IT業界におけるリモートワークの可能性とフリーランスのメリット、デメリット

今も昔もITエンジニア、プログラマーは慢性的に人手不足です。
ですので、毎日の残業は当たり前、という方も多いと思います。

そこへ新型コロナウィルスで通勤電車が問題となり常駐型が普通である会社員のITエンジニア、プログラマーの方は通勤電車を危険に感じる方も多いでしょう。

他の業界では在宅ワーク、テレワークという仕事の方法を実施している所もありますがIT業界では、そういった在宅型のリモートワークの可能性は無いのでしょうか?

リモートワークが出来れば通勤時間が無くなる分、楽になり仕事も進むでしょうし最終電車の時間を気にする必要もなくなります。
既に一部のクラウドソーシングでは在宅作業を前提としたシステム開発業務の人員募集も行われています。

現在は主にフリーランスという、どこの会社にも属さないITエンジニアやプログラマーの方がクラウドソーシングの仕事を受けています。ならば、いっその事、自分もフリーランスに転身して、そういった仕事をやってみようか、と思う方もいらっしゃるでしょう。

ですがフリーランスになって本当に大丈夫だろうか、自分にこなせるだろうか、こなせたとして現在の給与水準を維持できるだろうか、と心配な点も多いでしょう。

本来なら、あなたの会社がリモートワークを実施してくれれば良いのですが、IT業界でリモートワークはどこまで可能なのかを検証してみましょう。

また会社が実施してくれないなら自分がフリーランスとして独立した場合のメリット、デメリットも検証してみたいと思います。

なお、フリーランスについて基本的なことを知りたい方は、「フリーランスとは」や「フリーランスになるには」といった記事も参考にしてみてください。

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IT業界におけるリモートワークの可能性

IT業界といっても大きく制御系と業務系の2つに分かれます。

制御系は主に機械用の組み込みシステムを作る仕事で周辺IC等のハードウェアの知識が必要とされます。
入出力が複雑でメモリも直接アクセスなので言語はアセンブラ等の低級言語が主体です。

業務系は会社の業務をシステム化する仕事でハードウェアの知識はあまり必要ない反面、業務に関する知識が必要とされます。
言語はCOBOL、C++、javaなどの高級言語が主体です。

制御系のITエンジニア、プログラマーのリモートワークの可能性は十分にあると思われます。
制御系の場合、周辺ICの情報と入出力ポートの情報、OSの情報があれば自宅で設計、開発が十分に可能だからです。
テストに使うジグは小さな物であれば家に持ち込めますし、大きな物であれば、会社に出来上がったプログラムを送りジグに組み込んでテストしてくれる人さえいれば大丈夫だからです。

制御系の場合、仕様変更がほとんど無いのもリモートワークを可能にさせてくれる大きな要因です。
制御系のITエンジニアやプログラマーの方で会社員である方は、ほとんどが製造業の中の開発部門勤務の方だと思いますが制御系のクライアントは社内の別部門であり、利害関係が対立する他社ではない事もリモートワークを可能にしてくれる要因となるでしょう。

ただ製造業の中には必ず「人と会う事が仕事」という部門も存在するので、その不公平感をどうするか?という位の問題しか無いと考えられます。
ただ制御系ITエンジニアの場合、自分でハードウェア回路を組む事もあるので、そのための部品や道具をどうするか?またデバッガー等の開発機器は高価な物が多いので人数分、揃えられるかという問題は出てくると思います。

ですので、可能性は十分にありますが全員とはいかないかも知れません。
全体を統括するリーダークラスの方は「どうしても会社にいなければならない」かもしれません。
しかし他の方はリモートワークが可能でしょう。あとは「上の判断」次第です。
なお使用する言語が低級言語である事と、開発のための情報が自社の新製品の情報と直結するためクラウドソーシングでは制御系の仕事は、まず無いと思って間違いありません。

業務系のITエンジニア、プログラマーのリモートワークの可能性は、一部を除き、あまり無いと思われます。
業務系の場合、要件定義からプログラム開発までの工程全てで必ずクライアントと打合せをしなければ先に進めなくなるからです。

一見、要件定義が済み、DB設計、画面設計、帳票設計、バッチ設計も済んでいればリモートワークで自宅で詳細設計を作りプログラマーに送り、プログラマーは仕様書に従ってプログラムを自宅で作れば良いように思えますが業務系のITエンジニアの方ならプログラマーから「こういう場合はどうすれば良いのですか?」という質問を受けた経験が必ず有るでしょう。

そして、その質問が実は、これまでクライアントと打合せしてきた内容から漏れていたケースであり、あらためて、どうするかをクライアントと相談しなくてはならなくなった経験もお有りでしょう。
それが重要な問題であればあるほど電話やLINEだけでは済まなくなります。
もし追加仕様が発生すれば、それまでに作ったすべての設計の見直しも必要になります。
そうなると他のプログラマーの作業も一旦、止める必要が出てくるかもしれません。

