こんにちは、ITプロマガジンです。
フリーランスには、会社員のような「退職金」はありません。しかも、フリーランスの収入は一定ではないうえに、会社員とは違って厚生年金にも加入できません。将来にわたって安心して過ごすためには、早いうちから情報収集して対策に取り組むことが重要です。
この記事では、フリーランスの退職金代わりになる積立制度として活用できる、小規模企業共済制度・iDeCoをはじめとした各種制度のメリット・デメリットを解説します。将来への備えを考えるうえで、ぜひ参考にしてください。
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フリーランス市場は売り手市場であるものの、いまだに正しいノウハウが確立されておらず、多くの方が案件探しに苦労されています。
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初めてのフリーランス、情報収集段階でも大丈夫です。あなたの働き方にマッチし、単価も高く、最もバリューを発揮できる案件を探しませんか?
目次
フリーランスに退職金はある?

基本的にフリーランスに退職金はありません。一般企業で退職者に支払われる退職金は、各社が独自に用意している制度です。フリーランスも一般企業から案件の依頼を受ける場合がありますが、雇用契約を結んで働くわけではないため、退職金の支給対象にはなりません。
ただし、フリーランスであっても、退職金の代わりとして利用できる制度があります。自ら準備する必要があるため、退職後にまとまった資金を受け取りたいと考えている場合は早めに着手しましょう。フリーランスが退職金の代わりとして利用できる制度の詳細については、以下で解説します。
フリーランスの退職金代わりになる積立制度
以下では、フリーランスの退職金代わりになる積立制度を紹介します。自身でお金を積み立てる必要はありますが、比較的、会社員の退職金と近い感覚で老後に備えられるでしょう。
小規模企業共済制度
「小規模企業共済制度」は、国の機関である中小機構が運営する制度です。毎月任意で定めた金額を積み立て、退職または廃業する際に受け取れます。
小規模企業共済制度に加入できるのは、個人事業主や小規模企業の経営者などです。加入するには必要書類を入手し、必要事項を記入して窓口へ提出する必要があります。申込から約40日が経過する頃に小規模企業共済手帳や加入者のしおりが届き、積立を開始できます。
iDeCo
「iDeCo」は、国民年金基金連合会が主体となって運営する制度です。20歳以上65歳未満であれば、フリーランスも基本的に加入できます。ただし農業者年金の被保険者や、障害基礎年金の受給者などを除く国民年金保険料の免除を受けている人は加入できません。
手続きは運営管理機関で行い、自身で選定した運用商品を自由に組み合わせて運用します。
フリーランスが利用できる小規模企業共済制度のメリット

小規模企業共済制度はフリーランスの退職金の代わりになるだけでなく、さまざまなメリットがあります。ここでは、具体的にどのようなメリットがあるのか解説します。
掛金の全額が所得控除の対象
小規模企業共済制度で積み立てた掛金は、全額が所得控除の対象になります。所得控除とは、税金を計算する際のもとになる所得の金額から一定額を差し引ける制度です。所得税を計算する際は売上から経費を引いた所得の金額をもとにするため、所得が高いほど税金も高くなります。小規模企業共済制度に加入して掛金が所得控除の対象になれば、その分だけ税金を低く抑えられます。
掛金は自由に増減できる
小規模企業共済制度の掛金の金額は、自分で自由に設定可能です。月額1,000円から7万円の範囲で設定できるため、各自が無理なく加入できます。ただし、設定できるのは500円単位となっています。掛金の増減も自由に行えるため、収入が少ない月は減額し、余裕がある月は増額するといった調整も可能です。
なお、掛け金の納付方法は、月払い、半年払い、年払いからの3パターンから選べます。
貸付制度で資金繰り対策ができる
