フリーランスにおすすめのクレジットカードと事業用で分けるメリット

こんにちは、ITプロマガジンです。

フリーランスとして活動するうえでクレジットカードがあると便利な面が多くあります。しかし、フリーランスはクレジットカードの審査が通りづらいのでは?と不安を感じている方もいるのではないでしょうか?また、個人用と事業用で分けるべきなのか?悩んでいる方もいるかもしれません。

そこでこの記事ではフリーランスが審査に通るためのコツや、事業用のクレジットカードを作成するメリットを解説します。フリーランスにおすすめのカードも5種類紹介するので参考にしてください。

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フリーランスはクレジットカードの審査に通る?通りにくい?

フリーランスでもクレジットカードの審査に通ることは可能です。

しかし、フリーランスは審査に通りにくいという意見もあります。とはいえ審査基準や通過率は開示されておらず、カード会社によって審査方法・判断基準は異なるため、正確なことはいえません。

ただ、実際に個人事業主用のクレジットカードも発行されており、フリーランスでも条件を満たせば審査に通ることは十分可能です。

クレジットカードの審査に通りやすいとされるフリーランスの特徴

どのような条件を満たせば、フリーランスでもクレジットカードの審査に通過できるのでしょうか。「絶対に通過する方法」はありませんが、以下の3つの条件を押さえることで、通過しやすくなるとされています。

開業届を提出している

1つは「開業届」を提出することです。社会的な信用度もアップし、審査に通過しやすくなることが期待できます。

さらに開業届を提出して個人事業主になることで「ビジネス向けのクレジットカード」に申込みできるようになり、選択肢が増えることもメリットです。

フリーランスの申込みを前提としたカードなら、一般向けのカードよりも審査に通りやすいことが期待できます。

フリーランスに開業届は必要?提出のメリット・デメリットやタイミング

フリーランスとしての実績がある

フリーランスとして「収入を得た実績」があるかどうかもポイントです。

実績がない状態では、フリーランスとしてどの程度の収入が見込めるかが不確定であり、審査で不利になる可能性があります。フリーランスとしての実績があり、「活動期間」が長い方が審査で有利になるというのが、一般的な見方です。

収入実績があれば、クレジットカードの申込みの際にフリーランスとしての具体的な年収を申告できるため、審査に通過する可能性が高くなります。

事故情報がない

支払い延滞や債務整理などの「事故情報」がないことも重要です。

事故情報には以下のことが含まれます。

  • 長期延滞:2~3ヶ月以上の支払い遅延
  • 債務整理:自己破産や民事再生など
  • 代位弁済:保証会社などの第三者が代わりに返済すること

以上の事案が発生すると、その人の情報が「信用情報機関」に登録されます。

その情報は、クレジットカード審査の際に参照され、審査上の大きなマイナス要素になってしまうのです。

内容によって異なりますが、事故情報が一度登録されると、5年ほどの間は信用情報機関からその情報が削除されません。

直近に事故情報に該当する事案がある場合には、期間が経過して登録情報が消えるのを待ってから申込みをする必要があります。

フリーランスがクレジットカードの審査に通る可能性を上げるポイント

フリーランスはどのような点に注意すれば、審査に通過する確率を上げられるのでしょうか。主な3つのポイントを紹介します。

キャッシング枠は設定しない

クレジットカードの申込みの際に、キャッシング枠を設定しないようにしましょう。

キャッシング枠を設定した場合、設定しない場合と比べて審査が厳しくなるとされています。クレジットカードの申込みをする際には、キャッシング枠を「0円」や「なし」などに設定しておきましょう。

事業主区分を明確にする

会社に雇用されていないフリーランスは、「無職ではない」ことを明確にすることが重要です。

開業届を提出済みなら、「個人事業主」であることを申込み時に正確に申告しましょう。現在の収入についてもしっかり記入・入力する必要があります。

さらに、仕事用に「固定電話の番号」があるなら、それも申告しましょう。クレジットカード会社によっては固定電話番号があった方が有利になる可能性があります。固定電話番号を持っていない個人事業主も珍しくありませんが、会社によっては携帯電話番号での申込みがNGの場合もあり、固定電話回線の有無を考慮している会社がないわけではありません。

同時に複数のカードに申し込まない

同時に、もしくは短期間に複数のカードへの申し込みをしないことも重要です。

クレジットカード会社は審査の際、「直近に、ほかのクレジットカードやローンの申込みをしたかどうか」を確認できます。信用情報機関に6ヶ月間、申込みをした情報が記録されるためです。

短期間に多くのカードを申込みしていることが分かると、審査で不利になる可能性があります。例えば審査に落ちた場合、すぐに別のクレジットカード会社に申込みをしない方が無難です。できれば6ヶ月以上の期間を空けてから申込みをしましょう。

フリーランスはクレジットカードを事業用と個人用で分けるべき?

