Pythonはシンプルな文法と高い汎用性から、初心者から上級者まで幅広く支持されている人気のプログラミング言語です。そのPythonでの開発をさらに効率化してくれるのが、「フレームワーク」の存在です。
本記事では、おすすめのPythonフレームワークを紹介します。フレームワークを活用するメリットやPythonフレームワークの選び方も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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目次
Pythonフレームワークとは?

Pythonフレームワークとは、Pythonによるアプリケーションやシステムの開発を効率化するためのツールです。一般的にフレームワークとは、アプリケーション構築に必要な基本的な枠組みや処理をあらかじめ用意した「土台」のようなもので、ゼロからコードを組み立てる手間を省き、作業時間やコストを大幅に削減できます。
Pythonは機械学習やWeb開発、データ分析など幅広い分野で活用されている需要の高い言語で、多種多様なフレームワークが登場しています。プロジェクトの目的や規模に応じて適切なPythonフレームワークを選ぶことで、開発のスピードと品質の両方を向上させられます。
Pythonフレームワークの分類
Pythonフレームワークは、用途や提供される機能の範囲によって次の3つに分類されます。
- フルスタックフレームワーク
- マイクロフレームワーク
- 非同期フレームワーク
ここでは、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
フルスタックフレームワーク
フルスタックフレームワークは、Webアプリ開発に必要な機能が一通り揃っているフレームワークです。データベース操作やユーザー認証、フォーム作成など、Web開発に欠かせない要素がまとめて提供されるため、規模の大小を問わず幅広い案件で活用されています。
ただし、機能が豊富である分学習コストが高く、習得にはある程度の時間と経験が必要です。フルスタックフレームワークを初心者がいきなり使いこなすのは難しいでしょう。
マイクロフレームワーク
マイクロフレームワークは、機能をあえて絞り込んで提供される軽量なフレームワークです。ルーティングやリクエスト処理といった最小限の機能を備えており、必要な機能を追加しながら柔軟に開発を進められます。
そのシンプルさから起動も高速で、主に小規模なアプリ開発に用いられています。機能が少ない分、習得の難易度は比較的低く、初心者でも扱いやすいフレームワークです。
非同期フレームワーク
非同期フレームワークは、その名の通り非同期通信に対応したフレームワークです。非同期通信とは、データの送受信において送信者と受信者が同時に処理を行う必要がなく、タイミングを合わせずにやりとりができる仕組みです。
この仕組みによって、非同期フレームワークは複数のリクエストを同時に処理する能力に優れており、レスポンス速度が求められるリアルタイム通信や、大量のデータを扱うアプリケーションに適しています。
Pythonフレームワークを活用するメリット

Pythonフレームワークを活用すると、多くのメリットがあります。ここでは、具体的なメリットを4つ紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
開発スピードが向上する
Pythonフレームワークを活用すると記述するコード量が大幅に減るため、開発スピードを格段に向上させられるのが大きなメリットです。ゼロからすべてをプログラミングする場合と比べて、必要な機能を短時間で実装できるため、効率的に作業を進められます。
さらに、フレームワークが提供する共通の処理やテンプレートを使うことでバグの発生率も低下し、修正にかかる手間や時間の削減も可能です。これらは納期が厳しい案件やリリースまでの時間を短縮したいプロジェクトなどで、特に大きなメリットとなります。
コードの統一性を保持できる
フレームワークを活用することで、開発チーム全体が共通のコーディングスタイルや構造に従って作業できるようになり、コードの統一性を保持できます。
複数人でプロジェクトを進める場合、各開発者のスキルやクセによる書き方の違いが混在すると、コードの可読性や保守性が低下するケースも少なくありません。フレームワークを活用すれば、こうしたコードのバラつきを抑え、意図しないミスも未然に防ぎやすくなります。
さらに、開発ルールがあらかじめ定義・共有されるため、コードレビューや後任者への引き継ぎ作業も効率化され、チーム内のコミュニケーションがよりスムーズになります。これにより、大規模な開発プロジェクトや長期的な運用にも柔軟に対応できる体制を整えられるのもメリットです。
セキュリティ対策につながる
フレームワークはセキュリティ面にも配慮された設計がされており、ゼロからセキュリティ機能を実装する必要がありません。そのため、開発者個人のスキルに左右されず、一定水準の安全性を保ちやすいというメリットもあります。
例えば、既知の脆弱性への対応や暗号化などの機能が標準で備わっているフレームワークなら、セキュリティ実装にかかるコストや手間を削減できます。外部からの攻撃や内部のミスにも強く、信頼性の高いサービス構築が可能になる点も、フレームワークの大きな魅力です。
