こんにちは、ITプロマガジンです。
フリーランスになるにあたって、加入できる年金の種類や将来受け取る年金額が気になる人も多いのではないでしょうか。
日本の公的年金制度には厚生年金と国民年金の2種類がありますが、フリーランスが加入できるのは基本的に国民年金です。会社員のように厚生年金に加入できないことで、「将来もらえる年金額が少ないのでは」「老後の生活は大丈夫なのか」と感じているフリーランスは少なくありません。
そこで今回は、フリーランスが知っておきたい厚生年金・国民年金の知識をまとめてお伝えします。フリーランスがもらえる年金額の目安や、厚生年金の代わりになり得る制度などを紹介するので、将来に向けた資産設計を計画したい人はぜひ参考にしてください。
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目次
フリーランスは厚生年金に加入できる?
会社員として毎日働く場合、厚生年金に加入するのが一般的です。厚生年金は、雇用された人が対象の年金なので、フリーランスになれば厚生年金に加入することはできません。
そもそも厚生年金と国民年金の違いとは
日本には、「国民年金のみに加入している人」と、「国民年金と厚生年金の2種類に加入している人」がいます。
国民年金は「日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の全ての人」が加入対象です。フリーランスや個人事業主、雇用されて働く会社員、主夫や主婦など、立場を問わない大勢が国民年金に加入しています。
一方、厚生年金に加入できるのは、一定の条件のもと雇用された人のみです。フリーランスとして独立したら、基本的に厚生年金被保険者資格を失い、国民年金に切り替えます。
ちなみに、健康保険には元勤務先である企業の健康保険に一定期間加入し続けられる「任意継続」という仕組みがありますが、厚生年金には同様の仕組みはありません。
フリーランスが加入できるのは国民年金
以下では国民年金の加入手続き方法や、保険料の支払い方法、フリーランスに扶養家族がいる場合の年金の取り扱いを解説します。
加入手続き方法
厚生年金から国民年金への切り替え手続きは、「退職日の翌日から14日以内」が期限です。元勤務先企業が厚生年金を脱退する届出を出すため、加入手続きをしなければ、年金事務所から国民年金加入に関する案内が届く場合があります。
切り替え手続きは、「居住している市区役所または町村役場」、「年金事務所」で手続きできます。電子申請も可能です。また、全ての自治体ではありませんが、「郵送」によって手続きができる場合もあります。
手続きは、基礎年金番号またはマイナンバーにもとづき行われます。必要なものは以下のとおりです。
【共通で必要なもの】
- 国民年金被保険者関係届書(申出書)
- 退職日や厚生年金を喪失した日が分かる書類(雇用保険被保険者離職票、雇用保険受給資格者証、社会保険資格喪失証明書、退職証明書など)
さらに、以下のいずれかが必要です
- 基礎年金番号が分かるもの(年金手帳、基礎年金番号通知など)
- マイナンバーカード
国民年金被保険者関係届書(申出書)は、「日本年金機構のサイト」からダウンロードできます。
マイナンバーカードがない場合は、運転免許証やパスポートなど「身分を確認できる書類」と、通知カードや個人番号が記載された住民票の写しなど「マイナンバーが確認できる書類」が必要です。
期限を過ぎて手続きをせず、保険料を未納にした場合、将来支給される年金額が減るだけではなく、障害基礎年金や遺族基礎年金が支給されない場合もあります。必ず期限までに手続きしましょう。
国民年金の保険料の支払い方法
国民年金の保険料の支払い方法は、以下から選べます。
- 銀行振込
- 口座引落
- クレジットカード
銀行振り込みの場合、毎月分の納付書が届きます。前納することもでき、その場合は納付額が割り引かれる特典があります。
振込に遅れても、振込期限から2年以内は納付が可能です。公的年金への加入は義務なので、保険料が未払いの場合は、年金事務所から納付を促す督促状などが届くことになります。
扶養家族の年金の取り扱い
国民年金には扶養という概念がなく、配偶者が無収入でも第1号被保険者として個別に保険料を納める必要があります。
会社員だった自身が独立するタイミングで配偶者を扶養に入れていた場合は、配偶者の国民年金への切り替え手続きも忘れずに行いましょう。
なお、配偶者が会社員などの場合は、フリーランスである自身が配偶者の扶養に入ることで、保険料負担がなくなるケースもあります。自身の収入が少なければ、扶養に入るという手も検討するとよいでしょう。
フリーランスがもらえる年金はいくら?