小規模企業共済制度の加入者は、万が一の場合に事業資金の借入れができます。迅速に資金を調達しやすく、資金繰り対策に役立ちます。
貸付は、一般貸付と特別貸付の2種類です。いずれも借り入れできる金額は掛金の7〜9割の範囲となっています。ただし、借入の限度額は、一般貸付では10万円以上2,000万円以内、特別貸付では50万円以上1,000万円以内です。年利は一般貸付が1.5%で、特別貸付が0.9%となります。
借入れ期間は借り入れる金額や状況によって決まっており、例えば一般貸付で100万円以下を借入れる際の借入期間は、6ヶ月または12ヶ月です。
加入前にシミュレーションができる
小規模企業共済制度への加入を検討している場合、中小機構のホームページから加入についての「シミュレーション」ができます。将来受け取る共済金の金額を計算できるだけでなく、加入した場合にどの程度の節税効果を期待できるかについても試算が可能です。
加入前にシミュレーションを行うには、課税所得金額や毎月の掛金の予定額などを入力する必要があります。あらかじめ確認や検討を済ませておけば、画面にそれぞれの情報を入力するだけですぐに加入後についてのシミュレーション結果をチェックできます。
フリーランスが利用できる小規模企業共済制度のデメリット・注意点
フリーランスが小規模企業共済制度を利用する場合、気をつけたい部分もあります。ここでは、小規模企業共済制度のデメリットや注意点について解説します。
掛け捨てのリスクがある
小規模企業共済制度の加入期間によっては、掛け捨てになるリスクもあります。加入して間もないうちに予期せぬ事態が発生すると、加入期間の条件により掛け捨てになる可能性もあるため、注意しましょう。
具体的には、共済金A・Bについては、加入期間が6ヶ月未満だと掛け捨てになります。共済金Aは廃業や加入者が死亡などに伴って請求できる共済金、共済金Bは65才以上になると受け取れる老齢給付です。
また、準共済金や解約手当金については、加入期間が12ヶ月未満なら掛け捨てになります。準共済金は、個人事業主を法人成りし、加入資格がなくなって解約する場合に受け取れる共済金です。一方、解約手当金は、何らかの理由により解約した場合に受け取れる共済金です。
ただし掛金は月額1,000円まで減額できるため、資金に余裕がない時期は最低額で維持すれば、掛け捨てのリスクを抑えられるでしょう。
20年未満(240か月未満)での途中解約は元本割れする
小規模企業共済制度は、加入期間が20年未満(240ヶ月未満)で解約すると元本割れします。すでに触れた通り、加入期間が12ヶ月未満なら掛け捨てとなり、加入期間が12ヶ月以上の場合も支給割合は8割にとどまります。
その後は6ヶ月ごとに0.75ポイントずつ支給率が上がっていき、加入期間が240ヶ月(20年)に達して初めて支給率が100%になる仕組みです。それ以降も6ヶ月ごとに0.25ポイントずつ上がり続け、最終的に120%(上限)まで到達します。(参考:解約手当金の額の算定方法)
ただし、加入期間が20年未満(240ヶ月未満)で元本割れするのは、あくまでも自己都合で途中解約した場合です。自己都合の途中解約でなければ、返戻率は100%以上となる可能性があります。
フリーランスが利用できるiDeCoのメリット

iDeCoにも、税制面や商品の幅広さなどのメリットがあります。順番に確認していきましょう。
掛金の全額が所得控除の対象
iDeCoの掛金も、小規模企業共済と同じく全額を課税所得から差し引けます。フリーランスの場合、上限は月額6万8,000円(2026年8月現在)で、2026年12月からは、掛金の上限が月額7万5,000円に引き上げられる予定です。
運用益は課税対象外になる
通常、投資信託などの金融商品では、運用で得た利益に対して約20%の税金がかかります。一方、iDeCoの場合は利益に税金が引かれない分、長期間で見ると通常の投資より資産が増えやすい状況です。60歳以降の受け取り時も、一時金なら退職所得控除、年金形式なら公的年金等控除が対象となります。
