こんにちは、ITプロマガジンです。
構築や設計、管理から保守まで担うサーバーエンジニア。IT関連の業務が活発化するなか、重要な役割を果たしている職種の一つであるため、資格がないと就けないと思っている人もいるでしょう。
実は、サーバーエンジニアになるために必要な資格はありませんが、資格を持っていることで、スキルや知識の証明になるのはもちろん、いつまでも需要のあるエンジニアになることができます。
今回はサーバーエンジニアの人におすすめの資格をご紹介します。今後もサーバーエンジニアとして活躍し続けたい人や、今目指している人もぜひ参考にしてみてください。
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目次
サーバーエンジニアが資格をとるメリットとは?
冒頭でも少しお伝えした通り、サーバーエンジニアになるために必須な資格はありませんが、仕事に活かせる資格は多岐に渡ります。
資格には大きく「OS関連の資格」と「ネットワーク関連の資格」がありますが、それぞれの資格を取得するメリットやその他のメリットとは、一体どのようなものなのでしょうか。
OS関連の資格を取得するメリット
OSという言葉を聞くと、WindowsやMacを思い浮かべる人が多いでしょう。サーバーエンジニアはサーバーの構築や運用にOSを使用するため、WindowsやMacといった個人向けのPCではなく、サーバー専用のOSを使用します。個人向けのOSとは操作方法が異なるので、サーバー専用のOSの知識が必要です。
十分な実務経験があり、サーバー専用のOSの操作方法を熟知しているのであれば、特別資格は必要ないかもしれません。しかし、実務経験があまりない人にとっては資格を取得することで知識とスキルの証明になり、ご自身の能力をアピールすることが可能です。
ネットワーク関連の資格を取得するメリット
サーバーエンジニアがネットワーク関連の資格を取得すれば、業務を円滑に進めやすくなるでしょう。サーバーエンジニアはネットワークエンジニアと連携してプロジェクトを進めるケースがよくあります。
ネットワーク関連の知識を深めれば、専門分野外の業務内容を理解することができるので、コミュニケーションがスムーズに進むでしょう。また、ネットワーク関連の実務経験がなくても、知識があるという証明になるため、即戦力として重宝されるのではないでしょうか。
資格手当が出る可能性もある
資格の種類や所属する会社・組織の方針にもよると思いますが、資格手当のようなものが支払われることがあります。フリーランスにおいても、取得している資格である種の肩書のように機能し、資格取得者の人がそうでない人より契約料が高いことはよくある話です。
そのため資格がある、つまりある程度の学習を経てスキルを持っているというアピールは、働く上で非常に有利になります。
サーバーエンジニアにおすすめの資格8選
サーバーエンジニアが資格を取得することで、企業に貢献できる知識とスキルを証明することができます。ここではサーバーエンジニアにおすすめの資格をご紹介します。
OS関連の資格
サーバーエンジニアにおすすめのOS関連の資格は3つあります。
①マイクロソフト認定資格(MCP)
マイクロソフト認定資格(MCP)は、マイクロソフト社製品のソフトに関する認定資格です。サーバーエンジニアに役立つ資格としては、「Azure Fundamentals」や「Azure Administrator Associate」などが挙げられます。資格を取得すればWindows関連のスキルを持ったサーバーエンジニアとして評価されます。
②Red Hat 認定システム管理者 (RHCSA)
Red Hat 認定システム管理者 (RHCSA)は、Linux技術者としてのスキルを証明できる資格です。名前から推測できる方も多いかと思いますが、Linuxディストリビューションの一つ、Red Hatを販売しているレッドハット社の認定試験です。
アメリカのIT分野において最も効果的な資格、トップ10にランクインするほど世界的に評価が高い資格となりますが、扱えるサーバーエンジニアはそう多くないので、資格を取得することで、他のサーバーエンジニアとの差別化を図れます。
③LinuC(Linux技術者認定)
LinuC(Linux技術者認定)は、Linux技術者としての知識とスキルを証明する認定資格です。Linuxの知識や技術力を問うのはもちろんのこと、現在のI Tエンジニアに求められる“仮想化技術”や“クラウドセキュリティ”などを出題範囲に加えることで、本当に現場で役に立つ実践的なスキルを証明できます。
LinuCは3つのレベルに分かれていて、レベル1は物理/仮想環境のLinuxサーバーの構築と運用について、レベル2になると仮想マシン・コンテナを含むLinuxシステム、ネットワークの設定と構築について、レベル3は仮想化技術やOSの混在環境の専門家としてのスキルの証明となります。
ネットワーク関連の資格
次に、サーバーエンジニアの仕事に役立つネットワーク関連の資格を2つご紹介します。
④CCNA(Cisco Certified Network Associate)
CCNAはシスコシステムズが実施している世界共通基準のベンダー資格です。取得することでネットワークに関する基本的なスキルはもちろん、一定の実践的なスキルがあることを証明できます。