フリーランスがもらえる年金を、場合別に解説します。
全期間保険料を納めた場合
年金額は毎年改定されます。令和8年度において、20歳から60歳までの40年間、全期間保険料を納めていた人の受給額は、年額847,300円(月額70,608円)です。
なお、昭和31年4月1日以前に生まれた人の場合は、年額844,900円(月額70,408円)が受給額となります。
未納期間や免除期間がある場合
未納のまま放置していた場合は、その期間分受け取れる年金額が減ります。
- 未納期間がある場合に1年間に受け取れる年金額=年間の国民年金額(満額)×(保険料を納付した月数÷加入年数480ヶ月)
例えば、4年未納期間がある場合の受給額は以下のように計算され、年額762,570円(月額63,548円)となります。
- 4年未納期間がある人が1年間に受け取れる年金額=847,300円×(432÷480)=762,570円
経済的な事情で保険料の納付が難しい人は、保険料免除制度を活用しましょう。免除額は前年所得に応じて4段階で決定されます。
| 免除割合 | 年金が減額される割合 |
|---|---|
| 全額免除 | 2分の1 |
| 4分の3免除 | 8分の5 |
| 半額免除 | 8分の6 |
| 4分の1免除 | 8分の7 |
免除が承認されると、免除期間は受給資格期間としてカウントされますが、将来受け取る年金額は全額納付した場合よりも少ない割合で計算されます。
- 保険料免除制度を活用した人が1年間に受け取れる年金額=年間の国民年金額(満額)×(保険料を全額納付した月数+保険料が免除された月数×免除月の割合)÷加入年数480ヶ月
例えば、全額免除が4年適用された場合の受給額は以下のように計算され、年額804,935円(月額67,078円)となります。
- 全額免除が4年適用された人が1年間に受け取れる年金額=847,300円×(432+48×1/2)÷480=804,935円
また、学生納付特例、納付猶予制度によって、保険料の支払いを延期することも可能です。延期したまま追納しない場合、未納期間と同じ計算式で年金額が減額されます。ただし、10年以内であれば保険料をさかのぼって追納できるので、年金額を減らしたくない人は追納を検討しましょう。
過去に会社員として働いた期間がある場合
過去に厚生年金加入期間がある場合は、年金額に上乗せされます。
- 過去に会社員として働いた期間がある人が1年間に受け取れる年金=年間の国民年金額(満額)+厚生年金上乗せ分
- 厚生年金上乗せ分=厚生年金加入中の平均年収×厚生年金加入年数×0.5481%
例えば、以下の条件で年金額を計算してみると、トータルで受け取れる年額956,920円(月額79,743円)となります。
- 会社員時代の年収が400万円
- 勤務期間は5年間
- 残りはフリーランス
- 過去に会社員として働いた期間がある場合の年金額=847,300円+4,000,000円×5年×0.5481%=847,300円+109,620円=956,920円
フリーランスと会社員の年金受給額・支払い額の比較シミュレーション
フリーランスと会社員で、年金受給額や支払い額を比較しました。
- フリーランスも会社員も納付期間は20歳から60歳までの40年間とし、未納や免除はないものとする
- 会社員の年収は400万円で固定として、「令和8年度版厚生年金保険料額表」を基準に保険料を算出
| フリーランス ※国民年金のみ | 会社員 ※年収400万円 ※厚生年金と国民年金の合算 | |
|---|---|---|
| 年金保険料 | 月額:17,920円 年額:215,040円 | 月額:31,110円 年額:373,320円 |
| 将来の受給額 | 月額:70,608円 年額:847,300円 | 月額:143,688円 年額:1,724,260円 |
会社員の方が、フリーランスより、年間で約16万円も多く保険料を納める計算です。一方で、年間で受け取る年金受給額は、会社員の方が約88万円も多い結果となりました。
会社員が年間で受け取る年金受給額が多い理由は、保険料の労使折半にあります。
会社員の場合、本人負担分に対して会社側も同額を上乗せして納付する仕組みです。つまり、実質的な積立額は、本人負担額の倍に相当します。
フリーランスの老後はどうなる?必要な生活費の目安
2024年「家計調査報告 家計収支編」によると、65歳以上の単身無職世帯のひと月あたりの平均支出額は、161,933円です。
国民年金しか受給できないフリーランスの場合、年額847,300円(月額70,608円)の年金では、生活費が大幅に不足します。老後も現役レベルの生活水準を維持するためには、早い段階から厚生年金に代わる経済的な備えを検討する必要があるでしょう。
フリーランスが検討したい厚生年金の代わりになる制度