元本確保型の商品も選べる
iDeCoの運用商品は、「元本確保商品」と「投資信託」の2つに分けられます。元本確保商品は定期預金や保険商品などが該当し、原則として元本が確保されたまま所定の利息が上乗せされる仕組みです。
投資に不安がある人でも、元本確保商品を取り入れつつ運用すると、リスクを抑えながら資産形成に取り組めます。
フリーランスが利用できるiDeCoのデメリット
iDeCoのデメリットを解説します。
原則60歳まで資産を引き出せない
iDeCoは、老後に向けた資金づくりが目的の制度です。そのため、原則60歳まで資産を引き出せません。また、60歳から受け取るには通算加入者等期間が10年以上必要で、60歳以降に初めて加入した場合は加入から5年経過後に受給できます。
掛金の拠出を停止しても口座管理手数料はかかり続けるうえ、掛金額の変更は年1回までしかできません。将来にわたって無理なく続けられる掛金を設定しましょう。
手数料が発生する
iDeCoに加入すると、国民年金基金連合会や運営管理機関などに対して手数料の支払いが必要です。加入時に2,829円、毎月100〜数百円程度の管理手数料がかかるほか、受け取り時も1回ごとに440円ほど発生します。
毎月5,000円と少額から積み立てられる点はiDeCoの魅力ですが、金額が少ないほど手数料の負担割合が大きくなる点に注意しましょう。
元本割れを起こすリスクがある
元本確保商品だけを選んでも、利息を手数料が上回れば実質的に元本割れする場合があります。投資信託を選んだ場合も、運用成績によっては元本割れが起こるでしょう。複数の商品に分散させるなどしてリスクを抑える工夫が必要です。
毎月の掛金に上限がある
iDeCoの掛金上限は加入資格によって異なり、前述のようにフリーランスなどの自営業者は2026年8月現在月6万8,000円です(国民年金基金や国民年金の付加保険料と合算)。
会社員や公務員より高めの水準ではあるものの、さらに積み立てたい場合は、次に紹介する小規模企業共済制度との併用も検討してみましょう。
フリーランスは小規模企業共済制度とiDeCoは併用できる?

小規模企業共済制度とiDeCoは併用可能です。むしろ、所得が多い人ほど2つの制度を組み合わせる価値は高いでしょう。
高い節税効果が期待できる
小規模企業共済制度とiDeCoは、どちらも掛金の全額が所得控除の対象です。2026年12月からはiDeCoの掛金上限が引き上げられ、2つの制度を合わせて、月14万5,000円分を所得控除の対象として積み立てられるようになります。掛金を上限に近づけるほど、節税効果を高めることが可能です。
運用において守りと攻めのバランスをとれる
両者を組み合わせれば、守りと攻めを両立した資産形成が見込めるでしょう。
小規模企業共済制度は、貯蓄に近い感覚で、お金を増やすというより堅実に貯める制度です。一方iDeCoは、原則60歳まで引き出せない制約はあるものの、運用しだいで資産を大きく育てられる可能性があります。
小規模企業共済制度やiDeCoの受取時にかかる税金の扱いについて
小規模企業共済制度やiDeCoで積み立てたお金は、受け取り方によって適用される税制や手取り額が変わります。どちらで受け取るのがよいか考えておきましょう。
一時金(一括)受取の場合
一時金として受け取る場合は退職所得として扱われ、退職所得控除の対象になります。さらに課税対象になるのは、受取額から退職所得控除額を差し引いた残りをさらに2分の1にした金額(2分の1課税)です。ほかの所得と分けて計算する分離課税も適用されるため、税率面で有利です。
受け取りの際は、給付の実務を担う機関(記録関連運営管理機関)へ「退職所得の受給に関する申告書」を提出する必要があり、忘れると一律20.42%の税率で源泉徴収されてしまうため注意しましょう。
年金として分割で受け取る場合
年金として分割で受け取る場合は雑所得として扱われ、公的年金等控除が適用されます。雑所得額は、「収入金額−公的年金等控除額」です。一時金のような2分の1課税がないため、受取額がそのまま計算のベースになる分、税負担は大きくなる傾向が見られます。