シスコ技術者認定は5段階のレベルがありますが、CCNAは下から2番目のレベルです。世界的シェアを誇るシスコ社製品に精通している証明となるため、幅広いシーンで活躍ができるでしょう。
⑤CCNP(Cisco Certified Network Professional)
CCNPもCCNAと同じくシスコシステムズが実施している世界共通基準のベンダー資格です。CCNAの一つ上のレベルに該当し、基礎的な問題が中心のCCNAとは違って、応用問題が多数出題されます。
最近ではCCNPの資格取得者に資格手当を支給する企業が増えているので、取得すれば年収アップが期待できるでしょう。
その他取得しておきたいおすすめの資格
サーバーエンジニアとして活躍するためには、OS関連の資格やネットワーク関連の資格以外にも、取得しておきたい3つの資格があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
⑥ITIL®認定資格
ITIL®認定資格は、イギリス政府が作成した「ITIL®」という書籍をベースに作られた認定資格です。取得することで、ITシステムに関するシステムの監視や障害が発生したときの対応など、ITサービスマネジメントの総合的な知識やスキルを証明できます。
ITサービスマネージメントの世界的標準として浸透していて、日本だけでなく世界的に通用する資格であるため、のちのちは海外での活躍を目指したいという人にもおすすめです。
⑦基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、ITシステムの担当者に求められる基礎的な知識やスキルを証明できる資格です。IPAが実施している国家試験であることから、ITエンジニアの登竜門として定着しています。試験内容はネットワークからデータベースの知識、ソフトウェアの開発まで幅広いです。
⑧応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の上位試験に位置付けられます。試験ではIT技術だけでなく、管理や経理まで幅広い知識が問われます。企業によっては資格手当などがあるため、収入アップのためにぜひ取得しておきたい資格のうちの一つです。
サーバーエンジニアの資格取得に効果的な勉強法
サーバーエンジニアにおすすめの資格についてご紹介しました。それぞれ必要な資格を取得するためには、専門分野を効率的に学ぶことが大切です。ここでは資格取得に効果的な勉強法を解説していきます。
参考書で勉強する
参考書で勉強すれば体系的な学習ができるため、しっかり基礎を固めた学習が可能です。最近では書店だけでなく、電子書籍でもさまざまな参考書が販売されているので、自宅でも購入することができます。
参考書を選ぶときは、試験資格の申し込み方法も紹介されている参考書を選ぶといいでしょう。さらに試し読みすれば、自分に合うかどうか判断しやすいので、試し読みしてからの購入をおすすめします。
Webサイトで勉強する
Webサイトを活用すれば、購入費用がかからないので、低コストで学習することができます。またスマホから検索すると、通勤時間や休憩時間など隙間時間を有効活用できるでしょう。ただし、求めている情報に対する答えが見つかるとは限らないため、補足的に活用するのがおすすめです。
スクールの講座を利用する
独学するのは難易度が高いという人は、スクールの講座を利用しましょう。スクールの講座なら疑問点や不明点がある場合、講師に確認できるため、わからないまま放置という状態を防ぐことができます。
ただし、プロの講師から受講できるというだけあって、受講料は高いということを頭に入れておきましょう。
仮想マシンを作るなど実践で学ぶ
サーバーエンジニアとしての技能を身につけるために、実際にサーバーなどを作って学ぶのもいいでしょう。自宅にあるパソコンで仮想マシンを作ったりすれば、勉強する際に必要なソフトウェアなどを導入することができます。参考書やスクールによる学習ではなく、実践的に学びたい人におすすめです。
サーバーエンジニアの年収
国税庁が発表した「 令和3年分 民間給与実態統計調査 」によると、2021年(令和3年)の平均年収は443万円です。サーバーエンジニアは、 マイナビエージェント によると20代で418万円、30代で501万円となっており、30代になると平均を上回っているのがわかります。
サーバーエンジニアはエンジニアであるため、より高い技術力を身に付けていれば、平均金額よりも高額な年収を得ることも可能です。AWSなどのクラウド環境へのスキルを持っていることから、20代でも500万円以上の年俸を受け取っている人もいます。
サーバーエンジニアの仕事内容や将来性
これから資格を取得してサーバーエンジニアを目指す人のために、サーバーエンジニアの仕事内容や将来性について詳しく解説していきます。
インフラエンジニアの仕事内容について
サーバーエンジニアの仕事内容を説明する前に、まずはインフラエンジニアの仕事内容について見ていきましょう。インフラエンジニアとは、クライアントの要望に合わせてインフラを設計したり、設計書に沿ってインフラの構築を行ったり、構築したインフラが正常に稼働するように運用したりする仕事です。
インフラエンジニアは担当する領域や業務内容によって種類が分かれますが、代表的な職種として、サーバーエンジニアとネットワークエンジニアがあります。
サーバーエンジニアの仕事内容は?
