こんにちは、ITプロマガジンです。
今回は「Javaのおすすめフレームワークについて知りたい」という方に向けて、2023年現在でおすすめのフレームワークを紹介します。
また、Javaフレームワークのメリット、デメリットも紹介するのでぜひ最後までご一読ください。
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目次
Javaフレームワークとは
Javaフレームワークとは、Javaプログラミング言語を使用してアプリケーションやシステムを開発するためのプラットフォームです。Javaフレームワークには、多数の種類があります。
それぞれのフレームワークには独自の特徴があるため、最適なフレームワークを選択すると良いでしょう。
フレームワークとライブラリは混同しやすいですが、違いがあります。ライブラリはアプリケーションに特定の機能を実現するために使用され、フレームワークはアプリケーションの設計と開発を効率化するために使用されます。
Javaフレームワークを利用するメリット
Javaフレームワークのメリットは、以下の3つです。
- 開発作業の効率化
- 信頼できるフレームワークの品質が高い
- コーディングルールを共有できる
それぞれの内容を紹介します。
開発作業の効率化
1つ目のメリットは、開発作業の効率化が図れることです。
フレームワークはある種のフォーマットのようなもので、システム開発で利用できる部品と大枠が予め用意されています。よって機能を最初から作り込む必要がないことから、開発作業を効率よく実施でき、結果として開発にかかる時間やコストを抑えるのです。
またJavaフレームワークは、開発に必要な多数のライブラリを提供するため、ライブラリの導入にかかる手間や時間を削減することができます。
信頼できるフレームワークの品質が高い
Javaフレームワークは、多くのユーザーや企業が開発するWebアプリに使用されているため、品質が向上しており安定性が保たれています。
予め作成されているフレームワークですので、プログラムバグの混入を最小限に抑えることができ、品質の高いものを作ることができます。
コーディングルールを共有できる
3つ目は、コーディングルールを共有でき、メンテナンス性を高める事ができます。
システムの開発規模が大きくなると多数の製造要員が必要となります。
この場合多数の製造員が参画することになりますが、すべての要員がプログラム経験を高く技術力をもっているとは限らず、プログラムのコーディングでムラが発生します。
このムラが後のシステムのメンテナンス性にも関係するようになることや障害の引き金にもなる可能性も大きく、品質に影響を及ぼしかねません。
そのため、開発前にコーディングルールを定義していくことになるのですが、フレームワークは予め整形されたプログラムですので、これを採用することによってコーディングのルールを統一させる役目も果たすことができます。
フレームワークの綺麗なコーディングをもとに、各要員によるコーディングも綺麗になるという考え方です。
Javaフレームワークを利用するデメリット
Javaフレームワークには3つのデメリットがあります。
- Java本来の性質を理解できる機会を失う
- 脆弱性に関するリスク
- フレームワークが変わった時の対応
それぞれの内容を見ていきましょう。
Java本来の性質を理解できる機会を失う
1つ目は、Java本来の性質を理解できる機会を失うことです。プログラミングは仕組みを知ることでプログラミングのスキルを高める事ができます。
しかしながら、予め用意されているフレームワークを利用することによって、その裏側にあるJavaの仕組みを理解する機会を失ってしまうのです。深く考えながら技術力を高めるという観点ではデメリットの1つです。
脆弱性に関するリスク
2つ目は脆弱性に関するリスクです。フレームワークはすでに作れたものですが、その作られた際には発見できなかった脆弱性が顕在化するおそれもあります。これによって気づかないうちにシステム構築がなされ、結果として脆弱性が大いにあるシステムとなることもあります。
フレームワークを利用する場合には、事前に脆弱性を確認しそれを考慮した上で開発を進めていく必要があります。
フレームワークが変わった時の対応
3つ目は、フレームワークが変わった場合の対応です。
長い歴史のあるフレームワークであればまだ良いのですが、数々のフレームワークを選んだにもかかわらず、バージョンアップもせずにいずれそのフレームワークが廃れてしまうことや新しいフレームワークのほうが効果的であると判断した場合には、作り直しと共にそのフレームワークの知識を学び直す必要があります。
2023年で人気トレンドのJavaフレームワークはこの3つ
2022年に最も勢いのあるJavaフレームワークのトレンドはこれから紹介する以下2つです。それぞれのフレームワークの中身について紹介をしていきたいと思います。
- Spring Framework
- Play Framework
- Apache Struts
Spring Framework
Spring Frameworkはオープンソースのフレームワークの1つです。このフレームワークが誕生したのが2004年ですが、その後もフレームワークのバージョンアップを繰り返しており、今後も将来性が期待できるフレームワークの1つです。
このような背景もあり、Spring FrameworkはWebアプリケーションの構築において利用されることの多く、企業においても幅広く利用されています。
Spring Frameworkの概要
Spring Frameworkは、Java言語のWebアプリケーションフレームワークに該当しますので、これまでの企業のWebアプリケーションのシステムにおいて利用されるケースが多いフレームワークの1つです。
Spring Frameworkの特徴
Spring Frameworkの特徴としてはシンプルなフレームワークであることです。
