Javaの将来性は?今後の需要や他言語と比較した特徴・メリット

こんにちは、ITプロマガジンです。

エンジニアを目指す人やエンジニアとして収入を得ている人にとって気になることの1つが、技術の流行り廃りです。次々と新技術が登場する業界で長く働き続けるには、将来性を意識することも大切でしょう。

今回の記事では、世界中で使われているプログラミング言語である「Java」の将来性について解説します。これからJavaを学ぼうかどうか悩んでいる方や、Javaの将来性に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。

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Javaの将来性は?

「Java」とは、1996年にサン・マイクロシステムズ社からリリースされたプログラミング言語です。C言語がベースで、現在では「C++」や「Python」とともにGoogle社が開発に使う言語の1つとして知られています。ライブラリやフレームワーク、ツールなどが豊富で、開発の現場で長く使用され続けています。

とはいえ、リリースからすでに20年以上が経過していることから、需要や将来性を懸念する声があるのも事実です。特にこれからプログラミングを学ぼうとする人は、「学習して身につけても将来的に使えなくなるのではないか」と心配になることもあるかもしれません。

しかし、Javaは将来性が高く、スキルを身につけることのメリットは大きいと言えます。次の項目から、Javaの将来性について詳しく解説します。

Javaは将来性があると言える理由

ここでは、Javaに将来性があると言える4つの理由について解説します。

求人・案件数が豊富にある

まずは、現場でのニーズを把握するために、ITエンジニア向けプラットフォーム「paiza」を運営するpaiza株式会社が発表した「プログラミング言語に関する調査(2023年版)」を見てみましょう。

こちらのデータによると、「転職で企業からニーズが高い言語ランキング」の項目でJavaが2位にランクインしています。PHPやPythonよりも上位であることが、Javaのニーズの高さを示しています。実際にJavaのスキルに関連する求人は多く、Javaを扱えれば転職にも有利です。

Androidアプリの開発で使用されている

JavaがAndroidアプリの開発で広く使用されていることも、将来性があると言える理由の1つです。

世界中で使われているスマートフォンのOSには、主にAndroidとiOS(iPhone)の2種類があります。日本国内ではiPhoneの人気が高いものの、世界的にはAndroidの方がシェアが高く、デバイスとしての将来性が期待できるという意見が少なくありません。

Androidユーザーが増えれば増えるほど、Javaを使ったアプリ開発ができるエンジニアの需要も高まるでしょう。

大規模開発に向いている

Javaはオブジェクト指向のプログラミング言語です。そのため大規模開発と相性が良く、効率的かつ安全にシステム開発を行えます。なおかつ拡張性やメンテナンス性、堅牢性の高さも強みでしょう。さらにプラットフォームに依存せず、さまざまなOSやデバイスで動作するプログラムを作ることも可能です。

オブジェクト指向が当たり前のものとなっている現代では、Java以外にもさまざまな選択肢があります。しかしライブラリやフレームワークが豊富に揃っているJavaの優位性は、依然として強固だと言えます。今後、Javaよりも格段に使い勝手が良い言語が現れない限り、大規模開発ではJavaがメインの言語として使用されるでしょう。

保守案件の需要がある

Javaは発表から20年以上が経過したプログラミング言語です。そのため、世の中にはJavaで開発されたシステムが無数にあります。Javaで開発されたシステムを保守し、必要に応じてアップデートしていくには、Java関連のスキルが欠かせません。

つまりこの世にJavaで作られているシステムが存在する限り、Javaを扱うエンジニアの仕事はなくならないでしょう。Javaは大企業や官公庁のシステムでも使われているため、ニーズがなくなる可能性はゼロに近いと言えます。

Javaは時代遅れ?将来性が懸念される理由

Javaは高いニーズのあるプログラミング言語ですが、将来性について疑問を投げかける声があるのも事実です。その主な理由を解説します。

代わりとなる言語が登場している

まず挙げられるのが、Javaの代わりとなる新しいプログラミング言語が登場していることです。今すぐにJavaが不要なものとはならなくとも、ニーズが減ることでいずれJavaエンジニアの仕事も減少することが懸念されています。

具体的には、「Scala」や「Kotlin」といった言語がJavaの代替言語として注目を集めています。時代の流れとともに、Javaが流行遅れの技術となる可能性はゼロではありません。

