ETLとELTの違いとは?両ツールの使い分け方と活用ポイント

こんにちは、ITプロパートナーズ編集部です。

本記事では「ETLとELTの違いがわからない」という方に向けて、

  • ETLとELTの違い
  • ETLツールとELTツールの使い分け

についてわかりやすく解説します。

他にも「ETLツールとELTツールの活用する方法やメリットがわからない」という悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか?ETLツールとELTツールの活用ポイントも解説するので、ぜひ最後までご一読ください。

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ETLとELTの違い

情報に溢れた現代社会では、組織とも個人とも皆それぞれに多くのデータを抱えています。

デバイス機器の不具合については、修理や交換、買い替えでなんとかなりますが失ったデータを取り戻すことは容易なことではありません。

データというのは唯一無二のものであり、大変貴重なものなのです。

そして企業におけるデータ分析もまた重要課題とされています。

そんな重要度の高まるデータ分析活用において「ETL」または「ELT」を利用すれば効率化が実現できます。

この似たようなアルファベット三文字の違いは、とってもわかりにくいのです。

ETLとELTの違いについて違いや使い分けなどについて説明していきます。

  • ETLとは
  • ELTとは

ETLツールとは

まず、「ETL」についてです。ETLとは、いくつもの様々なデータ加工し利用しやすい形に変えるプロセスのことです。加工したデータを保管し、データをきっちり管理します。

データ処理のステップは次のようになります。

  • Extract(抽出)
  • Transform(変換)
  • Load(書き出し)

これら3つの頭文字からETLという名称が付けられました。特に企業で利用するデータは、日々蓄積され事業やプロジェクトが長期化すればするほどデータ量もそれに比例して増加していきます。

日々生み出されるデータというのは、様々なファイル形式があり、決して統一されているわけではありません。

様々な形にデータが散らばっているようでは、データ活用も手間取り有効活用できないのです。

それらの問題を解決する為にETLツールでデータを加工しフォーマットを統一しデータベースとして保存します。

DWH(データウェアハウス)として蓄積された形になれば、データは有効活用できるのです。ETLツールの企業における役割は社内データの有効活用をするBI(Business Intelligence)ツールで使用されます。

これにより企業にとっての経営戦略を決める重要な要素となるのです。

ELTツールとは

続いて「ELT」についてです。「ELT」も3つの要素となります。

  • Extract(抽出)
  • Load(書き出し)
  • Transform(変換)

この3つの頭文字をとって「ELT」となります。「ETL」との違いは、LoadとTransformの順番が逆になっていることです。要素としては、実は全く同じなのです。

ETLでは、専用ツールを使用しデータ変換などを行うプロセスがありますが、ELTはデータベースにデータを保存してからがスタートとなります。

つまり、データベース内で変換処理を行ってくれるというわけです。結局のところETLとELTの違いとは、変換処理の順番と場所が違うだけなのです。ELTは変換処理に使用する専用ツールやエンジンは不要なのです。

データベースは、普段から利用しているものを使えるので導入においても新たなノウハウを学ぶ必要がなく、即実行することができます。
ETLについては、データ変換の為の専用ツールの使用方法を知る必要があるなど、習得を必要とします。

ETLツールとELTツールの使い分け

ここまででETLとELTについての違いは、ご理解頂けたのではないでしょうか。次にそれぞれの特性を活かしてELTツールとETLツールの使い分けをしましょう。

どちらのツールも保持されているデータを有効的に活用したいという目的は変わりませんが、場面に応じた使い分けをすることでより効果的に処理を行うことができます。

処理の高速性を上げるだけでなく、データ分析力も向上します。

まずはじめに基本的なこととしてETLとELTの違いをよく理解することがパフォーマンスを最大に発揮するには必要です。

  • ETLとELTどちらが優れている?
  • データベースとしては、どちらがいい?
  • クラウドに向いている?

ETLとELTどちらが優れている?

ETLとELT。言葉が似ているだけで、どちらも同じように受けとめられ非常にわかりにくいものですが、ズバリこの2つにおいては、いったいどちらが優れているのでしょうか。

どちらかが優れているということになれば、二者択一でも非常に選びやすいこととなります。それぞれに特徴はありますが、ELTの方がスピードが早いです。

さらに新たなことを習得する必要もないので、利用する側としては非常に使いやすいものでもあります。

そういう意味でもメリットは、非常に大きいと思われます。その反面、データベースへの負荷が高いという弱点もあります。

ELTは、確実に処理は早いのですがデータベースへの負荷を考慮するとユーザーとしては使い勝手に疑問を感じてしまいます。ELT処理時にデータベースが使えないよいでは、本末転倒です。

データベースとしては、どちらがいい?

前述の通り、処理速度では軍配が上がるのがELTです。その速さの理由となるのが、データベースのおかげでもあります。その変わりにデータベースには負荷が高まるわけです。

大量のデータを保持できますが、容量的な面では圧迫されることもあります。諸刃の刃とは少し言い過ぎですが、ELTを使うなら、それなりのデータベース環境が必要なのです。データベースの容量の拡張など汎用性が求められます。

クラウドに向いている?

