こんにちは、ITプロマガジンです。
エンジニア不足は常に問題となっていますが、なかでもフロントエンドエンジニアに関しては需要に対して、供給が追いついていない状態です。一方で、未経験からエンジニアを目指す方は、今から勉強を始めても就職・転職できるんだろうかと不安に感じている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、未経験から最短でフロントエンドエンジニアを目指す方向けに、フロントエンドエンジニアに関する基本知識と、歩むべきキャリアパスについてご紹介していきたいと思います。
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エンジニア市場は売り手市場であるものの、いまだに正しいマッチングノウハウが確立されておらず、多くの方が案件探しに苦労されています。
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目次
未経験からフロントエンドエンジニアになれる?
本記事をご覧の方の多くが、最も注目するポイントは「未経験からフロントエンドエンジニアになれるのか」についてかと思います。
結論、未経験からでもフロントエンドエンジニアにはなれます。では、未経験からフロントエンドエンジニアを目指す方が、まず把握しておかなければならないポイントについて確認していきましょう。
未経験から目指す際の心構え
未経験からフロントエンドエンジニアを目指す方の中には、他のエンジニア業務に比べて簡単そうだからといった安易な意見も目立ちます。しかし、フロントエンドエンジニアはかなり複雑で細かな作業が求められる仕事であることを理解しておく必要があります。
また、エンジニアのイメージとして、一人で黙々と作業することをイメージする方もいらっしゃるかも知れませんが、他のエンジニアはもちろん、デザイナーやマーケティング担当など様々な職種の方とコミュニケーションを取ることは必須です。
細かい作業を忍耐強く続けられ、チームとして働くことをしっかりと意識出来ていないと、フロントエンドエンジニアとして働き始めた後にイメージとのギャップで挫折してしまうことに繋がりかねません。
未経験から学ぶべきプログラミング言語
未経験からフロントエンドエンジニアを目指す方が学ぶべきプログラミング言語として「HTML」「CSS」「Javascript」この3つは最低限必要と考えておいてください。それぞれ意識して安定バージョンと最新バージョンの両方を学ぶことが大切です。
また、それぞれに対応した各種フレームワークやテンプレートエンジンについても、可能な限り学んでおくようにしましょう。実際の現場では、フレームワークを利用した開発であることがほとんどで、スクラッチ(フレームワークなし)での開発は少ないのが実情です。
そもそもフロントエンドエンジニアとは
フロントエンドエンジニアとは、Webサイトでユーザーが直接操作する部分 (フロントエンド)の開発を担当するエンジニアのことを指します。Webコーダーやマークアップエンジニアといった似たポジションの職種もありますが、フロントエンドエンジニアはJavascriptなどを用いた動的処理はもちろん、フロントエンド側の設計まで担当するため、より高度な知識が必要とされるポジションです。
フロントエンドエンジニアの仕事内容
フロントエンドエンジニアの仕事内容としては、ユーザーがWebサイトで確認出来る範囲の処理のほとんどが担当範囲です。Webページの外観をHTMLやCSSで作成することはもちろん、ボタンを押した際の処理の起動やテキストを入力した際の整合性チェックなどもフロントエンドエンジニアの仕事となります。
フロントエンドエンジニアは設計も担当することが多くなり、ユーザーが使いやすいWebサイトを作成することが重要な業務となります。企業によっては、フロントエンドエンジニアの業務にデザイン部分まで含まれているケースも少なくありません。
バックエンドエンジニアとの違い