一方、一時金で受け取れる退職所得控除額には上限があるため、退職所得控除の枠内は一時金で受け取り、残りは年金として分割して受け取るという組み合わせも検討するとよいでしょう。
フリーランスが小規模企業共済制度やiDeCo以外に検討したい制度

フリーランスがリスクや将来に備えるために利用できる制度は、小規模企業共済制度やiDeCo以外にもさまざまなものがあります。ここでは、フリーランスにおすすめの制度について、概要やメリットなどを解説します。
国民年金基金
「国民年金基金」は、任意で加入できる私的年金です。フリーランスの場合、国民年金に上乗せして加入すると将来受け取れる年金を増やせます。また、iDeCoは最終的な運用結果に基づいて受け取れる総額が決まるのに対し、国民年金基金は終身年金であり、生涯一定額の受け取りが可能です。
ただし、国民年金基金に加入すると、付加年金は利用できなくなります。また、国民年金基金に一度加入すれば、任意での途中解約は認められません。
新NISA
「新NISA」は、投資で得た運用益が非課税になる制度です。金融庁基準の投資信託が対象となる「つみたて投資枠」と、より幅広い商品が対象となる「成長投資枠」の2種類があり、年間360万円、生涯で1,800万円まで非課税で投資できます。
ただし対象商品には制限があるうえに、短期売買を繰り返すと非課税枠をすぐ使い切ってしまうリスクがあります。
付加年金
「付加年金」とは、国民年金の保険料に毎月400円をプラスして収めると、将来年金を受け取る際に「200円×付加保険料の納付月数」が上乗せされる制度です。2年以上年金を受給すれば納めた付加年金と同額以上を受け取れます。毎月の負担が比較的小さいながらも、将来受け取れる年金を着実に増やせるため、おすすめです。
民間の保険
個人年金保険や終身保険も、老後の資金づくりに活用できます。支払った保険料は、生命保険料控除の対象です。2026年分の所得税では、23歳未満の扶養親族がいる世帯を対象に、一般生命保険料控除の上限が4万円から6万円に引き上げられます。
ただし、途中解約すると、タイミングによっては払い込んだ保険料を下回って戻ってくることがある点に注意しましょう。
フリーランスなら退職金以外にも貯蓄や収入アップの意識も重要
フリーランスとして安心して働くためには、小規模企業共済制度や今回紹介した制度の利用も大切です。ただし、より重要なのは、普段から計画的な貯蓄を意識することです。
将来や万が一の事態に備えて各種保険やサービスを利用するには掛金がかかるため、手元のお金に生活費以外の余剰資金がなければ加入できません。突発的な事態に備えるには、手元のお金にもある程度の余裕をもたせておく必要があります。
例えば、節税対策により手取りを増やすのも1つの方法です。また、そもそもの収入アップも目指しましょう。フリーランスが高単価案件を受注するには、エージェントを利用すると効果的です。
弊社「ITプロパートナーズ」はエンドクライアントとの直接契約が約9割であり、高単価案件を中心に紹介しています。週3日の勤務が可能なフルタイム以外の案件も豊富なので、自分に合う働き方がしたい人にもおすすめです。
まとめ
フリーランスには基本的に退職金がないため、将来に備えるには自分で対策する必要があります。
フリーランスが退職や廃業に備えて準備できる制度として、小規模企業共済制度やiDeCoがあります。掛金の全額が所得控除の対象になるため、フリーランスとして活動しているうちからメリットを得ることが可能です。ほかにも、退職金代わりになるフリーランス向けの積立制度はさまざまなものがあります。状況に応じて利用を検討しましょう。
なお、各制度を利用するには掛金が必要になるため、そもそもの収入を増やすことも大切です。エージェントも上手く活用しながら、フリーランスとして活躍しましょう。
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