既に多くのJavaエンジニアがいる

Javaは長い歴史があることから扱える人材が豊富で、供給が多いことも懸念材料となっています。

すでにご紹介した「プログラミング言語に関する調査(2023年版)」のデータを見ると、Javaは企業からのニーズが高いにもかかわらず、言語別の平均年収では12位です。このデータからは、人材が豊富なことがJavaエンジニアの年収にマイナス要素となっている可能性がうかがえます。

エンジニアとして長く働き続けたい人や収入アップをしたい人は、ライバルとの差別化が必要でしょう。

Javaのメリット

Javaが長らく開発現場で採用され続けているのは、多くのメリットがあるからです。ここではJavaのメリットについて解説します。

ライブラリが豊富にある

Javaの魅力の1つが、ライブラリやフレームワークが豊富なことです。これまでにさまざまな分野でシステム開発に使われてきた実績があり、多彩なニーズに応えられるものが揃っています。

既存のライブラリを活用して開発を効率化できることは、現場で働くエンジニアにとって大きなメリットです。注目度の高いビッグデータ処理に活用できる点も強みでしょう。加えて日本語で書かれた解説も多く、使い勝手の良さは群を抜いています。

コンパイラ言語で実行速度が速い

Javaは、ソースコードを機械語へ一括で変換するコンパイラ言語であり、実行速度が速いのも大きなメリットです。実行時にその都度変換するインタプリタ言語と比較すると、実行速度という面で優位性があります。

基本的にどのようなシステムやプログラムも、速く動くに越したことはありません。実行速度が速いことも、Javaが長年にわたって支持され続けている理由の1つです。

Javaのデメリット

Javaは高性能かつ汎用性の高いプログラミング言語ですが、デメリットもあります。ここではデメリットについて解説します。

学習難易度が高い

Javaは、高性能であるがゆえに学習難易度が高い点がデメリットです。C++などを使える人であれば短期間で扱えるようになるものの、初心者が身につけるにはまずオブジェクト指向の手法から学ぶ必要があります。

オブジェクト指向は、テキストを読めば誰でも理解できるというというものではありません。実際に手を動かし、経験を重ねながら理解していく必要があるため、エンジニアとして独り立ちできるまでにはそれなりの時間がかかります。

小規模なプロジェクトに向いていない

Javaはコンパクトなプログラムの開発にはあまり向いていません。パーツをつくっていくオブジェクト指向ではどうしても省けない部分が出てくるうえ、拡張性などのメリットも享受しにくいからです。

複雑な機能を持たないプログラムの開発であれば、オブジェクト指向を取り入れない方がよいこともあります。Javaは汎用性が高いプログラミング言語ではあるものの、ケースによっては使い勝手がよくないこともあるのは事実です。

他言語と比較したJavaとの特徴や将来性

エンジニアとして生計を立てていくには、さまざまな言語に関する知識を持つことも重要です。他の言語と比較した場合の特徴や将来性を紹介します。

Pythonとの違い

「Python」はGoogle社が開発に使う三大言語の1つで、1991年にグイド・ヴァンロッサム氏によって公開されました。オブジェクト指向のプログラミング言語で、注目度の高いAI(人工知能)の開発や機械学習、Webアプリケーションの開発などに用いられています。ライブラリやフレームワークが豊富な点や汎用性が高い点は、Javaとの共通点です。

Javaとの違いは、ソースコードがシンプルで読みやすく、初心者が習得しやすい点が挙げられます。また、インタプリタ言語ゆえに実行速度は遅めです。

Pythonも将来性が高いプログラミング言語であり、「プログラミング言語に関する調査(2023年版)」の「転職で企業からニーズが高い言語ランキング」では4位にランクインしています。

Pythonについては、こちらの記事も合わせてご覧ください。

Pythonの将来性は高い?他言語と比較した今後の需要も徹底解説

Kotlinとの違い

「Kotlin」は2011年にジェットブレインズ社が開発したオブジェクト指向のプログラミング言語です。2019年には、Google社によってAndroid向けアプリ開発における公式言語として採用されました。

Kotlinの特徴はJavaよりもソースコードがシンプルで、Javaよりも簡単かつ安全にアプリ開発を行える点です。なおかつJavaと相互運用性があり、JavaとKotlinを混在させることができます。これらの理由から、Javaの代替となりうる言語として注目されています。

C言語との違い

「C言語」は、1972年に開発された歴史があるプログラミング言語です。C言語の最大の特徴は、ありとあらゆる分野の仕事をこなせる汎用性の高さでしょう。古いプログラミング言語ではあるものの依然として人気も需要も高く、「プログラミング言語に関する調査(2023年版)」の「転職で企業からニーズが高い言語ランキング」では9位に入っています。

