エンジニアが人工知能で起業する前に知るべき事実

Close up of businesswoman hand presenting in palm digital business strategy

こんにちは。

ITエンジニア・webディレクター・webデザイナーなどのIT人材の自立・キャリアを支援するITプロパートナーズ編集部です。

弊社では、独立精神旺盛な優秀なエンジニアの方々の独立・起業サポートや、フリーランス支援を行っています。
こちらでは、日々の現場でサポートさせていただいている中での、プロの目線で、エンジニアに役立つお話をしてまいります。

今回は、人工知能関連サービスで起業を考えている方に向けて、AI浸透状況や可能な範囲、AIで起業を考えている方に知っておいて欲しい事について書きました。

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ドンピシャ案件の探し方

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人工知能(AI)とは?

最近ニュースなどで話題の人工知能ですが、実は人工知能という言葉に対しては研究者、企業、一般大衆によって認識に大きなずれがあります。

特に最近のメディアの過剰な取り上げ方から、あたかも人工知能を人間の知性と同じようなものと誤解している人も多いのではないでしょうか。

人工知能という言葉が誤解を生みやすいと感じているので、機械学習という言葉をなるべく使ったほうがよいと思いますが。。。

ともあれ人工知能(機械学習)の特徴というのは大量のデータを元にして、繰り返しコンピュータにそのパターンを覚えさせ、人間が特に指示しなくても限定された処理であれば最適な回答を見つける能力を与えるということだと思います。

例えば、人工知能に大量のレントゲン写真を見せ、ガンがある写真の場合のみチェックするような学習を繰り返しすると、医師同様にレントゲンを見ただけでガンがあるかどうかを診断できるようになったという事例がありました。

まさにこれが機械学習というもので、今の「実用的な」人工知能というのはこのような限定されたレベルの知能を指しています。

ちなみに、限定されない人間のような知能を持たせようという研究もされていますが、まだまだ実用的な成果は出ていません。

ただ、実用的なものではないにせよ人間のような知能の萌芽とも言える能力は徐々にですが開発されつつあります。

例えばソフトバンクの子会社が制作するペッパーの最新版では、脳内ホルモンの分泌を参考にしたアルゴリズムを実装し、感情を伴った知能を与える試みがされています。

これらの「人間のような」人工知能は、いずれ実現されて社会に影響を与える日が来るかと思います。

しかし、それはまだ未来の話であり、今は「限定」された人工知能が社会にインパクトを与えつつあるという認識です。

特にディープラーニングという機械学習の手法においての画期的なブレークスルーが起きたことから、今後は人工知能ができることの幅が大きく広がることが予想されます。

人工知能(AI)は今後も需要は増える?

それでは、今後人工知能(AI)の需要は増えていくのでしょうか?

この点については様々な研究機関が人工知能の市場の予測をしていますので取り上げてみます。

・「富士キメラ総研は2016円11月28日、人工知能(AI)ビジネスの国内市場に関する調査結果を発表した。2015年度の国内市場は1500億円であり、2020度には1兆20億円、2030年度には2015年度比14.1倍の2兆1200億円にまで拡大すると予測した。AIビジネスとはAIを使った分析サービスやAI環境を構築するシステムインテグレーション、AIに関連したハードウエアなどを含む。 」

・「EY総合研究所:市場規模は2030年に86兆9,600憶円に拡大」

・「IDC Japan:2019年には1469億円」

研究機関によって予測値にかなりの差がありますが、これは関連する産業の金額をどこまで含むかという定義の部分でブレが生じているのだと思います。

そもそも、人工知能はそれ単体で利用されるものではなく、既存の施設や技術と結びついてその生産性を劇的に向上させるための技術ですから、人工知能単体での見積もりは難しいのでしょう。

ともあれ市場が拡大すること自体は間違いなく、しかも適用範囲も広がっていくことが予想されます。

矢野経済研究所の分析では今後5年単位でどのような分野に広がっていくかを調査しています。

▼人工知能(AI)活用の中長期予測

2020年まで
WEB広告 警備防犯 コールセンター バイオ創薬 医療画像診断

2020~2025年
接客 自動翻訳(基礎)ヘルスケア 金融審査 医療技術の高度化 運輸

2025~2030年
自動翻訳(高度) 介護教育 弁護士税理士業務 自動運転 運輸(自動配送) スマートグリッド(エネルギー) スマートファクトリー

人工知能の能力が上がるほど我々の生活の身近な部分に、そしてスマートグリッドやスマートファクトリーのような大規模な施設運営にも人工知能が利用されると予測されています。

人工知能(AI)で起業するときに必要な人材って?

