアの家賃は経費にできますか?
事業で使っている場合であれば、シェアハウスのような形態であっても、家賃の経費計上は可能です。なお、ここでのシェアハウスやルームシェアとは、「賃貸物件を複数人で借り、家賃をまとめて大家さんに支払う形態」を指します。
通常の賃貸の場合と同じく、自分が事業で使っている部分を計算して、経費として計上します。ただし知人とシェアハウスをしている場合、その人が占有している部分(知人の寝室など)は、按分割合には含まれません。
リビングダイニングキッチンなどの共有部分に関しては、総面積を住人の数で割ったものを、自分が使っている面積として算出するのが妥当です。
まとめ
フリーランスとして働く場合、家賃や電気料などさまざまなコストを自己負担する必要があります。負担を減らす工夫の1つは、どれだけ多くの金額を経費計上して節税につなげられるかです。本記事でご紹介した家賃をはじめとする経費計上のポイントを押さえておけば、適切な会計処理による節税効果が得られます。
また、青色申告で確定申告をすれば最大65万円まで控除が受けられるため、節税効果を高めることが可能です。詳しい内容は以下の記事で解説していますので、ぜひご確認ください。
- 高額案件を定期的に紹介してもらいたい
- 週2日、リモートワークなど自由な働き方をしてみたい
- 面倒な契約周りはまかせて仕事に集中したい
そのような方はぜひ、ITプロパートナーズをご利用ください!
まずは会員登録をして案件をチェック!