Webマーケティングで起業するには?具体的なステップや成功のコツ

こんにちは、ITプロマガジンです。

インターネット広告市場やWebサービス市場の拡大に伴い、Webマーケティング人材の需要は増加傾向です。これはWebマーケティングが起業に向いている理由の1つであり、検討中の人には追い風といえます。

ただし当然、起業を成功させるためには様々な事前準備をしておく必要があります。本記事では、Webマーケティングで起業する具体的なステップや必要なスキル、注意点を紹介します。役立つ資格やサービスも紹介していますので併せてチェックしてください。

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目次

Webマーケティングで起業するパターンは主に2種類

起業とは事業形態を問わず、事業を起こすことであり、「フリーランス(個人事業主)」と「法人」の2つに分かれます。

まず、フリーランス(個人事業主)はスキルを生かして、個人で仕事を請け負う働き方です。業務委託契約を締結するのが一般的で、雇用契約は結びません。

一方の法人は会社を立ち上げ、業務を受託したり、サービス利用者から報酬を得たりします。登記申請書の提出など手続きが煩雑なうえに資金が必要ですが、事業拡大局面などには組織化しやすいという特徴があります。

フリーランスのマーケターとして仕事を請け負うことに興味がある方は以下の記事も参考にしてください。

フリーランスWebマーケティング案件の種類ごとの単価相場

フリーランスWebマーケティングは稼げる?年収・なり方・案件例

Webマーケティングが起業に向いている4つの理由

Webマーケティングは「ニーズが高い」「低リスク」「対応の幅が広い」「事業拡大しやすい」といった理由から、企業に向いているといえます。それぞれの理由について詳しく解説しましょう。

1.Webマーケティングのニーズが高い

電通が発表した日本の広告費に関する調査によると、2023年の日本の総広告費は7兆3,167億円でした。2022年に引き続き過去最高を更新しており、前年比103.0%となっています。背景にはアフターコロナ時代におけるリアルイベントの増加、国内外の旅行の活性化、デジタル化の加速に伴うインターネット広告の増加などがあります。

また、Benchmarkが実施した調査によれば、Webマーケティング業務上の悩みとして「担当すべき業務が多い、人手が足りない」と回答した企業の割合は、企業規模10名以下では58.6%、5,001名以上では76.5%でした。企業規模によらず、業務の多さに対して人材不足が発生している企業が多い状況です。

以上を踏まえると、Webマーケティングに対する需要は高い反面、対応できる人手が追いついていない傾向が見て取れます。企業が求めるスキルを提供できれば、Webマーケティング分野の起業に将来性はあるといえるでしょう。

2.初期費用があまりかからないため低リスク

Webマーケティングはパソコンがあれば仕事ができるため、少ない初期費用で始められる点が起業向きといえます。通常、起業する際には店舗や事務所の賃貸料に加え、人件費や仕入れ資金などが必要です。

しかしWebマーケティングでは、在宅で作業が可能であるため事務所は必ずしも必要ありません。Wi-Fiなどの環境整備や営業ツールの作成は必要ですが、多額の初期投資をしない「スモールスタート」が可能なためリスクも低いといえるでしょう。

3.対応できる業種・ビジネスの幅が広い

Webマーケティングの仕組みは職種や業種を限定せず、幅広く対応できます。Webマーケティングとは、Web上のサービス・コンテンツにユーザーを集客し、自社サービスや商品の利用あるいは購入を促すための活動です。

集客、あるいは成約率・リピート率の向上など、目的に対する施策はさまざまですが、スキルや経験は応用が可能。企業案件はもちろん、個人でメディアを運営する際にも活用できます。

4.事業を拡大しやすい

Webマーケティングは成功事例をベースに構築できるため、効率よく横展開できるメリットがあります。例えば、SEOは集客施策において重要な手法であり、ほとんどのWebコンテンツに必要な対策です。

顧客ごとにキーワードが異なるとしても、基本的なPDCAサイクルは同じであるため、これまでのデータを活用することで効率よく事業を展開できます。実績を重ねるごとに成功事例を増やせれば、さらに横展開しやすくなるといえるでしょう。

