こんにちは、ITプロマガジンです。
エンジニアの上流工程の仕事が「つまらない」と感じている人は多いようです。「現状を変えたい」「もっと前向きに働きたい」と考えていても、行動できずに悩んでいる人もいるでしょう。問題を解決するには、まず「つまらない」と感じる原因や、やりがいを感じる業務を明確にすることが大切です。
そこで本記事では、上流工程がつまらないと感じる原因やエンジニアの体験談、上流工程のやりがい、つまらない時の対策を解説します。自分の好きな仕事や働き方を模索しているエンジニアはぜひ参考にしてください。
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目次
ITにおける上流工程の特徴
上流工程の主な業務は、クライアントが求めるシステムを作るための基本的なすり合わせや設計です。具体的には以下のような業務を指します。
- 要件定義:クライアントの要求をもとにシステムの概要を明確にする
- 外部設計:要件定義で決まった機能・性能・制約条件などをもとに基本設計を行う
- 内部設計:外部設計をもとにシステム内部の動作や機能などの詳細を設計する
このような、システムの仕様を固める業務が「上流工程」に分類されます。また、開発への知見だけでなく、クライアントとのコミュニケーションや設計のスキルも必要なので、開発・保守よりも難易度が高いのも特徴の1つです。
上流工程がつまらないと感じる原因
上流工程がつまらないと感じる主な原因は以下の5つです。
- 開発に携わる機会が少ない
- クライアント対応や社内調整が難しい
- 資料作成が多くITスキルを生かしにくい
- 同じことの繰り返しが多い
- ユーザーの生の声を聞く機会が少ない
それぞれ解説します。
開発に携わる機会が少ない
上流工程であればあるほどプログラミング技術というよりもコミュニケーション能力が求められるので、「開発をしている」という実感が沸かないことが「つまらない」と感じる原因の1つです。
上流工程はクライアントとの打ち合わせのなかで要件の引き出し・すり合わせ、設計の提案などの業務を中心に行うので、開発業務そのものに集中できるわけではありません。そのため、プログラミングといった実装工程に面白さを感じる技術者肌の人にとっては「つまらない」と感じることもあります。
クライアント対応や社内調整が難しい
上流工程はクライアント対応や社内調整など、コミュニケーション能力が必要とされる場面が多くあります。さまざまな立場の人と関わるため人間関係に悩み、結果として「仕事がつまらない」と感じている可能性もあるのです。
また、コミュニケーション能力よりもテクニカルスキルで勝負したいと思っている人にとっては、上流工程はあまり向いていません。このように、クライアント対応や社内調整にやりがいを感じられないことが、上流工程がつまらないと感じる原因の1つです。
資料作成が多くITスキルを生かしにくい
上流工程ではExcelやPowerPointを使った資料作成の仕事が多くあります。例えば、会議の議事録や報告書、画面設計書(画面レイアウト)・仕様書、説明資料などです。クライアント用・社内用に向けて膨大な資料を用意する必要があり、多くの時間を費やします。
「ITスキルを習得したい」「実装工程で開発スキルを生かしたい」という人にとっては物足りなく感じるでしょう。
同じことの繰り返しが多い
上流工程は、同じことの繰り返しが多くつまらないと感じる人もいます。
上流工程は、基本的に顧客へのヒアリングと自社からの提案を繰り返してシステムの完成イメージをすり合わせていくプロセスです。システムの規模・種類や用いる技術はその時々によって違っても、上流工程の基本的な流れは変わりません。
上流工程エンジニアには開発工程への知見だけでなく、コミュニケーション能力や提案力なども必要とされるので成長機会があるのは事実ですが、実際の開発をメインに行うわけではないので、「新しい技術を取り入れながら実際の開発プロセスを担当したい」という技術肌の人にとっては「同じようなやり取りの繰り返しでつまらない」と感じる原因になります。
ユーザーの生の声を聞く機会が少ない
上流工程ばかりだと、「ユーザー=利用者全般」から生のフィードバックを受ける機会が少ないのは事実です。利用者全般とは、社内SEなら同僚、ベンダーならクライアント企業、toCサービス提供事業者ならエンドユーザーなどを指します。
ユーザーの声がやりがいにつながる人や、実際の声を聞きながらプロダクトに反映していきたい人にとっては物足りず、「つまらない」と感じるかもしれません。このような、ユーザーの声を直接聞く機会が少ないことも「上流工程はつまらない」と感じられる原因といえます。
上流工程がつまらないと感じているエンジニアの体験談
「上流工程はつまらない」と感じているエンジニアは多く存在します。ここでは、Twitterに投稿されているエンジニアのリアルな体験談を紹介します。
日本のスタイルでは上流工程がくっそつまらないことに気づいてしまった。
— samohan (@samugetan2) January 4, 2022
とにかく説明資料を作ることに追われて結局トップの人たちの思いつきに左右されて企画が終わる。
上流工程はクライアントへの説明資料を作成する機会が多くあります。説明資料の内容に関しても意思決定者の意向を汲んだものを作る必要があり、思うように企画を作成できないこともあるようです。業務自体にもやりがいが感じられずつまらないうえに、忖度しながら仕事を進めることに違和感を感じているケースの体験談でした。
