こんにちは、ITプロマガジンです。
「Webディレクターはなくなる」というネガティブな話を耳にしたことがある人もいるかもしれません。現在Webディレクターの人も、これからWebディレクターを目指そうと考えている人も、その将来性に不安を感じることがあるのではないでしょうか。
本記事では、なぜ「Webディレクターがなくなる」という話が出ているのか、実際にWebディレクターの将来は暗いものなのか、疑問を解決します。
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目次
そもそもWebディレクターの仕事内容とは
Webディレクター未経験の人向けに、まずはWebディレクターの仕事の定義を確認しておきましょう。
Webディレクターとは、「Webサイトの構築・運用で最終目標(KGI)を明確にし、最終目標達成のためのプロセスや中間目標(KPI)の設定・達成の責任を負う進行管理者」です。
一般的にWebディレクターに相当するポジションは、広告代理店・Web制作会社・システム会社・事業会社に存在します。同じWebディレクターと呼ばれるポジションでも、業界・事業内容・企業によって少しずつ役割や仕事内容が異なる可能性があります。
Webデザイナーとの違い
Webデザイナーは、主にWebサイトのビジュアル面を制作する仕事です。ユーザーインターフェースのデザインやコンテンツのレイアウト、ページのフォーマットなどユーザーがWebサイトを魅力的かつ、使いやすくする仕事内容となっています。
Webマーケターとの違い
Webマーケターとは、デザインやSEM、SEOなどのマーケティング戦略や戦術を企画する人です。主な仕事内容は売上や利益を上げるために、自社製品やサービスのプロモーションキャンペーンなどを作成し実施を行います。
「Webディレクターはなくなる」と言われる4つの理由
既にWebディレクターとして働いている人も、これからWebディレクターを目指す人も、Webディレクターという職業の将来性は気になるところではないでしょうか。なかには、「Webディレクターというポジションがなくなる」と耳にして、不安になっている人もいるでしょう。
ここでは、「Webディレクターはなくなる」と言われている理由を確認します。
1.制作は行わないから
Webディレクターは、あくまでも制作進行の管理者です。WebディレクターはWebサイト・サービスやコンテンツの制作の実務を行わないケースも多く、制作スタッフからすると「実際に制作・開発をしているわけではないので、Webディレクターは不要なのでは?」を思われることがあります。
特に、Web制作のテクニカルスキルや知識に関するリテラシーに乏しいと、状況に合わせた計画やスケジュール管理ができないため、Webディレクターは不要と思われやすくなります。
2.代替できるから
一般的に、プロジェクトのWebディレクターポジションは、専任の人物が行いますが、制作業務のメンバーの1人がディレクターポジションを兼任するケースもあります。
ディレクターの仕事をこなしながら、制作の仕事もできることから「わざわざ専任でWebディレクターを置く意味はないのでは?」という意見が出てしまうのです。
もちろん全てのプロジェクトで代わりが利くわけではありませんが、一部で代替が利いてしまうことで、Webディレクターの必要性が疑問視されることがあります。
3.ルーチン案件もあるから
Web関連の案件では、業務がパターン化されていることも多く、対応内容やトラブル対応も定型化されています。パターン化された業務で成り立つプロジェクトでは、Webディレクターが慎重に進捗管理を行わなくても、制作メンバーだけでも進行が可能です。
そのため、「わざわざWebディレクターを置かなくても、プロジェクトは回るのでは?」という声につながることがあります。
実際には、ルーチン化されたプロジェクトでも、ディレクションは重要です。しかしWebディレクター自身の実力や現場の雰囲気によっては、制作メンバーにWebディレクターの必要性が理解されないことがあります。
4.必ずしも特別な資格・実績が必要ないから
Webディレクターになるためには、特別な資格が必要なわけではありません。極端な話、新卒社員がWebディレクターを名乗ることもできます。
一方で、エンジニアであれば、「基本情報技術者試験」などのスキルの指標となる資格が多々あるため、当人の実力や実績を客観的に測ることが可能です。Web制作についての知識が乏しいWebディレクターも実際に存在するため、業界のなかでは「WebディレクターだからWeb制作に詳しいとは限らない」ということが知られています。
言うまでもなく、有能なWebディレクターも多く存在していますが、「Web制作リテラシーがあるかないか判断できないのであれば、Webディレクターを置くのはリスクになるのでは?」と敬遠されてしまうことがあるのです。