フリーランスは、事業用と個人用でクレジットカードを分けて使うことをおすすめします。

2枚のカードを持っておき、プライベートの買い物と仕事上の支払いを別々にすることには、いくつかのメリットがあるためです。以下でその理由を詳しく解説します。

フリーランスが事業用クレジットカードを持つメリット

フリーランスが個人用と別に事業用のクレジットカードを持つメリットは、主に以下の4点です。

関連費用を経費計上できる

事業専用のクレジットカードなら、カード年会費など関連費用を全額経費にできます。

個人用のカードでも、「家事按分」の処理をすることで一部を経費計上できることがありますが、処理が煩雑になりがちです。その分、ミスも起こりやすくなります。

個人用と事業用でカードを別々にしておくと、年会費を一括で経費に計上でき、処理をシンプル化できる点がメリットです。

フリーランスが経費にできるものは?どこまで計上できるかも解説

経費処理が楽になる

事業用カードがあると、経費処理も楽になります。

個人カードで支払ったものでも経費に計上できますが、明細に生活用の支払いが混在してしまうことがデメリットです。

確定申告や帳簿作成の際に、1つひとつの支払い項目を確認して、事業用と生活用に切り分けて処理しなければなりません。生活用の支払いについても、帳簿には「事業主借」「事業主貸」などの勘定科目で記載しなければならない場合があり、余分な手間がかかってしまいます。

またクレジットカードの支払い明細を領収書の代わりとして使えるため、レジで領収書を発行してもらうなどの手間が不要になることもメリットです。

事業用の支出管理・把握がしやすい

個人用とカードを区別することで、事業用の支払いを把握しやすくなります。

経費の支払いを事業用のクレジットカードに一本化すれば、支払い明細の合計額を、そのまま事業の支出合計として把握することが可能です。

毎月の支出を把握しやすくなり、事業のキャッシュフロー管理がしやすくなります。

付帯サービスを活用できる

法人・個人事業主用のカードは、個人向けとは異なる付帯サービスが付いてくることがあります。

経営についての無料コンサルティングや、秘書代行、会計ソフトの月額料金優遇、福利厚生サービスなど、事業者向けの付帯サービスです。

無料のラウンジやホテルの優待サービスなど、出張に役立つサービスが付いてくることもあります。

フリーランスが事業用と個人用でクレジットカードを分ける際の注意点

このように、フリーランスが事業用と個人用でクレジットカードを分けるメリットは大きいですが、一方で注意点もあります。注意点として挙げられるのは、

  • 管理の手間がかかる
  • ポイントが別々に貯まる

主にこの2点です。特に管理の手間は面倒に感じるかもしれません。

例えば経費として計上できる物を買った際、「間違えて個人用クレジットカードで会計してしまった」ということが想定されます。個人用クレジットカードで買い物をしたからと言って経費計上できないわけではありませんが、経費計算の際の手間が増えてしまいます。

どれもデメリットと言えるほどではないかもしれませんが、多少面倒が増える可能性があることを想定しておきましょう。

フリーランスにおすすめの事業用クレジットカードの要件

フリーランスが事業用に使うクレジットカードには、どのような機能や特徴があるとよいのでしょうか。申込みの際にチェック・比較すべき要件を7つ紹介します。

利用限度額が事業規模に見合っている

まずはカードの利用限度額を確認しましょう。利用限度額が不足すると決済ができなくなってしまい、必要な支払いが滞ることにもなりかねません。

付与される利用限度額は審査結果によっても異なりますが、通常はカードごとに限度額の最大値が提示されています。毎月かかる経費の合計に対して、十分な利用限度額を確保できるか確認しましょう。

