こんにちは、ITプロマガジンです。
業務委託契約を結ぶフリーランスとして働いていると、クライアントから「正社員になってほしい」といわれることがあります。また、生活や環境の変化から「フリーランスをやめて正社員として働きたい」と考えることもあるでしょう。
この記事では、業務委託から正社員になるにはどうすればよいのかを解説しつつ、正社員になるメリットとデメリット、正社員に転身できるフリーランスの特徴などをご紹介します。加えて、実際に業務委託から正社員になった人の実例ついても紹介するので、業務委託から正社員になることを検討する際に、ぜひ参考にしてください。
「必要以上に安売りをしてしまう」「市場感より高い単価で参画してしまいトラブルになる..」
フリーランス市場は売り手市場であるものの、いまだに正しいノウハウが確立されておらず、多くの方が案件探しに苦労されています。
ですが、現在の市場感や企業側に刺さる経験・スキルを理解し正しく案件探しをすれば、誰でも自身のバリューを活かし単価を伸ばすことができる、というのも事実です。
ITプロパートナーズでは、
・9割がエンド直案件のため、高単価
・約6割が週3-4案件のため、柔軟に働ける
・約7割がリモートのため、働く場所を選べる
などの魅力的な案件を数多く保有し、マッチング能力の高い即戦力エージェントが完全サポートします。
初めてのフリーランス、情報収集段階でも大丈夫です。あなたの働き方にマッチし、単価も高く、最もバリューを発揮できる案件を探しませんか?
目次
業務委託から正社員になることは可能か
結論からいえば、業務委託から正社員になることはそれほど難しくありません。業務委託で問題なく生計を立てているのであれば、企業から「スキルがある」「即戦力になる」と評価される傾向があるためです。業務委託契約で働いた経歴や実績は、正社員になるための大きな強みとなるでしょう。
業務委託から正社員になる方法は、大きく分けると、
- 現在付き合いのあるクライアント企業に就職する
- 中途入社できる企業を探す
の2パターンです。正社員から正社員へ転職する際は、転職サイトや転職エージェントを使うのが一般的ですが、業務委託の場合は個人で構築した人脈を活用しやすいのがメリットだといえるでしょう。
本記事では主に、前者の「現在、業務委託として付き合いのあるクライアント企業に就職する」方法について解説していきますが、まずはそれぞれの選択肢について概要を説明します。
今のクライアントに交渉する・打診を受ける
業務委託で働いている人が正社員になる際はまず、仕事を発注してくれているクライアント企業への就職を検討するのがおすすめです。すでに担当者やチームメンバーとの信頼関係ができているため、採用されやすいというメリットがあります。
入社したい企業が明確に決まっているのであれば、正社員を募集していないか確認したうえで交渉してみましょう。直接聞くのがためらわれるなら、転職サイトなどで求人を出しているかどうかをチェックしてみるのも1つの方法です。
また、業務委託での仕事ぶりが評価されれば、クライアントから「正社員にならないか」とオファーが来ることも珍しくありません。実務を通して業務内容や相性、人柄などが分かっていることは、お互いにメリットがあります。
1から転職活動をする
クライアントの企業に入社するつもりがないのであれば、自力で転職活動をしましょう。
転職活動には、企業から声がかかるのを待つ「待ち」と、自分で転職先を探して応募する「攻め」の2つの手法があります。転職市場では実績やスキルがある人が有利になりやすいため、専門職として業務委託を結んでいたのであれば、まずは「待ち」の転職を検討するのがおすすめです。人材を求める企業を紹介してもらえる転職エージェントや、スカウト型の転職サイトなどが活用できます。「受け」の転職が合わない人は、転職サイトで入りたい企業を探す「攻め」の転職活動をメインにするとよいでしょう。
フリーランスとして業務委託から正社員に転換した人の実例
ここでは実際に、個人で仕事を請ける業務委託から正社員となった人の実例をご紹介します。フリーランスから正社員になったきっかけや、働き方を変えたことでどのような変化があったのかをチェックしておきましょう。