エンジニアについての情報を調べていると、バックエンドエンジニア(サーバーサイドエンジニア)と呼ばれる言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?これらのポジションは、ユーザーが操作した処理を元に、データベースから対象データを取得するなど、サーバーと呼ばれるコンピューターで行われる処理を開発するエンジニアのことを指します。
ユーザーが操作する部分をフロントエンドエンジニアが開発し、フロントエンドから受け取った情報を元に、サーバー側の処理を実装するのがバックエンドエンジニアの役目です。
フロントエンドエンジニアの平均年収は595万円
フロントエンドエンジニアの正社員の平均年収は 「求人ボックス(2023年6月時点)」 によると約595万円です。国税庁の「 令和3年分民間給与実態統計調査 」によれば、2021年の1年を通して働いた給与所得者の平均年収は443万円であるため、日本の平均年収より高いことがわかります。
とは言っても、全体の給与幅としては334〜988万円と幅が広く、経験やスキル、勤務先などによって平均年収は大きく差が出ると認識しておきましょう。
未経験の場合の平均年収は約470万円
求人ボックスの求人情報(2023年6月時点) を見ると、未経験のフロントエンドエンジニアの平均月給は39.2万円です。月給から計算すると、未経験の平均年収は約470万円となります。
ただし、 エリアを東京都に絞る と、平均年収は510万円に変わります。この結果から、未経験でも勤務地によって差が出ることがわかりました。
フリーランスなら年収1,000万円も可能
フロントエンドエンジニアの正社員の平均年収は比較的高いことがわかりましたが、フロントエンドエンジニアで年収1,000万円を目指すことは可能でしょうか。結論から申しますと、フリーランスのフロントエンドエンジニアであれば年収1,000万円も夢ではありません。
ITプロパートナーズの求人(2023年6月時点) を見ると、案件の想定月収は50万円です。フロントエンドエンジニアのフリーランス案件4,294件のうち、最も高い案件は90万円となっています。そのうち週2、3日の案件数は2,370件と全体の半数以上を占めるため、週2、3日勤務可能な月収50万円を2つ獲得すれば、月収100万円となります。
年収にすると1,000万円になるため、1,000万円近くの年収を実現することは可能と言えるでしょう。
フロントエンドエンジニアに必要なスキルとは?
フロントエンドエンジニアは日々、トレンドスキルの変化が起こる仕事であるため、必要なスキルはその都度変化する可能性がありますが、現時点で必須とされているスキルはどのようなものでしょうか。
必須スキル
未経験からフロントエンドエンジニアを目指す場合は、下記スキルを身につけるようにしましょう。
- CSS3
- Javascript/jQuery
- JavaScriptフレームワーク(Vue.js,React.jpなど)
- Webアプリケーションフレームワーク(Bootstrap)
プラスで備えておきたいスキル
フロントエンドエンジニアとしてある程度経験を積んだ場合は、プラスで下記スキルも備えておくと良いでしょう。
- UI/UXに関する知識
- CMSの構築スキル
- バックエンドのプログラミングスキル
- マネジメントスキル
- SEOに関する知識
未経験からフロントエンドエンジニアになるための3ステップ
実際に未経験からフロントエンドエンジニアになるためにはどういった方法が適切なのでしょうか?
もちろん独学でフロントエンドエンジニアになるためのスキルを身につけることも可能ですが、”最短”でフロントエンドエンジニアを目指すならば、メンターと呼ばれる人物に適切なアドバイスをもらうべきと言えます。
ステップ1:プログラミング教室に通う
未経験者が最も確実に最短でフロントエンドエンジニアを目指す方法として、プログラミング教室に通う方法が挙げられます。最近では、オンラインで全て完結するプログラミングスクールやフロントエンドに特化したコースを提供するプログラミング教室も増えてきています。
