Windows向けのアプリケーションやWebサービスの開発に使われる「.NET Framework」。名前は聞いたことがあるけれど、「具体的にどんな特徴があるの?」「.NETと何が違うの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、.NET Frameworkの基本的な仕組みやできること、メリット・デメリット、将来性についてわかりやすく解説します。初心者の方でも理解しやすい内容になっているので、ぜひ参考にしてください。
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目次
.NET Frameworkとは?

.NET Frameworkは、Microsoftが提供するアプリケーションの開発・実行環境のことです。Windows 7以降のWindowsパソコンには基本的にインストールされており、WindowsアプリケーションやWebサービスの開発に広く利用されています。
そもそもフレームワークとは、アプリケーション開発で頻繁に使われる機能をあらかじめ備えた開発の枠組みのことです。.NET Frameworkを活用するとWindows向けのアプリやWebサービスを効率的に開発できるため、多くの企業で採用されています。
.NET Frameworkと.NETの違い
.NET Frameworkは「.NET」と混同されがちですが、それぞれ異なるものです。
.NET FrameworkはWindows上でのみ動作するフレームワークで、Windows向けのアプリケーション開発に特化しています。
一方、.NETはMicrosoftが提供するアプリケーション開発プラットフォームで、完全オープンソースであり無料で利用可能です。さらに、クロスプラットフォーム対応であるのも特徴で、WindowsだけでなくmacOSやLinuxなどの環境でも動作します。
このように、.NET FrameworkはWindows専用、.NETはさまざまな環境に対応しているという点が大きな違いです。
.NET Frameworkの歴史

.NET Frameworkは、Webアプリケーション開発の重要性が高まる中で、効率的な開発環境を提供することを目的に誕生しました。これは、当時のアプリケーション開発が複雑で、習得のハードルが高かったためです。
1990年代後半から開発が進められ、前身である「Visual Studio .NET」を経て、2002年に初の正式版「.NET Framework 1.0」がリリースされました。
その後も、新機能を追加したバージョンが定期的にリリースされ、進化を続けています。現在の最新バージョンは、2022年にリリースされた「.NET Framework 4.8.1」です(2025年3月時点)。
.NET Frameworkを構成する主要な要素
.NET Frameworkは、主に「共通言語ランタイム(CLR)」「基本クラスライブラリ(BCL)」「フレームワーク(FW)」の3つの要素で構成されています。
ここでは、それぞれの要素について詳しく見ていきましょう。
共通言語ランタイム(CLR)
共通言語ランタイム(CLR)は、.NET Frameworkに搭載されている実行環境です。
.NET Frameworkで記述されたコードは、まず「共通中間言語(CIL)」と呼ばれる形式に変換されてから、CLRによって実行されます。.NET FrameworkがC#やVisual Basicなど複数のプログラミング言語に対応できるのは、この仕組みによるものです。
そのほか、CLRには例外処理、セキュリティ管理、メモリ管理、スレッド管理といった機能も備わっています。
基本クラスライブラリ(BCL)
基本クラスライブラリ(BCL)は、.NET Frameworkで使用できる基本的なクラスや機能をまとめたライブラリです。
汎用性の高い機能がクラスとして提供されているため、BCLを活用することで一からコードを書く必要がなくなり、よりスムーズにアプリケーションを構築できます。
フレームワーク(FW)
フレームワーク(FW)は、.NET Framework上で動作する特定の用途に特化したツールやライブラリをまとめた雛形です。Webアプリ開発など、目的に応じたフレームワークが提供されています。
例えば、ASP.NETはWebアプリ開発向けのフレームワークで、広く活用されています。ASP.NETを活用すると、VisualBasicのようにGUIベースでのページ作成が可能です。
.NET Frameworkでできること

.NET Frameworkは、さまざまな開発プロジェクトで活用されている汎用性の高いプラットフォームです。
主な用途として、WebアプリケーションやWebサイト、ゲーム、デスクトップアプリの開発が挙げられます。さらに、機械学習やIoTアプリケーションの開発にも対応しており、幅広い分野で利用されています。
.NET FrameWorkのメリット
.NET Frameworkが広く活用されているのは、次のようなメリットがあるためです。
- 開発コストを抑えられる
- 複数のプログラミング言語に対応している
上記2つのメリットについて、以下で詳しく見ていきましょう。
開発コストを抑えられる
.NET FrameworkはWindowsパソコンに標準搭載されており、無料で利用可能なため、導入コストを抑えられます。開発のために特別なサーバーやファームウェアを購入する必要もありません。
さらに、豊富なライブラリやフレームワークを活用することで作業の効率化を図れるため、人件費の負担軽減も期待できます。
このように、.NET Frameworkを用いると、コストを抑えながら効率的に開発を進めることが可能です。特に企業の開発プロジェクトにおいては、開発期間の短縮や工数の削減により、トータルの開発コストを大幅に抑えられるのは大きな魅力でしょう。
複数のプログラミング言語に対応している
.NET Frameworkは、C#やVisual Basicなど、複数のプログラミング言語に対応しています。
開発チームに複数のエンジニアがいる場合、それぞれが得意な言語を選んで開発を進められるため、チーム全体の生産性が向上します。これによってプロジェクトの進行がスムーズになり、人材確保のハードルも下がるため、開発の柔軟性が高まるのがメリットです。
また、特定の言語に依存しないため、開発者の選択肢が広がり、人件費の最適化も期待できるでしょう。
.NET Frameworkのデメリット