案件獲得に役立つ
Pythonフレームワークに精通していると、開発のスピードや品質の面で即戦力とみなされ、案件獲得にも役立つのもメリットのひとつです。特定のフレームワークに関するスキルを応募条件として挙げているプロジェクトも多く、人気のフレームワークに精通していれば選考に進みやすいでしょう。
フリーランスや副業エンジニアとして活動する場合でも、より幅広い案件に挑戦できるようになり、キャリアの選択肢が大きく広がります。弊社ITプロパートナーズでも、Python案件を豊富に取り扱っています。人気フレームワークDjangoを使用する案件は、2025年6月時点で約90件募集しています。興味のある方は、是非案件内容を確認してみてください。
おすすめのPythonフレームワーク12選
Pythonフレームワークにはさまざまな種類があり、開発の規模や目的に応じて適したフレームワークが異なります。以下の表に、おすすめのPythonフレームワークを分類別にまとめました。
フルスタックフレームワーク | ・Django ・web2py ・Pylons ・Tornado |
マイクロフレームワーク | ・Flask ・Bottle ・CherryPys ・Dash |
非同期フレームワーク | ・Sanic ・FastAPI ・Tornado |
機械学習向け | ・TensorFlow ・PyTorch |
それぞれのフレームワークの特徴について、以下で詳しく見ていきましょう。
Django
Djangoは、多機能なフルスタックフレームワークとして非常に人気があります。幅広い用途に対応でき、複雑なWebアプリやAI連携システムの構築などにも適しています。また、コードの統一性を重視した設計となっているため、複数人で開発を進める大規模プロジェクトにも最適です。
日本語の書籍やインターネット上の情報が充実しているため、学習や開発の際に参考となるリソースが豊富である点もメリットです。ただし、機能の豊富さ故に設計が複雑で、学習コストが高めである点には注意してください。
web2py
web2pyは、アジャイル開発に用いられるフルスタックフレームワークです。Windows・Mac・Linuxと主要なOSに対応し、セキュリティ機能も充実しています。データベース接続、Web サーバー、API ライブラリがひとつにまとまっており、web2py内でアプリの開発・実行を完結できるのがメリットです。
もともとは学習用に設計されたという背景があり、習得難易度は比較的低めとなっています。
Pylons
Pylonsは、オープンソースのフレームワークです。現在はメンテナンスモードに移行しており、後継フレームワークである Pyramid への移行が推奨されています。Pyramidはシンプルなアプリから大規模なシステムまで対応可能で、軽量で柔軟な開発が可能です。
Tornado
Tornadoは、小規模なWebアプリの開発に適した軽量なマイクロフレームワークです。非同期通信に対応しており、高速かつ効率的な処理が可能で、数万単位の同時接続を処理できる高いスケーラビリティが特徴です。
そのため、チャットアプリなどリアルタイム通信が求められるサービスにも活用できます。ただし、他のPythonフレームワークに比べて知名度はやや低く、日本語での情報が少ない点に注意してください。
Flask
Flaskは、必要最小限の機能を備えた軽量なマイクロフレームワークです。シンプルで習得しやすい構造が特徴で、初心者にも扱いやすい点が魅力です。
フレームワークによる制約が少なく、開発の自由度が高いため、個人開発から中規模なプロジェクトまで幅広く利用されています。一方で、デフォルトで用意されている機能は限定的なため、その他の機能は別途構築する必要があり、開発するシステムによっては工数が多くなる点に注意が必要です。
Bottle
Bottleは、わずか1つのファイルで構成されている非常にシンプルなマイクロフレームワークです。その軽量さと設計の分かりやすさから、小規模なWebアプリケーションの開発や個人開発に特に適しています。
公式ドキュメントの情報量は多くありませんが、機能自体がコンパクトにまとまっているため、初心者でも直感的に理解しやすいでしょう。
CherryPys
CherryPyは、Pythonでオブジェクト指向のWebアプリケーションを構築するためのフレームワークです。高速性と高い安定性が特徴で、パフォーマンスを重視した開発にも対応できます。内蔵のHTTPサーバーを備えているため、外部ソフトウェアを導入しなくてもWebアプリケーションを実行できるのもメリットです。
さらに、Pythonの標準ライブラリだけで動作するため、依存関係が少なく、インストールや初期設定も非常にシンプルです。
Dash
DashはFlaskをベースに開発されたPythonのフレームワークで、主にデータの可視化やダッシュボードの構築に特化しています。シンプルなPython構文だけでWebアプリケーションを開発できるのが特徴で、HTMLやJavaScriptなどのWeb技術に詳しくなくても扱いやすいのが魅力です。