近年、主流となっているクラウドには向いているのでしょうか?クラウドは企業のみならず、スマホを持っている誰もが簡単に利用するほど、一般的になっています。

便利なクラウドですが、ストレスを感じるようなクラウドシステムなら、使われなくなってしまいます。そんなクラウドのデータベースとしてELT処理を行うことが増加しています。

クラウドデータベースであれば容量問題に対応できますので、ELTとの相性は良いことになります。

ETLツールとELTツールの活用ポイント

次にさらに具体的にETLツールとELTツールの活用ポイントについて触れていきましょう。

ここまででデータベースと連携するELTには大きなメリットがあることも、ご理解頂けたかと思いますが、より深く理解することでイメージがはっきりします。

  • データ処理のタイミングが大事
  • ETLの開発

データ処理のタイミングが大事

様々なデータが存在する現代社会において、業務としてのデータ整備は各企業で日々行われています。

そんなデータ整備においてもELTツールとETLツールは、効果的です。

ELTは処理中のデータベースへの負荷が高く通常業務に支障をきたす場合があります。

例えば端末からの検索で、データ抽出時間がかかるなど、ちょっとした不満が募る場合があります。

ここで、問題となるのがELTを導入しているにも関わらず安易に容量を拡張できないケースです。容量を増やすにもコストがかかるわけですから、企業としては検討されて当然です。

その場合にどうすればよいのか?人間が調整する方法があります。つまりシステムではなく、運用面でカバーするということです。ELTの処理により負荷がかかるなら、人が使っていないタイミングで処理を行えばよいのです。

システムでよく使われる手が夜間バッチで自動処理をすることです。また土日祝日などの休日に行うことによって業務とのバッティングを回避するのです。このように運用面でカバーできることは、数多くあるのです。

ETLの開発

ETLツールを活用することにより、システム間でのデータのやりとりがスムーズにもなります。様々なデータを連携、統合することにより業務を効率化することはできます。

しかし、これらの作業はツールが勝手にやってくれるわけではありません。さらに効率化し自動化する為には、システム開発が必要となります。ELTツールとETLツールの活用するには、データベースの知識や技術が必要となります。

またETLを利用してのデータ抽出には、SQLの知識も必要となります。基礎知識に加えて、さまざまな種類のデータを収集・加工できるようにする開発スキルを習得しましょう。開発スキルとデータベースのノウハウが必要となります。

ETLツールを導入するメリット

これまでの説明でETLツールを導入することにより企業にとってはビジネスを加速させる上で大きなメリットがあることがわかりました。

企業にとっての情報と言うのは、他にはない貴重な資産となります。ETLツールを導入することによって生じるメリットについてふれていきましょう。

  • 情報整理
  • データ品質の向上
  • 開発環境の整備

情報整理

ETLツールを導入することにより、まず第一のメリットとなるのが情報整理です。

企業における情報の統合は、あらゆる面において業務を効率化させるだけでなく無駄を省くことができます。無駄を省けばコスト削減にも繋がります。

企業には、無数のデータが存在していますが、それらが散らばっているようでは、有効活用などできません。

企業にとって目に見える業務改善策として非常にわかりやすいのです。また導入においても専門的知識も必要ないことも大きな魅力です。使い勝手の良さは、UIによる操作が可能なことから負担も少ないのが特徴です。導入においては、敷居が低いのです。

データ品質の向上

結果的にELTツールを導入することにより、データの品質そのものを上げることができます。

データ品質があがれば、それだけ企業にとっては非常に有意義なこととなり、データの価値そのものが高まります。

エクセルファイルやテキスト、CSVファイルなど何種類ものデータを集約することによりデータを使いやすくなりますし、作業面においても人為的ミスの削減をすることができます。

開発環境の整備

ETLツールを導入にすることによって、実務的にも大きな改善を図ることができます。データ整備に対する一連の作業は、日常でのルーチンワークが大多数を占めます。

そんなルーチンワークをETLツールによって効率化することは、危機にとって業務改善の1つとして効果的です。

その上でETLシステムの開発環境の整備というのは、必要となってきます。ETLを使用したシステム開発は、コスト面でも大きく削減することができます。

自社開発により、より業務に近いところでの要望を叶えることができたり、メンテナンスなども社内で行えます。

ELT導入時の注意点や課題

ELTの導入により、膨大な量のデータが一時的にデータベースに蓄積され、情報が流出する危険性に注意しなくてはいけません。

ユーザーやアプリケーションに正確なアクセス権限を与えることが不可欠であり、データへのアクセス構造を正確にすることで、内部不正や悪意のあるソフトウェアから守ることができます。

近年はHIPAA、PCI、GDPRなどのコンプライアンスへの対応が各社必要です。また、データを整理せずにそのまま保存するため、ストレージ容量の需要増にも注意しましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は「【SEが解説】今更聞けないELTツールとETLツールの違いとは」というテーマで詳しく説明致しました。

技術の進歩というのは、時代と共に加速度を上げています。

特にシステム開発やアプリケーション開発などのIT系の職種であれば、情報取得だけでも日々の勉強となります。

次々と生み出されるツールや用語など、少し気を抜けば知らないことが山積みとなります。一般に浸透してからでは、なかなか他人には聞きにくいものですね。そんな中、今回取り上げたETLツールは、長年貯め続けてきたデータを上手く活用できるツールです。

現代ビジネスにおいて企業が保持するデータは、貴重な財産となります。そんな財産を活用しない手はありません。

ETLツールのメリットを理解して、自社のデータを徹底的に活用したいものです。今回、この記事を読んで頂いたことをきっかけに、まだ導入していない企業の皆様は、ぜひ導入を検討してみては、いかがでしょうか。

ETLのメリットを活用し、データ分析のクオリティと高速化を実現させましょう。

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