年金を受給する年齢になって、働き続けなければならない状況は、体力的にも精神的にも、そして経済的にも負担が大きいものです。フリーランスになるのであれば、老後に向けて年金受給額を増やす対策を講じておくのがおすすめです。
- 付加年金制度を利用する
- 国民年金基金に加入する
- iDeCo(確定拠出年金)に加入する
- 小規模企業共済に加入する
- 終身保険に加入する
- 法人化して厚生年金に加入する
ここでは、上記のフリーランスが年金受取額を増やす6つの方法をみていきましょう。
付加年金制度を利用する
「付加年金制度」とは、国民年金の保険料に付加保険料を上乗せして納めることで、受給する年金額を増やせる公的年金制度です。最寄りの市町村役場で手続きできます。
付加保険料は月額400円。年額で増額される金額は、「200円×付加保険料納付月数」で計算されます。例えば、付加保険料を30年支払うと、年額7万2,000円、月額にすると6,000円が増額されます。
なお、付加年金は定額であり、将来的に物価が上下した場合でも、受給する年金額は増減しません。
国民年金基金に加入する
「国民年金基金制度」とは、国民年金保険に上乗せして加入できる公的年金制度です。最寄りの国民年金基金の事務所で手続きできます。
先に紹介した通り、厚生年金と国民年金の受給額には大幅な差が生じています。この差を埋めるために創設されたのが、国民年金基金制度です。
口数制で年金額や給付の型は自分で選べ、少額からスタートが可能。上限である6万8,000円までであれば、加入後に掛け金を変更できます。
掛け金は全額が所得控除されるため節税効果も。ただし、受け取れる受給額が固定であること、一度加入すると任意で脱退できないことには留意が必要です。
iDeCo(確定拠出年金)に加入する
「iDeCo」(確定拠出年金)とは、自分で掛け金を拠出し、定期預金や保険商品、投資信託などの商品の運用、資産を形成する私的年金制度です。国民年金基金連合会が運営する、「iDeCo公式サイト」や、確定拠出年金を運用している金融機関で手続きができます。
フリーランスの掛け金は、月額5,000~6万8,000円までで、1,000円単位で自由に設定できます。掛け金額は年に1回まで変更することも可能です。運用益は非課税なので節税になるというメリットがある一方で、運用成績によって給付金額が元本割れするリスクがあります。
小規模企業共済に加入する
「小規模企業共済」とは、積み立てによる退職金制度です。フリーランスの場合、個人事業を廃業したり、65歳以上になったりした際に共済金を退職金として受け取れます。
掛け金は月額1,000~7万円まで、500円単位で自由に設定でき、加入後も金額を調整できます。掛け金は所得控除できるうえ、受け取る共済金も退職金控除で全額控除されるため、高い節税効果があります。
ただし、1年未満で解約した際に共済金が掛け捨てになること、加入期間によって受け取れる共済金が異なることには留意が必要です。
終身保険に加入する
終身保険とは、生涯にわたって死亡保障が受けられる保険です。死亡しなくても老後に解約することで解約返戻金を受け取れる点がポイントで、解約返戻率が高い終身保険を選べば貯蓄手段として活用できます。また、終身保険の保険料は一般生命保険料控除の対象となるため、加入することで節税効果も期待できるでしょう。
終身保険にはさまざまな種類があるので、それぞれの特徴とリスクを理解したうえで、自分に合った商品を選びましょう。
例えば円建ての定額終身保険では、将来の受取額や解約返戻金が契約時点で確定しているため、資金計画を立てやすいというメリットがあります。一方で、インフレが進んだ場合には実質的な価値が目減りするリスクがある点に注意が必要です。
法人化して厚生年金に加入する
フリーランス(個人事業主)のままだと厚生年金に加入することはできません。しかし、事業を法人化し、法人役員になれば厚生年金・社会保険に加入することが可能です。自分だけでなく、家族も厚生年金・社会保険に加入できます。
個人の「所得税の最高税率は45%」、「法人税は23.2%」と、法人税のほうが低いため、稼いでいる人ほど法人化するメリットが大きくなります。
ただし、法人設立には数十万円の費用がかかり、赤字でも法人住民税が発生します。年間500万円以上の利益があれば法人化するメリットは大きいといわれているので、事業が大きくなった場合には検討してもよいでしょう。
フリーランスは収入の安定化や節税の意識も大切
フリーランスが自身で老後資金を確保するためには、収入の安定化に加え、節税を意識した取り組みが欠かせません。会社員のような厚生年金による上乗せがない分、早いうちから将来に備えましょう。
収入の安定化を実現するポイント
収入の安定化を実現するために、十分な実務経験を積んでから独立しましょう。多くの案件では3~4年ほどの実績が求められ、満たせないと応募先が限られて営業時間が増えたり、低単価な仕事を選ばざるを得なくなったりするためです。また、ニーズの高いスキルを常に意識し、市場価値を高める意識を持ちましょう。
