VBAに将来性はある?需要から分かる今後の展望を徹底解説

VBAの将来性は?これからの需要と求められるスキルを調査!

こんにちは、ITプロマガジンです。

VBAは廃れた言語という人がいます。確かにWindowsという限られた中で動作するものですし、Officeが前提になっていて使い勝手はイマイチかもしれません。

しかし、多くの企業でWindowsが導入され、Officeが導入されている現実があります。2019年5月のデスクトップOSのシェアは、Windowsが88.3%となっており、まだまだ「Windows強し」の状態。

大手企業では、VBAを使ったツールがバリバリ現役で動いている事を考えると、今後も需要はあり続けると予想できます。この記事ではVBA歴10年以上の筆者が、今後のVBA需要と将来性について詳しく解説していきます。

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VBAの需要から見る将来性

多くの企業でOfficeが導入されていることから、必然的にVBAの利用率は高いです。

VBAは主に効率化の観点で使われていますが、経験上、1つの業務部門全体でシステム化されて利用しているケースもありました。

Officeの中でも利用用途が特に多いのは、ExcelVBAがダントツです。企業によって特色ありますが、経験上Excel7割、Access2割、Word1割の印象。

具体的な需要(利用パターン)については以下の3つになります。

  • VBAをマクロで記録して個人ツールとして使う
  • VBAをプログラミングして個人ツールとして使う
  • VBAをプログラミングして多人数で使えるようシステム化

VBAをマクロで記録して個人ツールとして使う

VBAの利用パターン1つ目は、「マクロの記録」で一連の手順を自動化しているケースです。

プログラミングの知識が浅い人がよく利用されています。特にコードの知識がなくても、操作を行うだけで自動化できるので便利ですよね。

ただ、経験上「マクロの記録」を行ったVBAの改修は大変になりがち。プログラムコードが整理されておらず、コメントもないため、意図を読み取るのに苦労するからです。

マクロツールは一般ユーザーが個人で使っているケースが大多数ですので、エンジニアが改修を担当する時には、業務面を理解することが大切です。

そのうえで横展開可能か、さらなる効率化は可能か検討し、顧客に提案するのが一般的な流れになります。

VBAをプログラミングして個人ツールとして使う

VBAの利用パターン2つ目は、エンドユーザーがVBAでプログラミングして便利ツール化しているケースです。

企業の中にも趣味でプログラミングをする方もいらっしゃるので、個人で便利ツールを作って運用しています。ただ人によって作るだけ作って、コメントもロクに書かずに運用しているケースがあります。

異動がよく行われる大企業だと、前任者が作ったVBAツールがメンテナンスされず、そのまま数年運用されているなどもありました。

VBAをプログラミングして作成された個人ツールは、既に複数人が利用しているケースが多いです。VBAを趣味でやるぐらいの人ですから、情報発信もされていて、周りからの要望も聞いて取り込んでいる、いわゆる一人SEをしている状態ですね。

エンジニアとしては、作成者本人と話をして改修ポイントを整理し、場合によってはメインシステムに移行する提案をさせてもらいます。

VBAをプログラミングして多人数で使えるようシステム化

VBAの利用パターン3つ目は、本格的なシステムとして運用しているケースです。

エンジニアがVBAを使って、多人数で使うようなシステムを作り込んでいる、いわゆる通常のシステム構築と同等規模のものですね。

「Accessをデータベース、Excelシートをユーザーインターフェースとし、ファイルサーバーにWord文書を保管する業務システム」など、Office製品をフル活用した新規のシステム開発を要望された時も経験上ありました。

こういった複雑な要件がある場合は、設計からドキュメントに落とし込んで、テストもシナリオパターンを作り複数人で打鍵する、いわゆる一般の業務システム開発と同様の手順を踏む必要があります。

エンジニアとしては腕の見せ所で、要件定義からリリース運用までを一貫して行うスキルが求められます。

VBAの将来性を心配する懸念意見

多くの企業で導入されているVBAですが、エンジニア目線だと、将来継続的に仕事が有るのか不安に感じることもあります。

将来に渡ってVBAエンジニアとしてやっていくのに、懸念される事項としては以下の3つになります。

  • VBAツールが社内のメインシステムに取り込まれる事の懸念
  • Officeが企業で利用されなくなることの懸念
  • VBAエンジニアとしての単価が安くなっていくことへの懸念

VBAツールが社内のメインシステムに取り込まれる事の懸念

企業内で保有しているVBAツールの最近の傾向として、属人化させない動きになってきています。

要は一人の人間に依存させずに、管理をしっかり行っていく企業が増えているということ。そして企業ではVBAツールの数をなるべく減らして、管理コストを抑えたい思惑があります。

結果として、「社内のメインシステムに取り込めるものは取り込む」という流れです。もちろん費用対効果で、メインシステムに載せられないVBAツールも多くあります。

VBAツールのメリットである、すぐ改修、すぐリリースが、メインシステム化するとできないので、企業によってはVBAツールを推奨する場合もあるでしょう。ですので、企業によってはVBAツールを管理するエンジニアが一定量必要となります。