入社の決め手は「働きやすさ」
1つ目は、ビジネスチャットツールの「Chatwork」を提供するChatwork株式会社で働くソフトウェアエンジニアのケースです。最初はChatworkのプロジェクトに業務委託として参画し、メンバーから紹介されたことをきっかけに正社員となり、プロダクト開発ユニットに所属しています。
入社を決めた一番の理由は、高い技術を持つエンジニアが多く楽しく働けること、働きやすいチームだと感じたことだそう。さらにリモート勤務が可能なことや、安定した収入が得られることも要因の1つだと語っています。
代表の話に共感し業務委託から正社員に
Webデザイナー兼マーケターの方のケースでは、副業を探していた時に株式会社Housmartと業務委託契約を締結。最初の契約からおよそ半年後に正社員のオファーを受けました。業務を通じて信頼関係を築けていたとのことですが、即断したわけではありません。正社員に転身する意思を固めたきっかけは、返答を保留中に代表とじっくり話した時、共感することが多いと感じたことだそうです。
しかし複数の業務委託案件を抱えていた鈴鹿さんにとっては、正社員になると収入が減ってしまうという金銭面での不安がありました。そこで収入面で不利にならないよう交渉をし、双方が歩み寄る形で決着したとのことです。
業務委託から正社員になるメリット
フリーランスと正社員の大きな違いは、労働基準法が適用されるか否かでしょう。労働基準法で守られている正社員に多くのメリットがあるのは事実です。ここでは、業務委託から正社員になるメリットについて解説します。
安定した収入が得られる
企業の正社員になれば、毎月決められた額の給与を受け取れます。仕事が減ってしまう閑散期であっても安定した収入を得られることは、生活していくうえで大きなメリットでしょう。
業務委託では働いた分だけ収入を得られますが、毎月必ず十分な量の仕事があるとは限りません。仕事量が一定でない以上、収入も不安定になりがちです。安定した収入を得たいのであれば、業務委託のフリーランスよりも正社員が適しています。
福利厚生が充実する
正社員になると、「厚生年金保険」「健康保険」「雇用保険」「労災保険」といった社会保険に加入でき、福利厚生が充実します。正社員になるだけである程度の備えができる点は大きいでしょう。なおかつ社会保険料や雇用保険料の一部は会社に負担してもらえます。
一方で業務委託のフリーランスは、「厚生年金保険」や「雇用保険」に加入できません。将来的に受け取れる年金額も会社員より少なくなる傾向があるため、民間の保険を活用するなどの対策を取る必要があります。
休業・休暇制度を利用できる
企業に雇用される正社員は、「有給休暇」や「育児休業」といった給与を受け取りながら仕事を休める制度が利用できます。病気やケガなどで働けなくなったとしても、いきなり収入が途絶えることはまずないでしょう。
業務委託の場合は、仕事を休むと収入減少に直結します。働けない時間が長くなれば、場合によっては貯金を崩したり、お金を借りたりしなければならないかもしれません。体調不良で休養が必要な時でも、「収入が減るのが心配で休めない」というケースが出てくる可能性もあります。
確定申告などの雑務が不要になる
正社員の場合、所得税や住民税は基本的に給与から天引きされるため、自分で確定申告をすることはほとんどありません。見積書の作成や請求書の発行といった事務作業も、営業や経理のスタッフに任せられます。
しかし業務委託では、請求書の発行から備品の購入まで、仕事に必要なあらゆる事務作業を自分でこなさなくてはなりません。さらに毎年の確定申告も自分自身で行う必要があり、実務以外のことに手間や時間を取られてしまいます。
業務委託から正社員になるデメリット
業務委託から正社員になることにはデメリットもあります。働き方を変える前に、どのようなデメリットがあるのかについても知っておきましょう。
高収入を狙いにくくなる