Webマーケティングで起業するためのステップ

Webマーケティングで起業するには、どうすればよいのでしょうか。ここでは、具体的なステップを紹介します。

1.起業の目的を明確にする

起業すること自体はさほど難しくありません。起業はあくまでも手段であり、目的にしてしまうとその後のモチベーション維持が難しくなります。

  • なぜ起業したいのか
  • Webマーケティングを通して実現したいことは何か
  • 起業後になりたい自分

上記のような起業の目的や実現したいことの明確化により、困難な状況でも立ち向かえる軸を作り出せます。

2.活動する分野やマネタイズ方法を検討する

一口にWebマーケティングといっても、分野はSEOやWeb広告など多岐にわたります。起業を成功させるには分野を絞ってスキルや実績を磨いたほうが効率的であるため、まずは活動する分野について検討しましょう。将来性とともに自分の興味や得意なことも考慮して選択することが大切です。

また、どのようにマネタイズするかも考えておく必要があります。Webマーケティングの需要は高いですが、同時にライバルも多いのが現状です。自身の持つスキルや経験を基に、どのような形でマネタイズするかもしっかり検討しておきましょう。

3.スキルを習得する 

すでにマーケターとして実務経験がある人でも、必要に応じてスキル習得をしましょう。未経験の場合、スムーズにスキルを習得するにはスクールがおすすめです。スクールなら学習のサポートを受けられ、わからないことがあっても納得がいくまで質問できます。効率的にスキルを身につけられるため、起業を目指しやすくなります。

フリーランスを目指せるおすすめスクール21選【職種・スキル別】

4.実務経験を積む 

スキルをひと通り身につけた後は実務経験を積む必要があります。Webマーケティングの職種で最低でも1〜3年程度は実務経験を積みましょう。会社員としてさまざまな案件に対応すると、起業後に自ら案件を獲得して仕事をする際にその経験が役立ちます。
また、会社員時代の人脈は、起業後の案件獲得にも役立ちます。現在Webマーケターとして働いており、将来的に起業を考えている方は、今のうちから人脈形成もしておくと良いでしょう。

5.起業する

会社員としての経験を通して実績や自信が増えてきたら、起業の準備を始めましょう。起業のスタイルとしては、前述の通り法人またはフリーランスの2つがあります。リスクヘッジを考慮する場合、いきなり法人として起業するのではなく、最初は個人事業主として小規模な起業からチャレンジするとよいでしょう。

また、起業・独立前に可能であれば副業を経験しておくこともおすすめです。副業で案件をこなし、ある程度の収入確保も見えたタイミングで起業することで、リスクを最小限に抑えることができます。

Webマーケティング副業の始め方は?未経験から稼ぐ方法と収入目安

Webマーケティングで起業する際にするべき準備

Webマーケティングで起業する際には、事業計画書の作成をおすすめします。そのほか、事業資金や集客の準備も必要です。

事業計画を立てる

事業計画は事業を客観的に把握でき、見直しの際にも有効です。法人化して銀行などから資金調達する際には必須の書類で、将来的に融資を検討しているならフリーランス・法人を問わず作成することが望ましいでしょう。

事業計画を作成すれば課題点の洗い出しと対策の検討が可能です。また、目標を設定することで仕事の優先度が明確になります。事業計画に決まった書式はありませんが、次のような項目を記載しましょう。

  • 理念や目的
  • 代表者の経歴または会社概要
  • サービス説明
  • 市場分析
  • 目標と達成方法
  • 主な取引先
  • 資金計画

事業資金を確保する

Webマーケティングの起業では初期費用があまりかからないとはいえ、すぐに安定収入を得られるとは限りません。売上が少ない場合でも、生活費や活動費は必要になるため、自己資金を準備しておくとよいでしょう。

また、国や自治体の助成金・補助金の利用を検討するのもおすすめです。受給条件や審査はありますが、返済不要のため起業時には大きな助けとなります。

集客方法を検討しておく

起業を成功させるためには、サービスの認知とクライアントの獲得が重要です。早い段階から集客経路を準備し、自身のサービスをアピールしておきましょう。集客方法には次のようなものが挙げられます。

