こんにちは、ITプロマガジンです。
フリーランス人口が増加傾向にあるものの、イメージとのギャップやライフステージの変化などから再就職を希望する人もいます。「フリーランスの再就職は難しい」と言われることもありますが実際はどうなのでしょうか。
この記事では、フリーランスの再就職が難しいとされる理由を紹介しています。また、フリーランスが再就職を決断する際のポイントや再就職に成功する方法、再就職時の手続きについても解説していますので参考にしてください。
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フリーランス市場は売り手市場であるものの、いまだに正しいノウハウが確立されておらず、多くの方が案件探しに苦労されています。
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目次
フリーランスが再就職できるか難しいかは本人次第
結論からいうと、フリーランスの再就職は決して難しくはありません。しかし、再就職には障壁が存在するのも事実です。
フリーランスとして働くなかで、度重なる失敗や思い描いたフリーランス生活とのギャップに苦しむ人もいるでしょう。結婚や出産などのライフステージの変化、あるいは社会保険料や税金の負担などからフリーランスを卒業し、再び会社員として働きたいと考える人もいます。
フリーランスは、「自由度の高さ」や「会社組織の複雑な人間関係から解放される」などのメリットが挙げられますが、再就職をすれば「自由な時間が減少する」「人付き合いが増える」といった環境になり、これらに耐える覚悟があるかどうかが再就職の成功を左右する鍵です。
また、内定をもらえるかどうかについては、個人の姿勢や取り組みに大きく依存します。選考時に自分のスキルや経験をいかにアピールできるかが重要で、フリーランスとしての経験を活かし、「自発的に動ける人」という印象を与えることも欠かせません。
フリーランスは再就職が難しいと言われる理由
フリーランスの再就職が難しいとされる理由はいくつかありますが、ここでは主な6つの理由について説明します。
チームワークへの不安
フリーランス経験者は、チームワークについて不安を持たれる可能性があります。フリーランスは、自分のペースで仕事を進められることが多く、団体行動やチームプレーが求められる環境に慣れていないという印象を持たれがちです。
具体的には、プロジェクトにおいて他のメンバーとの情報共有や調整が必要となる場面で、「適切なコミュニケーションを取るのが難しいのではないか」という懸念が挙げられます。
会社組織への適応力への疑問
フリーランスの自由な働き方を経験した後に、会社組織のなかで活躍するのが難しいという印象を持たれる場合があります。フリーランスは自らの裁量で業務を進められることも多くありますが、企業組織には明確な指揮命令系統や役割分担が存在し、慣れるには時間がかかることもあるでしょう。
特にフリーランスの経験が長い場合、定時制や上下関係、報連相(報告・連絡・相談)の文化など、企業特有の働き方への適応が難しくなることが考えられます。また、企業の方針や上司の指示に従って仕事を進めることに違和感を持つ可能性もあるでしょう。
求めるスキル・経験との不一致
再就職を目指すフリーランスが直面する大きな課題の1つは、自身のスキルや経験が企業の求めるものと一致しないことです。特に年齢と経験のバランスが取れていない場合、適切なポジションを見つけるのが難しくなります。
例えば、会社員で40代ならマネージャー・チームリーダーとしての経験が求められることが普通です。「営業部」「管理部」など特定の部署で活躍できるスキルや、組織のパフォーマンスを向上する力も評価の対象となるでしょう。
このように、フリーランスとしての専門性・スキルと、会社員として年齢に応じて求められるスキルや経験が異なる場合、再就職で難しさを感じることがあります。
スキルへの不安
フリーランスが再就職する際は、選考時に「事業が失敗した人」というイメージを持たれることがあります。そこで能力に不安を持たれることもあるため、会社員にシフトする理由を丁寧に伝えることが大切です。