それにしても、上流工程で開発プロジェクトだと書類とのにらめっこと打合せばかりで時間ばかりが過ぎて行くことに不安になる。
— をぐ (@wogu) December 27, 2011
上流工程だったらITじゃなくていいじゃん。自分にとってはつまらないなぁ。つまらなくても仕事なのでやるけれども。
上流工程の仕事をするなら「ITである必要性を感じられない」という体験談です。ITエンジニアは、実装している過程に楽しさを感じている人が多く存在します。要件定義書や説明資料の作成や打ち合わせばかりで、開発に携わっている実感がない人には「つまらない」と感じるのかもしれません。
やっぱシステム開発はコーディングしてる時が一番楽しい。設計書書くのはつまらんつまらん。とはいえ、上流工程やっていかないと駄目なのは分かってるんだけどね。
— 天@🐴🐙⚔ (@Tore_Ten) July 18, 2013
コーディングが好きな人にとって「設計書の作成は苦痛に感じる」という体験談です。システム開発に携わりたくてIT企業に入社した人は、開発などの中〜下流工程に魅力を感じている傾向があります。上流工程の必要性を感じながらも、仕事内容がつまらないと感じる人が多いようです。
以上のように、ITに関わる業務に持つイメージと上流工程の仕事内容にギャップを感じている場合や、プログラミングが好きでIT業界に入った人は上流工程を「つまらない」と感じているようです。
上流工程は本当につまらない?確認しておくべき仕事のやりがい
上流工程のやりがいは以下の3つです。
- 自分の考え方が開発・運用に影響する
- 下流工程に比べて収入が高い
- 多様なコミュニケーションを楽しめる
上流工程はつまらないという意見もありますが、やりがいを感じられるポイントも押さえておきましょう。
自分の考えが開発・運用に影響する
上流工程は開発だけを担当する場合とは異なり、ビジネスサイドのやりがいがあります。
クライアントの要望を、具体的にどのようなシステムに落とし込むかは上流工程エンジニアによって異なるところです。優れた担当者であればクライアントの求める成果物に合致するシステムを設計するのは前提としつつ、開発工程がスムーズに進められかつ保守性も高い設計を構想できます。
確かに開発する機会は少ないかもしれませんが、自分の設計によって開発・運用に大きな影響を与えるという点は、責任が大きい分やりがいもあるといえるでしょう。
下流工程に比べて収入が高い
海外では下流工程であってもスキルに見合った収入を得られますが、日本では上流工程になるほど高収入なのが現状です。下流工程を担当している場合、昇給のチャンスが少なく、結果的に収入が増えない可能性があります。
システム開発におけるプログラマーは重要な存在なので、違和感を感じる人もいるかもしれません。しかし、上流工程の方が高収入なのは事実なので、収入という点ではやりがいにつながるといえます。
システムエンジニア(SE)の年収に関する情報はこちらをご覧ください。
多様なコミュニケーションを楽しめる
開発の業務は仕様書に沿って開発を進めるものがメインですが、上流工程は開発に集中している場合と比べて、社内調整や顧客均衡などさまざまなコミュニケーションを味わえるのが魅力です。
上流工程がつまらないといわれる理由に「コミュニケーションが面倒」という意見もありますが、それはその人の適性や好み次第です。デメリットに感じる人もいれば、多様なコミュニケーションをやりがいとして受け止める人もいます。
上流工程がつまらないと感じる時の対策3つ
前項では上流工程のやりがいについて解説しましたが、それでも「つまらない」と感じるのであれば、以下のような対策を検討してみてください。
- 1.異動する
- 2.転職する
- 3.フリーランスとして独立する
それぞれの具体的な方法を解説します。
1.異動する
上流工程がつまらなく感じるだけで会社自体は気に入っている場合、直属の上司などに相談し、開発業務にアサインしてもらう方法もあります。うまくいけば、現在の会社で働きながら開発業務に携われるかもしれません。
また、会社の上流工程を理解していることは、開発業務に携わる時にも役立つことがあります。現在の職場環境に問題がない場合は、まずは転職ではなく異動を検討するのもおすすめです。
2.転職する
現在の職場環境に不満があり異動が難しい場合は、プログラマーなどの下流工程に転職すれば開発を担当できます。上流工程の作業がつまらない人や、クライアント対応や社内調整など、人間関係で悩んでいる人にもおすすめの対策法です。また、下流工程に移るだけでなく、プロジェクトマネージャーやテクニカルエキスパートなどのステップアップも視野に入れておくことをおすすめします。
3.フリーランスとして独立する
企業に属して働くことに難しさを感じている場合は、個人で仕事を請け負うフリーランスとして独立する選択肢もあります。
個人で仕事を受注するにはそれなりのスキルが必要ですが、スキルを習得して仕事を安定して取れるようになると、自分のスタイルで自由度の高い働き方ができます。また、クライアントからの報酬がそのまま自分の収入になるため、年収アップも可能です。もちろん魅力的な企業があれば再就職の選択もできるため、自由度の高さに魅力を感じる人におすすめといえます。
フリーランスエンジニアは本当におすすめ?