仕様の追加や変更が発生すると追加請求や追加費用の問題も出てくるので上役への報告と相談も必要になります。
これは機械ではなく、人間が相手である業務系ITエンジニアには常につきまとう問題であり、最も厄介な問題である事は良く御承知かと思います。
常に仕様変更の危険が付きまとう業務系ITエンジニアにとってリモートワークは出来るようで出来ないでしょう。
一旦、問題が発生したらリモートワークどころでは無いと心中、思っていらっしゃる方は多いのではないしょうか。
僅かに可能性があるとしたらプログラマー専門の方ですが、これも相当に難しいと考えられます。

なぜならプログラマーはITエンジニアの作成したスケジュールに従って作業をしますが、業務系ITエンジニアの方で最初に作ったスケジュール通りに作業が進み無事に完了した、という経験のある方は、ほとんどいないでしょう。
むしろ「スケジュールは変更するために有る」と考える方が大部分のはずです。

つまりプログラマー専門の方でも、必ずスケジュール変更が発生してしまい、空き時間が出来て他の作業をさせられたりしてしまう事が多いのですが、リモートワークではそれは難しくなります。そうなると「無駄な人件費」と上から苦情が出てしまいます。
残念ですが業務システムの開発に携わっている方のリモートワークは無理と考えられます。仮に実施したとしても、問題発生と同時にリモートワークは中止されてしまうでしょう。

しかし業務系の中でも業務システムそのものではなく、WEB系のHP構築や更新などを担当しているITエンジニアやプログラマーは仮に問題が発生しても業務に直結しない分、どうにでも取返しが付きますので、こちらはリモートワークが十分に可能でしょう。

こちらもデザイン変更などは良く発生しますが担当者の数が少なく、DBなどの記録情報も持たないか、あっても大した件数ではないので変更が発生してもリモートワークの範囲内で十分に対応できるのです。
クラウドソーシングで最も多い作業依頼はこのWEB系の開発作業です。

フリーランスになった場合のメリット、デメリット

IT業界では何系であってもフリーランスとして仕事をしている人達がいます。
フリーランスで会社の仕事をすると外注扱いとなるので作業単価は上がります。従って収入は増えます。

ですので、一見、フリーランスの方が有利なように思えます。
会社員であれば、苦労してやっとプロジェクトを終了させても、すぐに次の仕事が待っています。

しかしながらフリーランスなら、ちょっと一休み、という具合に一か月くらい休む事も可能になります。
現在ではクラウドソーシングというものが有り、人脈やコネが無くても仕事を探す事が出来るようにもなりました。
ならばフリーランスになってみようか、と思う方が出てくるのも当然です。

ですがフリーランスの方にはフリーランスならではの悩みが有るのです。
その悩みを具体的に述べてみましょう。

1:収入について

普通のソフトウェア開発会社がフリーランスの方に支払う報酬は社員よりも高いです。
これは外注業者である限り、当然の事です。例えば、孫請けという形で仕事を他社に依頼する場合、受け側の会社は当然ながら作業する社員の給料+会社の利益を計算して作業料金を請求しますが外注業者であるフリーランスも同じ扱いだからです。

但し、一見、額面が多くてもそれだけで「稼ぎが良い」とは言えないのです。会社員をしていると案外に気が付かないのですが、給与にも額面と手取りという物があります。

普段、給与明細を見ても手取り金額しか見ない人が多いのですが、会社があなたに払う給与は額面であり、手取りではありません。
では何が引かれているのかというと、所得税、市町村民税、健康保険料、雇用保険料、厚生年金などです。

そしてフリーランスの方に支払われている作業料はこういった税金や社会保険料は差し引かれていません。

所得税については源泉徴収されている事もありますが、他の税金や社会保険料は全て自分自身で別途に払わなければならないのです

これらの税金や社会保険料が一年間で、いくらくらいになるかご存じでしょうか?
それはあなたの給与明細を見て12倍してみれば分かります。予想以上に高額である事に驚かれると思います。

特に所得税については日本は累進課税といって収入額が多ければ多いほど高率課税になります。
よくスポーツ選手で年収が一億円という方がいますが、それだけの高額ですと税率は45%にもなります。

つまり一億円もらっても所得税として4500万円を徴収されてしまうのです。また市町村民税は一般的に所得税の10%位ですので450万円、健康保険料もおよそ10%位ですので450万円。合計で5400万円も徴収されてしまうので実質的な手取りは4600万円と半分以下になってしまうのです。

なお所得税については毎年、税額計算方法は変わるので上記はあくまで昨年の場合の話です。ですが累進課税という基本方針は変わりません。

それを考えればフリーランスの方が稼げるというのは確かですが、その分、多く税金や社会保険料も払っているという事も知っておいて下さい。稼ぎが良いほど徴収額は上がり手取りは減ってしまうのです。

そしてフリーランスになったら、常にそういった税金や社会保険料として払う分は残しておくようにしなければなりません。
会社員は会社がやってくれますがフリーランスの方はそういった申告や納税作業を全て、自分で行なわなければならないからです。