.NET Frameworkはメリットが多い一方で、次のようなデメリットもあるため注意してください。
- 利用環境がWindowsOSに限定される
- 情報が少ない
ここでは、.NET Frameworkのデメリットについて詳しく解説します。
利用環境がWindowsOSに限定される
.NET FrameworkはWindowsOSでのみ動作し、macOSやLinuxでは利用できません。
日頃からWindows環境で開発を行っている場合は問題ありませんが、マルチプラットフォーム対応が求められるプロジェクトでは選択肢から外れるケースも多いでしょう。Windows以外の環境でも動作させたい場合は、.NETなどの利用を検討する必要があります。
情報が少ない
.NET Frameworkは長い歴史を持つ開発環境ですが、他のオープンソース技術と比べると開発者向けの情報が少ない点に注意が必要です。
Microsoftは公式のドキュメントや開発者向けコミュニティを提供していますが、その他のオープンソースの開発ツールと比べると、技術者同士の情報交換が活発ではないという声もあります。
特に、最新バージョンの詳細な実装例やトラブルシューティングに関する情報が不足しがちで、開発中に問題が発生した際、解決策を見つけるのに時間がかかるかもしれません。また、日本語の技術情報は英語に比べて圧倒的に少ないため、英語の公式ドキュメントや海外の技術フォーラムを活用しなければならない場面も多いでしょう。
そのため、.NET Frameworkを使用する場合は、公式ドキュメントを読み込む力や、海外の開発者コミュニティを活用するスキルが求められることを理解しておくことが大切です。
.NET FrameWorkの他に「.NET」とつくもの
「.NET」と名のつくツールは、.NET Framework以外にも複数存在します。ここでは、中でも目にすることの多い「VB.NET」「ASP.NET」「C#.NET」について解説します。
VB.NET
VB.NETは、Microsoftが開発したプログラミング言語です。
もともとは「Visual Basic(VB)」と呼ばれていましたが、2002年のバージョンアップで.NET Framework環境に対応したことから、VB.NETという名称に変更されました。
従来のVBには実行速度が遅いという課題がありましたが、VB.NETでは他の言語と同程度の処理速度に改善されています。また、自然言語に近い構文で記述できるため、初心者でも学びやすい点が大きな特徴です。
ASP.NET
ASP.NETは、Microsoftが提供するWebアプリケーション開発向けのフレームワークです。
WebサービスやWebアプリ開発に特化した機能が豊富に揃っており、動的なWebページを効率的に構築できます。さらに、ドラッグ&ドロップ操作でUIを作成できる機能も備えており、Webの専門知識がなくても直感的に開発を進められる点がメリットです。
ASP.NETは、企業の業務システムやECサイト、ポータルサイトなど、幅広い用途で活用されています。
C#.NET
C#はMicrosoftが開発したプログラミング言語であり、.NET Framework向けの開発環境でC#を使用する際に「C#.NET」と呼ばれます。
実際にはC#とC#.NETはほぼ同じ意味で使われることが多いものの、C#単体ではなく、.NET Framework環境で動作するC#プログラムを指す際に「C#.NET」と表現するのが一般的です。
また、C言語やC++といったプログラミング言語も存在しますが、C#はこれらとは異なり、文法や用途にも違いがあります。
.NET Frameworkの将来性

結論から言うと、.NET Frameworkの需要は今後も続くと考えられます。
日本企業ではWindowsのシェアが高く、.NET Frameworkで開発された業務システムが多く存在します。そのため、新規開発だけでなく保守運用やメンテナンスの案件も豊富で、今後も一定の需要が見込まれるでしょう。
ただし、.NET FrameworkはWindowsOSに限定されるため、マルチプラットフォーム対応の技術にも目を向けることが重要です。クラウド技術や最新のプログラミング言語を習得しておくとエンジニアとしての対応範囲が広がり、さまざまな開発プロジェクトで長く活躍できるでしょう。異なる開発環境にも対応できるスキルを身につけることで、将来的なキャリアの選択肢も広がります。
.NET Frameworkに関するQ&A
最後に、.NET Frameworkに関するよくある質問に答えていきます。これから.NET Frameworkに触れてみたいという人は、参考にしてください。
.NET Frameworkを導入するには?
ほとんどの場合、Windowsパソコンには.NET Frameworkが標準でインストールされています。
ただし、特定のバージョンが必要な場合や、手動でのインストールが求められる場合は、Microsoftの公式サイトから必要なバージョンをダウンロードしてください。
.NET Frameworkの案件の傾向は?
.NET Framework関連の案件では、VBやC#を使用するものが多い傾向にあります。
特に、小売業や製造業をはじめ、業務システムを中心とした開発案件が多いのが特徴です。既存システムの改修や保守運用、システム開発支援といった案件の需要が高いため、長期的に安定した仕事を見つけやすい分野といえるでしょう。弊社ITプロパートナーズでも.NET Frameworkの案件を取り扱っているので興味がある方はぜひご覧ください。
まとめ
.NET Frameworkは、Windows向けのアプリケーションやWebサービスを開発するためのプラットフォームです。
複数のプログラミング言語に対応しており、豊富なライブラリやフレームワークを活用できるため、開発コストを抑えられるのが大きなメリットです。一方で、macOSやLinuxなどのWindows以外の環境では利用できない点に注意してください。
日本企業では.NET Frameworkを使用した業務システムが多く稼働しており、新規開発だけでなく保守運用や改修といった需要も継続すると考えられます。.NET Frameworkのスキルを持つエンジニアの活躍の場は、今後も広がるでしょう。
.NET Frameworkに興味があるなら、ほとんどのWindowsパソコンにはすでにインストールされているため、実際に触れてみるのがおすすめです。実際にコードを書いて動作を確認することで、.NET Frameworkの仕組みや特徴をより深く理解できます。
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