まずデメリットとしてあげられるのが、正社員の給与にはある程度の上限があり、業務委託と比較すると高収入を実現しにくいことです。例えば仕事で大きな成果を出したからといって、給与がいきなり2倍や3倍になることはほぼないでしょう。
その一方で業務委託であれば、成果に応じた報酬を受け取れます。シンプルに量をこなせばその分収入が増えるうえに、スキルや実績次第では単価の高い案件を受注することも可能です。業務委託から正社員になることで、収入が減ってしまうケースもあるでしょう。
働き方の自由度が低くなる
正社員は会社が定めた就業規則に従う必要があり、勤務場所や就業時間、休日などはあらかじめ定められています。そのため休みたい時に休めたり、好きな場所で働けたりする業務委託に比べると、働き方の自由度は低いといわざるを得ません。
もちろん、スケジューリングが苦手な人にとっては、正社員ならではの制約がプラスになることもあるでしょう。しかし業務委託で自由な働き方に慣れてしまっていると、自由が効かない部分がストレスになる可能性があります。
会社組織の一員としての行動が求められる
企業に正社員として雇用されれば、組織の一員として周囲のメンバーと連携しつつ仕事を進めていくことになります。そのためには、協調性やコミュニケーションなどが求められるのはいうまでもありません。
加えて毎日同じ場所に出勤し、同じ人と顔を合わせることになるため、人と人とのトラブルが起きることもあります。事実、職場の悩みに「人間関係」をあげる人は少なくありません。さらに場合によっては飲み会や歓送迎会、接待といった職場外の付き合いも発生するため、わずらわしさやストレスを感じる可能性があります。
この他、業務委託として働くメリットに関しては、こちらの記事も合わせてご覧ください。
業務委託先から正社員を打診された際にチェックすべきポイント
正社員に誘われた際、「このまま業務委託で働くのがベストなのか、それとも正社員になるべきか」と迷うフリーランスは少なくありません。ここでは、どのような点をチェックして判断材料にすればよいのかを解説します。
年収は適切かどうか
まずは正社員になると収入がどのくらい変わるのかを確認しましょう。業務委託と正社員の年収を比較する際は、いずれも「手取り額」を用いるのがポイントです。
業務委託の場合、報酬から税金や国民年金の保険料、国民健康保険料、必要経費などを引いたものが手取り額になります。クライアントから振り込まれた額がそのまま収入になるわけではないため、注意が必要です。
正社員の手取り額は、給与と通勤手当から社会保険料や税金を引いた金額を指します。一般的には額面の70%程度になることが多いですが、給与金額や各種控除、扶養家族の有無などによって左右されるため、一概にはいえません。ボーナスが出る場合は、その金額も加味して考えましょう。
正社員になると年収が下がることも多いため、納得できる金額かどうかを検討することが大切です。
フリーランスの手取りについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
福利厚生は充実しているか
正社員の魅力の1つである福利厚生についてもチェックしておきましょう。社会保険や雇用保険といった企業に義務づけられているもの以外に、会社独自の各種手当てやサポートを導入している企業がたくさんあります。
例えば「住宅手当が出る」「結婚や出産にお祝い金制度がある」といった会社には、給与の額だけでは測れないメリットがあります。福利厚生が自分にとって魅力的かどうかも、重要な判断材料となるでしょう。
働き方の自由度・拘束時間は問題ないか
正社員になることで1日のスケジュールがどう変化するのか、変化に対応できるかも確認が必要です。雇われる以上、就業時間中は仕事に従事しなければならず、なおかつ時間外労働が発生する可能性もあります。とはいえ、テレワークやフレックス制を導入している企業であれば、テレワークで通勤時間を削減するなど、ある程度は自由な働き方ができます。
また、休暇や休業の制度についてもチェックしておきましょう。昨今では、有給休暇の他に「バースデー休暇」や「リフレッシュ休暇」といった特別休暇を設ける会社も少なくありません。
業務委託から正社員になれるフリーランスの特徴は?
