世界中でヒットしたアプリ開発の勝因は「あきらめない」こと【小林高志さんインタビュー】

自社開発のアプリが全世界で100万ダウンロード目前という株式会社woodsmallの代表取締役、小林高志氏。

システム開発会社、モバイルコンテンツ制作会社を経て、3年前に独立。エンジニアだけでなくデザイナー、フォトグラファーと多彩に活動する小林氏は新たなビジネス展開を見据えてITプロパートナーズを利用したという。その理由、そして自身の今後の事業、いま必要とされているITクリエイターの姿などを教えてもらった。

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揺るぎない信念が起業の大きな原動力に

Q.これまでの経歴を教えてください。

大学卒業後に株式会社日本システムコンサルタントに入社して主に商社の発注・在庫管理、勤怠システムなどクライアントサーバーのシステム開発・運用に携わっていました。8年勤務して、別のシステム開発に転職。ここでは1社目と同じような仕事をしていました。

そこからモバイルコンテンツの制作会社に移ってキャリアの公式サイトをはじめ、SNS、Android、iPhoneアプリの企画開発を担当。この時期、世間がスマートフォンに移行し始めたタイミングだったので、この会社ではいろいろなことをやりましたね。

Q.名刺の肩書きにある“カメラマン”というのもこの会社で習得したスキルですか?

もともと趣味程度で撮っていたのですが、フォトスタジオ事業を立ち上げるということで1年ほどカメラマンとして活動していました。カメラだけでなくムービーも撮影して編集までやっていましたし。

飽きっぽい性格なので、この会社でいろいろなことを経験できたのは、とても良かったと思います。ここでの“なんでもやる”という働き方が今の事業に通じているところもありますから。

Q.3年前に株式会社woodsmallを起業したそうですが、ゆくゆくは独立しようと考えていたのでしょうか。

20代の頃から漠然と起業したいとは思っていましたが、3社目の頃、自分がやりたいことを提案してもまったく受け入れてもらえずで。だったら、独立して自分でやったほうがいいじゃないかと。そう決めて1週間後には自社を立ち上げていましたね。

Q.すごいスピードですが、仕事はすぐにあったのですか?

仕事マッチングサイトに片っ端から登録したり、知り合いや身内にも「仕事がないか」と電話をしたりしてつなげていきました。以前の会社ではセールスもやっており、営業成績はトップだったので、ゼロベースでも仕事をとる自信はあったんです。

まずは、需要がありそうなWebサイトの制作からスタートして、その後はアプリの受託開発が多くなりましたが、受託だとどうしても入金が不安定になってしまう。それを避けるためにも自社アプリを開発して、広告事業を柱にしようと考えました。2期目で軌道にのって、2期目の下期で広告事業だけで会社員時代の給与を超えましたね 

Q.ITプロパートナーズにエンジニアとして登録した経緯は?

ITプロパートナーズのビジネスモデルを勉強しようと思ったからです。今後、woodsmallでは新規事業を立ち上げ、社員を増やしたいと考えていますが、立ち上げ当初は資金面が厳しいことが予想されます。

そんなとき、woodsmallの社員をITプロパートナーズに登録してもらって週に2、3日は別企業、残り数日を弊社事業に注力することで給与面の安定を確保。このスタイルを社員に推奨できればと考えたのです。

Q.経営者の立場から見てもITプロパートナーズのサービスは魅力的でしたか?

はい。IT業界で週に2、3日勤務でOKなんて、いままで見たことがなかったですからね。とてもいいサービスだと思いました。

僕は自分がやったことのないことを人にやらせるのは好きではなくて、まずはなんでも自分で経験したいタイプ。ですから経営者としてではなく、エンジニアとしてITプロパートナーズを体験して、弊社のワークスタイルに取り入れられるかトライしたかったんです。

Q.経験した結果、いかがでしたか?

とても良かったです。週3日という働き方だけでなく、派遣先の企業の内部体制などを知ることができたのも大きなメリットでした。起業してからはアプリのアイコンデザイン以外はすべて自分ひとりで行ってきたので「ひとりが一番効率がいい」と考えていましたが、今後、社員をとるとなるとそうもいかない。ですから、企業でチーム開発する姿を間近で見られたことは勉強にもなったし、新鮮でもありましたね。

そして、派遣先の社長が目標を持ってきちんと結果を残している素晴らしい方だったことも、同じ起業人として素直に刺激を受けました。エンジニアと経営者の両方の目線から見て、メリットの多いサービスだと感じたので、今後、woodsmallでも取り入れたいと思っています。

週に3日はITプロパートナーズ、残り4日は自社事業に夢中の毎日

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Q.1週間の過ごし方は?

月~水曜の10時~19時まではITプロパートナーズで企業に常駐。自宅兼、事務所のため、帰宅後は21時~23時まで自社事業ですね。残りの4日は9時~22時まで自社事業で、昼食後の15分、昼寝をするのが日課。昼寝を取り入れることで頭がスッキリして、午後の業務に効率よく取りかかれるんですよ。

一応、土日休みとしていますが実質、休んでいませんね(笑)。今は、仕事が楽しくてしょうがないので。ただ、バイクが趣味なので土日、どちらかの午前中は走りに行って気分転換。近所の公園に息子と遊ぶにいくこともあります。

全世界で使える電卓アプリが100万ダウンロード

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Q.小林さんが開発した「電卓アプリ」が100万ダウンロード目前のようですが、ヒットした要因は?

アプリ開発にあたって考えたのが全世界で老若男女問わず使えるもの。それで思いついたのが電卓です。“シンプルでスタイリッシュな電卓”がテーマで四則演算に対応し、キー配列も卓上電卓と同じ仕様。そのため、仕事で日常的に電卓を使うビジネスパーソンには「使いやすい」と絶賛の声をいただいています。

オープンから数か月は鳴かず飛ばずのアプリでしたが、決してあきらめませんでした。Googleの成功事例を原文で丸2日かけて読み込んで、ひとつずつ実践。定期的にアップデートを繰り返した結果が勝因でしょうね。

オールマイティに動けることがクリエイターの条件

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Q.今後、市場価値が高まるエンジニア、クリエイターとは?

いままでは小さな分野に特化して専門的にできる人が受け入れられたと思いますが、今後はオールマイティにクリエイトできる方が求められると思いますね。プログラミングはできるけどデザインのことはデザイナーに任せればいいや、では市場価値は下がる一方。

起業当初は自分がセールスをして制作は外部のエンジニアやデザイナーにお願いしていましたが、何度か逃げられたことがありまして(笑)。途中で「できない」と放り出されたり、納期が厳しいと断られたり。それで「本当にできないのか?」と自分でやってみたんです。先ほどもいいましたが、まずは自分で試すタイプなので。そうしたら、できるんですよ、問題なく(笑)。

そこから何でも自分でやるようになったのですが、知らないこと、わからないことは詳しい人に聞いたり、本やネットを見て知識を蓄えていきました。この経験があったからこそ、どんな要件定義に対しても即、回答ができますし、事業の幅も広がりました。

Q.今後のワークスタイルの展望を教えてください。

売上目標を前年比の2倍に掲げており、今のところ順調に達成しているので今期も引き続き収益達成を目指すこと。そして、自社アプリの開発に加え、自社プロダクトにも着手し販売に向けて動きたいので、社員確保とチーム開発の体制を整えていきたいと考えています。

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