専門的な内容であるため、独学で勉強するよりもプログラミング教室に通った方が、遥かに効率的にスキルを身につけることが可能です。
ステップ2:プログラミング教室で転職先や案件を紹介してもらう
プログラミング教室に通うことにはスキルを効率的に習得する以外にも、転職先や案件を紹介してもらえるというメリットがあります。未経験からフロントエンドエンジニアを目指す方の大半は、IT業界へのコネなどはない状態でしょう。
求人サイトから応募して転職先を見つける方法もありますが、経験者優遇の業界であるため、未経験者が条件の良い転職先を見つけるのは難しいと言えます。一方で、プログラミング教室経由であれば、ある程度のプログラミングスキルが担保されているため、企業側としても信頼することが可能なため、転職に繋がりやすい傾向にあります。
ステップ3:1つの言語を3年間学習して極める
プログラミングを始めたばかりの頃は特に顕著ですが、様々なプログラミング言語に手を出してしまいがちです。しかしプログラミング言語は、言語毎の特性こそあれど、根幹の考え方は基本的に同じです。
まずは1つの言語をしっかりと3年間学習し、理解を深めてから別の言語を学習すれば、理解度や習得スピードが格段に上がることは間違いありません。
フロントエンドエンジニアに向いている人の特徴
フロントエンドエンジニアに向いている人の特徴としては、大きく5つあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
サービス精神が旺盛
フロントエンドエンジニアの仕事はWebサイトやWebアプリなどの画面制作をするだけでなく、ユーザーの見やすさや使い勝手のよさを考えることが求められます。どんな人が使うか、はじめて使う人も使いやすいかといったことを念頭に置きつつ、開発を進めていくので、人を喜ばせたり驚かせたりしたいというサービス精神が旺盛な人が、フロントエンドエンジニアに向いていると言えるでしょう。
人とのコミュニケーションが苦にならない
フロントエンドエンジニアの仕事は、Webデザイナーやバックエンドエンジニアなどとコミュニケーションをとりながら仕事を進めるため、人とのコミュニケーションが苦にならない人が良いでしょう。またケースによっては一緒に仕事する人と意見に違いが出てくることもあります。
そのため、自分の意見も伝えつつ、相手も尊重できるようなすり合わせ力も必要です。このようにコミュニケーションが苦にならないことで、メンバーの尊厳を大切にしながら、プロジェクトをスピーディーかつ的確に進めることができるため、実績につながりやすいでしょう。
作業の効率化を考えるのが好き・得意
フロントエンドエンジニアだけでなく、どのエンジニアにも言えることですが、開発の現場では同じ品質を保ちつつ、より短時間で開発できるほうが評価されます。そのため、何も考えずに作業してしまう人は、フロントエンドエンジニアに向いていないでしょう。
現状に満足せず、もっと効率的に仕事するためにはどうすれば良いかを常に考え、スキルアップのために工夫をし続けられる人が、フロントエンドエンジニアに向いている人ではないでしょうか。
柔軟に状況に対応できる
フロントエンドエンジニアの仕事は、開発途中に急遽仕様が変更になったり、クライアントの要望が変わったりといったケースが多々あります。また、開発が完了した後に修正の依頼がくることもあるでしょう。
フロントエンドエンジニアの仕事は、ただ開発をすればいいというものではありません。クライアントやユーザーにとって、良いシステムを開発することが最終的なゴールとなるため、環境の変化に柔軟に対応できる人が求められます。
スキルアップのための努力を惜しまない
IT業界の技術のなかでも、フロントエンドに関する技術の変化は特に速い傾向があります。そのため、フロントエンドエンジニアとして第一線で活躍し続けるには、最新情報を自らキャッチアップし、日々スキルアップのための努力を惜しまない姿勢が求められます。つまり現状に満足せず、向上心を持ち続けられる人がフロントエンドエンジニアに向いていると言えるでしょう。
フロントエンドエンジニアのキャリアパスとは?
