こんにちは、ITプロマガジンです。
フリーランスや副業で業務委託の仕事を探していると、報酬が時給制になっている募集を目にすることがあります。業務委託では、成果物の納品や指定された業務を遂行することで報酬が発生します。そのため、時給制で報酬が記載されている募集に対して、「違法では?」と疑問や不安を感じる人もいるでしょう。
実際のところ、時給制で報酬が記載されているからといって、違法となることは多くありません。しかし、場合によっては違法性が疑われるケースもあります。
また、フリーランスとして案件を請け負う際は、時給が重要な判断材料になることも多く、損をしないためには時給相場や時給を高めるポイントを知っておくことが欠かせません。
本記事では、時給制の業務委託の案件が合法なのか違法なのかについて詳しく解説します。案件選びに気を付けたいポイントや怪しい募集に引っかかりにくい仕事の探し方についてもみていきましょう。
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フリーランス市場は売り手市場であるものの、いまだに正しいノウハウが確立されておらず、多くの方が案件探しに苦労されています。
ですが、現在の市場感や企業側に刺さる経験・スキルを理解し正しく案件探しをすれば、誰でも自身のバリューを活かし単価を伸ばすことができる、というのも事実です。
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目次
業務委託で時給制は違法か

業務委託の募集で、報酬が時給で記載されているからといって、違法であるとは限りません。
業務委託契約では、雇用契約のように「拘束時間」を指定されることはありませんが、業務を行った時間の合計を基準に報酬を計算することはあり得ます。例えば、クラウドソーシングでは、「月◯時間、××業務に従事する」条件で、時間を基準に報酬を計算し、時給として記載している業務委託案件が掲載されています。この契約は、成果物の納品ではなく、決められた時間について業務を行うことで、報酬が発生します。
ただし、業務委託を語った「偽装請負」は、労働者派遣法及び職業安定法によって禁止されている法律違反です。偽装請負ついては、次の項目で詳しく解説します。
業務委託の時給制が違法となるケース
前述の通り、業務委託の時給制は基本的に問題ありませんが、場合によっては違法となるケースもあるので注意が必要です。特に、クライアント側が受託者に対して「業務の進め方に対して命令をする」「働く場所や時間などについて指示をする」といったことを行うと、偽装請負と見なされる可能性が高くなります。
偽装請負とは、実態は雇用関係であるにもかかわらず、形式上は業務委託や請負契約として処理されている状態を指します。クライアント側が、社会保険料や雇用保険料の負担を逃れつつ、労働者を使用者の指揮命令下に置こうとするために使われる手法です。
上記のような実態がなければ、時給制であっても問題はなく、受託者側もまったく心配する必要はありません。
業務委託契約と雇用契約の違い
業務委託契約とは、業務を外部に委託する場合に用いられる契約方式です。正式には、業務の成果に対して報酬を支払う「請負契約」と、業務の遂行に対して報酬を支払う「委任契約(準委任契約)」の2種類があり、業務委託契約はこれらの通称と考えてください。
業務委託契約については、下記ページで詳しくまとめています。
該当の募集が合法か違法かを見極めるためには、「業務委託契約がどのような仕事なのか」「雇用契約と何が違うのか」を知っておかなければなりません。ここからは、業務委託契約について、雇用契約と比較しながら解説します。
労働法が適用されるか
業務委託契約で業務に従事する場合、労働法の対象外となります。
労働法とは、雇用契約で働く企業の労働者に適用される3つの法令、「労働者派遣法」「職業安定法」「労働基準法」の総称です。労働法は労働者にのみ適用されるため、業務委託契約の報酬に対しては、労働者の受け取る賃金の下限額である最低賃金が適用されません。雇用保険や厚生年金・健康保険、労災保険などの社会保険にも加入することができず、年次有給休暇の付与もありません。