特に、インタラクティブなグラフやデータ分析ツールを効率的に作成できることから、主に金融や研究、データサイエンスの分野で活用されています。
Sanic
Sanicは非同期型のWebフレームワークで、高速なリクエスト処理性能を備えている点が特徴です。Flaskに似た直感的な設計となっており、初心者でも扱いやすく、学習コストを抑えながら効率的に開発を進められます。
非同期処理に対応しているため、大量のリクエストや同時接続を処理する必要があるリアルタイム性の高いアプリケーションに適しています。そのため、例えばチャットアプリやストリーミングなどにも活用可能です。
FastAPI
FastAPIは、Pythonで高速にAPIを構築するための非同期フレームワークで、その名前の通りスピーディな開発と動作速度を兼ね備えているのが特徴です。少ないコードで直感的に操作できるため、初心者から経験者まで幅広い層のエンジニアに支持されています。
日本語の公式ドキュメントが充実しており、初学者でも学習を進めやすい点が大きなメリットです。一方で、より詳細な技術情報については英語のドキュメントを参照しなければなりません。
TensorFlow
TensorFlowは、Googleが開発したオープンソースの機械学習フレームワークで、ディープラーニングをはじめとする高度なAI開発に幅広く活用されています。また、スマートフォンやIoT向けには軽量版の「TensorFlow Lite」が提供されており、AndroidやiOSといったモバイルデバイスでも機械学習モデルを動作させることができます。
世界的にユーザーが多いため公式ドキュメントやサンプルコード、学習教材が豊富で、情報を手に入れやすいのもメリットです。
PyTorch
PyTorchはFacebook(現Meta)が主導して開発した深層学習フレームワークです。機械学習に用いられるライブラリ「NumPy」と共通する操作感があり、機械学習の経験がある方なら比較的スムーズに習得できるでしょう。
開発コミュニティが活発で、操作方法や実装に必要な情報も豊富です。また、人工知能の研究者にも広く利用されていて、GitHubで論文などが公開されることもあります。
人気のPythonフレームワークは?

JetBrainsの調査では、Pythonフレームワークの使用率は以下のような結果となっています。
言語 | 使用率(2022年) | 使用率(2023年) |
---|---|---|
Django | 39% | 40% |
Flask | 40% | 38% |
FastAPI | 20% | 25% |
web2py | 3% | 4% |
Tornado | 3% | 2% |
※引用元:JETBRAINSの調査データをもとに表作成
これを見ると、DjangoとFlaskが特に人気を集めており、近年はFastAPIも使用率を伸ばしていることがわかります。
Pythonフレームワークの選び方
Pythonフレームワークは種類が豊富で、これから学ぶ人にとっては「どれを選ぶべき?」と悩むこともあるでしょう。ここでは、Pythonフレームワークを選ぶ際にチェックしておきたい「目的」と「難易度」について紹介します。
フレームワーク選びに迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
目的で選ぶ
開発したいアプリケーションの種類や用途が明確になっているなら、それに最適なフレームワークを選びましょう。例えば、Webアプリをスピーディに開発したい場合は、機能性と汎用性の高いDjangoがおすすめです。一方、機械学習やデータ解析に挑戦したいなら、TensorFlowやPyTorchが適しています。
用途を明確にしておくと学習すべきポイントも分かりやすくなり、フレームワーク選びだけでなく学習もスムーズに進められるでしょう。事前に「なにを作りたいのか」「どのような分野に興味があるのか」などを整理しておくのがおすすめです。
難易度で選ぶ
初心者の方にとっては、難易度も重要なポイントです。最初から難易度の高いフレームワークを選んでしまうと、学習コストが高く、途中で挫折してしまうかもしれません。
機能を絞って軽量に設計されたマイクロフレームワークなら、習得のハードルが低く、基礎から学ぶのに最適です。まずはこうしたフレームワークで基本的な構造や使い方を理解しましょう。
そして、ある程度Pythonフレームワークに慣れてきてから、機能性や汎用性に優れたDjangoなどのフルスタックフレームワークへステップアップするという選択肢もあります。
まとめ
Pythonフレームワークには、開発スピードの向上やコードの統一性、セキュリティ対策のしやすさなど、さまざまなメリットがあります。フルスタックフレームワーク・マイクロフレームワーク・非同期フレームワークと大きく3つの分類があるため、目的に応じて最適なものを選びましょう。
これからPythonフレームワークの習得を目指す場合は、自分のスキルや開発目的に合ったものを選ぶのがおすすめです。Pythonフレームワークに関するスキルは需要が高く、習得しておくと案件獲得にも役立つため、ぜひチャレンジしてみてください。
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