こんにちは、ITプロマガジンです。
業務委託契約のプロセスでは、契約の前に見積書を要求されるケースもあります。業務委託契約で働き始めたばかりで、「そもそも見積書が必要なのかどうか」「どのように書くべきか」が気になっている方も多いでしょう。
見積書の発行には、さまざまなルールや注意点があるため、知識をよく整理しておくのが重要です。本記事では、業務委託における見積書の概要や書き方を解説します。見積書を発行する際に便利な雛形・テンプレートサービスも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
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目次
業務委託で見積書は必要?
業務委託での見積書は必須ではありませんが、クライアントとの認識をすり合わせ、スムーズに契約や取引を進めていくうえで重要です。
業務委託における見積書は、フリーランスや個人事業主がクライアントに提供するサービスや作業の内容、それにかかる費用の詳細を記載した文書です。一般的には、契約前に提出します。
業務委託の見積書に記載するべき項目
業務委託の見積書に記載するべき主な項目は以下の7つです。
- タイトル
- 発行日・通し番号
- 宛先
- 発行者情報
- 見積金額の総額・内訳
- 有効期限
- 積内容・特記事項
それぞれの項目を詳しく解説します。
タイトル
業務委託の見積書のタイトルは文書の目的と内容を明確に示す役割を果たします。文書が業務委託の見積書であることを明確に示すために、「⚪️⚪️業務についての見積書」などのタイトルを記載しましょう。見積書の上部の目立つ位置に記載するのが一般的です。
発行日・通し番号
業務委託の見積書を発行した日付と、管理のための通し番号を記載します。発行日は、見積書が作成・発行された具体的な日付です。見積書は「発行日から1ヶ月以内まで有効」といった有効期限を設けることもあるため、起算日となる発行日は必ず書きましょう。
通し番号は、見積書に割り当てられた識別番号で、入れておくと文書の追跡や整理が容易になります。
202310-00202(通し番号)
宛先
宛先には、業務委託の見積書の受取人であるクライアントの会社名や氏名を明記しましょう。クライアントが法人の場合は正式な法人名のほか、必要に応じて部署名や担当者の役職名を含めるケースもあります。
宛先が企業や組織の場合は、名称の後に「御中」を付けて敬意を表します。個人宛の場合は、名前の後に「様」を付けるのが一般的です。
株式会社○○ ○○部○○課 ○○様
発行者情報
業務委託の見積書の発行者情報には、発行者の正式な名称を明記します。企業の場合は企業名、個人事業主の場合は個人名が記載されます。具体的には以下の通りです。
- 屋号
- 住所
- 氏名
- 電話番号
- メールアドレス(必要な場合)
- 捺印(必要な場合)
連絡先をいくつか記載しておくと、クライアントが都合の良い方法を選べるため、質問をしやすくなります。
住所 ○○
連絡先 ○○
見積金額の総額・内訳
業務委託の見積書には、サービスや納品物の総額を明記しましょう。
さらに内訳を詳細に記載すると、クライアントが費用の根拠を把握しやすくなります。内訳の項目例は以下の通りです。
- 品番・品名
- 数量
- 単価
- 金額(項目ごとの小計)
有効期限
業務委託の見積書には、その内容(金額、サービスの範囲、納期など)が有効である期間を記載しましょう。一般的には上記の期間が過ぎると、見積もりは無効となります。
有効期限を設けておくと、市場の変動や材料費の変更などに対応できるだけでなく、クライアントに決断を促す効果も期待できるでしょう。また、業務の計画やリソースの割り当てをより効果的・効率的に行うなど、計画を明確化するためにも役立ちます。
発行日より○ヶ月
見積内容・特記事項
業務委託の見積書の見積内容・特記事項には、業務委託の詳細を記載します。業務が追加で発生した場合の対応や支払い条件など、契約に影響を与える可能性のある条件や注意事項があればあわせて記載しましょう。
特記事項は、あくまでも見積内容の詳細を記載するものであり、必ず記入しなければならないわけではありません。
業務委託の見積書作成から契約までの流れ
業務委託の見積書作成から契約までの流れは、以下の3ステップです。
- 見積書の作成