一方で、正社員はもちろん、パート・アルバイト・派遣社員はいずれも、雇用契約を結ぶため、労働法の対象となります。よって、一定条件をクリアすれば、法律によって社会保険の加入や有給付与が保障されています。
業務委託契約と雇用契約とでは、労働法で保護されるか否かに違いがあります。
使用従属性があるか
業務委託契約では、委託者も受託者も対等な取引関係にあります。
業務委託の受託者は、業務の進め方について指揮命令を受けたり、拘束時間を決められたりせずに、自身の裁量で仕事ができます。たとえ企業対個人であっても、個人が企業の従業員(労働者)という立場になることはなく、委託者側が一方的な指示・命令を行うことはできません。
一方で、雇用契約は「使用従属性(労働者性)」を持つことが大きな特徴。使用従属性とは、下記の労働基準法第9条に基づく「労働者」であるかを判断する2つの基準です。
- 使用者の指揮監督下で労働に従事していること
- 労務の代償として賃金が支払われていること
使用従属性のある労働者は、上司による指示命令に対して諾否の自由度が低く、勤務場所・時間の拘束があり、業務手法や進め方について指揮命令を受けることになります。
業務委託契約と雇用契約では、契約する両者の関係性に大きな違いがあるのです。
時給制で業務委託の仕事を受ける際の時給相場

それでは、時給制の業務委託の報酬は、どの程度なのでしょうか。
ここでは、株式会社Anotherworksがまとめた「【職種別】業務委託契約における単価相場表」をもとに、フリーランスの時給相場をお伝えします。ただし、時給が記載されている募集の時給相場は案件の種類や難易度、経験によって大きく変わるため、あくまでも参考程度にご確認ください。
ITエンジニアの場合
職種名 | 経験 | ||
---|---|---|---|
3年未満 | 3〜6年 | 7年〜 | |
フロントエンドエンジニア | 2,000~3,000円 | 3,000~4,000円 | 4,000円~ |
サーバーサイドエンジニア | 2,000~3,000円 | 3,000~4,000円 | 4,000円~ |
インフラエンジニア | 2,000~3,500円 | 3,500~4,500円 | 4,500円~ |
ITエンジニアの場合、最低時給が2,000円程度の案件が多いようです。いずれのエンジニアも大きく金額が変わることはありませんが、母数が少ない経験豊富なAI(人工知能)エンジニアの時給は他のエンジニアよりも高くなる傾向があります。
弊社ITプロパートナーズでは、直案件が9割を占めているため、仲介手数料(マージン)が発生しません。そのため、高単価の案件を紹介してくれます。自社開発といった、自身のスキルを磨ける案件もあるため、以下から登録して無料相談を受けてみてください。
デザイナーの場合
職種名 | 経験 | ||
---|---|---|---|
3年未満 | 3〜6年 | 7年〜 | |
Webデザイナー | 1,500~2,000円 | 2,500~3,000円 | 3,500円~ |
グラフィックデザイナー | 1,500~2,000円 | 2,500~3,000円 | 3,000円~ |
イラストレーター | 1,500~2,000円 | 2,000~3,000円 | 3,000円~ |
デザイナー関連の案件では、最低時給が1,500円程度です。いずれの職業でも、相場に大きく違いはありませんが、クリエイティブディレクターやアートディレクターなど管理職になると、時給相場はプラス1,000円ほど上がります。
マーケターの場合
職種名 | 経験 | ||
---|---|---|---|
3年未満 | 3〜6年 | 7年〜 | |
SEO | 2,000~3,000円 | 3,000~4,000円 | 4,000円~ |
SNS | 2,000~3,000円 | 2,500~3,500円 | 5,000円~ |
近年はWebチャネルが重要な顧客接点として定着しており、他の職種と比べて時給相場も高めとなっています。特にSNSマーケティングに力を入れる企業も増えつつあり、経験豊富なSNSマーケターは、時給が高くなる傾向があります。
ライターの場合
職種名 | 経験 | ||
---|---|---|---|
3年未満 | 3〜6年 | 7年〜 | |