2:年金について

収入に触れたので、年金についても述べておきましょう。
会社員の方は厚生年金という高額な年金がもらえますが、それは国民年金より高い金額を徴収されているからです。
そして、その高額な徴収額の半額を会社が払ってくれているのです。
その点、会社員は非常に恵まれており厚生年金が無く国民年金しか受け取れないフリーランスの方と比較したら、いざ、年金を受け取る年齢になったら驚くほどの差がつくのです。

現在、公的年金は支給年齢の引き上げや支給額の引き下げで後退していますが、それでも会社員の方とフリーランスの方では受け取る年金額は全然違うのです。

会社員の方は少ないといっても多少の追加収入があれば何とかやっていけるかもしれませんが、国民年金だけのフリーランスの方は相当な追加収入か貯蓄がないと絶対に年金だけでは暮らしていけないのです。

まだ遠い将来の事かも知れませんが、年を取れば取るほど時間は早く過ぎていく物だ、という事も知っておいて損はありません。

3:仕事の自由度について

フリーランスの方は自分で仕事を選ぶ事が出来ますし開始時期も決められます。
しかし会社員は会社から命じられた仕事をせねばなりません。

そんな会社員のITエンジニアやプログラマーの方から見れば「いいなぁ」と、ため息もつきたくなる物です。収入の高さもありますが何よりも、この自由な所がフリーランスの最大の魅力と言っても良いでしょう。

フリーランスの方の中には所得税を計算して税率が上がらないように仕事量を調整している方もいます。
つまり調整中は休みなのです。通常の会社員のITエンジニアやプログラマーの方より、休みの日は相当に多いでしょう。
長期休暇を取るのも簡単で誰にも遠慮する事もありません。

しかし実際にフリーランスになった瞬間から、その見方は一変してしまいます。実は「休みが多くていいなぁ」というのは安定した収入が有るから言える事なのです。
フリーランスになったら仕事をしない限り収入は発生しません。

しかし毎月の生活費は確実に必要であり税金や社会保険料も待ってはくれません。
そしてフリーランスになると「いつでも仕事が有る訳では無い」という事実に気が付きます。実際、自分のスキルに合った仕事というのは、いつでも有る訳では無いのです。

ですので、自分向けの仕事なら何でも引き受けて、稼げる時に少しでも多く働いて収入を得て、仕事が無い時に備えておくというのがフリーランスの心得です。

つまり収入が不安定なのです。会社員を長くやっていると「安定した収入が当たり前」になり、収入が不安定というのは不安で精神的に耐えられなくなってしまう方もいます。

フリーランスは確かに自由ですが、その分、常に経済的な不安を抱えていかなければならないのです。
会社員はその逆で不自由ですが会社にいる間は経済的に不安を抱く事はありません。
あなたがフリーランスに向いているかどうかは、あなたの性格次第という事です。
不安よりも自由を選ぶか、不自由でも安定を選ぶか、という選択です。

決して良い面だけ見て間違った選択をしてはなりません。長所は必ず短所でもあり、それは見る角度やシチュエーションにより変わる物なのです。

まとめ

リモートワークでは制御系には望みが有り、業務系には望みはほとんど無いと述べましたが、じゃ制御系に転職しようというのは危ない選択かもしれません。両者には、それぞれの長所、短所があるのです。

一例としてバグを考えてみます。IT業界で仕事をしているエンジニア、プログラマーにとってバグは日常茶飯事と言っていい位に発生する物です。
業務系の場合、バグを見つけたら、ちゃんとリカバリーすれば、それで済む事がほとんどです。

顧客の信頼を多少は損なうかもしれませんが、それは一顧客に過ぎません。
それに対し制御系の場合、発売した製品にバグが発見されたらリコールとなり社会的な問題となり全消費者の信頼を損ねる可能性も有るのです。

しかもリカバリーするには売れた商品全てを一旦、回収しなければならないのです。
制御系におけるバグの恐ろしさは業務系の比ではありません。

もちろん業務系であっても金融系の業務システムの失敗も恐ろしい事は承知していますが、制御系のバグの恐ろしさは、それに匹敵するか、それ以上なのです。
業務系のシステムのバグで人が死ぬ事はありませんが、飛行機のシステムにバグがあったらどうなるかは想像するだに恐ろしい事です。

ですが制御系ITエンジニア、プログラマーの中には、実際にボーイング787の自動操縦システムを作っている人もいるのです。

その重圧、精神的なプレッシャーは物凄い物でしょう。しかし、それを無事に成功させた時の達成感、喜びは他ではとても得られない物でしょう。フリーランスの話でも述べましたが長所と短所は常に裏表の関係なのです。

決して長所だけを見てはなりませんし、短所だけを見てもいけないのです。
IT業界に就職し1年持つ人は10人に1人位です。

だから慢性的な人手不足なのです。それほど厳しく難易度の高い仕事をしているITエンジニア、プログラマーの方は自分の仕事に誇りを持って良く、他人の仕事を羨んだりする必要は全くありません。

もし、そう思われたなら、それは長所しか見ていないと考えて間違い無いのです。

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