もしフリーランスとしての事業は好調だったものの、別の事情で再就職を考えている場合、その理由を分かりやすく説明するのが重要でしょう。その際、実績や明細などの数値を用いて事業の成功を説明すると説得力が増します。
事業に失敗した場合でもチャンスがないわけでなく、その原因を自己分析できているかが重要です。失敗からどのような気づきを得て、今後に活すにはどうすればよいかを整理することで再就職の成功につながります。
想定年収の不一致
フリーランスから会社員になると、年収が下がる可能性があります。フリーランスは収入が安定しないこともありますが、働いた分が収入に直接反映されるため高い報酬を得ている人もいるでしょう。
しかし、会社員として働く場合は努力・成果がすぐに待遇に反映されるとは限らず、時間がかかることもあります。副業で収入アップを図るという手段もありますが、副業を前提にフリーランスから会社員になるのは本末転倒で、また再就職先に副業禁止の規定があれば行き詰まってしまいます。
就業ルール・業務命令への耐性の低さ
フリーランスは、上司の指示や就業ルールに従うことに慣れることに時間がかかることがあります。フリーランスは多くの場合、勤務時間・働き方を自由に決められ、リモートワークも可能なこともあり通勤の労力・ストレスが全くないケースもあります。
しかし、会社員になると会社の方針や就業ルールに従う必要がありますし、多くの会社では決められた時間に通勤しなければなりません。「自分のペースで仕事を進められない」「意見がなかなか通らない」といった職場環境がストレスになる可能性があります。
フリーランスが再就職できる理由
ここまで、フリーランスは再就職が難しいとされる理由を説明してきましたが、フリーランス経験が再就職に有利に働くこともあります。スキル・実績をアピールし、企業に貢献できる根拠と熱意を示すことが再就職を成功させるポイントです。
専門的なスキル・知識を持っている
フリーランス時代に培った専門知識は、他の求職者との差別化を図る要素となります。フリーランスは自分のスキルを直接クライアントに売り込むこともあり、スキル向上に多くの時間と労力を投資してきた人も多いのではないでしょうか。
フリーランスとして活動してきた期間があるからこそ得られた経験もあるはずです。過去のプロジェクト経験や成果を具体的に示し、「自分の専門スキル・知識の水準や、それらが再就職先でどのように役立つか」を伝えることが重要になります。
実績をアピールできる
「自分の実績を直接アピールできる」のも、フリーランスが再就職活動において有利な理由です。自分の力でビジネスを運営した実績があれば、信頼性・専門性の証明につながるでしょう。
過去のプロジェクトや成果をポートフォリオにまとめ、「自分がどのような成果を出してきたか」「どのように再就職先企業の業績アップに貢献できるか」を明示しましょう。
ビジネスに関する広い知見がある
フリーランスは自分でビジネスを運営するため、仕入れから営業、経営・財務、税務までビジネスの各領域について広範な知識を持っている場合もあります。フリーランスとしてビジネスに取り組んだ経験は、将来的に会社員としてマネジメントのポストを担ううえでも有用です。
再就職先候補の業種・職種や募集ポストを踏まえて、自身の経験を活かせるポイントを洗い出し、選考時にアピールしましょう。
フリーランスが再就職に成功する6つのコツ
フリーランスが再就職に成功するにはいくつかのポイントを押さえることが有効です。以下に紹介する6つのステップで再就職を成功させましょう。
1.スキル・経験を洗い出す
フリーランスとして得たスキル・経験を整理し、その会社でどのように活かせるかを明示することが必要です。スキルや経験の洗い出しは、次のステップで行います。
- 保有するスキルやこれまで取り組んだプロジェクト・成果物を全て書き出す
- 強み・弱みをピックアップする
- 強みをアピールポイントとして印象づけるためにはどうすればよいかを考える
強みと弱みの両方をピックアップすることで、自分の得手不得手が把握できるため事前に対策を講じられます。
2.再就職したい理由を分かりやすく整理する
また、再就職の理由を丁寧に説明することも重要です。フリーランスとして活動した経験から得た問題意識や新たなチャレンジへの意欲など、なぜ再就職を望むのかを示すことで企業側に熱意を伝えやすくなります。