ライター | 1,500~2,000円 | 2,000~2,500円 | 3,000円~ |
ディレクター | 2,500~3,000円 | 3,000~3,500円 | 3,500円~ |
コピーライター | 1,500~2,000円 | 2,000~2,500円 | 3,000円~ |
ライターの時給はおおよそデザイナー職と同程度です。ディレクターは管理職にあたるため、時給が上がる傾向があります。
時給制の業務委託で仕事をする際の注意点

時給制の業務委託のなかには、違法性が疑われるものも存在するため、トラブルを防止するためにも契約する案件はよく選びたいところです。ここでは、時給制で業務委託の仕事を受ける際の注意点について紹介します。
契約内容が明確にされているか
業務委託契約を結ぶ際、以下の点を詳細に確認することが大切です。
- 具体的な仕事の範囲:契約する仕事の内容と範囲を明確にします。
- 時給額:仕事の対価としての時給の金額を決定します。
- 報酬の支払条件:報酬の支払いがいつ、どのような条件で行われるか確認します。
- 報酬の支払方法:支払い方法(振込、現金等)を確認します。
- 成果物の品質基準:提出する成果物の品質に関する基準を設けます。
これらの条件を理解し、契約に反映させることで、後のトラブルや誤解を防ぎます。
また、業務遂行中に予期せぬ追加作業や変更が発生した場合の対応についても事前に取り決めておくことが重要です。これにより、スムーズな業務運営を保証できます。
さらに、時給制の場合でも、実際の作業時間を超える業務が発生しないように規定を設けることが肝心です。これにより、適正な労働時間の管理と適切な報酬の確保が可能になります。
時給に含まれている業務範囲はどこまでか
時給制の業務委託契約では、契約時に合意した業務を決められた時間提供することで報酬が発生します。契約時に合意がない業務については、受託者は従事する必要がない反面、委託者は報酬を支払う義務がありません。そこで、時給に含まれる業務範囲を細かく確認しましょう。
例えば、システム開発を時給制で受注した際、資料や帳票の作成など付属する業務を行う必要があるのか、業務にあたる時間は報酬に含められるかがポイントになります。
そのほか、契約した稼働時間を超過した場合、どのように対応するのかについても確認しておきたいところです。次回の稼働再開は次月にするのか、プラスの報酬を受け取って当月中業務に従事し続けるのか、契約前にすり合わせておきましょう。
インボイス制度に対応しているか
インボイス制度とは、消費税の正確な徴収と納税を保証するための仕組みです。この制度は、フリーランスや個人事業主のような業務委託契約にも影響を及ぼします。主に、事業者は「課税事業者」として登録する必要があり、消費税を含む取引には「適格請求書(インボイス)」を発行することが必須です。この制度に準拠していない場合、消費税の控除を受けられなくなり、経済的な不利益を被る可能性があります。
契約を結ぶ前には、相手方がインボイス制度に準拠している事業者であるかを確認することが大切です。また、自身もこの制度の要件を満たしているかを確認し、必要に応じて登録や対応策を講じることが重要です。このように対応することで、取引において消費税の扱いに関する問題を避けられます。
相場と比べて時給が妥当か
業務委託では、労働法が適用されないため、最低賃金が存在しません。そこで、募集に記載されている金額が、同業務の相場感に合っているかを確認しましょう。
業務委託の時給相場は、雇用契約を結んだ際に受け取る給与とは違います。業務委託の報酬は、パート・アルバイトの時給額よりも高いのが一般的です。これは、業務委託契約を結んだ場合、業務の遂行や成果物に対する責任やコストが受託者の負担となるためです。
そのため、募集の報酬額を確認する時は、経費や税金が自己負担であることを考慮し、「手取り」での時給額を計算することが重要です。提示額ではなく、手取りの時給額が相場と比べて妥当であるかを確認してください。
業務委託契約で業務に従事する場合は、労働者として働くよりも高い時給を得やすい点が魅力です。そのメリットを活かせるように、できるだけ時給単価の高い案件を選びましょう。
フリーランスが業務委託案件の時給を上げるには?