Javaとの大きな違いは、C言語はオブジェクト指向のプログラミング言語ではないという点です。オブジェクト指向での開発であれば、「C++」の方が適しています。大規模開発という点ではJavaの方が将来性は期待できるでしょう。

PHPとの違い

「PHP」は1995年に発表されたインタプリタ型のプログラミング言語で、主に動的なWebサイトを作成するために使われます。Webアプリの開発に広く使われているため、Web関連の仕事をしたいエンジニアには必須のスキルです。

さらにPHPは世界中で使われているCMSの「WordPress」にも採用されているため、ニーズが高く将来性もあります。ただし、基本的にはWeb開発向けの言語であり、Javaと違ってスマホアプリの開発には向いていません。PHPはWebの将来性は期待できますが、Javaは今後も広い分野での使用が見込まれます。

PHPの将来性やニーズに関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。

PHPの将来性・需要は?やめとけ・時代遅れと言われる理由も紹介

JavaScriptとの違い

「JavaScript」はインタプリタ型のプログラミング言語で、Webページ上にアニメーションを表示させたりフォームを制御したりと、動的なUIを作成するために使われます。また昨今では、スマホアプリやゲームの開発にも使われるなど、活用の場が広がっています。

Javaとは名前が似ているため、初心者が混同することもありますが、全くの別物です。JavaScriptは主にUI部分を制御するインタプリタ言語、Javaはサーバー処理を行うコンパイラ言語であり、用途が異なります。

JavaScriptは動的なUI制御を行う言語として一強状態で、サーバー処理を担うJavaと共存関係での使用が見込まれます。

javascriptエンジニアの将来性は?これからの需要を徹底調査!

JavaScriptの将来性は高い?今後の需要や市場の動向を徹底解説

Javaエンジニアとして長く生き残るために役立つ経験やスキルセット3選

Javaは今後も需要のある言語ですが、Javaさえ使えれば将来は安泰という訳ではありません。Javaエンジニアとして働き続けるために役立つスキルセットをご紹介します。

幅広い分野の案件を経験する

Javaを扱う案件の分野はAndroidアプリの開発だけでなく、家電の組み込みシステム開発やパソコン向けアプリ開発など多岐にわたります。できるだけ幅広い分野を経験しておくことが強みになるのは、言うまでもありません。さらにエンジニアとして仕事を続けていくには、Javaと仕様が似ているため勉強しやすいC#などを身につけるのも1つの方法です。

PM/PLを担当できるようになる

PM/PLなどのマネジメント職を担当できるように経験を積んでおくと、市場価値が高くなります。

エンジニアとしてのスキルは、学習することである程度は習得が可能です。しかしマネジメント職に必要なスキルは現場を経験することでしか身につかないものが多く、適性も問われます。知識と経験に基づいて開発現場を取り仕切れるPM/PLは重宝されることから、長く生き残るための選択肢として考えるとよいでしょう。

資格を取得する

資格を取得するのも良い方法です。エンジニアの場合、資格があれば仕事に困らないというわけではありません。とはいえ自分自身のスキルを証明する手段としては有用であり、会社員であれば資格手当が支給されることもあります。勉強する過程で新しい学びがあったり、知識を整理できたりもするため、自分に役立つ資格を見定めたうえで取得を検討するとよいでしょう。

Javaのおすすめ資格については、こちらの記事で紹介しています。

Javaの資格でおすすめは?試験の種類と勉強方法を解説!

Javaの資格でおすすめは?各試験の概要や難易度、勉強方法を解説

需要が高く将来性があるJavaの案件一覧

ここでは、実際に弊社「ITプロパートナーズ」で公開しているフリーランス向けのJava案件・求人をもとに、どのような種類があるのかをご紹介します。

こちらはJavaを使った女性向けヘルスケアアプリの開発案件です。フルリモートの勤務が可能で、月単価は50万円となっています。

基本的にはリモートで、JavaおよびKotlinを使用したAndroidアプリ開発の案件です。業務内容は既存機能の改修と新機能の開発で、月単価は70万円程度です。

Unityを用いたゲーム開発の案件で、Javaでの開発経験が活かせます。月単価は60万円程度です。

まとめ

JavaはAndroidのスマホアプリをはじめ、幅広い分野で使われているプログラミング言語です。汎用性がありAndroidスマホの普及率も高いことから、将来性は高いでしょう。とはいえ代替となる言語も登場していることから、エンジニアとして長く働き続けるためには幅広い知見を得ていくことも大切です。

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