- 業務委託契約書の作成
- 契約の締結
それぞれ詳しく解説します。
見積書の作成
まずは、前セクションで紹介した項目を盛り込んだ業務委託の見積書を作成し、クライアントに提出します。PDFファイルまたは紙面で提出するのが一般的です。
ビジネスマナーを考えるのであれば、直接持ち込むのが理想ではありますが、「クライアントのオフィスが遠方にある」「単発での案件が中心で見積書を作成する機会が多い」などの事情もあるでしょう。直接持ち込むのが難しいようであれば、電子データでの受け渡しでも問題ありません。
フリーランスの見積書の作成方法については、以下の記事も参照してください。
業務委託契約書の作成
クライアントが見積書を承認した後、業務委託契約書の作成に進みます。契約書には、業務の範囲や期間、報酬、支払い条件など必要な情報を盛り込みましょう。契約書を作成しなくても業務を進めることはできますが、思わぬトラブルを防止するために必要です。
一から作成する必要はなく、雛形・テンプレートサービスなどを活用するのがおすすめです。
契約の締結
双方が契約内容に合意したら、契約を締結します。契約が成立した後、合意された条件に従って業務を開始しましょう。
契約書に捺印する前であれば、まだ契約は成立していないため、疑問に思っている部分があれば契約前に解消しておきます。
業務委託で見積書を発行する際に便利な雛形・テンプレートサービス
業務委託で見積書を発行する際は、一から作成するのではなく、雛形・テンプレートサービスを活用するのがおすすめです。具体的には、以下のようなものがあります。
- マネーフォワード クラウド請求書
- Misoca
- board
それぞれのサービスの概要や特徴、メリットを解説します。
マネーフォワード クラウド請求書
マネーフォワード クラウド請求書は、請求書作成ソフトで、見積書や納品書、請求書を一元管理できます。ユーザーはテンプレートを選択し、登録済みの取引先と品目を選ぶだけで、簡単に業務委託の見積書を作成可能です。
作成した請求書の情報は、同社の会計ソフト「マネーフォワード クラウド会計」に自動で反映され、仕訳計上も簡単に行えます。インボイス制度・電子帳簿保存法にも対応しており、法令改正や日々のサービス改善のためのアップデートも頻繁に実施されています。
Misoca
Misocaは、個人事業主や小規模企業向けの、クラウドベースの請求書作成ソフトです。見積書や納品書、請求書をテンプレートを使用して簡単に作成できます。「見積書から納品書・請求書への変換」や、「請求書から領収書・検収書への変換」がクリック操作で可能です。
Misocaの魅力は、シンプルなインターフェースで、システムに慣れていない人でも操作しやすい点です。初めて業務委託の見積書の雛形・テンプレートサービスを探している方におすすめといえます。
board
boardは、クラウド型業務・経営管理システムです。以下の書類のビジネステンプレートを公開しています。
- 請求書
- 見積書
- 発注書
- 発注請書
- 納品書
- 検収書
- 領収書
- 送付状
それぞれテンプレートの種類が充実しており、システムなどに登録しなくてもダウンロードができるため、「手っ取り早く見積書の雛形・テンプレートを使いたい」という人におすすめです。
業務委託で見積書を発行する際の注意点
業務委託で見積書を発行する際の注意点は、以下の4点です。
- 業務の範囲や責任を明確にしておく
- 安易な値下げ・納期設定を行わない
- 最適な送付方法を選ぶ
- なるべく早いタイミングで送付・提出する
それぞれの注意点を詳しく解説します。
業務の範囲や責任を明確にしておく
業務委託で見積書を発行する際は、業務委託の範囲を具体的に記述し、どのような作業が含まれるかを明確にするのが重要です。本記事で紹介した「見積内容・特記事項」の項目を充実させつつ、疑問点があれば解消しましょう。
特記事項の欄には、基本業務と追加業務の条件を記載しておくのも重要です。追加作業を無償で受けて、結果として赤字になってしまうような事態を避けられます。
安易な値下げ・納期設定を行わない
安易な値下げ・納期設定を行わないのも、業務委託で見積書を発行する際に重要なポイントです。見積もりをする際は、全ての費用(材料費や人件費など)を正確に計算し、適切な利益を見込める金額を設定します。安易な値下げは長期的に財務の健全性を損なう可能性があるため、注意が必要です。