Spring Frameworkにはシステムにおいて処理するものが同じであれば、それを集約をするプログラミング手法(AOP:Aspect Orientation Programming)がとれることや、クラスの依存関係を一時的に解消させ、Spring Frameworkを用いて単独クラスの動作確認もできる性質(DI:Dependency Injection)も備えています。
プログラマーにとってはシンプルなコーディングとこのテスト実施の容易さが一番欲しい機能であり、システム開発や改修がとても楽になることから重宝されるフレームワークです。
Play Framework
Play FrameworkはJava言語に加え、Scala言語も利用したオープンソースのWebアプ理ケーションのフレームワークです。このフレームワークは2007年に公開されたものとなります。
Play Frameworkの概要
Play FrameworkはこれまでApache Strutsにおいても紹介しましたが、MVCモデルのアーキテクチャを採用しています。これによってモデルが区分され、開発の生産性が期待できるフレームワークとなっています。
Play Frameworkの特徴
Play Frameworkの特徴として挙げられるのは、このフレームワークで作成されたWebアプリケーションはJavaの環境で動作します。
通常だと、アプリケーションを動作をさせるためには先程紹介したJava EEに含まれる標準機能を使うことが必要なのですが、Play Frameworkの場合はその機能を利用せずとも動かすことができます。よって環境構築も比較的簡単に、また開発も容易にできる特徴があります。
Apache Struts
Apache Strutsは、Webアプリケーションを開発するためのフレームワークとして幅広く利用さています。特に日本においては大変多く利用されています。
Apache Strutsの概要
Apache StrutsはApache Software Foundationから提供されているフレームワークです。フレームワークにおいても、MVCモデル(Model View Controller)をもとに作られたオープンソースフレームワークです。
MVCモデルを採用することによって、開発をそれぞれ、Model、View、Controllerというモジュールに分割することによって作業分担がしやすく、開発の効率化につながるとして広く利用されているフレームワークです。
Apache Strutsの特徴
Apache Strutsの特徴としては、先程のMVCモデルであることから開発のチーム内の作業分担がスムーズで規模の大きなWebアプリケーション開発にも効率よく対応することができます。
またMVCモデルの特徴としてはメンテナンス性が挙げられます。プログラム完成後において修正が発生した場合でもMVCのモジュール毎で修正が可能となることでの効率性やモジュールに分かれていることから修正ポイントの確認が容易であることも挙げられます。
そしてフレームワークの歴史としても2000年に初版作成と古く、現在はApache Struts2として利用されています。
その他おすすめのJavaフレームワークを8種紹介!
このようにフレームワークを利用する際にはメリット、デメリットを考慮した上で採用することが必要です。ではここで、その他のおすすめのJavaフレームワークを8種類紹介していきたいと思います。
- 1.Java EE(Java Platform, Enterprise Edition)
- 2.Apache Wicket
- 3.Spark Framework
- 4.JSF(JavaServer Faces)
- 5.Hibernate
- 6.GWT(Google Web Toolkit)
- 7.Grails
- 8.DropWizard
1.Java EE(Java Platform, Enterprise Edition)
Java EEはJava言語で実装されたアプリケーションサーバにおいて、標準の規格やAPIを定義したものです。このJava EEはJava SE(Java Pratform, Standard Edition)を拡張させたものとなります。
Java EE(Java Platform, Enterprise Edition)の概要
Java EEの歴史は古く初版は1999年となります。Java EEはシステムの規模を問わず利用される事が多く、動的HTTPサーバ機能やトランザクション管理、データベースへの接続、メッセージ機能、及び通信プロトコルの管理といったものがAPIで定義されています。これだけの機能があれば、Java EEがあればシステム構築も容易にできます。
Java EE(Java Platform, Enterprise Edition)の特徴
予めサーバ機能やトランザクション管理、データベース接続、メッセージ機能、通信プロトコル管理といった様々な機能が同梱されているため、システム開発のフレームワークとして幅広く使われています。
2.Apache Wicket
Apache WicketはJavaのWebアプリケーションのフレームワークの1つでオープンソース化されているものです。
Apache Wicketの概要
Apache Wicketは2005年に初版が作られ、Webアプリケーションのフレームワークとて利用されています。
Apache Wicketの特徴
Java言語自体はオブジェクト指向言語として理解されていますが、このApache Wichetはそのオブジェクト指向言語としてのJavaの特徴を最大活用することができます。
具体的にはWebのページをはじめ、ページ内にあるラベル、テキストフィールド、リストボックスといった1つ1つのものをJavaのオブジェクトとして扱うことになります。さらに設定ファイルはweb.xmlファイルのみで画面はJSPではなくHTMLファイルとなります。
3.Spark Framework
Spark FrameworkもJava言語で書かれたオープンソースのWebアプリケーションのフレームワークとなります。
Spark Frameworkの概要
Spark Frameworkはとてもシンプルなフレームワークとして知られています。更に開発の手軽さにも定評があります。
Spark Frameworkの特徴