Webディレクターとして使えないと言われる人の特徴
優れたコンテンツをクライアントに提供するためには、Webディレクターという存在は非常に重要です。しかし、実際に「Webディレクターは不要なのでは?」と言われてしまう、使えないWebディレクターがいることも事実としてあります。
- クライアントの都合を優先する
- 現場を理解していない
- ディレクションスキルが足りない
上記のようなWebディレクターは、使えない・無能と思われてしまうので要注意です。それぞれの特徴を詳しく紹介します。
クライアントの都合を優先する
Webディレクターのなかには、プロジェクトの進捗管理ではなく、クライアントの伝書鳩のような役割に留まってしまう人がいます。
現場には現場の都合があり、クライアントの要望を何でも叶えられるわけではありません。
納期や品質、要件変更などについて、クライアントの言い分を優先してしまうWebディレクターは制作メンバーから反感を買ってしまいます。スケジュール通りに実現することが難しい要望を安請け合いしてしまったり、制作がスタートしているのに大幅なデザイン変更を受けたりすれば、現場の負担が増大してしまうことは必至です。
クライアントの要望と現場の意見、利益を考慮して、上手く調整できないWebディレクターは無能と言われてしまうでしょう。
現場を理解していない
Webディレクターは、制作業務に携わらないとはいえ、テクニカルスキルや知識に乏しい場合は、制作メンバーにもクライアントにも敬遠されてしまいます。
制作リテラシーが不足している場合、どの作業にどの程度の工数がかかるのか、クライアントから要望が出やすい工程がどこなのか理解できません。また、メンバーはそれぞれ得意不得意の分野があったり、プライベートの優先度が違ったりと、異なる事情を抱えています。
業務自体はもちろん、メンバーの状況についても理解していなければ、使えないWebディレクターと呼ばれかねないのです。
ディレクションスキルが足りない
Webディレクターの存在意義そのものであるディレクションスキルが足りないと、どうしても使えないWebディレクターと言わざるを得ません。
Webディレクターに求められるディレクションスキルは、まとめ切れないほど多岐にわたります。
- リーダーシップ
- 人・スケジュール・予算などのマネジメント(管理)スキル
- コミュニケーションスキル
- 課題の抽出・解決スキル
- アクセス解析スキル
- Webマーケティングスキル
- 企画力
- Webデザインやプログラミング言語などWeb制作の知識
- 経営や権利に関する知識 … etc,
ディレクションスキルがないWebディレクターであれば、現場も理解しておりスケジュールや予算感を理解している制作メンバーが兼任したほうが、上手くプロジェクトが回ります。結果的に、Webディレクターは不要となってしまうのです。
需要のあるWebディレクターになるためのポイント
それでは、どのようなWebディレクターになれば、使えるWebディレクター・優秀なWebディレクターと言われるようになるのでしょうか。
- 現場感覚を磨く
- ディレクションスキルを伸ばす
- 多様な方法を取り入れる
現場からもクライアントからも支持されるWebディレクターの特徴を確認してみましょう。
現場感覚を磨く
現場感覚を磨くことで、現場の意見や要望を汲み取れるWebディレクターになることができます。Web制作に必要な最低限のデザインやプログラミングの知識・スキルを身につけることも有効です。
Web制作の知識が乏しいと、クライアントや現場と詳細なコミュニケーションが取りにくく、認識のすり合わせも上手くいきません。
特に、実際に制作・開発するメンバーと連携が取れなければ、納品が遅れたり要望に沿う成果物を納品できなかったりします。制作メンバーの声や仕事内容をよくヒアリングし、現場感覚を磨きましょう。
ディレクションスキルを伸ばす
Webディレクターとして活躍するためには、ディレクションスキルのアップは必要不可欠でしょう。
ディレクションスキルを上げたい時は、まずは自分の強み・弱みを把握しましょう。そして、論理的思考やアイディア発想、思考の言語化トレーニングをしたり、Webサイトの分析やワイヤーフレーム作りを習慣化したりと、強みを伸ばして弱みを克服する努力が必要です。
一気に全てのスキルを身につけることはできないので、未経験や経験が浅い場合はアシスタントディレクターから始めて場数を踏み、少しずつ実力をつけていくのがおすすめです。
多様な方法を取り入れる
ITやWeb業界の変化するスピードは非常に速く、Web制作のトレンドや手法は日々更新されています。経験を積んだWebディレクターでも、多様な手法でディレクション・Web制作ができるよう新たなチャレンジが求められています。