ここで「フリーランスは収入が安定しないから」「仕事がなくなったから」などネガティブな理由は避けましょう。「キャリアアップや成長」「専門スキルの活用」「規模の大きな仕事での貢献」といった前向きな理由で再就職の意欲を伝えることがポイントです。
3.フリーランスならではの実績・経験をアピールする
フリーランスの活動を通して得た強みをアピールすれば、他の求職者との差別化となり、再就職を成功させる鍵となります。
具体的には営業努力やスキル習得の工夫、自主性などが挙げられ、これらの強みを再就職先においても活かせると示すことが大切です。特に「自発的に仕事ができる」「即戦力で高いパフォーマンスを発揮できる」という強みは強調したいポイントと言えます。
実績をアピールする際は具体的な数字やエピソードを用いると説得力が上がります。過去の実績や成果物をまとめたポートフォリオサイトなどのURL、あるいは成果物をメールに添付するのが一般的です。
4.企業が求めるポイントを丁寧にアピールする
再就職の成功には、企業が社員に求めることを把握し、それに合わせたアピールを行うことが不可欠です。まずは、求人情報や企業のWebサイトを隅々までチェックし、どのようなスキルや経験が求められているかを特定したうえで、自身のスキルや経験とマッチするポイントを見つけ出しましょう。
また、企業がフリーランスに対して持つ懸念を払拭する必要もあります。「組織に馴染めるのか」という点については、自分が協調性を持ち、組織に馴染めると伝えることが重要です。関係者とのコミュニケーションで心がけたことや協調性を発揮したエピソードを用意するとよいでしょう。
さらに、多くの企業は長期間働いてくれる人材を採用したいと考えているため、フリーランスに戻るつもりはなく、腰を据えて働く意欲を示すことも大切です。
5.スキル・経験が評価される業種・業界を選ぶ
再就職の際には、自身のスキル・経験が高く評価され、採用されやすい業種・職種を選ぶことが重要です。まずは、フリーランスとして培ったスキルや専門知識を再就職先で活かせる分野をリサーチしましょう。
スキル・経験が評価される業種・業界を選ぶことで、自身の強みを最大限に活かせる相性の良い企業とマッチングしやすくなります。例えば、ITエンジニアやデザイナー、マーケターといった専門的な仕事の経験があるなら、その経験が活きる求人に絞ることで再就職の成功率が高まるでしょう。業界特有の用語や概念に精通していることもアピールポイントになります。
6.適切な仕事選びの方法を選ぶ
適切な仕事探しの方法を選ぶことも重要です。主な仕事の探し方には次のようなものが挙げられます。
- 転職エージェント
- 求人サイト
- 人脈
求人サイトやフリーランス時代の人脈を用いながら就職先を探すのも1つの方法ですが、フリーランスの再就職では転職エージェントの利用が適している可能性があります。
転職エージェントはプロのエージェントがスキルや条件に合った転職先を紹介してくれるサービスで、自分のスキル・経験や市場価値を客観視できます。応募書類の添削や模擬面接などのサポートも受けられますし、担当者は公開・非公開の多くの求人情報を保有しているため自分にマッチした求人を見つけやすいのもメリットです。
フリーランスが再就職する際の手続き
フリーランスが再就職を進める際は、以下の手続きが必要です。
- 個人事業主廃業の手続き
- 社会保険の切り替え手続き
- 事業用の各種サービスの解約
それぞれについて詳しく解説します。
個人事業主廃業の手続き
フリーランスとして活動していた場合、再就職する際に個人事業主を廃業する手続きが必要です。主な提出書類は以下になります。
「個人事業の開業・廃業等届出書」は、国や都道府県に対して事業をやめた旨を通知する書類です。廃業した日から1ヶ月以内に税務署に提出します。青色申告をしていた場合は「所得税の青色申告の取りやめ届出書」、消費税課税事業者の場合は「事業廃止届出書」もそれぞれ提出します。
社会保険の切り替え手続き