経費処理に役立つ機能がある

Freeeマネーフォワードといった会計ソフトとの連携機能など、経費処理に役立つ機能があるかどうかも確認しましょう。

支払い明細のデータをオンラインで会計ソフトに出力し、連携できるカードがあります。支払いごとに仕訳データを手入力する手間が省けて、作業の効率化につながる機能です。

ほかにもアプリやオンラインで支払い明細を確認できるかどうかなど、経費処理の効率化につながる機能があるか確認しましょう。

支払い平準化・キャッシングなどを活用できる

支払い平準化(リボルビング払い)やキャッシングなども、事業用のクレジットカードにあると便利な機能です。

支払い平準化ができるクレジットカードなら、毎月の支払い金額が一定以上にならないように設定できます。

キャッシングが利用できるなら、一時的に資金繰りが悪化した場合など、支払いに充てる資金が足りない時にお金を借りることが可能です。いずれも事業のキャッシュフローを安定させるために役立ちます。

ただし、これらの機能を利用すると手数料や利子がかかるという点は把握しておきましょう。

事業用ローンなどの付帯サービスがある

キャッシングとは別に、「事業用ローン」の付帯サービスが用意されていることもあります。カードの加入者限定で、ビジネスローンの利率割引が受けられるなどのサービスです。

事業用ローンの付帯サービスがあるクレジットカードを作っておけば、資金調達が必要になった場合に備えることができます。

年会費の費用対効果が高い

年会費を払う価値があるかどうかも重要なポイントです。年会費とポイント還元率を比較し、実質のポイント還元率を計算して費用対効果を確認しましょう。

そのほかの付帯サービスや保険の内容などもチェックして、総合的な費用対効果を比較することが重要です。

ビジネス用の優待・サービスがある

ビジネス用の優待・付帯サービスの内容も確認しましょう。多くの付帯サービスがあっても、使わなければ意味がありません。付帯サービスが「自分のニーズに合っているか」を検討する必要があります。

自分にとって重要な付帯サービスをリストアップし、それを満たすカードを選ぶようにしましょう。

保険が充実している

付帯保険の保障内容も確認しましょう。国内・海外旅行の際のケガや病気、盗難などに備える保険が付帯しているクレジットカードがいくつかあります。

カードの盗難・不正利用に対する保険が付帯しているかどうかも重要なポイントです。保障内容・保険金額はクレジットカード会社によって異なるので、よく確認しましょう。

年会費が無料のクレジットカードでも、上記のような保険が付帯していることがあります。損害保険に支払う保険料を節約しつつ、万が一の損失に備えることができてお得です。

フリーランスにおすすめのクレジットカード5選

これまで紹介してきたポイントを踏まえて、フリーランスが作るのにおすすめのカードを5つ紹介します。

個人用におすすめのクレジットカード

まずはフリーランスの「プライベート用」におすすめのカードです。2枚のカードが作れるタイプもあり、事業用としてもおすすめできます。

楽天カード

楽天カード
年会費無料
基本ポイント付与率1%
利用枠~100万円

楽天カードは、国内ネット通販の大手「楽天市場」での買い物で利用すると付与ポイントがアップするなど、ポイントを貯めやすい点がメリットです。ネット通販で備品などを購入する際にもポイントがもらえます。

楽天ポイントは楽天市場での買い物などに使えるので、ポイントを利用しやすい点も魅力です。

他のクレジットカードと比べて審査に通りやすいとされており、フリーランスや自営業、フリーターや学生でも審査に通る可能性があります。これは、本人だけでなく世帯年収や資産状況が加味されることが理由とされているようです。

自分用に「2枚目のカード」が作れるのもフリーランスにとって嬉しいポイント。2枚のカードを作ってプライベート用・仕事用に使い分けができます。

そのほかの付帯サービスは以下の通りです。

  • 海外旅行傷害保険
  • カード盗難保険
  • 旅行優待サービス

「海外旅行傷害保険」では、海外旅行中の病気やケガ、持ち物に対する損害(携行品損害)を保障してくれます。

「カード盗難保険」は、カードの盗難・紛失などによって不正使用の被害にあった場合に備える保険です。

オリコカード・ザ・ポイント

オリコカード・ザ・ポイント
年会費無料
基本ポイント付与率1%
利用枠10万~300万円

オリコカード・ザ・ポイントは、入会後6ヶ月間はポイント還元率が2.0%にアップするお得なカードです。iDやQUICPay、Apple Payなどのキャッシュレス決済に対応。ETCカードを無料で追加できることも特徴です。