  • Webサイト
  • ブログ
  • SNS
  • オンライン広告
  • 知人からの紹介
  • 営業

特にWebマーケティングの実績にもつながる「Webサイト・ブログ・SNS」は必須のツールです。名刺も作成しておくと、紹介や営業時に慌てません。

また、起業や自社サービスの立ち上げ時は、一定収入の確保のために週2〜3日程度クライアントワークをする可能性もあるでしょう。その際は、弊社ITプロパートナーズをご利用ください。

フルタイム案件はもちろん、週2〜3日から参画できる高単価なマーケティング案件を数多く扱っています。

Webマーケティングでの起業に必要な4つのスキル

Webマーケティングのスキルは必須として、起業後の経営面では「コミュニケーションスキル」や「会計の基礎知識」が必要になります。ここでは主な4つのスキルを紹介します。

1.Webマーケティングスキル

Webマーケティングではさまざまなメディアの活用および解析を行うため、それらの知識が必要です。代表的なスキルや知識には、次のようなものが挙げられます。

  • SEOの知識
  • MEO(マップ検索エンジン最適化)の知識
  • Web広告運用スキル
  • SNS運用スキル
  • 情報分析力
  • 解析ツールの操作スキル
  • マーケティングの知識

幅広い知識があれば、施策を組み合わせることで多くのケースに対応できます。あるいは得意分野の知識を深め、独自の強みとするのもよいでしょう。

2.論理的思考力

論理的思考力とは「ロジカルシンキング」とも呼ばれ、物事を整理して矛盾なく結論を出す思考法です。クライアントの課題に対して解決策を提示する際に「この施策を行う理由」「このツールの役割や活用する意味」など、理由や根拠・具体例を伝え、クライアントを納得させる必要があります。

さまざまな視点から分析・改善を繰り返し、解決策を検討するWebマーケティングには必要なスキルといえるでしょう。

3.コミュニケーションスキル

Web中心の仕事とはいえ、クライアントへの応対や営業の際には、コミュニケーションスキルが重要になります。相手のニーズを正しく把握したうえで、解決策について分かりやすく説明し、納得させなければなりません。

また、営業活動においてもセールストークやプレゼンテーションが必要になります。相手と良好な関係を構築するのも、起業に必要なスキルといえるでしょう。

4.財務会計の基礎知識

起業するとバックオフィス業務も自分で行う必要があるため、基本的な会計知識を身につけておくと安心です。請求書作成や月々の収支入力、経費処理などすべき作業は意外に多く、処理に時間がかかる場合もあります。

また、フリーランス(個人事業主)と法人では、税務申告の様式や申告場所が異なるため注意が必要です。事業規模に応じて、クラウド会計ソフトの利用やアウトソーシングも検討してみましょう。

Webマーケティングで起業する際に役立つ資格3選

Webマーケティングに資格は必須ではありませんが、スキルアップにつながるとともに、専門知識の習得を証明できるメリットがあります。おすすめの資格を3つ紹介しましょう。

ウェブ解析士

一般社団法人ウェブ解析士協会が主催するウェブ解析士は、Web解析やマーケティングのスキルを学べる資格です。グレードは次の3つに分かれており、スキルアップも目指せます。

  • ウェブ解析士
  • 上級ウェブ解析士
  • ウェブ解析士マスター

フォローアップ試験やエキスパート講座を通して、最新の事例や技術を学び続けることができ、演習中心の講座であるため受講生同士で人間関係の構築も可能です。勉強会などに参加することで人脈形成にもつながります。

Google広告認定資格

Google広告認定資格は、オンライン広告のエキスパートであることを証明できるGoogle公式の認定資格です。次の6つの分野を取得できます。

  • 検索広告
  • ディスプレイ広告
  • 動画広告
  • ショッピング広告
  • アプリ広告
  • 広告測定

オンライン上で1日1回、無料で受験可能です。ただし、資格の有効期限は1年間となっており、更新には各サービス分野の理解度テストに再度合格する必要があります。

Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)

Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)は、解析ツール「Googleアナリティクス」の習熟度を認定するGoogle公式の資格です。