時給制の業務委託案件の報酬アップを目指すのであれば、高単価案件を狙う他に、単価交渉を行う方法があります。
単価交渉をする時は、いきなり交渉を始めるのではなく、段階的に行いましょう。
- スキルアップや実績の積み上げで交渉材料を作る
- 希望する最低時給を決める
- クライアントが納得できる理由や付加価値を提示して単価交渉をする
実際に単価交渉を行う時は、最初に自身が希望する時給よりも少し高い金額を提示し、話し合いのなかで両者が合意できる落としどころを見つけるのが効果的です。この時、時給を上げて欲しいという自身の都合ばかり押し付けると、仕事を失ってしまうリスクもあります。そのため、クライアント側の事情にも配慮しながら丁寧な姿勢で話を進めましょう。
新規契約や契約更新、追加業務の依頼のタイミングで交渉を行うと、時給アップが通りやすいのでおすすめです。
時給制の業務委託案件を探す方法
時給制の業務委託案件を探す場合は、フリーランスエージェントを活用するとよいでしょう。フリーランスエージェントならば、案件探しをはじめとする様々なサポートをエージェントが行ってくれるため、自らは案件に打ち込むことができます。
フリーランスエージェントは数多くありますが、弊社が運営する「ITプロパートナーズ」に掲載されている案件はすべて「時給換算」の金額となっているのでおすすめです。また、ほとんどの案件が「エンド直」であるため、高単価を実現できている点も魅力の一つです。
業務委託と時給についてよくある疑問
最後は、時給制の業務委託案件の受注を考えている人によくある疑問にまとめて回答します。
業務委託なら時給1万円超も可能?
職種や業務内容にもよりますが、単価の高い案件を効率的に、短時間で完了できれば、時給換算で1万円も不可能ではありません。
ただし、高時給の案件を得るためには、スキルアップや幅広い実績の構築、ディレクションスキル・経験の獲得が求められます。「時給制で業務委託の仕事を受ける際の時給相場」で紹介した金額を大幅に上回っていることから、単純計算でも平均より3倍以上の付加価値を提供できる人材になる必要があるといえるでしょう。
業務委託の時給に最低賃金は適用される?
労働法は雇用される労働者を対象とした法律であり、業務委託契約の受託者には適用されません。例えば、2025年時点の東京都の最低賃金は「時給1,163円」ですが、業務委託契約であればこの金額を下回ってもただちに違法とならないのです。
しかし、違法ではないとはいえ、あまりに低い金額では経済的にも精神的にも仕事を続けることが難しくなるため、安売りし過ぎないことをおすすめします。
また、業務委託で契約しているにもかかわらず実質労働者として扱われている場合は労働基準監督署に相談しましょう。労働者として認められれば、委託側に罰則が科されたり未払いの賃金の支払いを受け取れたりする可能性があります。
業務委託の時給に消費税は含まれる?
時給には、消費税を上乗せして請求することが可能です。
ここでいうところの「時給」とは、業務委託契約における報酬なので、時給としての金額+消費税額を請求することができます。例えば時給1,000円の契約の場合、基本的には消費税10%を上乗せした1,100円を請求します。
受け取った消費税は、課税事業者の場合、仕入れなどで「支払った消費税」を差し引いたうえで、確定申告を行って納税します。課税売上高が1,000万円以下の免税事業者の場合は、納税せずそのまま受け取れます。
ただし、税込み価格で契約していれば時給として提示されている金額のみの請求となります。請求時に揉めないよう、契約前に提示されている金額が税込みなのか税別なのかを確認してから契約を決めましょう。
日給制や月給制は違法になる?
業務委託契約における日給制は、場合によって法的な問題を引き起こす可能性があります。日給制で働く場合、偽装請負とみなされ違法な労働形態になる恐れがあるため、請求書の提出方法も不明確になりがちです。
一方で、業務委託契約における月給制は、契約が明確で労働基準法の適用外であれば原則として違法ではないものの、実際の労働条件によっては問題が生じることもあります。どちらの場合も、契約内容や労働形態を明確にし、必要に応じて労働局に相談することが推奨されます。
まとめ
本記事では、「時給制の業務委託契約が違法ではないのか」という疑問の回答を中心に、時給で業務委託契約を結ぶ時に知っておきたい情報をお伝えしました。
報酬が時給で記載されている業務委託案件も、ただちに違法であるとはいえません。しかし、違法である可能性があること、トラブルになる可能性もあることをふまえ、慎重に案件選びを行いましょう。
業務委託向けエージェントの「ITプロパートナーズ」では、クライアントと直接契約しているため、契約後に聞いていた条件や業務内容と違うというトラブルが起きにくいシステムになっています。スタッフによる案件や、契約・単価交渉のサポートも受けられるため、初めて業務委託契約を結ぶ人でも活用しやすい仕組みです。
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