フリーランスエンジニアは自分の興味がある案件に挑戦できたり、働き方の自由度が高かったりする点が魅力です。ここでは、フリーランスエンジニアの年収や活躍できるフリーランスの特徴、案件の獲得方法を解説します。
フリーランスエンジニアの年収は?
「フリーランス白書2019」のデータによると、IT系のフリーランスエンジニアのうち「63.2%が年収400万円以上」、「41%が年収600万円以上」となっているので、多くの人が全職種の平均年収かそれ以上の収入を得ているといえます。具体的な年収の割合は以下の通りです。
年収 | 割合 |
---|---|
200万円未満 | 14.6% |
200〜400万円未満 | 21.2% |
400〜600万円未満 | 22.2% |
600〜800万円未満 | 18.7% |
800〜1,000万円未満 | 11.6% |
1,000万円以上 | 10.7% |
無回答 | 1.0% |
また、弊社「ITプロパートナーズ」が2022年に行ったエンジニアなどに対するアンケート調査では、フリーランスとしての年収は「800万〜1,000万円がボリュームゾーン」という結果でした。
どのような人ならフリーランスとして活躍できる?
フリーランスエンジニアに向いている人は、個人で仕事を穫れるスキルがあることはもちろんですが、主体性がありコミュニケーション能力が高く、臨機応変に対応できる柔軟性のある人が向いています。また、必要になる主なスキルは以下の通りです。
- プログラミングやWeb関連の幅広いITスキル
- 自己管理能力
- 営業力
- セルフブランディングスキル
- 事務能力
フリーランスは開発業務だけでなく、営業や事務などさまざまなことを自分でこなす必要があります。会社員より大変な面もありますが、やりがいを感じる人はフリーランスとして活躍できる可能性が高いといえます。
フリーランスエンジニアの案件獲得方法
フリーランスエンジニアが案件を獲得するために最もおすすめなのは「フリーランスエージェント」の利用です。自分のスキルや希望する働き方などを登録すると、希望にあった案件を紹介してくれます。条件の交渉や事務手続きを代行してくれるサービスもあるため、エンジニア業務に専念できるのがメリットです。
専属エージェントが案件獲得をサポートする弊社「ITプロパートナーズ」もフリーランスの方に数多くの案件をご紹介しております。「週2〜3日から働ける案件が豊富」「エンド直の高単価案件が多い」「トレンド技術を取り入れたスタートアップ案件も多い」などの特徴があります。IT/Web系で実績があるという方は、まずは無料登録をして案件を探してみてください。
まとめ
IT/Web系の上流工程はプログラミングなどの開発業務がないほか、資料作成や調整作業が多く「つまらない」と感じる人もいます。しかし、開発業務や運用に影響するシステムの設計を自分で考えられたり、比較的収入が高かったりなどの魅力もある仕事です。それぞれの要因を考慮したうえで「上流工程以外の仕事を探したい」という結論に至った人は、異動や転職、フリーランスエンジニアへの挑戦などを検討してみてください。
フリーランスエンジニアはスキル・経験次第で「年収800〜1,000万円」を目指すこともできます。案件探しに不安のある人は、フリーランスエージェントの「ITプロパートナーズ」への利用をご検討ください。利用企業数2,000社以上を誇り、希望に合った魅力的な案件の獲得を専属エージェントがサポートします。
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