こんにちは、ITプロマガジンです。
兼業や副業を始めたいと考えている人が増えており、それを認める企業も多くなってきました。兼業や副業は似ていますが、それぞれ違いがあります。また、近しい働き方として複業も存在し、それぞれの意味を知りたい人もいるでしょう。
この記事では、兼業、副業、複業の違いについて説明したうえで、兼業や副業が広まっている背景とともに、それぞれのメリットを解説します。あわせて、兼業や副業する際の注意点、初心者向けの案件も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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目次
兼業・副業の違いとは?
兼業と副業には、本業以外の仕事をするという共通点があります。それぞれの違いについて、法律による明確な定義はありません。兼業と副業の実態をみてみると、「仕事の頻度」「事業性の高さ」に違いがあります。具体的な違いについて、以下で解説します。
仕事の頻度が異なる
兼業と副業の仕事の頻度を比較した場合、兼業のほうが頻度は高めです。本業とそれ以外の仕事に並行して取り組み、どちらも同じくらいの時間を費やします。たとえば、本業とそれ以外の仕事の両方に週3日程度取り組むなら兼業です。
副業は、基本的には本業を優先し、本業以外の時間を使って取り組みます。たとえば、平日の夜や休日などの空いた時間を活用して副業に取り組んでいる人が多いです。
事業性の高さが異なる
兼業は、副業よりも事業性が高いという特徴もあります。本業のほかに個人で本格的に事業を始めるなら、副業ではなく兼業に該当するでしょう。
また、兼業は副業よりも費やす時間が多く、得られる収入も高めになります。よって、本格的に収入アップを目指して本業以外の仕事に取り組んでいるケースも、兼業に該当することが多いです。
兼業・副業を希望する雇用者は増加傾向にある
兼業や副業を希望している人は、年々増加しています。厚生労働省労働基準局提出資料によれば、副業を希望する雇用者は1992年以降増え続けている状況です。2017年には雇用者全体の6.5%が副業を希望するようになりました。
また、社員の副業を容認している企業も増加傾向にあります。副業に関する調査結果(企業編)によると、副業を全面容認または条件付きで容認している企業の割合は、2018年は51.2%だったのに対し、2021年には55%に上昇しました。
これらの結果を踏まえると、雇用者と企業のいずれにおいても副業を前向きに捉える傾向が強まっているとわかります。
兼業・副業が推進されるようになった背景とは?
兼業や副業に注目が集まるようになったのは、なぜなのでしょうか。ここでは、兼業や副業が推進されるようになった背景を解説します。
働き方改革
政府が働き方改革に取り組んでおり、それぞれが自分の事情にあわせて柔軟な働き方ができる社会の実現が目指されています。2019年4月以降、働き方関連法が施行されており、働き方改革のための取り組みが企業に対しても義務化されました。
働き方改革の一環として、政府は副業や兼業も促進しています。副業や兼業を認めれば、多様な働き方を実現しやすくなるためです。また、副業や兼業により社員が新しいスキルを身につける可能性にも期待が寄せられています。自社の競争力を高めたり、イノベーションを起こしたりする目的で、社員の副業や兼業を認める企業も増えてきました。
労働者の価値観の変化
兼業や副業が盛んになってきたのは、労働者の価値観が変化している点も挙げられます。収入源を複数確保したり、毎月の収入を増やしたりする目的で兼業や副業に取り組みたいと考える人が多くなってきました。
また、自分の趣味や好きなことを仕事にしたいという思いをもつ人も増えており、まずは兼業や副業としてチャレンジし始めるケースもよくあります。ほかにも、隙間時間を有効活用したり、人脈を広げたりする目的で兼業や副業に取り組む人もいるようです。
複業(パラレルワーク)の働き方にも注目が集まっている
兼業や副業だけでなく、複業(パラレルワーク)という働き方にも注目が集まっています。複業とは、複数の本業を掛けもちする働き方のことです。複数の仕事をもっており、それぞれ同程度の労力をかけて取り組みます。そのため、いずれの仕事においても一定以上の収入が発生します。
複業は、兼業に近い働き方です。いずれも、複数の仕事にそれぞれ高頻度で取り組んでいます。