Spark Frameworkの特徴としては、とてもシンプルであることを説明しました。
もう少しそのシンプルさについて説明すると、Webアプリケーションの構築時においてはラムダ式とよばれるプログラムの記載方法を採用することによってコード量を減らし、さらにstaticメソッドと呼ばれるものを使うことで、手軽にプログラムを実施することができます。
よって開発をする際には生産性が期待できるフレームワークとされています。
4.JSF(JavaServer Faces)
JSF(JavaServer Faces)はJava言語のWebアプリケーションフレームワークの1つで、システムの大規模開発向けのJava EEの仕様の1つでもあります。
JSF(JavaServer Faces)の概要
このフレームワークではWebアプリケーションの画面における文字入力や情報の選択ボックスといったユーザインタフェースに特化したフレームワークと言えます。
JSF(JavaServer Faces)の特徴
ユーザインタフェースに特化したフレームとして文字入力用のテキストフィールドや送信やキャンセルといったボタン、複数の情報を選択する際の選択肢ボタンといった部品がフレームワークで用意されています。
さらにボタンの押下といったユーザの操作イベントに関する制御や入力データのチェック、データ変換機能も用意されており、ユーザインタフェス部分を開発する場合には便利なフレームワークと言えます。
5.Hibernate
HibernateはこれまでのWebアプリケーションのフレームワークと違い、オブジェクト指向型のオブジェクトとリレーショナルデータベースとを結びつけることができるフレームワークツールです。
Hibernateの概要
これまではJavaのプログラミングをする際に、データベースへの問い合わせ、その結果に対するオブジェクトの生成に際して独自にコードを作成する必要がありました。
更にデータベースの構造が変わることによって、それに合わせてJavaのコードを修正することが必要で非常に効率が悪い状況でした。しかしながら、このフレームワークを使うことによって、この煩雑な処理をマッピングによって解消させてくれます。
Hibernateの特徴
Hibernateのこのマッピング処理によって、複雑なデータベースへの問い合わせ、及び処理を容易に実施することができるようになったことで、開発のソースコードの削減を図ることができます。
またオブジェクトとリレーショナルデータベースの関係を読みとれることで、開発時における複雑な処理を構築することなく開発の省力化も図ることができます。
6.GWT(Google Web Toolkit)
GWT(Google Web Toolkit)は簡単にWebアプリケーションを構築できるフレームワークです。Webサイトに関する技術的な知識がなくとも、手軽にサイトがつくれるようにフレームワークとして用意されています。
GWT(Google Web Toolkit)の概要
GWT(Google Web Toolkit)のフレームワークをつかうことで、Ajaxと呼ばれるブラウザが実装するJavascriptのHttp通信を利用した対話型や動的操作ができる機能を駆使したWebアプリケーションを簡単に構築ができます。
GWT(Google Web Toolkit)の特徴
Ajaxを利用するアプリケーション開発においては、ブラウザの特性を踏まえた対応が必要となり複雑なのですが、GWTのフレームワークによって各ブラウウザに適したJavascriptやHTMLのコード調整をしてくれる特徴があり非常に便利です。
このフレームワークをつかって、GoogleはGoogle MapsやGmailといったWebアプリケーションに活用されています。
7.Grails
GrailsはGroovyと呼ばれるプログラミング言語を利用したWebアプリケーションのフレームワークの1つでオープンソース化されています。
Grailsの概要
GrailsはJava言語では作られていないフレームワークではありますが、Javaのプラットフォームで動作をすることができます。
Grailsの特徴
このGrailsの特徴は生産性の高いWebアプリケーションを構築できるようになっています。例えば先程紹介した、SAStrutsのコンセプトにある規約を重視したフレームワークとなっており、複雑なXMLのこのフィギュレーションを設定する必要はありません。
更に、開発環境もWebサーバやデータベースが予め用意されていることあり即時に開発をすることができます。
8.DropWizard
DropWizardはYammerとよばれるソーシャルネットワークサービスのバックエンドWebサービスを提供するために作られたフレームワークです。
DropWizardの概要
このDropWizardには、組み込みWebサーバやJaxRSベースのRESTフレームワーク、ORM、Metricsを収集するためのライブラリや監視ツールといった機能がありますが、アプリケーションのデプロイ方式がとても特徴的と言えます。
DropWizardの特徴
Javaのデプロイ作業は一般的には複雑なのですが、DropWizardでは簡単に作業をすることができます。
デプロイ方式においては、ビルドに必要なライブラリをすべて1つのjarファイルにパッケージし、組み込みWebサーバを利用します。あとはパッケージされたjarとオブジェクト構造が定義されたymlファイルとともにデプロイするだけです。
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まとめ:特徴を理解しJavaのフレームワークを選ぼう!
Webアプリケーションを構築する際には、1から機能を作るよりも予め用意されているフレームワークを利用することで、複雑な処理や機能を作ることもなく、簡単かつ効率よく開発をすることができます。
フレームワークにも特徴があり、向き不向きもあるので、それぞれの特徴を理解した上で活用するとよいでしょう。
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