「Google アナリティクス初級者向けコース」と「Google アナリティクス上級者向けコース」の2つのオンライン講座を受講することで、分析の基礎から高度なテクニックまで学べます。認定資格の有効期間は合格後12ヶ月間です。

Webマーケティングの起業で成功するためのコツ

起業における成功とは事業を継続させることであり、起業することがゴールではありません。成功のコツをお伝えします。

複数の事業を展開する

毎月一定の収入を得られる会社員とは異なり、起業すると収入が不安定になります。起業後になるべく安定した収入を確保するには、複数の事業を展開することが大切です。複数の分野の収入源があれば、その分だけ収入を得られるチャンスが増えるからです。例えば、SEOコンサルをメインの事業とする場合、それ以外にもライターや広告運用などの事業に力を入れるとよいでしょう。最初は1つの事業から始め、少しずつ事業を増やしていくとスムーズです。

強みをもとに差別化を図る

起業を成功させるには、自分の強みを活かして差別化する必要があります。例えば、オリジナルの自社サービスやプロダクトを作って展開する方法も差別化の1つです。自分自身の得意分野やアイデアを活かし、競合と比較されても選ばれる存在になることが大切です。

営業力をつける

事業継続のためにはクライアントの獲得が最も重要です。多くの人にサービスが認知されたとしても、契約につながらなければ意味がありません。

友人や知人からの紹介、交流会への参加による人脈作りなどを通して、クライアントや市場のニーズを知り、ビジネスチャンスを作る力が必要です。そのためにはコミュニケーションスキルは必要不可欠といえるでしょう。

ITフリーランスエージェントを活用する

1人で起業し、まだクライアントや案件数が少ない場合、エージェントサービスやクラウドソーシングといった外部サービスを利用するのも1つの方法です。エージェントサービスでは自分のスキルや経験、希望に合わせた案件を紹介してくれます。

条件交渉などのサポートも充実してるのでおすすめです。一方のクラウドソーシングは、依頼者と受注者のマッチングサイトで案件の難易度や報酬はさまざま。クライアントと直接交渉を行います。

Webマーケティングの実務経験がある方は「ITプロパートナーズ」がおすすめです。

IT/Web系のフリーランス・副業向け案件を扱っており、スタッフがスキル・経歴に合った案件をご提案。「週2日から」「フルリモート」など種類も豊富なので、起業時でも柔軟に仕事を選ぶことができます。

Webマーケティングの起業における注意点

Webマーケティングで起業するうえでは、気をつけたいこともあります。ここでは、具体的な注意点について解説します。

常に最新の情報・知識をキャッチアップする必要がある

Webマーケティングで起業するなら、常に最新の情報や知識に触れて自分のビジネスに取り入れる必要があります。Webマーケティングの業界は特に変化が激しいため、最新の動向を追っていないと自分が保有している情報や知識がすぐに古くなる恐れがあります。W成果を出すには最新の情報や知識が必要不可欠です。情報収集や知識の習得を習慣にし、いつでも最適な判断や提案ができるようにしておきましょう。

競合に打ち勝っていく必要がある

起業後は、競合に打ち勝つための戦略が必要です。起業すれば、会社員とは異なり自ら交渉したり、案件を獲得したりしなければなりません。特にフリーランスは増加傾向にあるため、戦略を練らないと競合に負けてしまう恐れがあります。Webマーケティングの需要は高まっているものの、より好条件の案件を獲得するには対策が不可欠です。自分の強みを明確に意識し、それを活かせる戦略を考えましょう。

事務作業などに時間をとられる

起業すると、Webマーケティング以外の業務にもすべて対応しなければなりません。会社員なら請求業務や経理などはそれぞれ担当者がいますが、起業後はいずれも自分で対応する必要があります。人材を採用する場合は、マネジメント業務もあります。Webマーケティングに関する作業以外にも時間を割く必要があるため、その点を考慮して仕事のスケジュールを考えることが大切です。

まとめ

Webマーケティングの起業は、インターネット広告市場の拡大によりますます需要が高まると考えられます。スモールスタートが可能なため参入しやすい点はメリットですが、成功のためには営業力の強化や差別化など、事業継続に向けた取り組みが必要です。

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