ここでは人工知能で起業する場合に必要な人材について考えてみたいと思います。

今回はエンジニアが人工知能で起業するという話題ですので、あなたがエンジニアとして起業する場合に、どのような人材が必要かという視点に立って考えてみましょう。

人工知能について専門性がない場合

まず大前提として、人工知能に関してあなたに専門性があるかどうかということです。

もしあなたがエンジニアであっても、人工知能に関してはさほど詳しくない場合は、やはり専門家を探すのが早いと思います。

エンジニアであれば自分で勉強して自分で作るほうがよいと思うかもしれませんが、人工知能に関する専門性、スキルを身につけるためにはそれなりの学習期間と経験が必要になります。
3年先に起業するつもりであれば構いませんが、すぐにでも起業するつもりであれば時間が圧倒的に足りません。

ですので人工知能を得意とするエンジニアを募集することが最善の道だと思います。

人工知能について専門性がある場合

逆にあなたが人工知能に関して深い知識と経験を既に持っている場合は話は簡単です。

起業するということはビジネスを起こすということですので、当然お客さんがいなければ話になりません。

なので、お客さんを探してくれる営業職を探す必要があるということになります。

もちろん自分で営業するという選択肢もありますが、技術開発をしながら営業活動も並行してできるのか?そこは自分自身のスキルや時間との相談になります。

ただ一般的に起業するにあたっては、すべてを一人でこなしてしまう場合はスモールビジネスにならざるを得ません。

株式会社化し、将来的には規模を拡大したいのであれば起業時から企画、営業、開発といった大まかな役割を担当できる人材を確保しておく必要があると思います。

また、人材に関して言えば起業の理念やビジネスに共感してくれる人かどうかも重要です。

開業資金が豊富にあれば求人サイトで高年収を掲げれば優秀な人材を確保することが可能です。

共感などしてくれなくてもお金の力でビジネスを進めることができます。

しかし資金が豊富な状態での起業というのはめずらしく、場合によっては最低賃金も払えないケースすらあります。

となるとお金だけではなく起業の理念に共感してくれる人を探すことが起業時においては重要だと言えます。

人工知能(AI)で起業するために知っておくべきこと

人工知能に限らず、すべての技術系起業に対して言えることですが、自分たちの起業はプロダクトアウトかマーケットインのどちらのアプローチなのかを自覚する必要があるかと思います。

ここで言葉の説明をするとプロダクトアウトとは要するに新しい技術が先にあって、この技術を広めればお金儲けができると考えるスタンスです。

一方マーケットインとは既に存在する社会的な問題を解決するというスタンスから起業を行います。

プロダクトアウトの起業ケースの場合

技術分野の起業で陥りやすい失敗としては、プロダクトアウトを過信しすぎてしまうことです。

要するに「この製品は素晴らしいのだから必ず売れる」「この人工知能は画期的だから売れる」と考えてしまう間違いです。

プロダクトアウトの問題は、仮に優れた製品であっても消費者が必要と思わなければ売れない・・・という視点が欠落しやすいことにあります。
いくら良い技術でもそれに見合った価格でなければ使われることはありませんし、価格をタダにしてもニーズが無ければ使われることすらないでしょう。

画期的な人工知能が開発できたので、これを大々的に売りたいと考えている場合は営業活動、広告戦略、ユーザー教育の面でも真剣に考える必要があります。

もし資金に余裕がないようなら、例えば大企業と提携してライセンスだけは確保するけれども、販売や広告はすべてまかせてしまうという戦略も有効だと思います。

マーケットインの起業ケース

逆にあなたはマーケットインで起業を考えているとしましょう。

このアプローチの場合は、既に何らかの問題を抱えているお客さんに対して、人工知能を使って解決策を示してあげるというスタンスになるかと思います。

ここで問題になるのは競合の存在と、やはり顧客開拓の問題です。

マーケットインの場合はまったく新しい技術という訳ではないので、同じようなビジネスをしている人が既にいる可能性があります。仮にあなたが最初の起業家だったとしても成功したらマネをする人が続出するでしょう。

このようにマーケットインの場合は常に競合を意識して、競合との差を考えていかなければなりません。

またプロダクトアウトほどではないですが、顧客開拓の努力は必要になります。

プロダクトアウトにせよマーケットインにせよ、自分のアイデアに惚れ込んでしまい、放っておいてもお客さんは来るという幻想を抱くケースが結構ありますが、それはあくまで幻想であると自覚すべきです。

人工知能(AI)で成功するためには?

人工知能の分野は成長産業ですので成功しやすいというイメージがありますが、成長産業と言うのは新規参入も多いため必ず成功するかと言うとそうではありません。

むしろ成長している分、市場を支配してしまう企業が生まれやすい土壌があります。

IT産業でもマイクロソフトやインテル、グーグルなどの巨人が生まれましたが、その裏には無数の敗者が存在するのです。

なので最初から大きな成功というものを目指すのではなく、まずは自分はどんな起業をしたくて、どうなれば成功であると思えるかを起業時に決めておいた方がよいと思います。

IT産業の例で考えれば、中小企業であってもそれなりに存在感を示している企業はたくさんあります。

予測ですが、IT産業の多くがソリューション系の企業に支えられている現状を考えると、人工知能においてもお客様の課題を解決するソリューション企業が多数出てくると思います。

このようなソリューション系の企業は自社固有の人工知能というものを持たず、お客様の課題を解決する為に最適な人工知能を組み合わせることが主業務になると予想します。

これはあくまで一例ですが、既にIT産業で起きたことが人工知能の市場でも起きると考えて起業をすると成功しやすいのかもしれません。

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