なお、案件探しや単価交渉をエージェントに任せるのもおすすめです。
弊社「ITプロパートナーズ」は、全体の9割をも占める高単価なエンド直案件の紹介が可能です。また、自社開発案件が多いため自身の市場価値を高めつつ働けます。
収入の安定化に向け、ぜひ登録をご検討ください。
将来に備えるための節税対策
収入の安定化はもちろん重要ですが、節税の意識を持つことも大切です。収入は同じでも、上手く節税できれば手元に残る貯蓄額を増やせます。
個人事業主含むフリーランスが節税しやすいのが、所得税です。経費計上を見直して各種控除を利用すれば、課税される所得金額が減り、所得税額も下がります。
具体的には、下記のような節税対策を講じることで、節税効果が期待できます。
- 経費を正しく計上する
- 所得控除・税額控除を利用する
- 青色申告で特別控除を見直す
- 少額減価償却資産の特例を利用する
- 所得金額が増えたら法人化を検討する
節税対策について、さらに詳しく知りたい人は、以下のページを確認してください。
フリーランスが年金や老後の資産形成について相談できる窓口

年金や老後資金への不安は、相談することで解消できる部分も多くあります。代表的な相談窓口を紹介するので、状況に応じて活用しましょう。
年金事務所
年金事務所は、年金に関する一般的な相談窓口です。自身の年金に関する情報を参照してもらいつつ相談できるので、実情に合うアドバイスを得られるのが強みです。相談は無料で、全国の自治体ごとに窓口が設置されています。
ただし、あくまで一般的な制度の説明にとどまる点は理解しておきましょう。また、予約は必須ではないものの、時期によっては窓口が混み合う場合もあります。
街角の年金相談センター
街角の年金相談センターは、年金の専門知識を持つ、社会保険労務士や経験豊富な職員からのアドバイスを受けられる相談窓口です。
相談料が無料である点は年金事務所と共通していますが、国民年金の加入手続きや保険料の免除申請など、年金相談センターでは扱っていない手続きもあります。訪問前に事前に確認しておくと安心です。
FPなどの専門家
FPなどの専門家は、年金だけにとどまらず、家計全体の収支バランスや資産運用の方法といった幅広い切り口からアドバイスを受けられる窓口です。
相談時には、自身の年金記録をはじめとしたさまざまな資料の持参を求められる場合があります。事前に何を準備すべきか確認しておくと、有効なアドバイスを得られるでしょう。
フリーランスの年金に関するよくある質問
フリーランスの年金に関するよくある質問を回答とともに紹介します。
国民年金保険料は経費にできる?
国民年金保険料は経費として計上できません。ただし、納めた保険料は全額が社会保険料控除の対象となるため、確定申告の際に控除の手続きを忘れずに行いましょう。
国民年金を払わないとどうなる?
未納が続くと督促状が届き、指定期日までに納付しなければ延滞金が加算されます。悪質な場合は財産差し押さえや配偶者への連絡に至るケースもあるでしょう。支払いが難しい時は、早めに年金事務所へ相談することをおすすめします。
副業でバイトすると厚生年金に入れる?
副業先が「特定適用事業所」に該当し、かつ以下の条件を全て満たすと厚生年金に加入する必要があります。
- 週20時間以上の労働時間であること
- 学生でないこと
- 月額賃金8.8万円以上であること(令和8年10月に撤廃される予定)
また、特定適用事業所に該当する企業の範囲も、以下のように段階的に拡大されていきます。
- 令和9年9月まで:被保険者数51人以上の企業が対象
- 令和9年10月~:被保険者数36人以上の企業が対象
- 令和11年10月~:被保険者数21人以上の企業が対象
- 令和14年10月~:被保険者数11人以上の企業が対象
対象範囲が徐々に広がっていくため、現時点では条件を満たしていなくても、働いているうちに厚生年金への加入対象となる可能性があります。
まとめ
フリーランスは、厚生年金ではなく国民年金への加入が必要です。しかし、国民年金の場合、支払い負担は小さい一方で、将来受け取れる年金額が少ないという懸念があります。そのため、フリーランスになったら、iDeCoや国民年金基金といった任意加入の年金制度を活用したり、節税をしたりと、老後に備えた対策が必要です。
また、フリーランスとして安定して収入を確保できれば、老後に向けた対策や資金作りがしやすくなります。IT/Web人材であれば、IT起業家やフリーランス向け案件を専門に扱うエージェント「ITプロパートナーズ」を利用してみてください。高単価案件が多く、サポート体制が充実しているので、独立してすぐの人はまず登録しておきたいエージェントです。
- 高額案件を定期的に紹介してもらいたい
- 週2日、リモートワークなど自由な働き方をしてみたい
- 面倒な契約周りはまかせて仕事に集中したい
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