兼業・副業をするメリット
兼業や副業に取り組めば、さまざまなメリットがあります。ここでは、兼業や副業の具体的なメリットについて確認しましょう。
収入を増やすことができる
兼業や副業に取り組めば、本業に加えて別の収入源を得られます。収入を増やせるため、本業だけでは家計に余裕がない場合や、欲しい物を買うためにまとまった資金が必要な場合も十分なお金を確保することが可能です。
本業では得られない経験・スキルを得られる
兼業や副業を始めると、本業と異なる仕事にも挑戦できます。本業ではなかなかできない経験をしたり、新しいスキルを身につけたりできるケースもあるでしょう。新しい知見を得られると、本業で活躍するためにも活かせます。
兼業・副業をした場合の収入例
兼業や副業に取り組むと、どの程度の収入を得られるのでしょうか。ここでは、兼業や副業をした場合の収入について、具体的な例を紹介します。
兼業の収入例
ここでは、本業で月収20万円を得ているWebデザイナーが、週に2~3日程度兼業に取り組む場合について考えてみましょう。
たとえば、弊社ITプロパートナーズで募集しているエンジニアの仕事を兼業すれば、月収30万円を得られます。
本業の月収20万円と兼業の月収30万円を合計すると、この場合の月収は50万円です。兼業に取り組めば、大幅に収入を増やせることがわかります。
副業の収入例
ここでは、本業で月収30万円を得ている会社員が、隙間時間を活用してWebライティングの副業を始めた場合について考えてみましょう。副業のために1日1時間程度を確保できるとすると、副業から得られる月収は5万円程度です。本業と副業をあわせれば、月収は35万円になります。無理せず収入を増やしたいなら、副業でも数万円程度の収入アップが可能です。
兼業・副業をする際の注意点
兼業や副業に取り組むときは、気をつけるべきこともあります。兼業や副業によるトラブルを防ぐためにも、注意点をしっかり確認しましょう。具体的な注意点を以下で解説します。
会社で兼業・副業が容認されているか確認する
企業のなかには、社員の兼業や副業を認めていないところもあります。政府の方針に沿って兼業や副業を認める企業が増えてきているものの、すべての企業が兼業や副業を解禁しているわけではないため注意が必要です。
兼業や副業が可能かどうかについては就業規則で定められているため、よく確認しましょう。就業規則で兼業や副業が禁止されている場合、違反すると何らかの処分を受けるリスクがあります。申請により兼業や副業を許可している企業もあるため、勤め先のルールを守って取り組むべきです。
本業の会社に迷惑をかけないようにする
兼業や副業が認められているとしても、本業の会社に迷惑をかけないよう配慮して取り組むことが大切です。たとえば、兼業や副業でやり取りしている会社に対し、本業で扱っている重要な情報を伝えてしまうと情報漏洩になります。大きな問題に発展する恐れもあるため、慎重に判断し、それぞれの業務を進めなければなりません。
体調管理をしっかり行う
兼業や副業に取り組むとなれば、本業のほかにも仕事をすることになります。兼業や副業に力を入れすぎると十分な休息をとれず、体調を崩すリスクがあるため注意しましょう。兼業や副業に取り組んだせいで本業にも支障が出れば、本末転倒です。兼業や副業を始めるなら体調管理に気をつけ、無理のない範囲で仕事に取り組む必要があります。
初心者でも始めやすい兼業・副業のオススメの仕事5選
兼業や副業を始める場合、どのような仕事を選べばいいか迷う人も多いでしょう。ここでは、初心者でも取り組みやすいオススメの仕事を5つ紹介します。
1.Webデザイン
Webデザインとは、Webサイトのデザインを考える仕事です。単におしゃれでかっこいい見た目に整えるだけでなく、Webサイトを訪れたユーザーにとっての利便性を考慮してデザインを提案する必要があります。
Webデザインをするためには、まずクライアントへのヒアリングが必要です。そのうえで、競合となるWebサイトの状況も考慮しながら、クライアントのニーズにあうWebデザインを提案します。
クライアントやほかの職種の人と連携しながら作業を進めるので、コミュニケーション能力も必要です。
2.Webライター
Webライターとは、Webサイト上に掲載されるコラムや説明文を書く仕事です。副業として隙間時間で取り組んでいる人もいれば、フリーランスとして本業にしている人もおり、自分にあう働き方を実現しやすいです。