以下のような付帯サービスがあります。

  • 海外・国内旅行の優待サービス
  • カード紛失・盗難保険

「海外・国内旅行の優待サービス」にはパッケージツアーの優待サービスや、レンタカーの予約サービスなどが含まれています。

事業用におすすめのクレジットカード

次に、事業用のクレジットカードから3つのおすすめカードを紹介します。いずれも法人・個人事業主の両方が申込みできるカードです。

アメリカンエキスプレス・ビジネスカード

アメリカンエキスプレス・ビジネスカード
年会費税込13,200円(追加カード税込6,600円)
基本ポイント付与率1%
利用枠利用状況により決定

アメリカンエキスプレス・ビジネスカードは、従業員のいる法人・個人事業主におすすめです。1枚あたり6,600円で社員用のカードを追加でき、カードごとの限度額を設定して管理できます。

貯まったポイントは楽天ポイントやAmazonギフト券などに交換して利用可能です。付帯サービスは以下の通りとなります。

  • ビジネスサポート
  • トラベルサービス
  • 旅行傷害保険

「ビジネスサポート」とは、クラウド会計ソフト「freee」との連携や、ビジネス情報サービス、福利厚生サービスなどです。

「トラベルサービス」には、手荷物無料宅配や、空港ラウンジの無料利用、国内線の割引などがあります。

三井住友ビジネスオーナーズカード

三井住友ビジネスオーナーズカード
年会費永年無料(一般カード)
基本ポイント付与率0.5%(200円につき1ポイント)
利用枠~300万円

三井住友ビジネスオーナーズカードは、追加カードも含めて年会費無料で利用できます。名前が似ている「三井住友ビジネスカード」は法人のみが対象なので、個人事業主のフリーランスでも申込みできるのはこちらです。

こちらもビジネスに役立つ以下の付帯サービスが利用できます。

  • ビジネスサポートサービス
  • 福利厚生代行サービス
  • 海外旅行傷害保険

「ビジネスサポートサービス」には、レンタカーサービスや引越し料金割引などが含まれています。

「福利厚生代行サービス」は、宿泊施設やスポーツクラブ、人間ドックなどの割引が受けられるサービスです。

テックビズゴールドカード

テックビズゴールドカード
年会費初年度無料(2年目以降2,200円)
基本ポイント付与率0.5%(1,000円につき1スマイル)
利用枠10万~300万円

テックビズゴールドカードは、ITフリーランス向けのビジネスカードです。

1,000円につき1スマイルが貯まり、「1スマイル=5オリコポイント」に交換できます。「1オリコポイント=1円」として使えるので、ポイント付与率は0.5%になる計算です。

以下の通り、さまざまな付帯サービスが用意されています。

  • 会員割引サービス
  • Mastercardビジネスアシスト
  • 融資金利優遇
  • 空港ラウンジ無料
  • カード紛失・盗難補償
  • 海外・国内旅行傷害保険

「会員割引サービス」には、フリーランスに便利なオンライン学習やコワーキングスペース、税務サポート、ファクタリングなどの割引が含まれます。

「Mastercardビジネスアシスト」とは、ビジネス拡大戦略や、事業基盤の最適化などに向けたサポートを利用できるサービスです。

通常金利より実質年率で最大2.0%割引でローンを契約できる「融資金利優遇」も付帯します。

可能なら独立前にカードを作っておこう

これからフリーランスとして独立することを検討しているなら、できるだけ独立前の会社員の状態でカードを作っておくことをおすすめします。

会社員の方が、個人事業主と比べて収入が安定していると見られやすく、審査に通りやすいとされているためです。

また「独立して間もない時期」は支払い能力が未知数のため、クレジットカードが作りにくい状態といえます。

いわゆるクレヒス(クレジットカードヒストリー)を作るという点でも、有利なうちにクレジットカードを作っておくことは重要です。クレジットカードの支払い状況・実績がクレヒスとして信用情報機関に残るので、独立後に新たなクレジットカードを作る際にも、審査に通過しやすくなることが期待できます。

まとめ

フリーランスでもクレジットカードを作ることは可能です。申込みの際には、開業届の提出や、フリーランスとしての実績を作ることなど、基本的なコツを押さえて審査に通過しやすくなる工夫をしましょう。

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