業務委託で働いていれば、誰もが正社員に誘われるというわけではありません。ここでは、業務委託から正社員になれるフリーランスにはどのような特徴があるのかを解説します。
委託先企業にはないスキルを持っている
クライアント企業から見て社内に不足しているスキルを持っている人であれば、正社員として採用される可能性は高いでしょう。業務委託の人材を活用する企業は、社内の人材不足やリソース不足を外部リソースで補っているケースが多いからです。業務委託を経ることで、実務を問題なくこなせるスキルの持ち主だと分かってもらえれば、正社員に誘われる可能性は高いでしょう。そのスキルが一時的に必要なものではなく、長期的に見て会社の業務に大きなプラスとなるものであればなおさらです。
チームに参画しているフリーランス
複数名で構成されるプロジェクトチームに参画するスタイルで働いているフリーランスは、正社員になりやすいといえます。
業務委託と正社員の違いとしてあげられるのが、組織の一員として働くか否かという点です。企業は基本的に、1つの目標に向かってメンバーと協力できる人を求めています。積極的に周りと助け合ったり、意識や情報を共有したりするフリーランスは、「正社員として雇用したい」と思ってもらえる可能性が高くなるでしょう。
反対にチームで働くことに対する意識が薄い人は、「業務委託であれば問題ないが、正社員にはできない」と思われる可能性があります。
委託先企業のカルチャーとマッチしている
フリーランス個人の考え方や価値観が、企業のカルチャーと合うかどうかも大切なポイントです。会社になじめない人が長く働き続けるのは難しく、せっかく正社員になったとしても早期退職につながりかねません。
例えばひっきりなしに雑談が飛び交うにぎやかな職場が合う人もいれば、静かに仕事をすることが求められる職場が合う人もいます。会社からみると、業務委託のフリーランスは「外部の人材」ですが、正社員になれば「組織の一員」です。組織として成長することが求められる以上、企業のカルチャーやスタイルに合うフリーランスのほうが正社員に誘われやすいでしょう。
業務委託から正社員になるために意識したいポイント
業務委託から正社員になる際は、既存のクライアント企業に入社する場合、1から転職活動する場合のどちらでも、面談や面接の機会が設けられることが少なくありません。正社員化に前向きであることをアピールするために意識しておきたいポイントについて解説します。
協調性をアピールする
面接や面談では、「チームで仕事をすることに達成感がある」など、協調性があることをアピールしましょう。「今後はチームの仲間として一緒に働きたい」など、これまでのやり取りをふまえてアピールするのも良い方法です。
業務委託のフリーランスのように、一人で仕事をしてきた経験が長い人は、「組織の一員として行動できないのでは」「協調性が低いのでは」と思われがちです。特に、「社員同士の人間関係に嫌気がさしたので業務委託になった」など、正社員についてネガティブなことを口にするのは避けましょう。社員になることにやりがいや魅力を感じていることを示すのが重要です。
業務委託をやめたい理由の説明に注意する
クライアントの多くは、なぜ業務委託から正社員になろうと思ったのかを知りたいと考えています。その際に、「業務委託では将来に不安がある」「思ったよりも稼げない」といったネガティブなことを言わないように気をつけましょう。
そもそも転職する際は、前職の退職理由についてマイナスのことを口にしないのが鉄則です。ネガティブな発言が多い人は、たとえそれが事実であったとしても、ビジネスの場においてあまり好まれません。「安定した収入を得たい」といった金銭的な理由も、「業務委託で稼げなかったとなると、スキルが低いのではないか」と懸念されるリスクがあるため、できる限り避けましょう。
長く働きたい姿勢を示す
企業は基本的に、すぐに辞めてしまう人を採用したいとは思っていません。正社員として採用しても短期間で辞められてしまっては損失が大きいからです。面接や面談では、「業務委託に戻りたいと思っているのではないか」という懸念を抱かせないよう、長く働きたいと考えていることを確実に伝えましょう。
例えば「いずれ業務委託に戻りたい」「将来は起業したい」「入社後も業務委託の副業を続けたい」といった発言をすると、「すぐ辞めるのであれば採用を控えよう」と思われるかもしれません。将来のことは未定だとしても、早期退職を示唆することを伝えないようにしましょう。
フリーランスから正社員として転職する際のコツや注意点については以下の記事でも解説しているので、合わせてチェックしてみてください。
まとめ
業務委託から正社員になることは不可能ではなく、実際にフリーランスを辞めて就職した人は少なくありません。正社員になれば収入が安定するのに加え、福利厚生も充実しますが、業務委託と同じような自由な働き方をするのは難しくなります。さらに収入だけでなく生活サイクルも大きく変わることになるため、さまざまな変化に対応できるかどうかをよく検討しましょう。
正社員になるための面接や面談では、協調性をアピールしつつ、長く働く意思があることを伝えるのが大切です。組織の一員となる以上、社風やカルチャー、職場の雰囲気などになじめるか否かも見きわめなくてはなりません。後悔のない選択ができるよう、クライアントとコミュニケーションを取り、必要に応じて話し合いや交渉をすることをおすすめします。
- 高額案件を定期的に紹介してもらいたい
- 週2日、リモートワークなど自由な働き方をしてみたい
- 面倒な契約周りはまかせて仕事に集中したい
そのような方はぜひ、ITプロパートナーズをご利用ください!
まずは会員登録をして案件をチェック!