経験を積むとどうしても業務がルーチン化しやすく、頼まれたものを作るという作業感が生まれてしまいます。クライアント側のWeb制作に関するリテラシーも上がってきているため、成果物が完成することではなく、結果が求められる案件も増加傾向にあります。
これまでの経験を生かしつつ、常に成長し続けるWebディレクターのニーズが高まっていると考えられるでしょう。
Webディレクターの将来性が明るい4つの理由
ここまで「Webディレクターは不要では?」というネガティブな内容が続き、Webディレクターとしての将来に不安を感じた人も多いでしょう。たしかに、Webディレクターとして求められるディレクション力は上がっていますが、Webディレクター職自体の将来性は明るいといわれています。
Web系のプロジェクトにおいてWebディレクターが存在するメリットは多数あります。そのため、Webディレクターの役割や在り方が変わる可能性はあるものの、Webディレクターの仕事そのものが消滅することはありません。
最後は、Webディレクターが必要な理由をお伝えします。
1.管理・ディレクション人材が不可欠だから
プロジェクトをスムーズに進行させるには、予算・納期・品質も考慮しながらメンバーをまとめる人材が必要です。業務の割り振りやスケジュール管理はもちろん、個々のメンバーの事情をふまえ、メンバーが働きやすい現場作りも求められます。
Webディレクターが進行・管理やクライアントとの連携を担い、制作メンバーにはそれぞれのテクニカルスキルを生かした業務に注力してもらえるようディレクションすることで、トラブルなくプロジェクトを回すことができます。
結果として、要件を満たし、かつクライアントに満足してもらえる成果物を仕上げることが可能になります。
2.調整役がいるとチーム外との連携がスムーズだから
関係各所との調整役であるWebディレクターがいることで、プロジェクトも人間関係も円滑に進めることができます。
プロジェクトを進めるためには、社内チームだけでなく、クライアントやエンドユーザー、関係部署などさまざまなステークホルダーとのコミュニケーションが発生します。時には、クライアントの無理な要望をうまく拒否しつつ、代替案を提案して、納得してもらえる成果物を完成させなければなりません。
チームのメンバーが調整役を務めることも不可能ではありませんが、調整には手間も労力もかかり、制作と両立するのは非現実的です。そのため、Webディレクターの存在意義は大きいと断言できるでしょう。
3.責任の所在が明確になるから
Webディレクターを立てて指揮命令系統を確立することで、責任の所在がはっきりして、チームが健全に機能しやすくなります。
責任の所在は、万が一の際に誰が悪かったかという犯人を特定するためではなく、各ポジションの人間の守備範囲・役割を明確にすることが目的です。
責任者がいなければ、プロジェクトの方向性を決めたりメンバーのアサインをしたりといった通常時はもちろん、現場が混乱するトラブル時に対処が遅れてしまいます。「プロジェクト全体をマネジメントするという役割をWebディレクターが担う」ということがはっきりしていたほうが、プロジェクトは成功しやすく、制作メンバーも自分の仕事に集中しやすくなるのです。
4.企画・マーケティング能力が求められるから
データや事実にもとづく適切な提案を行う提案力や、成果につなげるためのマーケティング力は制作の実務スキルとは別物です。企画・マーケティング能力の専門スキルを持つWebディレクターがいることで、よりクライアントニーズを満たした成果物を創り上げることができます。
制作メンバーが企画・提案をして、さらに制作の実務までこなすと、業務量や負担が増えすぎてしまいます。また、企画・マーケティングと実務に必要なスキルや知識が異なるため、スキル習得が追いつかないこともあります。
Webディレクターが、高い企画・マーケティング能力を持つことで、プロジェクトの完成度を上げられるようになります。
まとめ
「Webディレクターの仕事はなくなる」と言われることもありますが、実際にはWebディレクターという職業はWeb系のプロジェクトには欠かせない存在です。そのため、「能力不足なWebディレクターは必要とされなくなる」と理解すべきでしょう。
実際に優秀なWebディレクターのニーズは大きくなっており、独立してより多彩なスキルを身につけたり、収入アップを実現したりしている人も多くいます。Webディレクターとして独立したい人・将来独立を考えている人は、「ITプロパートナーズ」に登録して、自分らしい働き方やキャリアアップを目指してみてはいかがでしょうか。
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