基本的に、日本語の文章を正しく書ける人なら、誰でもWebライターとして活躍できる可能性があります。WebマーケティングやSEOの知識も身につけると、より好条件の仕事も確保しやすいです。
Webライター向けの仕事は、クラウドソーシングサイトなどでみつけられます。そのため、初心者でも仕事を得られる可能性が高いです。
3.アフィリエイト
アフィリエイトとは、自分のWebサイトやブログに広告を掲載し、その広告を経由して商品やサービスが売れた場合に報酬が支払われる仕組みです。ASPとよばれるサービスに登録すると、好きな商品やサービスの広告を選んで自分のWebサイトやブログに掲載できます。
広告を掲載するだけなので、時間や場所を問わず作業が可能です。そのため、隙間時間を有効活用して副業に取り組みたい人にも向いています。
ただし、アフィリエイトに取り組み始めてから成果が出るまでには時間がかかります。Webサイトやブログの内容がユーザーのニーズにあわないと成果にはつながらないため、戦略的に取り組まなければなりません。
4.投資
本業以外に収入源を確保したいなら、投資を始めるのもひとつの方法です。投資は継続的に収入が発生する事業とは異なるため、兼業や副業を禁止している企業に勤めていても取り組める可能性があります。
投資の種類としては、株式、債券、FX、不動産などさまざまなものがあります。投資で利益を出すには勉強が必要であるため、少額を投資しながら少しずつ学んでいくと失敗しにくいです。ただし、投資は損失が出るリスクもあります。余剰資金を活用し、万が一、損失が出ても困らないように配慮しなければなりません。
5.物販
物販とは、商品を販売して収入を得る方法です。兼業や副業として取り組む場合、商品を仕入れ、利益を乗せた金額で売却する方法が一般的となっています。インターネットを通じて商品を販売するため、実店舗を構える必要はありません。そのため、初心者でも兼業や副業として取り組みやすいです。
商品をスムーズに売るためには、ニーズを察知して人気のある商品を仕入れる必要があります。思うように商品が売れないと在庫を抱えるリスクもあるため、注意が必要です。少しずつ取り組み始め、事業として軌道に乗り始めたら複数の商品を同時に扱うとリスクを抑えられます。
国内向けだけでなく、海外向けに商品を販売するのもひとつの手です。日本製の商品に対する評価は高く、アニメや漫画のグッズも人気があります。
兼業・副業に関するQ&A
兼業や副業に関して、疑問をもっている人もいるでしょう。ここでは、兼業や副業に関するよくある質問に対して回答していきます。
会社にバレないで兼業・副業はできる?
本業の勤め先で兼業や副業が禁止されており、会社にバレないように兼業や副業を始めたいと思っている人もいるかもしれません。しかし、本業以外に収入があると住民税の金額も変化するため、会社にバレてしまう可能性が高いです。住民税は前年度の所得をもとに計算されるので、本業と兼業や副業の所得をあわせたうえで算出されます。会社が把握している所得と実際の所得が異なる場合、本業のほかに収入源があることがわかってしまうのです。
日頃の業務においても、同僚や上司に兼業や副業をしていることをうっかり話してしまわないよう、注意が必要です。
確定申告はいくらから必要?
会社員の場合、兼業や副業の所得金額が20万円を超える際に確定申告が必要です。経費を差し引いたうえで、所得金額が20万円を超えているか判断しましょう。たとえば、兼業や副業で25万円の収入があっても、経費として6万円がかかっているなら、所得金額は19万円です。このケースでは確定申告は必要ありません。
また、フリーランスとして活動している場合、確定申告が必要なのは所得金額が48万円を超えるときです。たとえば、100万円の収入があって経費が40万円かかっているなら、所得金額は60万円になります。このケースでは確定申告が必要です。
まとめ
兼業や副業に興味をもつ人が増えており、実際に取り組んでいる人も少しずつ増加しています。兼業や副業を認める企業も多くなっていますが、実際に兼業や副業に取り組む際は本業の会社への配慮も必要です。また、兼業や副業に熱心に取り組みすぎて本業に支障が出ることがないよう、体調管理にも気をつける必要があります。
初心者でも兼業や副業として取り組みやすい仕事は複数あるため、自分の希望にあわせて選びましょう。
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