フロントエンドエンジニアには、フロントエンドエンジニアを極めるキャリアアップと、Webスキルを活かしたエンジニアではない職種につくキャリアチェンジ、フリーランスとして独立するキャリアパスがあります。
フロントエンドエンジニアとしてキャリアアップする
フロントエンドエンジニアとして、今よりもっと技術を磨けばスペシャリストとして活躍できます。スペシャリストになるためには、現在のスキルを高める努力を続けながら、積極的に新しい知識や技術を身につける必要があるでしょう。
スペシャリストの他には、チームリーダーやマネジメントなど、フロントエンドエンジニアとしてのスキルを活かしつつ、マネジメント職に就く方法もあります。
Webディレクター
フロントエンドエンジニアからWebディレクターへ転身するのもおすすめです。WebディレクターはWebサイト全体の進行管理を担うプロジェクトの責任者であるため、フロントエンドエンジニアとしてのこれまでの経験を活かしながら、Webディレクターとして新しいスキルを身につけることができます。
Webデザイナー
フロントエンドエンジニアからWebデザイナーに転職するケースもあります。フロントエンドエンジニアはWebデザイナーがデザインしたデータをもとに、HTMLやCSSを記述しますが、そのデザインに対して興味をもつフロントエンドエンジニアは少なくないのです。
Webデザイナーになるためには、グラフィックソフトの操作スキルが必須です。また、Webデザインのトレンドは常に変化しているので、日頃からトレンドを敏感にキャッチするようにしましょう。ほかにも、クライアントの要望に合ったデザインをするために、常にデザインの引き出しを増やしておくことも大切です。
Webマーケター
Webマーケターとは、サイト分析やSEO対策、Web広告など、Webを通して行うマーケティングの仕事です。マーケティングのために必要なWebサイトの改善や改修提案などは、フロントエンドエンジニアとしてのスキルを活かすことができます。論理的な思考が必要になる仕事でエンジニアと共通する部分があることから、キャリアチェンジのハードルが低くなるでしょう。
フロントエンドエンジニアとして独立する
フロントエンドエンジニアは他のエンジニア職よりフリーランス向けの案件が多い職種です。専門的かつ特殊なスキルが必要になることから、Web制作会社で常に人手不足になっていることが、外注の需要が絶えない理由と考えられます。
フリーランスのフロントエンドエンジニアに求められるスキルは、基本的に会社員と同じです。ただし、自分で営業をかけてお仕事をもらう必要があるため、営業力や実績をアピールする力が求められるでしょう。
未経験からフロントエンドエンジニアになる際の注意点
未経験からフロントエンドエンジニアを目指す方は、良いポイントにばかり目が行きがちですが、注意すべき点についてもしっかりと把握しておくべきです。実際にフロントエンドエンジニアになった後に後悔しないためにも、事前にしっかりと注意点を確認しておきましょう。
技術の流行り廃りが激しい
フロントエンドエンジニアの仕事で使用されるスキルは、フレームワークを中心として流行り廃りの激しいものとなっています。数年前に業界の中心となっていた技術が、現在ではほとんど脚光を浴びていないなんてことも十分に起こり得ます。
せっかく身につけたスキルが利用されなくなるリスクと、常に最新技術を学び続ける必要があることは意識しておきましょう。
必要な技術の幅が広い
フロントエンドエンジニアは、上述した「HTML」「CSS」「Javascript」の最低限身につけておかなければならない技術以外にも必要な知識はたくさんあります。例えばデザインに関する知識やUX(ユーザーエクスペリエンス)と呼ばれるユーザーの使い勝手の良さを向上させるスキルなども必要な知識です。
またフロントエンドエンジニアだからといって、バックエンドのスキルが全く必要ないのかというと、そんなことはなく、問題なくシステムとして連携させるだけの最低限の知識が必要です。
コミュニケーションが必須
フロントエンドエンジニアは、デザイナーが作成したデザインを元に、チーム内でWebサイトを作成し、バックエンドエンジニアにデータを連携する必要があります。これだけでも、デザイナーとフロントエンドエンジニアの他メンバー、バックエンドエンジニアと3人以上とのコミュニケーションが必要です。
更には、社内の他部署や社外のクライアントとのやりとりなども必要となることもあり、エンジニアとして開発だけを進めるのではなく、様々な関係者とのコミュニケーションが必要となることも認識しておきましょう。
まとめ
今回は未経験からフロントエンドエンジニアを目指す方向けに、フロントエンドエンジニアの基礎知識からキャリアパスについてご紹介しました。フロントエンドエンジニアの需要は今後も高まることが予想されており、未経験だからといって今からでも遅すぎることはありません。
今回ご説明したような、基礎知識と歩むべきキャリアをしっかりと認識した上で、自分なりの計画をなるべく具体的に立てて、一歩ずつ着実にスキルを向上させながら、フロントエンドエンジニアとしてのキャリアをスタートさせましょう。
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