Officeが企業で利用されなくなることの懸念

VBAツールはOfficeとセットですので、企業がOfficeの利用を辞めてしまうと、必然的にVBAツールは利用されなくなります。

通常Office利用を辞める場合、VBAツールはVB.netやJavaなどに置き換えることになりますね。ただこれまでの経験上、Office利用を辞めた企業は聞いた事がありません。

ビジネスシーンに組み込まれ過ぎていて、辞めようと思っても代替えするものがないんですよね。特に金融系はセキュリティリスクを考えると、クラウドサービスに全てを移すことも出来ませんから。

大手企業においては、Officeの利用を辞めることは向こう10年ないと予想できるため、VBAエンジニアの需要はあり続けるでしょう。

VBAエンジニアとしての単価が安くなっていくことへの懸念

VBAという言語の特性上、単価は安くなりがちです。誰でも気軽にできるため、高い単価は提示されにくいんですよね。ですので、プラスアルファの部分で単価を上乗せしましょう。

例えば「設計ができる」だったり、「要件ヒアリングができる」だったり、プログラミング以外の部分で顧客にアピールします。

VBAの知識だけでは将来に渡って食べていくための単価が出ないですので、できることを増やして、プラスアルファの部分で単価UPを獲得するのがおすすめです。

VBAができる人は少ない?使える人の割合から分かる将来性

マイナビニュースによるとVBAを実際に使える人の割合は、5割以下という調査結果があきらかになっています。

ネットで調べながらおこなったり、他人に教わりながらでも作成できる人は3割程度です。

また職場にITスキルを持っている人材は少なく、社員がITスキルを習得する環境も整っていないため、VBAを使える人の割合は今後も増えにくいです。

そのため、VBAのフリーランスエンジニアとなっても企業からまだ必要とされなくなる心配はないでしょう。

VBAフリーランスエンジニアとしての将来性

将来的に、VBAだけで食べていくのはツライものがあります。

一番は案件が限られてしまうこと、そして先にも挙げた通り単価が安いことが原因です。エンジニアとしてやっていくなら、VBAしか言語を習得してないのは危険でしょう。SQLの知識はもちろんのこと、比較的VBAの知識を活かせるVB.netの言語知識習得がおすすめです。

言語以外には、上流知識とマネジメントスキルを習得するのが良いです。

上流知識は、要求定義、外部設計、内部設計など、顧客がやりたいイメージをドキュメント化してあげるスキルですね。マネジメントスキルは、進捗管理であったり、品質管理などプロジェクトをうまく回していくスキルになります。

上流知識、マネジメントスキルともに年齢を重ねると求められるスキルですので、習得しておけば転職の際にもアピールポイントになります。VBAのフリーランスエンジニアについては以下の記事で詳しく解説しているので、こちらもぜひ参考にしてください。

VBAフリーランス案件の特徴は?単価相場や必要スキルを紹介

VBA以外にも役立つプログラミング言語3選

VBA以外にも以下の3つのプログラミング言語を覚えておくと役立ちます。

  • Flutter
  • Go
  • Scala

それぞれのプログラミング言語について簡単に紹介します。

Flutter

1つ目がFlutterです。Flutterとは、Googleが提供するモバイルアプリフレームワーク。

Flutter開発ではGoogleが開発した、Dartと呼ばれる言語が使用されています。Flutterを習得すると、AndroidやiOSをはじめとしたモバイルアプリの開発に携われるでしょう。

Go

2つ目がGoです。Goは、Googleが開発したシンプルなプログラミング言語。Google社内のプログラミング環境改善を目的として作られ、コード自体がシンプルです。

主にWebサーバーやマルチプラットフォームのアプリケーションの開発に使用されています。難易度も低いため、初心者でも習得しやすいです。

Scala

3つ目がScala。Scalaは、オブジェクト指向と関数型両方の特徴を併せ持つプログラミング言語です。

javaの後継として誕生したため、多くのjavaライブラリで利用できます。javaよりも開発スピードが速く、エラー分析も簡単にできるのが特徴です。

しかしScalaの習得には、オブジェクト指向と関数型両方を学ぶ必要があります。そのため、初心者には難易度が高く感じるでしょう。

まとめ:VBAの将来性はまだまだ明るい

VBAツールが、企業からいきなり無くなることはありません。

ですので、向こう10年は安泰だと考えて良いでしょう。

ただし、言語知識に加えて、プラスアルファの知識がないと単価が安いままでしょう。

現場にて業務知識を吸収するか、上流スキルやマネジメントスキルを習得することで、重宝されるエンジニアになれれば未来は明るいです。

大手企業になるほど、VBAツールが利用されている現状を考えると、自分から動けて提案できるエンジニアは、今後も需要はあり続けるでしょう。

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