フリーランスから会社員になると、公的年金の種類が国民年金から厚生年金へと変わり、それに伴って健康保険も会社の健康保険に切り替わります。管轄の年金事務所に対して、「被保険者資格取得届」と、扶養家族がいる場合は「健康保険被扶養者(異動)届」を提出する必要がありますが、通常は就職先の企業が手続きを行います。
自身では被保険者資格取得届の記入や、年金手帳(基礎年金番号通知書)の提出が必要になり、あらかじめ認識しておくとスムーズです。
事業用の各種サービスの解約
フリーランスとして利用していた事業用のサービスの解約手続きを行います。解約手続きをしないとサービス料が発生し続けることになりますので、不要なサービスの利用は停止して無駄な出費を防ぎましょう。
以下は、フリーランスが主に利用する有料サービスです。
- 事業用のクラウドサービス
- 会計・税務ソフト
- ホームページのサーバー・ドメイン
- コミュニケーションツール
- スキル習得サービス
支払明細もチェックすると解約漏れを防げます。
フリーランスが再就職を決断する前に検討したいポイント
「フリーランスが再就職するかどうか」という問いは、自身のキャリアや収入、生活に大きく関わるイシューです。最後に、フリーランスが再就職を決断するにあたって、よく検討しておきたいポイントを紹介します。
より活躍できる方法はないか
フリーランスとしての活動を見直し、さらに活躍できる方法を探ってみましょう。自分の強みや弱みを理解し、市場の動向を把握したうえで強みを発揮できる分野を模索します。「新たなスキルを学ぶ」「新しい市場に進出する」「ビジネスモデルを改善する」といった方法で、ビジネスチャンスを検討することも有効です。
「もし案件獲得が難しい」という状況なら、これまでとは異なる案件獲得方法を試してみましょう。例えばフリーランスエージェントを使えば、スキルや経験を活かせる最適な案件の提案が受けられ、契約・交渉などのサポートもあります。
「IT/Web分野専門」「コンサルティング分野専門」などの特化型エージェントサービスもあり、営業が苦手な人におすすめです。
年収ダウンに耐えられるか
再就職により年収が下がる可能性を検討しなければなりません。フリーランスは収入が不安定だというデメリットがありますが、プロジェクトの種類や案件数によっては高い報酬も期待できます。
一方、会社員は安定した給与が保証されますが、会社の給与体系次第では即収入アップにつながらないことも少なくありません。こういった点も考慮しながら、再就職先の給与体系で耐えられるかどうかを検討する必要があります。
なお実際に再就職を決める際は、再就職による収入減を事前に想定しながら、生活費の見直しや貯蓄計画などの対策をとることで、スムーズに会社員に移行しやすくなります。
フリーランスとしてやり残したことはないか
フリーランスとしての活動を振り返り、やり残したことがないかを確認します。「未達成のプロジェクト」や「学びたいと思っていた知識・スキル」「挑戦したかった事業」など、フリーランスとして成し遂げたいことが残っていないか整理しましょう。
やり残したことを抱えたまま再就職をしては、後悔や未練が残る可能性があります。もし、達成できていないことにチャレンジすれば、何らかの成果を挙げられるかもしれません。
再就職という選択がベストなのかを確認するためにも、自分自身の目標や夢を再確認することが重要です。
まとめ
フリーランスが再就職に成功できるかどうかは本人次第です。フリーランスは個人での仕事も多いため再就職にはさまざまな懸念があるのも事実ですが、自身の希望・方針を整理したうえで、スキルや実績をアピールできれば決して難しくはありません。
再就職を成功させるには業種・職種選びも重要で、そのためには自己分析が不可欠です。スキルや経験を洗い出し、再就職を希望する理由も整理しておきましょう。また、実績をポートフォリオなどで目に見える形にすることは、説得力アップや差別化の面からも重要になります。
会社員になるメリットがある一方、フリーランスにしかないメリットもあるのは事実です。決断を下す前に、自分の状況を客観的に整理したうえで後悔しない選択をしましょう。
- 高額案件を定期的に紹介してもらいたい
- 週2日、リモートワークなど自由な働き方をしてみたい
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