サーバーエンジニアは特にサーバー(WindowsサーバーやLinuxサーバーなど)について精通している人ということになります。具体的に言えば、サーバーの筐体選び、もっといえばスペック選びに始まり、どういったサーバー機能を持たせるのか、その機能を生かすためにはどういったミドルウェアを導入するのかを検討、実装、そして安定稼働に努めるのがサーバーサイドエンジニアです。
サーバーエンジニアの現状ですが、どのようなシステムであっても、そのシステムが動作するためのインフラ・ハードウェアは必須であるため、ニーズはゼロとなることはまずないでしょう。
インフラエンジニアの人数が少ない
また、サーバーエンジニアに限らず、インフラエンジニアはアプリケーションエンジニアより数が少ないという問題もあります。過去、当サイトでもご紹介した通り「プログラミング言語学習サイト」はいくらでもあり、極端な話、パソコン一台とインターネット環境があれば、独学でもトップエンジニアになれます。
しかし、インフラエンジニアの育成には、実際にそのハードウェアを触ってみる必要があるため、独力で優れたインフラエンジニアにはなるのは難しく、企業においても育成コストが非常にかかります。結果、インフラエンジニア全体の数が少ないのです。
サーバーエンジニアは、自宅の古いパソコンに無料のLinux系OSをインストールし、サーバーとすることで、ある程度は独力で環境を作ることができます。その点においては、安くても機器が一台数万円以上するネットワークエンジニアなど、他のインフラエンジニアより、独学で学びやすいと言えるかもしれません。
しかし、自宅にサーバーを立てるという発想自体、あんまり普通とは言えませんよね。こうしたサーバーエンジニアを含むインフラエンジニア特有の事情もあり、ニーズはITエンジニア全体でも平均よりやや高い方に入るかと思います。将来的にも、この構図はあまり変わらないでしょう。それはなぜでしょうか?
クラウド環境への変遷
今後、ポイントになるのはクラウドです。AWSを筆頭としたクラウド環境上にサーバーを移行する企業も増えていくでしょう。サーバーエンジニアにもクラウドに対応したスキルが求められていくと思われます。
具体的に言えば、クラウド環境とオンプレミスな環境との違いを理解した上で、オンプレミスな環境からクラウド環境へと移行したにも関わらず、アプリケーション開発者・サービス利用者が意識せずにいままで通りに使える環境とする設計能力、また、クラウド環境へとスムーズに移行させる構築能力、そしてクラウド環境であっても、安定稼働させるだけの保守能力、この3つが必要となります。
まとめ
今回はサーバーエンジニアにおすすめの資格をご紹介しました。サーバーエンジニアが資格を取得するとスキルや知識を証明することができますし、スキルアップにつながる資格がたくさんあることを知っていただけたかと思います。
資格を取得することでライバルとの差別化を図れるのはもちろん、務めたり依頼を受けたりする企業によっては年収アップにもつながるでしょう。自分に合った効率的な勉強法を取り入れて資格取得に挑み、信頼されるサーバーエンジニアを目指してみてください。
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