個人の業務委託の場合、基本的には自分だけの力で業務を遂行することになるため、余裕を持った納期の設定も重要です。納期を過度に短くしてしまうと、品質の低下や納期遅延のリスクがあります。余裕を持ったスケジュール設定で、高い品質の成果物を納品し続けられれば、クライアントからの信頼性も高まるでしょう。
最適な送付方法を選ぶ
業務委託で見積書を発行する際には、送付方法にも注意しましょう。クライアントの業務の進め方や要望を聞き、その方法で見積書を送付します。例えば、「電子メールを中心にやり取りしているクライアントにはPDF形式で送る」「紙媒体を好むクライアントには印刷した見積書を送る」などです。
ビジネスマナーの理想としては、直接手渡しをし、相手の反応を見ながら話を進めていくのがよいでしょう。ただしクライアントのオフィスが遠方にあるなど、直接出向くのが難しいケースも多くあります。業務委託の場合、それほど大きな金額でなければ、見積書を電子メールで送信しても特に問題はありません。
なるべく早いタイミングで送付・提出する
業務委託で見積書を発行する際、なるべく早いタイミングで送付・提出するのを意識しましょう。見積書の仕上げに気を取られ、提出が遅れてしまうと、その間にクライアントが別の事業者と業務委託契約してしまうリスクもあります。
早いタイミングで送付・提出するためには、効率的に見積書を作成する備えが必要です。なるべく作業をマニュアル化しておき、即時発行できる状態にしておきましょう。
業務委託で見積書を発行するメリット
業務委託で見積書を発行するメリットは、以下の3点です。
- クライアントとのすり合わせがスムーズにできる
- 受注につながりやすくなる
- トラブルがあった際の証拠として機能する
ここまで解説した内容と重複する部分もありますが、最後に見積書を発行する重要性を今一度確認しましょう。それぞれのメリットを詳しく解説します。
クライアントとのすり合わせがスムーズにできる
業務委託で見積書を発行する主なメリットは、クライアントとのすり合わせがスムーズにできることです。見積書を作成することで、業務委託の内容、範囲、費用などが明確になります。
契約前に条件面での交渉・合意を済ませられるため、契約書の作成から業務開始までの流れも早くなります。追加業務や値引きについての項目を定めておくと、より効率的に契約が進められるでしょう。
受注につながりやすくなる
受注につながりやすくなるのも、業務委託で見積書を発行するメリットです。クライアントは、見積書を通じて業務委託の具体的な内容や費用を理解しやすくなります。
見積書には業務範囲やサービス・成果物に関する詳細がまとめられており、細かい条件の確認もできるため、結果としてクライアントに安心感を与えることにもつながります。
トラブルがあった際の証拠として機能する
万が一、業務の遂行中にトラブルが発生した場合、見積書は業務内容や条件を証明する文書にもなります。見積書は、サービスや成果物に関して、初期にどのような合意がなされていたかを記録しています。これにより、後に認識の違いなどが発生しても、「当初はこのような内容で合意していた」と証明可能です。
ただし、見積書に記載されている総額などの情報は、あくまで見積時点のものです。サービス・成果物の正式な金額を証明するために、請求書などの書類と一緒に保存しておきましょう。なお見積書や請求書のような証憑(しょうひょう)書類は、5年の保管期間が設けられています。
まとめ
業務委託で仕事をする際、必ずしも見積書を発行する必要はありません。しかし見積書にはクライアントとの認識をすり合わせる役割があり、契約をスムーズに進めたり、思わぬトラブルを未然に防いだりするために重要です。
見積書を作成する際は、タイトルや発行日・通し番号、宛先など必要な情報を盛り込みましょう。見積書を一から作成する必要はなく、雛形・テンプレートサービスを活用するのがおすすめです。
請求書作成ソフトにも雛形・テンプレートが入っているため、あわせて検討してみるのもよいでしょう。
- 高額案件を定期的に紹介してもらいたい
- 週2日、リモートワークなど自由な働き方をしてみたい
- 面倒な契約周りはまかせて仕事に集中したい
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